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第IV巻 再生戦線ー言葉なき神
第7話 出立
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夜明け前のルミナリアは、まだ薄い霧の中にあった。
しかし、王都を包む静けさには、昨晩とは明らかに違う緊張が漂っている。
――光の裂け目。
城壁の上にいた兵たちも、祈りを捧げていた神官たちも、
皆がそれを見た。天に縫い込んだような白い閃光。
掠めるように揺れ、すぐに消えたが、確かに“そこにあった”。
その影響だろう。
王都の空気は、祈りの街とは思えぬほど張りつめていた。
エインは城門前に立ち、重厚な門が静かに開いていく様子を無言で見つめていた。
炎核は静かだったが、どこか“ざらつく”ものが胸にひっかかっている。
「……寒いね。」
ティナがマントの前を押さえながら、横に立った。
彼女の声は小さいが、震えてはいない。
「霧が多いだけだ」
エインは短く返す。
ティナは首を振った。
「違うよ。空気が、ちょっと……怖がってるみたい。」
その言葉に、近くにいた聖騎士が顔を上げる。
昨晩の異変以来、彼らも緊張を隠せない様子だったが、それでも任務に忠実だった。
「出立の準備は整っております」
若い騎士が歩み寄り、丁寧に頭を下げた。
「護衛として私ともう一名が同行します。監視役ではありませんので……ご安心を。」
言葉こそ穏やかだが、視線には警戒が混じる。
それはエインに向けられたものだった。
エインは何も言わない。
ただ、受け入れるように静かに頷いた。
シオンが馬車の脇で星盤を確認していた。
薄い光が円環になって揺れ、内側で小さな星々の点が脈を打つ。
「昨日の揺らぎ……まだ尾を引いています。
北西方向へ、ゆっくりと移動しているようです。」
「歩いてる、みたいに?」ティナが尋ねる。
「歩いている、というより……“道を選んでいる”」
シオンは星盤を閉じながら言った。
「何かの意思か、あるいは……条件に反応しているのかもしれません。」
ティナは不安げに眉を寄せた。
「人に、害があるの?」
シオンはすぐには答えなかった。
観測者としての慎重さが、その沈黙にはあった。
「被害は、まだ確認されていません。ただ……」
「ただ?」
「祈りの揺れ方が、自然じゃない。」
エインは空を見上げた。
霧の向こうに、薄く光が差し始めている。
その光は温かかったが、心の奥にある不快感は消えない。
シオンが続ける。
「“祈りに似ているのに、祈りではないもの”が混じると、星盤は乱れます。
昨夜の現象は、まさにそれでした。」
「……じゃあ」
ティナが小さく息を呑んだ。
「祈りを、奪うのかな。」
エインが振り向く。
ティナの瞳は曇り、ランタンの灯がいつもより弱く見えた。
「奪われる前に、確かめるだけだ」
「……うん。」
短いやりとりだったが、二人の間には揺るぎないものがあった。
聖騎士が馬車の扉を開け、
王都の朝の空気が冷たく流れ込んだ。
「では――出発します。」
エイン、ティナ、シオンが馬車に乗り込む。
護衛騎士たちが馬に跨がり、城門がゆっくりと上がる。
霧の向こうに、北西街道が伸びていた。
王都ルミナリアは背後で静かにその姿を消していく。
かすかな風が吹いた。
祈りの国の風とは思えない、冷たさを含んだ風が。
エインは胸の奥――炎核の微かなざらつきを感じた。
(進めば、何かが待っている。
あの光の裂け目と同じ、“目を背けられないもの”が。)
馬車の車輪が石畳を離れ、土の道へと入った。
――旅が再び始まる。
その先に何があるのか、まだ誰も知らないまま。
馬車が北西街道へ入ってしばらくすると、
王都の荘厳な石畳は完全に途切れ、土と草の匂いが濃くなった。
