異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル4.女騎士と女奴隷と日常①

40.女騎士とカブトムシ(後編)

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「騎士を舐めるなよ……私だっていくつもの戦場で兵長として貢献してきた。戦況を読んで兵を操作し、的確に指揮することなら大得意だ。軍師の右腕と呼ばれることもあったくらいなのだぞ」
「もげた腕だけで何ができるってのぉ?」

 牙を向いて威嚇するリファとそれを嘲笑うように流す姫ちゃん。
 互いの目にはバチバチと火花が散っている。両者とも本気だな。

「さて、じゃああたしの勝利という名の花に彩りを加えるとしますか。弱き者の赤い血と、屈辱の涙をねぇ!」

 妙にかっこつけたセリフと共に、姫ちゃんはエンペラーに司令を飛ばす。

「さぁ、エンペラー! サーチアンドデストロイよぉ!」

 それに応えるかのように、黄金の甲殻を持つその世界最大のカブトムシは動き出した。目の前の獲物をほふるために、その巨体をゆっくりと進めていく。
 それは避けられない壮絶な戦いが始まったことを意味していた。

 とは言うものの。ここで行われているのは、直径数十センチの切り株の上で行われている昆虫同士の小競り合いに過ぎない。
 それを淡々と描写しても面白みに欠けるので、ここは例によって臨場感マシマシのオーバー描写でお楽しみいただくとしよう。



「くっ! かわせカブ左衛門!」

 負けじとリファもカブト丸に呼びかける。が、本人はおたおたとうろたえるばかり。
 そうこうしているうちに、どんどんエンペラーは距離を詰めていく。
 ――さぁどこにでも逃げろ。死に怯える時間を長引かせたければな。
 そう言っているようだった。

「無駄だしぃ! エンペラーの前ではどんな虫も虫けら同然なんだから!」

 元から虫なんですが後ろだったら呼称変わるんですかね。それとも別生物に突然変異するの? ヘラクレスそいつ中心に生物定義変わっちゃうとか皇帝の力強すぎでしょヤバイヤバイ。

「エンペラー! その自慢の角でなぎ払いなさぁい!」

 得意げに放った第二の司令に忠実にエンペラーは動く。大バサミのような二本の角が横薙ぎに振るわれ、カブト丸に襲いかかる。

 乾いた音がして、その小さなカブトムシの身体は小さく揺れバランスを崩す。だが思ったより衝撃を受けてはいないらしい。

「ん、その程度か? 豪勢に命令した割には威力が足りてないようだぞ?」
「その程度にしておいて・・・・・あげたのよ。これでくたばってもらっちゃ面白くないしね。ひとまずは及第点かしらぁ?」

 どうやら今のは本気ではなかったようだ。ほんの小手調べ、といったところか。
 ガキ相手に舐められていることに少し腹を立てたリファは、ムキになって反撃を開始する。

「カブ! こっちもやり返せ! 攻撃だ!」

 野菜に向かって何言ってんだお前。

「いいか、正面から臆せず攻めるんだ! それが騎士道というもの!」

 質問:他人に無茶振りするのも騎士道ですか? 
 答え:外道だよ。

 カブト丸はそのまま突っ立ってても仕方がないと判断したのか、バカ正直にリファの命令通りエンペラーに向かって真正面から突進。

 そして小さく角を下に傾け、敵の懐へと忍び込む。体躯の差ゆえか、エンペラーは簡単にそれを許してしまう。
 そのままカブト丸は身体ごと大きく角を突き上げた。
 相手を持ち上げて投げ飛ばす。カブトムシの得意技だ。
 だが、体躯の差が今度は悪い方向に働いた。

 重量。
 エンペラーの体重は、ただのニホンカブトムシが持ち上げるには重すぎたのだ。
 よいしょ、よいしょ、とカブト丸は敵を持ち上げようとするが肝心の皇帝様はびくともしない。

「ぎゃはははは! 全然持ち上げられねぇでやんの!」
「雑魚すぎワロティッシュ」
「もっと頑張れ在来種~」

 必死にあがく姿も、小学生どもにとってはただの見世物だ。

「あらあら、豪勢に命令した割には威力が足りてないようだけどぉ?」
「ぐぬぬ……」

 同じ煽りを返されてますますリファの眉間にシワが寄ってくる。

「このザマじゃあ及第点も取り消しねぇ。ていうか……点数つけるにも値しないくらいだわっと!」

 ぱちんっ、と姫ちゃんは指を鳴らしてエンペラーに無言の指示を出した。
 既に意思疎通は完璧らしい。その瞬間にヘラクレスオオカブトの大きな二つの角が開く。
 それは獲物を呑み込む巨大な口であり、獲物を噛み砕く獰猛な牙であった。

「やっちゃえ!」

 為す術もなく、カブト丸はその大バサミの餌食となり、拘束されてしまう。
 ジタバタと節足を動かすが、その身体は既に天高く持ち上げられていた。
 万力のように上下のハサミで絞められ、カブト丸の甲殻に小さくも痛々しいヒビが入った。

「これで、おしまいっ!」

 立てた親指を下に向けてゴーサインを出す姫ちゃん。
 エンペラーは冷静に、冷徹に、冷血にその命令を実行した。

 バァン!!

