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共に生きるため
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集合の時間が来た。
種子蕾隊のメンバーが全員集まっていた。
大精霊様が前に立って話し始める。
「皆の者・・話はきいたの?今から、情報収集部隊の報告と、突入部隊の発表、手順を説明するでのう」
大精霊様が水仙をちらりと見た。すると水仙が立ち上がった。
「私たちの部隊は、ずっと情報収集をしていました。その結果を発表します。・・・睡蓮。」
「はい。」
睡蓮がフワッと水仙の横に浮かび上がった。そして報告書を水仙に手渡すと、また自分の席に座った。
水仙がしゃべりだす。
「メンバーの中には、陰の妖精も陽の妖精も含め力の強い妖精が多くいると思われます。川の妖精、植物の妖精、花の妖精・・・一通りの種類の妖精は居るようです。ほとんどが陰の妖精のようですが,わかっている陽の妖精は、冬の妖精・冬美と、木の妖精・大樹〈たいじゅ〉、花の妖精・鈴蘭〈すずらん〉が分かっています。」
自分の部下がメンバーと聞いた精霊達は暗い顔をした。
「それと・・・人間界の男の子が居るらしいですが、くわしいことは・・・。ただ、その子は氷河達の下にいるのではなく、その子が中心になっているという情報もあります。」
しばらく報告を続けた水仙が言い終わると、また、大精霊様が立ち上がった。
「今聞いたように、敵は相当な力を持っておるじゃろうのう。冬美は妖精の中でも首席クラスじゃし、大樹と鈴蘭も上位クラスじゃ。皆を危険な目に遭わせたくないが、誰かがやらねばならんのじゃ。今から、突入部隊に、突入後の増援部隊を発表する。まずは突入部隊。隊長は有水じゃ。」
「はい」
有水が立ち上がった。
「あとの精霊は蒲公英と栄枝じゃ。この三人は部下がいるという情報があるからの。桜は、わしの秘書をやってもらうぞ。増援部隊長もじゃ。」
桜はうなずき、蒲公英・栄枝は立ち上がった。
「次に、春美・夏美・秋美・草多・海起・夢華じゃ。夢ちゃんや・・・君は妖精ではないが、敵にも人間がおる。必ず君が必要になろうぞ・・・。」
六人は立ち上がった。大精霊様が続ける。
「増援部隊の隊長は桜じゃ。メンバーは、水仙・蜜柑・睡蓮・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
大精霊様が増援部隊のメンバーを読み上げている間、夢華は有水から何かあったときの武器と防護服を受け取っていた。防護服なのにとても軽い。
「できるだけ、武力では解決したくないんだけどね・・・。夢ちゃんが持ってる武器は,剣の形をしているけど傷つけるためのものじゃないから安心して。妖精の力が押さえられるだけだから。」
有水が言った。
大精霊様が全員を呼び終えた。麻美と有樹も増援部隊に入ったようだ。桜の元に居る。
「全員、これを食べなさい。」
桜が近づいてきて小さな赤い実を取りだし、全員に配った。
「これはなんなんです?」
海起が訪ねた。
「これを飲めば、力が一時的に上がるわ。不眠不休でも乗り切れる。」
桜が答えた。
夢華は一気に飲み込んだ。
「じゃあ・・・突入部隊、行こうか。」
有水が声を掛け歩き出した。
突入部隊が後ろに続く。
「気を付けるのよ」
桜が心配そうに見守っていた。
妖精界の空は,いつのまにか暗くなりかけていた。
残り四十六時間・・・・。
種子蕾隊のメンバーが全員集まっていた。
大精霊様が前に立って話し始める。
「皆の者・・話はきいたの?今から、情報収集部隊の報告と、突入部隊の発表、手順を説明するでのう」
大精霊様が水仙をちらりと見た。すると水仙が立ち上がった。
「私たちの部隊は、ずっと情報収集をしていました。その結果を発表します。・・・睡蓮。」
「はい。」
睡蓮がフワッと水仙の横に浮かび上がった。そして報告書を水仙に手渡すと、また自分の席に座った。
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「メンバーの中には、陰の妖精も陽の妖精も含め力の強い妖精が多くいると思われます。川の妖精、植物の妖精、花の妖精・・・一通りの種類の妖精は居るようです。ほとんどが陰の妖精のようですが,わかっている陽の妖精は、冬の妖精・冬美と、木の妖精・大樹〈たいじゅ〉、花の妖精・鈴蘭〈すずらん〉が分かっています。」
自分の部下がメンバーと聞いた精霊達は暗い顔をした。
「それと・・・人間界の男の子が居るらしいですが、くわしいことは・・・。ただ、その子は氷河達の下にいるのではなく、その子が中心になっているという情報もあります。」
しばらく報告を続けた水仙が言い終わると、また、大精霊様が立ち上がった。
「今聞いたように、敵は相当な力を持っておるじゃろうのう。冬美は妖精の中でも首席クラスじゃし、大樹と鈴蘭も上位クラスじゃ。皆を危険な目に遭わせたくないが、誰かがやらねばならんのじゃ。今から、突入部隊に、突入後の増援部隊を発表する。まずは突入部隊。隊長は有水じゃ。」
「はい」
有水が立ち上がった。
「あとの精霊は蒲公英と栄枝じゃ。この三人は部下がいるという情報があるからの。桜は、わしの秘書をやってもらうぞ。増援部隊長もじゃ。」
桜はうなずき、蒲公英・栄枝は立ち上がった。
「次に、春美・夏美・秋美・草多・海起・夢華じゃ。夢ちゃんや・・・君は妖精ではないが、敵にも人間がおる。必ず君が必要になろうぞ・・・。」
六人は立ち上がった。大精霊様が続ける。
「増援部隊の隊長は桜じゃ。メンバーは、水仙・蜜柑・睡蓮・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
大精霊様が増援部隊のメンバーを読み上げている間、夢華は有水から何かあったときの武器と防護服を受け取っていた。防護服なのにとても軽い。
「できるだけ、武力では解決したくないんだけどね・・・。夢ちゃんが持ってる武器は,剣の形をしているけど傷つけるためのものじゃないから安心して。妖精の力が押さえられるだけだから。」
有水が言った。
大精霊様が全員を呼び終えた。麻美と有樹も増援部隊に入ったようだ。桜の元に居る。
「全員、これを食べなさい。」
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「これはなんなんです?」
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「これを飲めば、力が一時的に上がるわ。不眠不休でも乗り切れる。」
桜が答えた。
夢華は一気に飲み込んだ。
「じゃあ・・・突入部隊、行こうか。」
有水が声を掛け歩き出した。
突入部隊が後ろに続く。
「気を付けるのよ」
桜が心配そうに見守っていた。
妖精界の空は,いつのまにか暗くなりかけていた。
残り四十六時間・・・・。
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