ここはルミナリアの外縁部――
祈りよりも生活が優先される、小さな村々が点在する地帯だ。
朝の霧は低く漂い、道の両脇には麦畑と小さな果樹林が続いていた。
しかし、どれもどこか“色”が薄い気がする。
陽光が差し始めても、景色が冴えない。
ティナが馬車の窓に手を置きながら小さく呟いた。
「……なんだか、呼吸してないみたい。」
「呼吸?」
エインが聞き返す。
ティナは首をかしげ、言葉を探すように続けた。
「うん。街道って、人が歩いて、風が通るでしょ。
空気がね、“生きてる”感じがするのに……ここは、ちょっと違う。」
シオンが後ろから星盤を覗かせる。
「観測上は霊力の偏りはありませんが……微細な揺れは続いています。」
「さっきから言ってる揺れって……どんなの?」
ティナが覗き込む。
「“祈りの層”の震えです。」
シオンの声は静かだが、慎重だった。
「通常、祈りの層は国によって波が違います。
ルミナリアなら“光の脈”のように穏やかで、バルザなら“炎の拍動”。
でも今の揺れは……“型”がない。」
「型がない?」
エインの眉がわずかに動く。
「ええ。祈りでも誓いでもない、名のつかない揺れ。
なのに、祈りの層をわずかに押している。」
ティナの表情が曇る。
「……押してるってことは、祈りが負けちゃうかもしれないってこと?」
シオンは答えず、星盤の光だけが揺れ続けた。
馬車が揺れるたび、木々の影がすべり落ちる。
一羽の鳥が枝から飛び立ったが、すぐに方向を変え、森へと消えた。
その様子を見て、護衛の騎士が小さく首をかしげた。
「鳥が……妙ですね。」
「妙?」シオンが反応した。
騎士は空を見上げながら続ける。
「いつもなら南へ渡る群れなんですが、今日は逆に北へ飛んでいったんです。
この季節ではありえない。」
エインは黙って風の流れを読むように顔を上げた。
風は吹いている。
だが、一定の方向へ流れていない。
まるで“何かを避けるように”散っている。
馬車が小川に近づいたとき、違和感はさらに強まった。
川面が揺れていない。
水の精霊が多く住むルミナリア周辺で、
“水が澄んでいても流れを感じない”のは極めて不自然だった。
ティナが馬車から降り、小川へ近寄る。
護衛騎士が慌ててついてくる。
「ティナ殿、お気をつけて!」
ティナは小川に手を入れ、驚いたように振り返った。
「……冷たくない。」
「冷たくない?」
エインも降り、傍に立つ。
ティナの手は濡れているのに、温度が感じられないように見えた。
彼女は眉をひそめる。
「冷たさも、温かさもない。
水じゃなくて……影みたいな感じがする。」
シオンが星盤をかざし、川面を測る。
光環が一瞬だけ乱れ、ジリッと音を立てた。
「……これだ。」
「何が?」エインが問う。
「祈りの震源……ではありませんが、
“揺れの通り道”がこの川沿いに伸びています。」
「通り道……?」
ティナが小さく息を呑む。
エインが周囲に視線を巡らせる。
木々は静かだが、枝の先端が微妙に逆方向へそよいでいる。
(風が……散ってる。)
異常は小さく、だが確かな形で存在していた。
その時、護衛の騎士が駆け寄ってきた。
「報告! 前方の村から、数名の住民が避難してきています!」
馬車の横で息を整えた村人たちは、
祈りの国らしい白布の袖を乱し、震える声で口々に語った。
「光が……家の壁を抜けたんです……!」
「夜じゃないのに、急に。眩しくて……目が……」
「誰も倒れてはいません。でも……祈りが届かないんです……!」
祈りが届かない――
それはルミナリアで最も“ありえない”症状だった。
ティナはエインの袖を握り、小さく震え声で呟いた。
「……また、近づいてる。」
遠くで風がざわめく。
川の水面が、ないはずの波紋をひとつだけ揺らした。
“何かが通った”ように。
