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鬼の仲間として
59 逃亡?
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翌日、早朝のことです。キヅミさんが大慌てで私のところへ走り込んできました。
「美玖さん、大変です。牧場で逃亡を図ったニンゲンがいます」
「えっ、逃亡?!」
それは大変です。牧場の最終管理責任者は私なのです。逃げられたりしたら私の責任になります。
「で、そのニンゲンは?」
「はい、塀を越えられずにいたところを捕獲し、隔離しています」
ひとまず、安心ですね。しかし、何故いきなりこんなことを仕出かしたのでしょう?
外に出れば、河童に殺されて食べられてしまうということはシッカリ教えられているはずなのです。事情を聞かなければなりません。
「キズミ、他のニンゲンに不審な行動が無いか、しっかり監視して!」
「大丈夫です。既に部下に命じてあります。心を読める特殊能力を持った部下がいます。一人ずつ確認し、良からぬことを考えている奴は隔離します」
「えっ、そんなスゴイ能力者がいるの?」
これは初耳ですよ。凄いです。
「心が読めると言っても、考えていることが事細かに分かるというのではありません。大まかな感情を読み取ることが出来るのです。逃亡を考えるような不安や恐怖を感じていれば、見つけ出すことが出来ます。特殊能力といえばナユさんやリューサ様の方が断然凄いですよね」
ああ、ナユさんってば、生物の体内を透視出来るんでした。……あ、あれ?
「ちょっと待ってよ。リューサ様も、なにか特殊能力持ってるの?」
あのトンデモナイ治療薬は、特殊能力とは違います。純粋な知識のはずです。
「あ、御存じなかったのですか? リューサ様は、異界出入りの能力をお持ちです。人間界に行くことが出来る御方なのです」
「はあっ!!」
いやいや、初耳だし、これは聞き捨てなりませんよ!
もしかして、私ってば、実はリューサ様によってこの世界に連れてこられていただなんて、そんなことないですよね?!
今更のことですけど、これは後でシッカリ問い詰めておく必要がありそうです。
もしもそうなら、どうしてくれよう!!
いや、私にどうも出来ないし、ホントに今更ですけどね・・・。
おっと、それよりも今は、逃亡者ですよ。尋問しなきゃ!
監禁されている場所は牧場内の中でも住居区域に近い場所。鬼さんの居住棟です。ここの地下には問題を起こしたニンゲンを投獄する牢屋が設置されているのです。
そこの独房内。キズミさんと一緒に入ります。牢の外にも監視役の鬼さんが付きます。
投獄されている女の子。名前はナオっていうようです。
見た目は私と同年齢位の白首輪。ということは出荷間近の子ですね。私の方をキッと睨みつけてきます。
「お、お前だ! お前がミクとミナを殺した張本人だ!
この人殺し!それに、ニンゲンを食べるって、どういうことだ!」
「え、ええ~っと、ミクを殺したって、私が美玖ですけど……」
「あ、いえ、違います。昨日の二人の名前がミクとミナでした」
横からの、キズミさんの解説…。
ややこしいね。私と同名だったのね。私ってば同年代の同名の子を殺しちゃったのですか…。
いや、それより、私が殺したことも、食べられるってことも知ってるよ、この子! どういうこと?
「え~と、あなたは、どこでそのことを知ったのですか?」
「お前なんかに教えてやるもんか!この人殺し!!
人間の裏切り者! ゴミ! クズ! 悪魔! 私に近寄るな!」
い、いや~。一々その通りなんですけどね。そんなに罵倒されると凹みますよ。
「美玖さん、大変です。牧場で逃亡を図ったニンゲンがいます」
「えっ、逃亡?!」
それは大変です。牧場の最終管理責任者は私なのです。逃げられたりしたら私の責任になります。
「で、そのニンゲンは?」
「はい、塀を越えられずにいたところを捕獲し、隔離しています」
ひとまず、安心ですね。しかし、何故いきなりこんなことを仕出かしたのでしょう?
外に出れば、河童に殺されて食べられてしまうということはシッカリ教えられているはずなのです。事情を聞かなければなりません。
「キズミ、他のニンゲンに不審な行動が無いか、しっかり監視して!」
「大丈夫です。既に部下に命じてあります。心を読める特殊能力を持った部下がいます。一人ずつ確認し、良からぬことを考えている奴は隔離します」
「えっ、そんなスゴイ能力者がいるの?」
これは初耳ですよ。凄いです。
「心が読めると言っても、考えていることが事細かに分かるというのではありません。大まかな感情を読み取ることが出来るのです。逃亡を考えるような不安や恐怖を感じていれば、見つけ出すことが出来ます。特殊能力といえばナユさんやリューサ様の方が断然凄いですよね」
ああ、ナユさんってば、生物の体内を透視出来るんでした。……あ、あれ?
「ちょっと待ってよ。リューサ様も、なにか特殊能力持ってるの?」
あのトンデモナイ治療薬は、特殊能力とは違います。純粋な知識のはずです。
「あ、御存じなかったのですか? リューサ様は、異界出入りの能力をお持ちです。人間界に行くことが出来る御方なのです」
「はあっ!!」
いやいや、初耳だし、これは聞き捨てなりませんよ!
もしかして、私ってば、実はリューサ様によってこの世界に連れてこられていただなんて、そんなことないですよね?!
今更のことですけど、これは後でシッカリ問い詰めておく必要がありそうです。
もしもそうなら、どうしてくれよう!!
いや、私にどうも出来ないし、ホントに今更ですけどね・・・。
おっと、それよりも今は、逃亡者ですよ。尋問しなきゃ!
監禁されている場所は牧場内の中でも住居区域に近い場所。鬼さんの居住棟です。ここの地下には問題を起こしたニンゲンを投獄する牢屋が設置されているのです。
そこの独房内。キズミさんと一緒に入ります。牢の外にも監視役の鬼さんが付きます。
投獄されている女の子。名前はナオっていうようです。
見た目は私と同年齢位の白首輪。ということは出荷間近の子ですね。私の方をキッと睨みつけてきます。
「お、お前だ! お前がミクとミナを殺した張本人だ!
この人殺し!それに、ニンゲンを食べるって、どういうことだ!」
「え、ええ~っと、ミクを殺したって、私が美玖ですけど……」
「あ、いえ、違います。昨日の二人の名前がミクとミナでした」
横からの、キズミさんの解説…。
ややこしいね。私と同名だったのね。私ってば同年代の同名の子を殺しちゃったのですか…。
いや、それより、私が殺したことも、食べられるってことも知ってるよ、この子! どういうこと?
「え~と、あなたは、どこでそのことを知ったのですか?」
「お前なんかに教えてやるもんか!この人殺し!!
人間の裏切り者! ゴミ! クズ! 悪魔! 私に近寄るな!」
い、いや~。一々その通りなんですけどね。そんなに罵倒されると凹みますよ。
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