 と激しい音がしてカブト丸の身体が地面に叩きつけられる。
 さっきのなぎ払いが本当にちゃっちく見えてくるほどの高火力。バトルステージである切り株がグラグラと揺れ、カブト丸が沈んだところが大きく陥没した。
 おお、とギャラリーの歓声が上がる。
 勝負あったか、と思われた。が、カブト丸は奇跡的にまだ体力は残っており、よろよろと立ち上がった。

「カブ丸!」

 おしい。あとちょっとだったのに。

「同志が九死に一生を得たのにおしいとは何だマスター! 一体どっちの味方なのだ!」

 どっちの味方でもないが、オメーみたいな平然と自分がつけた名前も忘れるくせして同志とかほざく奴の敵であることは確かだよ。

「くそ、一旦撤退だ! 距離をとって体制を立て直せ!」

 リファは急いでカブト丸に退避の指示を出そうとするが、そうは問屋が卸さない。

「逃がしゃしないわぁ。エンペラー! 本気の『薙ぎ』見せちゃって!」

 待ってました、と言わんばかりにヘラクレスオオカブトの複眼がおどろおどろしい光を宿す。
 大きく体をねじり、一瞬の溜めモーションに入った直後。
 旋風が巻き起こった。

「うわっ!」

 台風、ハリケーン、サイクロン……とにかくそれくらいの強烈さを誇るその風が俺達を呑み込んだ。
 場外で観戦している俺達ですらよろめくほどの突風。それを間近で受けた者がどうなるかは容易に想像できる。
 カブト丸は、ゴミクズのように場外へと吹き飛ばされて、見えなくなった。ほんの一瞬の出来事だった。
 触れもせずに相手を一掃するとは……これが、エンペラーの力なのか。

「あっははは! 雑魚を掃除してやったわ。こりゃ引き渡して貰う必要もなくなったわねぇ」
「それはどうかな?」

 カン★コーン
 そんなSEとともにリファが不敵に笑った。
 自らの分身が戦いの場から消え去ったというのに、である。
 予想外の反応に姫ちゃんは、若干不機嫌そうに食って掛かってくる。

「な、何まだ負けてないみたいな顔してんのよぉ! この戦いのルール忘れたの? この切り株から落ちたら負けって言ったでしょぉ!」
「ああ。だからまだ負けてない・・・・・・・!」
「なんですってぇ!?」
「ふっ、エンペラーの右を見てみろ小童!」
「っ!?」

 姫ちゃんを始め、その場にいた全員がヘラクレスオオカブトの右方向を見た。
 そして全員同時に息を呑む。

「ば、か、な……どうして……」

 姫ちゃんがさっきの余裕ぶった表情から一転。 
 それもそのはず。
 なんたって、たった今自分の配下である最強の甲虫にぶっ飛ばされ、遥か下へと落下していったはずのカブトムシが……そこに立っていたのだから。
 ギャラリーが予想外の事態にどよめき始める。これには俺も驚きを隠せない。一体どんなトリックを使ったんだろう。

「トリックもなにもない。カブ雄は最初から落ちてなどいなかった。それだけだ」
「え?」
「切り株の幹だよ。ふっとばされて堕ちる寸前、こいつは幹にしがみついて難を逃れていたんだ」

 なるほど。そういうことか。昆虫だから、木にしがみつくのは造作も無いことだもんな。
 そして、そのまま幹を伝って移動し、エンペラーの死角となる方向から這い出てきたというわけか。

「くっ……どこまでもしぶとい奴ねぇ!」
「そうやって見下してるより、貴様は今の状況を理解した方がいいのではないか?」
「はぁ? どういう意味……はっ!?」

 姫ちゃんは大きく目を見開いた。
 さっきも言ったが、カブト丸が現れたのは、エンペラーの死角となる横方向。
 カブトムシというのは前方向にはめっぽう強いが、それ以外の角度から責められると一切の抵抗ができなくなる。だからこそ、いかに相手の左右に回り込んで一撃を食らわせるかが重要になってくる。
 そしてそれは皇帝様といえど例外ではない。