村人たちは馬車の影に寄り添い、まだ落ち着かない息をくり返していた。
北西街道の端にある、小さな祈りの村――レムナ。
王都からは半日ほどの距離だが、祈りの国としては“もっとも安全”と言われる地域のひとつだった。
その村の人々が、揃って怯えて逃げてきたのだ。
護衛の聖騎士が、村人のひとり――白い頭巾を被った年配の女性に声をかけた。
「落ち着いて、ゆっくり話していただけますか。何が起きたのです?」
女性は震える手で胸元の祈り飾りを握りしめ、
視線を地面に落としたまま答えた。
「……光、です。 壁を……すり抜ける光。」
ティナがそっと一歩前に出る。
「昨日みたいな……空の光?」
女性は首を振った。
「違います。あれは……もっと、近いのです。
灯の明かりのようなのに……暖かくない。」
エインの視線が鋭くなる。
「暖かくない光……?」
女性はうなずく。
「はい。家中が照らされるのに……影の気配がするのです。
祈りが……跳ね返るようで。」
“祈りが跳ね返る”
その言葉にティナの瞳が揺れた。
「跳ね返るって……祈ったら、返ってきたってこと?」
「返る、というより……届かないのです。
手を合わせても、誰にも‘届いていかない’感じがして……」
いくつもの祈りが、宙で止められたまま凍りつくように。
その光景を思い出したのだろう、女性は目を閉じて肩を震わせた。
シオンは星盤を開き、そっと女性に寄せて言った。
「その光は……どこから来るように見えましたか?」
女性はしばらく考えるように目を細め――
やがて、北西の空を指差した。
「……あちらです。森を越えたあたり。
光が走ったあと、風が静かになって……
村の祈りの歌が、急に聞こえなくなりました。」
シオンの横で、星盤の内側が淡く脈を打つ。
それは星盤が“何かの残滓”を捉えた証だった。
「やはり……揺れは村を通っています。」
「揺れ……?」
エインがシオンを見る。
「祈りを押す波です。
祈りではないのに、祈りの道を通りたがる……そんな奇妙な“通り道”です。」
ティナが困惑したように眉を寄せる。
「でも……祈りじゃないのに祈りの道を行くって、どういう……?」
シオンは答えかけて、言葉を飲み込んだ。
まだ確信に届く情報が足りない。
軽々しく意味を断ずるべきではない――そんな観測者の判断があった。
エインは村人に近づき、落ち着いた声で訊く。
「その光は、どれぐらいの時間、村にいた?」
「ほんの一瞬……でも、長く感じました。
光そのものは消えましたが……あとに、空気の膜のようなものが残って……
近づくと、息が苦しくて。」
ティナが小さく息を呑む。
「息が……苦しくなる?」
「祈りをすると、もっと苦しくなるんです。
だから村の者は……祈りをやめるしかなくて……」
村人の声が、かすれる。
ルミナリアの人々にとって“祈れない”というのは、
日常を失うことと同じだ。
手足を縛られるより残酷な事態。
シオンは星盤を強く握る。
「……祈りの道を通り、祈りを弱め、苦痛を生む。
そんな“光”は……本来、存在してはいけない。」
護衛騎士のひとりが険しい顔で言った。
「村はこのまま放置できません。王都へ避難させましょう。
ですが……この“光”を追うとなると――」
視線がエインに向く。
言葉にはしないまでも、
“その役目はあなたたちしかいない”
という空気が伝わってきた。
エインはその視線を静かに受け、村の方へ向き直る。
「……光が走ったのは、森を越えたあたりだな。」
女性は不安げにうなずく。
「はい。どうか……お気をつけて。
あれは……誰も守ってはくれません。」
ティナがエインの横に立つ。
「エイン、行こう。
ほんとに“祈りじゃない光”なら……放っておけない。」
エインは短く息を吐き、森のほうへ視線をやった。
遠い。
だが、確かに“何か”がそこにいる。
“祈りの道を歩く、祈りではないもの。”
