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共に生きるため
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「・・・さぁ、今からジェネレーションのメンバーと思われる妖精への尋問があるわ。あなた達にも聞く権利がある。一緒に行きましょう。」
桜が立ち上がった。五人も桜の後へと続いた。
大聖堂の一室に到着した。
部屋には、大精霊様・海起・栄枝・そして桜に秋美達が居る。
【ドンドン】
部屋で待っているとドアをノックする音がした。
「有水です。ジェネレーションのメンバーと思われる妖精を隔離室から連れてきました。」
有水の声がした。
「おぉ・・・入るのじゃ。」
【ギィィ】
ドアが開いて、有水と,秋美達より少し年上に感じる男の妖精が入ってきた。
男の妖精は怯えているようだ。
丸めの顔だが,体はそこまで太っていない。有水と並ぶと,肩幅がないのがよく分かる。髪は栄枝よりも淡く,草多の色に近い。
男が入ってきたとき,草多が一瞬顔をしかめた気がした。
「さて、座るのじゃ。」
大精霊様の声に従い、男の妖精は座った。その妖精を囲むように全員も椅子に座る。
「さてさて、お前は木に宿っておる妖精、胎芽〈たいが〉じゃな?お前が不振な動きを見せて居たのは明白じゃ。正直に吐いてもらうぞ。・・・秋美を襲ったことも調べはついている。わざわざ昼間の妖精に頼んでまで,楠木の近くの木で仕事をしていたのだからのう・・・。」
大精霊様がいつになく怖い声で言った。
栄枝は胎芽を睨み付けている。
「ち・・・違います!栄枝さん・・・信じてください。お,俺何もしりません。俺が悪いんじゃないんです!俺は無理矢理・・・。」
「お前が無実なら、すぐに解放してやれる。だがお前が本当にメンバーなら・・・。俺がお前を種子蕾隊に入れなかったのは正解だったって事だ。」
栄枝が言い放った。胎芽はその言葉を聞いて黙り込んだ。かなり怯えているのか足が震えている。
「本当はこんなことしたくないんじゃが・・・万が一を考え、お前に真実しか言えない呪文をかけるでの。効果の持続は一時間じゃ。一時間たてば元に戻るから安心するのじゃ。」
大精霊様が胎芽に言った。
そうして目を閉じて何やら呪文を唱え始めた。
「これは、大精霊レベルじゃないと使えない呪文だ。」
秋美が夢華に耳打ちした。
呪文が唱え終わると胎芽は少しぼうっとした感じになっていた。
「さて、まずはジェネレーションを率いておるのは誰かの?それとメンバーの幹部も教えるのじゃ。」
大精霊様が聞くと、胎芽は躊躇することなく口を開いた。
「メンバーを率いているのは、氷河〈ひょうが〉さんです。氷河さんの側にはいつも冬美さんが居ますが、基本的に冬美さんは側に居るだけです。ただ、氷河さんが何を考えているのかは一番知っているでしょう。あとは月の村の北部に暮らす陰と陽の妖精がほとんどです。」
「まさか・・・氷河が・・・。」
有水が驚いたようにつぶやいた。
栄枝は絶句している。
「氷河って?」
夢華が小声で秋美に聞いた。秋美が驚きを隠せない顔をしていたためか、反対に座っていた草多が答えてくれた。
「有水さんと栄枝さんと同期の人で、陰の妖精。氷の妖精だ。二人とはとても仲が良いみたいなのに・・・。能力だけだったらたぶん栄枝さん達より上だ。だから精霊になれる器は十分にあったのに、強い規則を守るのとか、理論とか覚えるのが嫌で精霊にならなかったらしい。氷って冷たいイメージあるけど、本人はすごくいい人なんだ・・・。多少規則を破ったり感情の起伏が激しい人ではあったけど・・・。」