「まずっ! エンペラー、右ぃ!」
「今だっ、行け!」

 エンペラーの自身の図体の大きさが仇となったのか、急に方向転換はできない。
 その間に、カブト丸は一気に弱点を攻めた。
 正確に脇腹の下に角を差し込み、固定する。
 だがさっきと同様、持ち上げることはできなかった。このままでは戦闘は膠着状態になってしまう。だが、二度も同じ失敗を繰り返すほどカブト丸はバカじゃない。

「いいぞ、そのまま押しだせ・・・・!」

 寄り切り。相撲技の一種だ。
 この勝負の勝利条件は、相手を切り株から落とすこと。それさえできれば、たとえこんなふうに相手を押し出すような決め方でも構わないのだ。
 リファの目論見通り、ズルズルと少しずつエンペラーの巨体は崖っぷちへと近づいていく。

「少々見栄えは悪いかもしれないが、勝てばよかろうなのだ」

 悪役みたいなセリフでしょ? これでも正面から臆せず攻めるのが騎士道とか言ってた人なんだぜ? 完全に信条的にも物理的にも横90度逸れてるじゃないですかーやだー。
 カブト丸は最後の力を振り絞って、ただひたすらに押す。敵を奈落の底に突き落とさんがために。
 エンペラーもエンペラーで必死に逃れようとするが、それにはあまりにも時間が足りなすぎた。
 気づいた時には、もう目と鼻の先に……崖が。

「終わりだ」

 まさかの逆転大勝利。
 と、思われたが。

 ズン……。

 という重々しい音ともに、何かが切り株の上に落ちてきた。一体なんだろう。
 俺達はその「何か」に視線を向け、そして戦慄した。

「なっ……!?」

 そこにいたのは……ヘラクレスオオカブトだった。
 今カブト丸が相手しているのとは別個体である。
 まさかの乱入者。
 しかも単体ではない。

 その場にいたのは……五匹。

 何が起きたのかをようやく俺達は察した。
 姫ちゃんの取り巻きだ。
 彼らが自分達が所持していたヘラクレスオオカブトを、切り株の上に召喚したのである。

「言っただろー。俺達の目的はこいつらを増やすことだって」
「一組のつがいじゃ心もとないからなぁ。オスもメスも複数匹用意しておくのはとーぜんだろ?」
「こういう使い方をすることになるとは思ってなかったけどな」

 あくどい笑みを振りまきながら、その取り巻き達は汚い声色でそう言う。
 見事に嵌められた女騎士は心底悔しそうに歯を食いしばった。

「お前達まで……」
「へへー。すげぇだろ。全部姫ちゃんの親に買ってもらったんだぜ」
「姫ちゃんの家は金持ちだからな。月収二十万もいかない俺のとことは違うんだよ!」

 自慢してんのか自虐してんのかどっちだよ。

「おい、どういうことだこれは!」
「別に一対一ってルールじゃないもーんだ。助っ人がダメなんてのも決めてないしぃ」
「卑怯だぞ貴様ら! 騎士なら正々堂々一騎打ちで戦え!」

 別に俺が言われてるわけじゃないけどお前にだけは言われたくないよ。
 しかし、だったらこちらも助っ人ムシを用意できるということになるが、リファの手持ちはカブト丸一匹だけだ。
 そこまで読んでての策か。ただの小生意気なガキなだけじゃないってとこが余計ムカつくなぁ。

「にししし、卑怯もラッキョウも大好物だもんねー。さぁあんた達……一斉にかかんなさぁい!」
「がってん!!」

 まさに姫を守る歩兵隊。だがその歩兵の一人ひとりが、甲虫界最大の王者。
 泣きっ面に蜂とはこのことか。ほんの一筋見えた希望の光が、絶望という暗雲にかき消されてしまう。
 歩兵ヘラクレス達がカブト丸を取り囲み、にじり寄ってくる。

 絶体絶命。万事休す。
 この状況を打開する方法は……ない。
 やっぱり無理だったんだ。ちっぽけな在来種が、世界一位に挑もうという事自体が。

 そりゃそうだ。在来種が外来種より強かったら、今頃その手の問題は重要視されていない。だから外来生物法なんてものがわざわざ制定されているんだ。
 強き者から弱き者を守らなければならないという考えに基づいて作られた、法という名の壁。
 それをわざわざ越えたことが何を意味するかなんて……考えるまでもない。

 認めよう。この勝負……乗った時点で、俺達の負けだったと。

「覚悟なさい在来種……これで、終わりよぉっ!!」

 姫ちゃんの最後の司令がくだされ、ついに審判の時が訪れる。
 死体にたかるハゲタカのごとく。屍肉に群がるハイエナのごとく。歩兵が一斉に甲殻の中に収納してあった薄羽を広げる。
 そして飛翔。抵抗できないカブト丸に……襲いかかった。

 ――そしてッッッ!!





