王様のいいなり!

まぁ

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「随分と遅かったな。そしてよくも俺の着信無視してくれたな」
 案の定、帰宅するなり仁王像のごとき明人が玄関にいた。だがそんな明人の嫌味も全て許してしまおうと思った。
「ホントに忙しかったんです。遅くなった事は悪かったですよ。今から夕食作りますね!」
 ルンルンと上機嫌でリビングへと向かう加奈を見て、明人は首を傾げた。何か様子がおかしい。いつもなら突っかかって来るのにと、心の中で呟きながら加奈の腕を引いた。
「な、何ですか?」
「お前、俺に何か隠してないか?」
「隠してなんかないですよ!むしろ残業で疲れてます」
「そうか?お前の顔にいい事ありましたって大文字で書いてある」
 勘の鋭い男め!
 心の中で悪態をついた加奈。このままでは根掘り葉掘り聞かれてしまうと思い、「放して下さい」と言ったが、明人の加奈を拘束する手はより一層力が込められた。正直ちょっと痛い……
「何があったか言えよ」
「言うわけないでしょ!個人情報です!」
「ふーん。ご主人様に逆らうんだな」
「あのですね。んっ!」
 言い終わる前に加奈の口が明人によって塞がれた。またもキスをされるとは……一生の不覚!
「な、何するんですか!」
「お前が逆らうからだろ?」
「はぁ?いい加減にっ!」
 二度三度と唇が重なる。そのキスは次第に熱がこもり、隙をついた加奈の口内に明人の舌が侵入して来る。
「んっ……あぁ……」
ねっとりとした舌が加奈の口内を這う。その度に加奈は擦れた甘い声を漏らした。
「それで?言う気になったか?」
 唇が放れると明人は真剣な表情で加奈を見つめる。頬を赤く染めながらも、加奈は必至に明人を睨み付けた。
「い、いい加減にして下さい!私、もう少しで彼氏出来るんですから!」
「へぇ……」
 ハッとなった加奈だが、加奈を見つめる明人の表情はとても怖い。目が氷結のように鋭く加奈を見つめていた。
「と、とにかく!そういう事ですから今後はこういうの止めて下さい!」
「そうか。相手は川田とか言う童顔男だな」
「なっ……」
「図星か。お前は単純でわかりやすい。そうか……」
「ちょっと!変な詮索止めて下さい!何なんですか一体!」
 今の明人は正直怖い。だがここで怯むわけにもいかないと、加奈はなけなしの抵抗をする。
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