シオンが馬車へ戻りながら告げる。
「森を越えれば、次の街、フルーリアに入ります。
村人の話が本当なら……その街にも影響が出ているかもしれません。」
エインは頷いた。
「なら、急ぐしかない。」
風がひとすじ、街道を横切って走った。
それは祈りの国の風とは違う――
やけに冷たく、頼りなく、流れる先を持たない“風”だった。
日が西へ傾き始めるころ、
一行は北西街道の中ほど――フルーリアの手前に広がる浅い森の外縁へたどり着いた。
森へ入るには時間が遅い。
夜の魔物よりも、この地域では“祈りの途絶”のほうが危険だった。
護衛の聖騎士たちも、それを理解していた。
「ここで野営を取りましょう。夜の森は……何が潜むか分かりません。」
騎士が馬を降り、手際よく焚き火の用意を始める。
薪は湿っていなかった。行商人が残したもので、よく乾いている。
焚き火に火がつき、赤い炎がゆっくり立ち上がる。
その温かさが、今日一日の緊張を少しだけ和らげた。
ティナは炎の反射で揺れる影を見つめながら、
膝を抱えて座っていた。
「……エイン。」
「ん。」
「さっきの村の人たち……怖かっただろうね。」
エインは少しだけ視線を落とし、火に手をかざした。
炎核が胸の奥でかすかに反応し、火の揺れと呼応するように明滅する。
「祈れないのは、痛みだろうな。
俺には……はっきりと分かる。」
ティナはその横顔をしばらく見つめてから、
焚き火へ視線を戻した。
「エインは、祈れなくても大丈夫なの?」
「俺は……祈る構造じゃない。
けど、祈りに触れば……分かるようになった。」
「そう、だね。わたし……初めて会ったときよりも、
エインの“息”が、ちゃんとしてるって思うことがある。」
エインは答えず、少しだけまぶたを閉じた。
ティナの言う“息”とは、単に呼吸ではない。
精霊核の反応――エインという存在の“生”の響きのことだった。
その静けさを破るように、聖騎士のひとりが焚き火越しに近づく。
「……報告があります。」
騎士の顔は硬い。
風に揺れた前髪の奥で、目だけが警戒していた。
「街道沿いに設置されている“祈りの石碑”が……反応していません。」
ティナがはっとして立ち上がる。
「石碑が? どうして?」
「通常であれば、夜間でも近づけばわずかに光を宿します。
祈りの国の“道標”でもあるので……沈黙するのは異常です。」
シオンが星盤を開き、石碑の方角へかざした。
星盤の光が薄く波打ち、じり……と、小さく軋む。
「……完全に、空いています。」
「空いてる?」エインが訊く。
「祈りが……通っていない。
道沿いの“気配”が不自然に抜けているんです。」
ティナは石碑の方向をじっと見つめた。
夜の帳が降りはじめた森の方から、
風がひとすじ――寄せては離れ、また寄せるように揺れている。
「……なんか、息が弱い。」
小さく呟くと、ティナは焚き火のそばの地面に両手を置いた。
祈りを捧げる前に必ずする、あの慎ましい仕草。
彼女のランタンの灯が、ふっと揺れ――
次の瞬間、風が突然止んだ。
完全に。
焚き火の炎だけが、世界で唯一動いているように見えた。
エインが立ち上がる。
(――また、来ている。)
胸の奥の炎核が、ざらつくように脈打つ。
シオンが星盤を見たまま、息を呑んだ。
「……揺れが近づいている。
かなり速い……“歩くもの”ではない。流れてきている。」
護衛の聖騎士が剣に手をかける。
だが、何かが近づく音は一切ない。
風もない。
草のざわめきもない。
虫の声すら途切れている。
森の闇の奥から――
“気配だけ”が、濃くなっていく。
ティナが震える声で言った。
「エイン……“光の通り道”が……来てる。」
エインは目を細め、闇の向こうを射るように見つめた。
祈りの国の夜は静かだ。
けれど――こんな沈黙は、本来ありえない。