 ぷしゅ―――。



 と、リファがそいつらにぶち撒けた。
 持参していた、殺虫剤を。




「―――――」



 あまりにも唐突な行動。いきなりファンタジーから現実に引き戻す行為。
 全員が全員あんぐりと口を開けるのも当たり前だ。
 毒性物質の霧をくらったヘラクレス達は少しのたうち回った後、コロリと腹を上にして倒れていく。
 そのままピクリとも動かなくなり、絶命。


 三秒で全滅した。
 繰り返す。三秒で全滅した。


「ほぎゃあああああああああああああああああ!!!」


 ようやく状況を理解したガキども&姫ちゃんが顔を真っ青にして大絶叫。俺は絶句。
 そんな中、ただ一人高らかな笑い声を上げているものが約一名。

「だーっはっはっはっは!! 見たかこれぞこの世界の文明の利器、殺虫剤! たとえ虫の王だろうが皇帝だろうが、この道具の前では全てが無力なのだぁ!」
「ただの動物虐待じゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!!」
「そょんな……ゎてゃし達の……ヘラクレス達が……」

 わなわなと調子こいた顔から一変、姫ちゃんは腕や膝をガクガク震わせながら動揺している。
 冷静さを完全に失われたようで、ろれつもあまり回ってない。

「小童。貴様はさっき一対一なんてルールはないと言った。それなら殺虫剤を使っちゃダメなんてルールもなかっただろう! どんな手を使おうと勝てば良かろうというその屁理屈、せいぜい利用させてもらったぞ馬鹿め!」
「最初にその理屈持ち出したのオメーだろぉがァァァァァァ!!!」 

 だが涼しい顔でリファは人差し指をゆっくりと天に向け、自分に酔ったような口調で語りだす。

「マスターは言っていた……歩んだ道がどんなに汚いものであっても、勝った後では確かな成功への道標となるとな」
「挙句の果てに勝手な語録捏造して責任転嫁かテメェェェェェェェ!!!!」

 俺の渾身の叫びをふぅん、と鼻笑いで一蹴する女騎士。
 そしてゲスい表情を浮かべながら慌てふためく姫ちゃん一派にビシィ、と人差し指を突きつける。

「策士策に溺れるとはよく言ったものだ。確かに貴様の頭脳はその年にしてはなかなかのもの。だが、今回は騎士道を極めた私の方が一枚上手だったようだな! 踏んできた場数が違うのだよ、場数がな!」
「次騎士道って言葉使ったらその口縫い合わせるぞ!?」
「さて、邪魔な乱入者は消えた。そろそろトドメにいくとするか!」

 俺をガン無視してリファはウキウキ顔でそう言うと、ポケットに手を突っ込んで何かを取り出す。 
 ペットボトル大の透明なガラス瓶。両端に金と銀の装飾が施されたキャップが付いている。

 元素封入器エレメント

 内部では、竜巻のようなものが絶えず吹き荒れており、薄っすらと緑色に発光していた。
 封入してる属性は、風か!

「さぁガタック! とっておきをお見舞いしてやれ!」

 とうとう原型留めなくなったどころか種族まで変えやがったよ。よくないなぁ、こういうのは。

元素付与エンチャント!」

 リファはその魔道具をさっと一振り。
 瞬間、金色のキャップから勢いよく内部の元素がほとばしった。
 エメラルドを溶かして気化させたようなその物質は、水中を泳ぐ魚のように宙を舞いながら、必死に戦っているカブト丸の角へとまとわりついていく。

 そのエレメントは粘土細工のごとくしなやかに形を変え、肥大化した。
 鮮やかな変形の後、出来上がったのは……巨大な角。
 ヘラクレスをも上回る大きさの、風の力でできた角だ。

 小さく見えたはずのそれは、今や全てを薙ぎ倒し、全てを投げ飛ばす強靭無敵な最強の武器となっていた。
 当然そのパワーも増しているためか、カブト丸は一気にその恩恵を利用して……。
 ヘラクレスオオカブトを、いとも簡単に持ち上げた。

