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当然会社に着くと遅刻していた加奈は、始業ミーティングが終わってから席に着いた。
「霧島!お前なに遅刻してんだよ!」
「すみません!これには深いわけが!」
ポンポンと丸めた紙で頭を叩かれた加奈は、ペコペコと頭を下げる。上司がため息交じりに「もういい」と言って、加奈の前に紙の束を差し出した。
「午後の会議で使うから、二十部コピーとっておいて」
「わかりました……」
とぼとぼと自分の席に戻り、大きなため息を漏らしていると、スッと横から
コーヒーの入ったカップが差し出された。
「朝から災難でしたね。霧島さん」
「ありがと、川田君」
コーヒーを差し出したのは隣の席に座る去年入社した川田浩平だ。彼は元々情報処理の逸事としてこの会社に難なく入社したのだが、正直海外留学の経験もあって語学も堪能。ここよりも上階にある外資会社の方がいいのでは?と首を傾げたくもなるのだが、彼曰く「外資は向かない」との事だ。
ほんわかとした雰囲気と合わせ、彼は童顔でかわいらしい子犬のような存在だ。オフィスのOL達からは癒し系ともてはやされる。
「珍しく遅刻って事は、もしかして彼氏の家に朝帰りとか?」
「そんなご大層な事じゃないよ。ただ、アラームが消されてて……」
「消されてて?」
ふと我に返った加奈は、自分が何を言っているのか思い返し、あたふたとした。
「あぁ、何でもない!アラームかけ忘れただけ!私コピー頼まれたから行くね!」
そそくさと席を後にした加奈は、内心「危ない……」と冷や汗をかいた。
いくら介護の為とはいえ、期間限定で明人の家に暮らす事になったのだ。事情を知ったとしても、男と女だ。傍から見たら同棲としか見られないだろう。だからこそバレないようにしなくては。
「あっ、霧島さん!」
コピー室に行くと、同期の宮本詩織がいた。ふわふわとカールした髪につけまつ毛。手には可愛らしいネイルをしている。相変わらず可愛いな……そんな風に思っていると、詩織はニコニコしながら加奈の横にピタッとくっ付いて来た。
「な、何?」
「霧島さんが怪我させた相手って、もしかして最上階の外資会社の南条明人ですぅ?」
ビクッと肩を震わせた加奈に「マジですかぁ?」ときゃっきゃとしている。一体何なのか……
「なんかすごい出会いしちゃったんですね!羨ましい!」
「まぁ、私からしたら災難なんだけど……って、何故南条さんの事知ってるの?」
「えぇ!この会社っていうより、このビルに入ってる会社内じゃ有名ですよ!仕事も出来てお金もあってぇ、しかも外資じゃないですか!まさに彼氏にしたいNo1エリートイケメン!」
「霧島!お前なに遅刻してんだよ!」
「すみません!これには深いわけが!」
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「午後の会議で使うから、二十部コピーとっておいて」
「わかりました……」
とぼとぼと自分の席に戻り、大きなため息を漏らしていると、スッと横から
コーヒーの入ったカップが差し出された。
「朝から災難でしたね。霧島さん」
「ありがと、川田君」
コーヒーを差し出したのは隣の席に座る去年入社した川田浩平だ。彼は元々情報処理の逸事としてこの会社に難なく入社したのだが、正直海外留学の経験もあって語学も堪能。ここよりも上階にある外資会社の方がいいのでは?と首を傾げたくもなるのだが、彼曰く「外資は向かない」との事だ。
ほんわかとした雰囲気と合わせ、彼は童顔でかわいらしい子犬のような存在だ。オフィスのOL達からは癒し系ともてはやされる。
「珍しく遅刻って事は、もしかして彼氏の家に朝帰りとか?」
「そんなご大層な事じゃないよ。ただ、アラームが消されてて……」
「消されてて?」
ふと我に返った加奈は、自分が何を言っているのか思い返し、あたふたとした。
「あぁ、何でもない!アラームかけ忘れただけ!私コピー頼まれたから行くね!」
そそくさと席を後にした加奈は、内心「危ない……」と冷や汗をかいた。
いくら介護の為とはいえ、期間限定で明人の家に暮らす事になったのだ。事情を知ったとしても、男と女だ。傍から見たら同棲としか見られないだろう。だからこそバレないようにしなくては。
「あっ、霧島さん!」
コピー室に行くと、同期の宮本詩織がいた。ふわふわとカールした髪につけまつ毛。手には可愛らしいネイルをしている。相変わらず可愛いな……そんな風に思っていると、詩織はニコニコしながら加奈の横にピタッとくっ付いて来た。
「な、何?」
「霧島さんが怪我させた相手って、もしかして最上階の外資会社の南条明人ですぅ?」
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