焚き火が、ふ、と横に揺れた。
風ではない。
——“何かが通った”。
しかし、王都を包む静けさには、昨晩とは明らかに違う緊張が漂っている。
――光の裂け目。
城壁の上にいた兵たちも、祈りを捧げていた神官たちも、
皆がそれを見た。天に縫い込んだような白い閃光。
掠めるように揺れ、すぐに消えたが、確かに“そこにあった”。
その影響だろう。
王都の空気は、祈りの街とは思えぬほど張りつめていた。
エインは城門前に立ち、重厚な門が静かに開いていく様子を無言で見つめていた。
炎核は静かだったが、どこか“ざらつく”ものが胸にひっかかっている。
「……寒いね。」
ティナがマントの前を押さえながら、横に立った。
彼女の声は小さいが、震えてはいない。
「霧が多いだけだ」
エインは短く返す。
ティナは首を振った。
「違うよ。空気が、ちょっと……怖がってるみたい。」
その言葉に、近くにいた聖騎士が顔を上げる。
昨晩の異変以来、彼らも緊張を隠せない様子だったが、それでも任務に忠実だった。
「出立の準備は整っております」
若い騎士が歩み寄り、丁寧に頭を下げた。
「護衛として私ともう一名が同行します。監視役ではありませんので……ご安心を。」
言葉こそ穏やかだが、視線には警戒が混じる。
それはエインに向けられたものだった。
エインは何も言わない。
ただ、受け入れるように静かに頷いた。
シオンが馬車の脇で星盤を確認していた。
薄い光が円環になって揺れ、内側で小さな星々の点が脈を打つ。
「昨日の揺らぎ……まだ尾を引いています。
北西方向へ、ゆっくりと移動しているようです。」
「歩いてる、みたいに?」ティナが尋ねる。
「歩いている、というより……“道を選んでいる”」
シオンは星盤を閉じながら言った。
「何かの意思か、あるいは……条件に反応しているのかもしれません。」
ティナは不安げに眉を寄せた。
「人に、害があるの?」
シオンはすぐには答えなかった。
観測者としての慎重さが、その沈黙にはあった。
「被害は、まだ確認されていません。ただ……」
「ただ?」
「祈りの揺れ方が、自然じゃない。」
エインは空を見上げた。
霧の向こうに、薄く光が差し始めている。
その光は温かかったが、心の奥にある不快感は消えない。
シオンが続ける。
「“祈りに似ているのに、祈りではないもの”が混じると、星盤は乱れます。
昨夜の現象は、まさにそれでした。」
「……じゃあ」
ティナが小さく息を呑んだ。
「祈りを、奪うのかな。」
エインが振り向く。
ティナの瞳は曇り、ランタンの灯がいつもより弱く見えた。
「奪われる前に、確かめるだけだ」
「……うん。」
短いやりとりだったが、二人の間には揺るぎないものがあった。
聖騎士が馬車の扉を開け、
王都の朝の空気が冷たく流れ込んだ。
「では――出発します。」
エイン、ティナ、シオンが馬車に乗り込む。
護衛騎士たちが馬に跨がり、城門がゆっくりと上がる。
霧の向こうに、北西街道が伸びていた。
王都ルミナリアは背後で静かにその姿を消していく。
かすかな風が吹いた。
祈りの国の風とは思えない、冷たさを含んだ風が。
エインは胸の奥――炎核の微かなざらつきを感じた。
(進めば、何かが待っている。
あの光の裂け目と同じ、“目を背けられないもの”が。)
馬車の車輪が石畳を離れ、土の道へと入った。
――旅が再び始まる。
その先に何があるのか、まだ誰も知らないまま。
馬車が北西街道へ入ってしばらくすると、
王都の荘厳な石畳は完全に途切れ、土と草の匂いが濃くなった。
ここはルミナリアの外縁部――
祈りよりも生活が優先される、小さな村々が点在する地帯だ。
朝の霧は低く漂い、道の両脇には麦畑と小さな果樹林が続いていた。
しかし、どれもどこか“色”が薄い気がする。
陽光が差し始めても、景色が冴えない。