「よし、いいぞ! そのまま超必殺技を決めろ!」

 リファの言葉をトリガーに、カブト丸は羽を広げた。
 そしてそこにも風のエレメントが憑依し、飛行能力を限界まで引き上げていく。
 業風を巻き立てながら、その小さくて非力だったカブトムシは飛翔。不倶戴天の敵である皇帝をガッチリと掴んだまま、天高く舞い上がっていく。

 そして俺達の目線で一時停止すると……。
 ぐるぐると、その場でハンマー投げのように身体を回転させ始めた。
 十回……二十回……三十回。
 回数を重ねるごとにスピードも早くなっていく。

 これが……超必殺技……だと?
 ギュルギュルギュル! と、まるで扇風機の強レベルの回転力にまで達した音。
 勢いは十分ついた。そう判断したリファは、この時をずっと待っていたというように目をキラキラ輝かせて、思いっきり叫んだ。
 自らが生み出した、超必殺技の名を。


「くらえっ!! 王家直伝の超大旋風ロイヤルトルネードスロー!!!!!」


 ヴァシュゥッ!!!!
 と、弾け飛ぶような轟音がした。
 カブト丸が、エンペラーを投げ飛ばした音だ。
 自らが纏ったエレメントの力を全て解き放ったのだ。

 目にも留まらぬ速さで、それこそゴミクズのように吹っ飛ばされたエンペラーはそのまま……。
 持ち主の元へと、帰っていった。

 サクッ。
 そんな軽めの音とともに。

 エンペラーの立派な角が、呆けた顔でいる姫ちゃんの額に突き刺さっていた。

「あ? ふぁぁ……ぁ」

 自分の身に何が起きたのか把握する前に、姫ちゃんは卒倒した。
 歩兵ヘラクレスたちと同様に、仰向けになってコロリと倒れる。

 商売道具を殺されたことで計画を台無しにされたショックと、自分が勝負に負けたというショック、最後に角が刺さったという物理的ショック。小学生が正気を保つにはちょいと刺激が強すぎた出来事の連鎖だった。

 そして気が気でなくなったのは、自分達のボスを潰された取り巻きども。さっきよりも一層パニックになって慌てふためいた。

「わーっ! 姫ちゃんが!!」
「どーすんだよこれ!」
「やべぇよ、今なら身体触り放題じゃん」
「スカートの中も見られるよなこれ。こんなチャンス二度とねぇ……」
「おい、公園のトイレ連れてこうぜ!」

 えっさほいさ、と全員で気絶した姫ちゃんを担ぎ上げてとっとと退散してしまった。
 なんという軽いフットワークと手のひら返し。姫ちゃんよりアイツらの方がゲスじゃねーか。まぁ彼女を片付けてくれて、事後処理する手間を省いてくれただけ感謝。
 ていうかこれ、一応勝利ってことでいいのか?


「やったぁぁぁぁ! リファレンス大勝利ぃ~!」


 テンションMAXで躍ってる女騎士さんが満足そうだから、そういうことにしておきますか。

「おいカブ之助! よくやったな! お前の働きぶり、なかなかのものであったぞ!」

 勝利という最大の貢献をしておいて、最後まで本当の名前で呼んでもらえないという仇で返されるカブト丸くん。不憫やなぁ。
 本当にそうであるかのように、戦いを終えたカブトムシはただじっとしていた。

「ん? どうした? これでお前は故郷に帰れるんだぞ? もっと嬉しがらんか!」

 嬉しさよりもお前への憎しみの方が蓄積量多いと信じてるよ俺は。

「おい、カブ虫? 一体どうしたんだ? 疲れたのか?」

 呼びかけても、カブト丸は動かない。あーあ、虫にまでシカトされてやんの。人望ない騎士様だこと。

「……おーい」

 不審に思ったリファが試しに指でつついてみると……。
 コロン。 
 と、いとも容易く仰向けに転がった。
 エビのように身体をくの字に折り曲げ、うずくまるような体勢のまま、動かなかった。

「え……?」

 リファは目をパチクリさせたが、俺はその時点ですぐに理解した。
 疲れてるんじゃない。へそを曲げてるんでもない。
 カブト丸は……。

「おい……。どうしたんだ……なぁ……なぁ!」

 ワンテンポ遅れてその事態に女騎士も気づいた。
 しかしわかっていても、心がそれを認めていないのか、震えた声で何度もカブトムシを呼んだ。

「起きろ……起きろよ……。もう戦いは終わったんだ。こんなところで寝てる場合か……こんなところで終わってる場合か!!」

 とうとう彼女はそのカブトムシを持ち上げ、手の上に乗せた。
 コロコロと、まるで置き物のようにそれは彼女の手のひらで転がる。

 抜け殻。
 表現するならまさにそれが妥当だった。

 生きとし生けるもの全てに感じる、命の重さが……そこにはない。
 魂が抜け、あとは腐るのを待つだけの肉体があるだけ。
 彼女が今見つめているものは……もう、カブト丸ではなかった。

