乙女ゲー主人公に転生してイケメンと浮気しまくったらみんなから捨てられてしまった

まぁ

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堅物イケメンは一番の人気者

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「あ、いけない。レタスがもう少しで切れそうだ」
 カフェ「ガーデン」で働き始めて早三日。この間私はとても大人しく普通の日々を送っていた。
「それなら私、今から休憩なので買ってきますよ」
「助かるよ。それじゃよろしく」
 マスターからお金とかごを預かり、私は八百屋へと向かった。


 ここ、リ・グリエターナ国は、国に入る正門から城までを大きな道一本で繋いでおり、そこからいくつかの中道、小道と分かれている。この大通りには主に商業施設やホテルなどがある。
 カフェ自体は大通りから中道に入ったところにあり、隣にひいきにしているケーキ屋などがある。八百屋は大通りを一本挟んだ中道にある。歩いて十五分くらいの所だ。
「あぁ、いらっしゃい!」
「こんにちわ。マスターに頼まれてレタスを二玉買いに来ました」
 初日にルカと一緒にこの店に訪れたが、ここの店主は本当に気前よく、まだ二、三度目の私にも気さくに話しかけてくれる。
「ならついでにこのジャガイモどうだい?スープにしたら美味しいよ」
「生憎とレタス代しかもらってないので」
「そうかい?今度は買ってちょうだいよ」
 いいカモになると思ったのだろう。だが私はルカのように人がよくないので丁重に断った。本当に悪い人ではないのだが、商売魂が強すぎるのだ。


 レタスも買った事だし、後は店に帰るだけだった。だが今日はもう一つイベントが待っている。それは四人目の攻略キャラと出会うイベントだ。これに関してはフラグをへし折ってもよさそうなのだが、面倒になる事だけは避けたいので、物語通りに進める事にしよう。どんな内容かは……
 少し歩いた所で、私の背後から人が思いっきりぶつかって来た。来たな。そう思って私は自分の手元を見た。
「財布がない!ど、泥棒!」
 前方で走って行く人影。私はその人影を追いかけながら「その人捕まえて!」と叫ぶ。すると走っていた私を追い抜き、泥棒に追いついた人物がすぐさま泥棒を取り押さえる。
「貴様をこのまま領主の所へ連れて行こう」
「くそっ!離せ!」
 暴れる犯人。すると直ぐに兵士がやって来て犯人を連行して行った。残った私とこの人……四人目の攻略キャラで、ゲーム内で一番の人気でもある堅物のイケメン、ノルト。ノルトは無表情のまま買い物かごを私に渡す。
「怪我はないか?」
「大丈夫です」
「ならよかった。比較的治安はいいとはいえ、周囲には気を付けるんだぞ」
「はーい……」
 そのまま去って行くノルト。銀髪で、前髪で少し目が隠れがちなノルトは、今日で会った時の服装は普通の服装だが、実際は城の兵士様。それなりの出世頭と、他三人に比べ異様に盛り設定。しかもこの手のタイプが一番人気なのは古今東西ある乙女ゲームの定番なのかもしれない。
「確かに顔はかっこいいし、その後の性格のギャップ萌え……」
 ぶつぶつと性格について言っていた私だが、早く戻らないと昼食を食べる時間がない事に気が付き、急いでお店に向かう。
 これで四人そろった事だし、物語が始まる。果たして私は誰を選ぶのか……そんな事を考えていたら、まさか思わぬ伏兵が存在するなど、その時は知る由もなかった。
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