ティナが馬車の窓に手を置きながら小さく呟いた。
「……なんだか、呼吸してないみたい。」
「呼吸?」
エインが聞き返す。
ティナは首をかしげ、言葉を探すように続けた。
「うん。街道って、人が歩いて、風が通るでしょ。
空気がね、“生きてる”感じがするのに……ここは、ちょっと違う。」
シオンが後ろから星盤を覗かせる。
「観測上は霊力の偏りはありませんが……微細な揺れは続いています。」
「さっきから言ってる揺れって……どんなの?」
ティナが覗き込む。
「“祈りの層”の震えです。」
シオンの声は静かだが、慎重だった。
「通常、祈りの層は国によって波が違います。
ルミナリアなら“光の脈”のように穏やかで、バルザなら“炎の拍動”。
でも今の揺れは……“型”がない。」
「型がない?」
エインの眉がわずかに動く。
「ええ。祈りでも誓いでもない、名のつかない揺れ。
なのに、祈りの層をわずかに押している。」
ティナの表情が曇る。
「……押してるってことは、祈りが負けちゃうかもしれないってこと?」
シオンは答えず、星盤の光だけが揺れ続けた。
馬車が揺れるたび、木々の影がすべり落ちる。
一羽の鳥が枝から飛び立ったが、すぐに方向を変え、森へと消えた。
その様子を見て、護衛の騎士が小さく首をかしげた。
「鳥が……妙ですね。」
「妙?」シオンが反応した。
騎士は空を見上げながら続ける。
「いつもなら南へ渡る群れなんですが、今日は逆に北へ飛んでいったんです。
この季節ではありえない。」
エインは黙って風の流れを読むように顔を上げた。
風は吹いている。
だが、一定の方向へ流れていない。
まるで“何かを避けるように”散っている。
馬車が小川に近づいたとき、違和感はさらに強まった。
川面が揺れていない。
水の精霊が多く住むルミナリア周辺で、
“水が澄んでいても流れを感じない”のは極めて不自然だった。
ティナが馬車から降り、小川へ近寄る。
護衛騎士が慌ててついてくる。
「ティナ殿、お気をつけて!」
ティナは小川に手を入れ、驚いたように振り返った。
「……冷たくない。」
「冷たくない?」
エインも降り、傍に立つ。
ティナの手は濡れているのに、温度が感じられないように見えた。
彼女は眉をひそめる。
「冷たさも、温かさもない。
水じゃなくて……影みたいな感じがする。」
シオンが星盤をかざし、川面を測る。
光環が一瞬だけ乱れ、ジリッと音を立てた。
「……これだ。」
「何が?」エインが問う。
「祈りの震源……ではありませんが、
“揺れの通り道”がこの川沿いに伸びています。」
「通り道……?」
ティナが小さく息を呑む。
エインが周囲に視線を巡らせる。
木々は静かだが、枝の先端が微妙に逆方向へそよいでいる。
(風が……散ってる。)
異常は小さく、だが確かな形で存在していた。
その時、護衛の騎士が駆け寄ってきた。
「報告! 前方の村から、数名の住民が避難してきています!」
馬車の横で息を整えた村人たちは、
祈りの国らしい白布の袖を乱し、震える声で口々に語った。
「光が……家の壁を抜けたんです……!」
「夜じゃないのに、急に。眩しくて……目が……」
「誰も倒れてはいません。でも……祈りが届かないんです……!」
祈りが届かない――
それはルミナリアで最も“ありえない”症状だった。
ティナはエインの袖を握り、小さく震え声で呟いた。
「……また、近づいてる。」
遠くで風がざわめく。
川の水面が、ないはずの波紋をひとつだけ揺らした。
“何かが通った”ように。
村人たちは馬車の影に寄り添い、まだ落ち着かない息をくり返していた。
北西街道の端にある、小さな祈りの村――レムナ。
王都からは半日ほどの距離だが、祈りの国としては“もっとも安全”と言われる地域のひとつだった。
その村の人々が、揃って怯えて逃げてきたのだ。