「あ……あ……」

 無理もない。あれだけダメージを受けた後に、あんな無茶技をやらせたんだ。きっと限界だったんだろう。
 ようやく事実を受け入れたのか、リファはがっくりと膝を折り、脛骨が折れたようにうなだれた。

 そして、泣き叫んだ。
 短い間だったけど、共に戦った相棒の名を。


「カブトムシィィィィィーーーーーーーっ!!!!」


 お前なんなんだよマジで。


 ○


 それから。
 俺達はカブト丸を見つけた木の根元に遺骸を埋めて、小さなお墓を作った。

「うぅ~。カブ之条……お前のことは二、三十日は忘れないぞ……」
「死してなお愚弄するとか、鬼かお前」


 勝手に戦いの道具にされ、挙げ句元の生活に戻ることなく生涯を終えた。
 そんでこの言われようだってんだから、カブト丸くん浮かばれないなこりゃ。

「今日は大切なことを学んだ」

 袖で涙を拭きつつ、ぐずった声でリファは言った。

「たとえこんな虫でも、尊い命。肉を食べるためや、毛皮を剥ぐためとは違う勝手な都合で、勲章代わりにしようとしたり。金儲けの道具にしようとしたり。ましてや戦いの道具にして遊ぶなんて。よくよく考えればどうかしている。それで結局、こいつを死なせてしまった……。そんな事を平気でする人間は愚かで、罪深い生き物だ」

 うんそうやって集団を巻き込んで相対的に自分個人の罪を矮小化するやり方やめようね。カブト丸くんが死んだのは紛れもなく100%キミのせいだからね?

「マスター、さっき言ったよな? こうやって虫を玩具扱いできるのは、人間がこの世界で一番の強者だからこそだと。強者ゆえの特権だと!」
「それが?」

 ぶっきらぼうに俺が返すと、リファはモゴモゴと続けた。

「特権があるからと言って、それを好き勝手に濫用していいかどうかはまた別問題ではないのか? そんなの……絶対に間違ってる」
「そうか? ならワイヤードはどうなんだよ」
「え?」
「身分制度、奴隷売買……他人を虫同然に扱う文化の最もたる例だろ。そういうのが横行してた世界の人間が何言ってんだ」
「う……」
「それに、お前だって同じようなもんじゃん」
「私も?」

 キョトンとしたリファに、俺はため息を吐いて続ける。

「兵士っていう職業だって、立派に国の戦いの道具として扱われてるだろ。戦ってるのはお前らでも、それはお前らが戦争したがってるわけじゃない。お偉い王族や政治家が決めてることじゃん。そういう奴らの手駒になって動く。その点ではお前もカブトムシと同じだ」
「そ、それは違う!」

 リファが立ち上がって反射的に反論した。

「私は誰かの言いなりになどなってない! 祖国を発展させて、さらなる強大国にするために戦ってきた! それは私が自分で選んだことだ!」
「そのために何十人何百人って命を奪うこともか? 国を発展させるためには、必ずしも戦いでなくちゃダメだったか?」
「……それは」

 リファは答えない。
 おそらくそんなこと考えてもいなかったんだろう。頭にあるのは目の前の敵を倒すことだけ。他に何か道があるかどうかなんて、想像もしなかったに違いない。

 ワイヤードの掟。確たる自分の意志を持つこと。
 そして絶対に他人に流されるようなことがあってはならないこと。

 前々から気になってたけど、それ……身分制度の存在とは相反するものなんだよね。
 だって酷使される奴隷や、戦争に駆り出され命を危険に晒す兵士が、最初に抱く意思って絶対「その身分・職からの解放及び自由」だろうからだ。

 誰もが平等で、誰の言いなりにもならない。本当に自分の望む生き方が選べる世界。
 だけどそれが通せてしまうと、身分制の存在意義が失われ、崩壊する。で、ワイヤードにはそれは未だ健在だと。

 つまりそれは、『解放と自由』が意思として認められていないということ。
 だからそのままでいるしかない。最終的にそのままで納得せざるを得ない。そうやって本当に訴えたい心の叫びを封じてしまう。

 結果、その生き方こそが自分の意志だと思い込む。その生き方こそが一番の幸せだと正当化する。
 掟なんてのは結局、一方的な抑圧というイメージから脱却させるための、言わば鞭に対する飴のようなものなのかもしれない。