「それと・・・・冬美の恋人だ。」
秋美が横から言った。
「え・・・?」
夢華が聞き直したが、大精霊様が次の質問を始めたので三人は黙って胎芽を見つめた。
「目的は人間を抹殺する事と聞いたが?」
「・・・実は、メンバーに一人、人間の男の子が居ます。小学校の六年生らしいですが・・・。冬美さんが連れてきたんです。その子が来てから、ジェネレーションは結成されました。目的は、自然を破壊対象にしかしなくなった人間への復讐です。もっとも氷河さんや冬美さんはもっと別の理由があるようですが・・・。俺ら下っ端にはわかりません。」
胎芽が言った。
「人間の男の子とな?」
「はい。」
大精霊様は黙り込んだ。有水と栄枝も黙っている。桜が口を開いた。
「あなた達の本拠地は何処なんです?」
「月の村の北部にある集会所です。その側にある木に、氷河さんと冬美さんが人間界へつながるゲートを移しました。出る所はたぶん人間界の楠木の側ですが・・・。秋美を攻撃したのは,俺の独断です。」
「冬美・・・。」
春美が小さい声でつぶやいた。
「具体的には何をしようとしておるのじゃ」
大精霊様がまた問いただした。
「メンバーが協力して異常気象を起こす予定です。風をおこし海は荒れ,津波が起こる。草木は倒れヒョウがふりそそぐ。人間には耐えられないでしょう。ざまあみろです。」
「そうか・・・ではすぐにでも向かわなければの・・・。」
大精霊様が言った。しかし胎芽が話を続けた。
「すぐに行くのは無理です。突入部隊を想定して、月の村北部に行くまでに、ジェネレーションの見張りが待ちかまえています。しかも、相当の手練れです。」
「なんと・・・。ではいつ決行の予定じゃ?」
「あと二日後の予定です。」
「二日しかないの・・・」
夏美が言った。
「二日しかないと考えるでない。まだ二日あるのじゃ。そうじゃな、あと四十八時間はあるのじゃ。」
大精霊様が優しく言った。
「冬美は・・・どっちの味方なんだ・・・」
草多がうめく。
「草多。私情を捨てろ。・・・覚悟はしておけ。」
海起が言った。その声には少し哀れみがまじっていた。
「皆の者、よく聞くのじゃ。今聞いたとおり、ジェネレーション本部に行くのはかなり困難じゃ。しかも、人間の男の子がおるとなると状況も変わってくる。・・・夢華と,男の子を傷つけないようにしなければ。
・・・醜い争いになるじゃろうのう・・・。じゃから、本当に覚悟のある者だけ突入部隊に組もうと思っておる。」
大精霊様がいつものように全員を見渡しながら言った。
「あたいらは、何があっても行くからな!」
秋美が叫んだ。それに続くように全員が力強く頷いた。
「皆の者・・・感謝するぞ。わしも本当は行きたいのじゃが・・・。本部を離れるわけにはいかんでの。」
「誰も気にしていませんわ。」
桜が言った。
「では・・・情報収集が終わり次第突入じゃ。皆、一時間後にまたここへ来るのじゃ。」
大精霊様はそう言うと、部屋を出ていった。
「じゃあ、少し準備してくるわね。今から不眠不休になるから、みんなが倒れないように用意しないと・・・。」
桜がそう言いながら立ち上がり、部屋を出ていった。海起もそれに続く。
「・・・お前の処分は事が終わってからだ。」
栄枝が乱暴に胎芽の腕を持って立たせた。胎芽の反対側に有水が回り、胎芽が逃げないように二人で連れて外に出て行った。
部屋には、秋美達五人が残る。
「私たちは、ここで待ってましょ。」
春美の言葉に、全員が同意した。
ジェネレーションの計画実行まであと四十八時間・・・。
「冬美・・・どうなっちゃうのかな・・・」