護衛の聖騎士が、村人のひとり――白い頭巾を被った年配の女性に声をかけた。
「落ち着いて、ゆっくり話していただけますか。何が起きたのです?」
女性は震える手で胸元の祈り飾りを握りしめ、
視線を地面に落としたまま答えた。
「……光、です。 壁を……すり抜ける光。」
ティナがそっと一歩前に出る。
「昨日みたいな……空の光?」
女性は首を振った。
「違います。あれは……もっと、近いのです。
灯の明かりのようなのに……暖かくない。」
エインの視線が鋭くなる。
「暖かくない光……?」
女性はうなずく。
「はい。家中が照らされるのに……影の気配がするのです。
祈りが……跳ね返るようで。」
“祈りが跳ね返る”
その言葉にティナの瞳が揺れた。
「跳ね返るって……祈ったら、返ってきたってこと?」
「返る、というより……届かないのです。
手を合わせても、誰にも‘届いていかない’感じがして……」
いくつもの祈りが、宙で止められたまま凍りつくように。
その光景を思い出したのだろう、女性は目を閉じて肩を震わせた。
シオンは星盤を開き、そっと女性に寄せて言った。
「その光は……どこから来るように見えましたか?」
女性はしばらく考えるように目を細め――
やがて、北西の空を指差した。
「……あちらです。森を越えたあたり。
光が走ったあと、風が静かになって……
村の祈りの歌が、急に聞こえなくなりました。」
シオンの横で、星盤の内側が淡く脈を打つ。
それは星盤が“何かの残滓”を捉えた証だった。
「やはり……揺れは村を通っています。」
「揺れ……?」
エインがシオンを見る。
「祈りを押す波です。
祈りではないのに、祈りの道を通りたがる……そんな奇妙な“通り道”です。」
ティナが困惑したように眉を寄せる。
「でも……祈りじゃないのに祈りの道を行くって、どういう……?」
シオンは答えかけて、言葉を飲み込んだ。
まだ確信に届く情報が足りない。
軽々しく意味を断ずるべきではない――そんな観測者の判断があった。
エインは村人に近づき、落ち着いた声で訊く。
「その光は、どれぐらいの時間、村にいた?」
「ほんの一瞬……でも、長く感じました。
光そのものは消えましたが……あとに、空気の膜のようなものが残って……
近づくと、息が苦しくて。」
ティナが小さく息を呑む。
「息が……苦しくなる?」
「祈りをすると、もっと苦しくなるんです。
だから村の者は……祈りをやめるしかなくて……」
村人の声が、かすれる。
ルミナリアの人々にとって“祈れない”というのは、
日常を失うことと同じだ。
手足を縛られるより残酷な事態。
シオンは星盤を強く握る。
「……祈りの道を通り、祈りを弱め、苦痛を生む。
そんな“光”は……本来、存在してはいけない。」
護衛騎士のひとりが険しい顔で言った。
「村はこのまま放置できません。王都へ避難させましょう。
ですが……この“光”を追うとなると――」
視線がエインに向く。
言葉にはしないまでも、
“その役目はあなたたちしかいない”
という空気が伝わってきた。
エインはその視線を静かに受け、村の方へ向き直る。
「……光が走ったのは、森を越えたあたりだな。」
女性は不安げにうなずく。
「はい。どうか……お気をつけて。
あれは……誰も守ってはくれません。」
ティナがエインの横に立つ。
「エイン、行こう。
ほんとに“祈りじゃない光”なら……放っておけない。」
エインは短く息を吐き、森のほうへ視線をやった。
遠い。
だが、確かに“何か”がそこにいる。
“祈りの道を歩く、祈りではないもの。”
シオンが馬車へ戻りながら告げる。
「森を越えれば、次の街、フルーリアに入ります。
村人の話が本当なら……その街にも影響が出ているかもしれません。」
エインは頷いた。
「なら、急ぐしかない。」
風がひとすじ、街道を横切って走った。