 どれだけ大層な理由を並べてようと、市民も騎士も奴隷も、結局他人に流されてるだけなんだ。
 たった今、自分がやりたい放題使役してきた……カブトムシのように。
 ただ、上にこき使われ、搾取されるだけの存在。

「違うか?」
「……」

 リファはうつむいてしばらく黙っていたが、やがて苦笑しながら自虐気味に言った。

「確かに、そうかもしれないな」

 俺は少し面食らった。彼女の今までの生き方を全否定するようなことを言ったのだから、正直ブチキレることを想定していたのに。

「こっちの世界で暮らしてきて思ったのだ。ここでの生活のほうが『自分の本当にやりたいことができる』って」
「……」
「事あるごとに戦いがどうの、騎士がどうのと言ってはいるが、人を殺すことが生きがいだったわけじゃない。本当は、普通に……こんなふうに楽しく誰かと笑って、平穏に暮らして……恋をして、家庭を持って……そんなふうに生きられたらって。それが私のしたいことだったんだって、ここに来て初めて気付かされた」
「リファ……」
「マスターの言う通り、騎士としての私は上の人間の意思に流されて、自分の意志を知らず知らずのうちに曲げていたにすぎないのかもしれない」

 すっくとリファは立ち上がり、俺を真剣な眼差しで見つめてきた。

「その証拠に、ワイヤードへの未練というものを、何一つ感じたことがなかった。元の暮らしになんか戻りたくない。ずっとこのままマスターと一緒にいたい。今の私はそう思ってる」
「それは紛れもない、心からの意思か?」
「もちろんだ。だからよかった。私の意思が持てる世界に生まれ変われて」

 小さくはにかんで元女騎士は肯定し、「それに……」と人差し指を突き合わせて恥ずかしそうに付け加えた。

「私の一番したいことに気づかせてくれた……マスターに会えて」

 んだよいきなり改まって、ちょっと照れるだろ。
 ……ま、お前が満足してるならそれでいいさ。
 俺は肩をすくめてそう軽く答えたが、リファは何故か小さくむくれた。

「満足はしてないもん。まだ……」
「え? じゃ何が足りねぇんだよ?」
「ふんっ、知らん! 自分で気づけ鈍感!」

 何故かキレられた。変な奴。
 だがそんな理不尽な怒りもつかの間。彼女は再び悲しい目に戻ってカブト丸の墓に目を落とした。

「それはさておき、そう考えるとなおさら……自分のしたいことをさせてやれなかったこいつには申し訳なく思うよ」

 それはそうだ。普通に樹液をなめて過ごしたい。普通にメスと子孫を残して天寿を全うしたい。そんなささやかな願いすら、俺達が断ち切ってしまったわけだから。

「でもなリファ。下等生物を好き勝手扱うことに罪悪感を覚えるのも、かわいがったりして愛着を覚えるのも、全部そいつのエゴだ」
「えご?」
「自己満足って意味。どっちにしたって、下に見てることに変わりはないでしょ?」
「そうかもしれんが……それで全て片付くという問題でもないだろう。それに、命を戦いの道具にするのと、ペットのように飼うのとが同列な行いというわけでもあるまい」
「まぁ聞けって」

 俺は木の幹にもたれかかって、日差しを斑模様に彩る木々の枝や葉っぱを見つめた。

「エゴである以上、それを良いか悪いか判断すんのも人間の杓子定規だ。だけど忘れちゃいけないことがたった一つある」
「それは……?」
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ」
「は?」

 突然そんなことを言われ、小首をかしげて頭の上にはてなを浮かべる女騎士。

「とある有名なキャラクターのセリフだよ。大まかに言えば『自分が相手に何かする時は、それと同じことを自分がされた時のことを常に考えてろ』ってこった」
「!」

 意味を察したのか、リファの緊迫した表情が緩んだ。

「そうか。つまり、自分がされて嫌なことは他の人間にもするな、と」
「ああ。さっきの戦いも、カブトムシにとっちゃ他人の勝手な都合で代理戦争をやらされてただけ。もし自分だったら、って思ってみ」
「……確かに、いい気持ちではないな」

 リファは苦虫を噛み潰したような表情で首を振った。

「ま、お前はワイヤードで自分の足で戦場を駆け巡ってたから、気持ちの良い悪いはともかく、少なくとも覚悟はあると思うよ。だからあえて止めなかった」
「マスター……」
「世の中には、それが全く考えられない奴ってのが山ほどいる。さっきのガキみたいにな」