夏美が外を見ながらささやいた。
「ねぇ、妖精の国の規則を破ったらどうなっちゃうの?」
夢華がおそるおそる聞いた。
「基本的に軽い罪だったら、掃除とかボランティアですむんだけど・・・。重い罪だったら、しばらく隔離室に入ることになるわ。人間界で言う刑務所ね。入る日数も、罪の重さで決まるわ。」
春美が答える。
「じゃあ・・・桜さんが言っていたように、人間に危害を加えてしまったらどうなるの・・?」
「・・・状況とかによるの。やむおえない場合は,やっぱりボランティアとかなんだけど・・・。けど,何の罪もない人間を無意味で無作為に攻撃してしまったら・・・・。妖精の力をすべて奪われて、自分が宿る自然のなかに強制で戻ることになるの。その自然のなかで漂いながら,人間界の何百年の月日をかけて妖精の力を取り戻すの。けど,それより重いのが・・・。」
「重いのが?」
「抹消よ。人間界で言う死刑。もし・・・反抗して攻撃したりしてどうしようもなくなったときは、攻撃して抹消するの・・・。」
「そんな・・・。」
「それが規則さ」
草多がポツリとつぶやいた。
「草多・・・」
秋美が何を言って良いのかわからない様子で声を掛けた。
「抹消になったら,全てを消される。・・・・海起が言った事が正しいのはわかってる。私情は捨てないと。俺は種子蕾隊のメンバーだ。私情で動いたら、世界は崩れちまうからな・・・。最悪の場合だって、考えてるさ・・・。」
草多が秋美達から目をそらしながら言った。
「まだ・・・まだ大丈夫だよ。秋美は傷ついっちゃたけど、まだ人間は誰も傷ついてない。だから、今なら止められるよ。冬美さんも、戻ってくるよ。」
夢華が必死で草多に言った。
草多は少しほほえんで、「ありがとう」と言った。
「最後まで、諦めるのはやめようぜ。あたいらが諦めるのは・・・目の前で冬美が消えたときだけだ。それまで、絶対に諦めない。」
秋美が草多と三人に向けて言った。
残り四十七時間・・・。
桜が立ち上がった。五人も桜の後へと続いた。
大聖堂の一室に到着した。
部屋には、大精霊様・海起・栄枝・そして桜に秋美達が居る。
【ドンドン】
部屋で待っているとドアをノックする音がした。
「有水です。ジェネレーションのメンバーと思われる妖精を隔離室から連れてきました。」
有水の声がした。
「おぉ・・・入るのじゃ。」
【ギィィ】
ドアが開いて、有水と,秋美達より少し年上に感じる男の妖精が入ってきた。
男の妖精は怯えているようだ。
丸めの顔だが,体はそこまで太っていない。有水と並ぶと,肩幅がないのがよく分かる。髪は栄枝よりも淡く,草多の色に近い。
男が入ってきたとき,草多が一瞬顔をしかめた気がした。
「さて、座るのじゃ。」
大精霊様の声に従い、男の妖精は座った。その妖精を囲むように全員も椅子に座る。
「さてさて、お前は木に宿っておる妖精、胎芽〈たいが〉じゃな?お前が不振な動きを見せて居たのは明白じゃ。正直に吐いてもらうぞ。・・・秋美を襲ったことも調べはついている。わざわざ昼間の妖精に頼んでまで,楠木の近くの木で仕事をしていたのだからのう・・・。」
大精霊様がいつになく怖い声で言った。
栄枝は胎芽を睨み付けている。
「ち・・・違います!栄枝さん・・・信じてください。お,俺何もしりません。俺が悪いんじゃないんです!俺は無理矢理・・・。」
「お前が無実なら、すぐに解放してやれる。だがお前が本当にメンバーなら・・・。俺がお前を種子蕾隊に入れなかったのは正解だったって事だ。」
栄枝が言い放った。胎芽はその言葉を聞いて黙り込んだ。かなり怯えているのか足が震えている。