それは祈りの国の風とは違う――
やけに冷たく、頼りなく、流れる先を持たない“風”だった。
日が西へ傾き始めるころ、
一行は北西街道の中ほど――フルーリアの手前に広がる浅い森の外縁へたどり着いた。
森へ入るには時間が遅い。
夜の魔物よりも、この地域では“祈りの途絶”のほうが危険だった。
護衛の聖騎士たちも、それを理解していた。
「ここで野営を取りましょう。夜の森は……何が潜むか分かりません。」
騎士が馬を降り、手際よく焚き火の用意を始める。
薪は湿っていなかった。行商人が残したもので、よく乾いている。
焚き火に火がつき、赤い炎がゆっくり立ち上がる。
その温かさが、今日一日の緊張を少しだけ和らげた。
ティナは炎の反射で揺れる影を見つめながら、
膝を抱えて座っていた。
「……エイン。」
「ん。」
「さっきの村の人たち……怖かっただろうね。」
エインは少しだけ視線を落とし、火に手をかざした。
炎核が胸の奥でかすかに反応し、火の揺れと呼応するように明滅する。
「祈れないのは、痛みだろうな。
俺には……はっきりと分かる。」
ティナはその横顔をしばらく見つめてから、
焚き火へ視線を戻した。
「エインは、祈れなくても大丈夫なの?」
「俺は……祈る構造じゃない。
けど、祈りに触れば……分かるようになった。」
「そう、だね。わたし……初めて会ったときよりも、
エインの“息”が、ちゃんとしてるって思うことがある。」
エインは答えず、少しだけまぶたを閉じた。
ティナの言う“息”とは、単に呼吸ではない。
精霊核の反応――エインという存在の“生”の響きのことだった。
その静けさを破るように、聖騎士のひとりが焚き火越しに近づく。
「……報告があります。」
騎士の顔は硬い。
風に揺れた前髪の奥で、目だけが警戒していた。
「街道沿いに設置されている“祈りの石碑”が……反応していません。」
ティナがはっとして立ち上がる。
「石碑が? どうして?」
「通常であれば、夜間でも近づけばわずかに光を宿します。
祈りの国の“道標”でもあるので……沈黙するのは異常です。」
シオンが星盤を開き、石碑の方角へかざした。
星盤の光が薄く波打ち、じり……と、小さく軋む。
「……完全に、空いています。」
「空いてる?」エインが訊く。
「祈りが……通っていない。
道沿いの“気配”が不自然に抜けているんです。」
ティナは石碑の方向をじっと見つめた。
夜の帳が降りはじめた森の方から、
風がひとすじ――寄せては離れ、また寄せるように揺れている。
「……なんか、息が弱い。」
小さく呟くと、ティナは焚き火のそばの地面に両手を置いた。
祈りを捧げる前に必ずする、あの慎ましい仕草。
彼女のランタンの灯が、ふっと揺れ――
次の瞬間、風が突然止んだ。
完全に。
焚き火の炎だけが、世界で唯一動いているように見えた。
エインが立ち上がる。
(――また、来ている。)
胸の奥の炎核が、ざらつくように脈打つ。
シオンが星盤を見たまま、息を呑んだ。
「……揺れが近づいている。
かなり速い……“歩くもの”ではない。流れてきている。」
護衛の聖騎士が剣に手をかける。
だが、何かが近づく音は一切ない。
風もない。
草のざわめきもない。
虫の声すら途切れている。
森の闇の奥から――
“気配だけ”が、濃くなっていく。
ティナが震える声で言った。
「エイン……“光の通り道”が……来てる。」
エインは目を細め、闇の向こうを射るように見つめた。
祈りの国の夜は静かだ。
けれど――こんな沈黙は、本来ありえない。
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風ではない。
——“何かが通った”。
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