 本当な意味で愚かなのは、そういう連中だ。あいつらが金儲けのために見知らぬ土地に移されたり、邪魔だという理由で滅ぼされたりする昆虫達の気持ちを理解してるわけがない。
 命の尊さを知らずに、命を粗末に扱う。そんな人間には絶対になるなよ。
 俺がリファに伝えたいのは、それだけだ。

「……ん。わかった。マスターの忠言、肝に銘じよう」

 胸に手を当てて、リファは軽く一礼した。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「ああ」

 リファは麦わら帽子をかぶって、俺と一緒にその森を出た。
 戦いを勝利で飾り帰還する。正真正銘の凱旋だ。
 だが失ったものも大きく、胸を張って帰れるものでもなかった。
 そのせいかリファの顔は、心なしか少しもの寂しそうであった。

 ○


「おかえりなさいませご主人様、リファさん!」

 玄関のドアを開けると、裸エプロン女奴隷ことクローラが笑顔で出迎えてくれた。
 彼女は干したてのふわふわなタオルを渡してくれた。炎天下の中活動して、汗でぐっしょりな身にはありがたい。

「……って、あれ? カブトムシを捕まえに行ったのでは?」
「ああ……」

 俺達が手ぶらであることを不審に思ったのか、クローラは怪訝そうな表情で尋ねてくる。
 リファは口をつぐんだままだ。
 やはりせっかく手に入れた相棒を失った罪悪感と寂しさが拭いきれていない様子。
 というわけで、俺が代わりに事情を説明することに。一通り聞き終えたクローラは「そうでしたか」と興味のなさそうな反応を示す。

「まぁ、そんなことだろうと思いましたよ。ちょっと待っててください」
「?」

 廊下からリビングの方に引っ込んでしばらくした後。何かを持ってせかせかと戻ってきた。

「はい、リファさん」
「え?」

 何の説明もなく、クローラは彼女にそれを手渡した。
 途端、リファは目を丸くする。

「これ……カブトムシ……か?」

 そう。こげ茶色の身体をして、大きな角を持つ昆虫がそこに一匹、ちょこんと乗っていた。

「それ、差し上げますよ」
「い、いいのか?」
「はい、一匹くらい別にいいです」

 リファの質問にクローラは笑顔で頷いた。

「今度は戦いの道具なんかに使うのではなく、大切にしてあげてくださいね」
「く、クローラお前……」

 ぶわっ、と目尻に涙を浮かべて感激する女騎士。
 意外な贈り物に少なからず感激しているようだ。

「う~、ありがとう! 奴隷のくせにいいとこあるなお前!」
「褒められてる気はしませんがどういたしまして」

 リファは胸の高鳴りが抑えられないというふうに飛び上がって喜んだ。

「よぉし、生涯お前を大事にしていくからな! まずは檻とか、土とか用意して、それからそれから……」

 まるで子どもみたいに無邪気にはしゃいでる。さっきまでの超絶卑怯モードとは似ても似つかぬ純粋無垢な表情だ。

「ったく、切り替え早すぎだろ……さっきまで相棒が死んで泣いてたくせに」
「まぁまぁ、いいではありませんか」

 俺の隣に立ち、ベッドでその昆虫を愛でているリファを一緒に見物しながらクローラが言ってきた。

「どうせ向こうは相棒だなんて思ってなかったでしょうし。そもそも相棒ができるような人でもないですし」
「何気に問題発言」
「ご主人様はそう思わないのです?」
「思うに決まってんだろ♡」

 あっははははは。
 と二人して笑う。

 所詮は虫。本当の友情が芽生えることもない。時が経てば忘れていく、一過性の自己満足。
 でもそれでもいいか。彼女が……戦いでいくつもの人の命を奪った彼女が、命の尊さを学んでいくきっかけになれば。
 だから俺達は見守ろう。
 リファレンス・ルマナ・ビューアが、異世界の兵士としての価値観から抜け出していくのを。
 少しずつだけど、虫達との友情を育む中で変わっていけるのなら、きっと彼らも喜んでくれるだろう。
 そんなことを思いながら、俺は小さく彼女にエールを送るのだった。

 ――がんばれ。





















「ところでクローラ?」

「はい何でしょうかご主人様?」

「今リファにあげた『カブトムシ』……なんか普通のやつに比べたら、若干細いよね?」

「そうですね」

「なんか、触覚みたいなのも付いてるよね?」

「ついてますね」

「頭の角……なんか作り物っぽく見えなくもないよね?」

「クローラが作って接着したものですからね」

「……」

「……」

「……『一匹くらい別にいいです』って言ってたね?」

「他にもまだたっくさんいますからね!」

「ゴキブリ狩りじゃああああああああああああ!!!」
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