「本当はこんなことしたくないんじゃが・・・万が一を考え、お前に真実しか言えない呪文をかけるでの。効果の持続は一時間じゃ。一時間たてば元に戻るから安心するのじゃ。」
大精霊様が胎芽に言った。
そうして目を閉じて何やら呪文を唱え始めた。
「これは、大精霊レベルじゃないと使えない呪文だ。」
秋美が夢華に耳打ちした。
呪文が唱え終わると胎芽は少しぼうっとした感じになっていた。
「さて、まずはジェネレーションを率いておるのは誰かの?それとメンバーの幹部も教えるのじゃ。」
大精霊様が聞くと、胎芽は躊躇することなく口を開いた。
「メンバーを率いているのは、氷河〈ひょうが〉さんです。氷河さんの側にはいつも冬美さんが居ますが、基本的に冬美さんは側に居るだけです。ただ、氷河さんが何を考えているのかは一番知っているでしょう。あとは月の村の北部に暮らす陰と陽の妖精がほとんどです。」
「まさか・・・氷河が・・・。」
有水が驚いたようにつぶやいた。
栄枝は絶句している。
「氷河って?」
夢華が小声で秋美に聞いた。秋美が驚きを隠せない顔をしていたためか、反対に座っていた草多が答えてくれた。
「有水さんと栄枝さんと同期の人で、陰の妖精。氷の妖精だ。二人とはとても仲が良いみたいなのに・・・。能力だけだったらたぶん栄枝さん達より上だ。だから精霊になれる器は十分にあったのに、強い規則を守るのとか、理論とか覚えるのが嫌で精霊にならなかったらしい。氷って冷たいイメージあるけど、本人はすごくいい人なんだ・・・。多少規則を破ったり感情の起伏が激しい人ではあったけど・・・。」
「それと・・・・冬美の恋人だ。」
秋美が横から言った。
「え・・・?」
夢華が聞き直したが、大精霊様が次の質問を始めたので三人は黙って胎芽を見つめた。
「目的は人間を抹殺する事と聞いたが?」
「・・・実は、メンバーに一人、人間の男の子が居ます。小学校の六年生らしいですが・・・。冬美さんが連れてきたんです。その子が来てから、ジェネレーションは結成されました。目的は、自然を破壊対象にしかしなくなった人間への復讐です。もっとも氷河さんや冬美さんはもっと別の理由があるようですが・・・。俺ら下っ端にはわかりません。」
胎芽が言った。
「人間の男の子とな?」
「はい。」
大精霊様は黙り込んだ。有水と栄枝も黙っている。桜が口を開いた。
「あなた達の本拠地は何処なんです?」
「月の村の北部にある集会所です。その側にある木に、氷河さんと冬美さんが人間界へつながるゲートを移しました。出る所はたぶん人間界の楠木の側ですが・・・。秋美を攻撃したのは,俺の独断です。」
「冬美・・・。」
春美が小さい声でつぶやいた。
「具体的には何をしようとしておるのじゃ」
大精霊様がまた問いただした。
「メンバーが協力して異常気象を起こす予定です。風をおこし海は荒れ,津波が起こる。草木は倒れヒョウがふりそそぐ。人間には耐えられないでしょう。ざまあみろです。」
「そうか・・・ではすぐにでも向かわなければの・・・。」
大精霊様が言った。しかし胎芽が話を続けた。
「すぐに行くのは無理です。突入部隊を想定して、月の村北部に行くまでに、ジェネレーションの見張りが待ちかまえています。しかも、相当の手練れです。」
「なんと・・・。ではいつ決行の予定じゃ?」
「あと二日後の予定です。」
「二日しかないの・・・」
夏美が言った。
「二日しかないと考えるでない。まだ二日あるのじゃ。そうじゃな、あと四十八時間はあるのじゃ。」
大精霊様が優しく言った。
「冬美は・・・どっちの味方なんだ・・・」
草多がうめく。
「草多。私情を捨てろ。・・・覚悟はしておけ。」
海起が言った。その声には少し哀れみがまじっていた。
「皆の者、よく聞くのじゃ。今聞いたとおり、ジェネレーション本部に行くのはかなり困難じゃ。しかも、人間の男の子がおるとなると状況も変わってくる。・・・夢華と,男の子を傷つけないようにしなければ。
・・・醜い争いになるじゃろうのう・・・。じゃから、本当に覚悟のある者だけ突入部隊に組もうと思っておる。」
大精霊様がいつものように全員を見渡しながら言った。
「あたいらは、何があっても行くからな!」
秋美が叫んだ。それに続くように全員が力強く頷いた。
「皆の者・・・感謝するぞ。わしも本当は行きたいのじゃが・・・。本部を離れるわけにはいかんでの。」
「誰も気にしていませんわ。」
桜が言った。
「では・・・情報収集が終わり次第突入じゃ。皆、一時間後にまたここへ来るのじゃ。」
大精霊様はそう言うと、部屋を出ていった。
「じゃあ、少し準備してくるわね。今から不眠不休になるから、みんなが倒れないように用意しないと・・・。」
桜がそう言いながら立ち上がり、部屋を出ていった。海起もそれに続く。
「・・・お前の処分は事が終わってからだ。」
栄枝が乱暴に胎芽の腕を持って立たせた。胎芽の反対側に有水が回り、胎芽が逃げないように二人で連れて外に出て行った。
部屋には、秋美達五人が残る。
「私たちは、ここで待ってましょ。」
春美の言葉に、全員が同意した。
ジェネレーションの計画実行まであと四十八時間・・・。
「冬美・・・どうなっちゃうのかな・・・」
夏美が外を見ながらささやいた。
「ねぇ、妖精の国の規則を破ったらどうなっちゃうの?」
夢華がおそるおそる聞いた。
「基本的に軽い罪だったら、掃除とかボランティアですむんだけど・・・。重い罪だったら、しばらく隔離室に入ることになるわ。人間界で言う刑務所ね。入る日数も、罪の重さで決まるわ。」
春美が答える。
「じゃあ・・・桜さんが言っていたように、人間に危害を加えてしまったらどうなるの・・?」
「・・・状況とかによるの。やむおえない場合は,やっぱりボランティアとかなんだけど・・・。けど,何の罪もない人間を無意味で無作為に攻撃してしまったら・・・・。妖精の力をすべて奪われて、自分が宿る自然のなかに強制で戻ることになるの。その自然のなかで漂いながら,人間界の何百年の月日をかけて妖精の力を取り戻すの。けど,それより重いのが・・・。」
「重いのが?」
「抹消よ。人間界で言う死刑。もし・・・反抗して攻撃したりしてどうしようもなくなったときは、攻撃して抹消するの・・・。」
「そんな・・・。」
「それが規則さ」
草多がポツリとつぶやいた。
「草多・・・」
秋美が何を言って良いのかわからない様子で声を掛けた。
「抹消になったら,全てを消される。・・・・海起が言った事が正しいのはわかってる。私情は捨てないと。俺は種子蕾隊のメンバーだ。私情で動いたら、世界は崩れちまうからな・・・。最悪の場合だって、考えてるさ・・・。」
草多が秋美達から目をそらしながら言った。
「まだ・・・まだ大丈夫だよ。秋美は傷ついっちゃたけど、まだ人間は誰も傷ついてない。だから、今なら止められるよ。冬美さんも、戻ってくるよ。」
夢華が必死で草多に言った。
草多は少しほほえんで、「ありがとう」と言った。
「最後まで、諦めるのはやめようぜ。あたいらが諦めるのは・・・目の前で冬美が消えたときだけだ。それまで、絶対に諦めない。」
秋美が草多と三人に向けて言った。
残り四十七時間・・・。
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