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レベル5.女騎士と女奴隷と告白
9.5.木村渚と報告記録-6
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「……」
「何か言いたいことがあるなら言えばいいじゃないか。どーせ誰が聞いてるわけでもなし」
あたしの一歩前を悠々と歩く彼は、落ち着き払った声でそう言う。
そこまで気づけてるならわざわざ訊くなと、何回言えばわかるんだ。
いい加減うんざりしたあたしは足を止めてわざとらしくため息を一つ。
そして足を止め、彼の背中を睨みつけて問うた。
「何故嘘の記憶を植え付けたんです?」
ぴたり、と彼もその場で停止する。
少しの間の静寂が流れた後、その中年男性のせせら笑う声が聞こえてきた。
「嘘って? ああ、僕が一番目や二番目にちょっかい出した事実をもみ消したこと? 仕方ないじゃないか。まだ事務局のメンバーだとバレる訳にはいかないからねぇ。そのへんの記憶は多少いじっても計画には差し支えない――」
「とぼけないでくださいよ」
静かに、だけどはっきりとあたしは押し殺した声で詰問した。
「あたしが言っているのは……一番目の記憶のことです」
「……」
「あのでたらめな記憶……なぜあんなものを彼女に仕込んだのですか? 何がキカイ大戦ですか? 初代王の末裔!? 真実と何もかも違うではないですか!」
彼は答えない。あたしは息を切らして肩を上下させつつも糾弾をやめない。
「以前にも言ったはず! 今一番目に死に際のことを指摘したら『瓦解』すると!」
だからこそ、センパイがその質問をしないように意志を今日までコントロールしてたのに! なのにこいつが今日それをしてしまった。
「その結果があれなんじゃないんですか! 穢れを抜き出すためとはいえ、あまりにも悪手すぎるし逆効果です! これでますます彼女が真実から遠ざかってしまったではないですか!」
「……以前にも言った、ねぇ」
あたしとは対照的に冷静そのものといった口調で、彼はこちらを振り返る。
「ならこちらもその時に言い返したことを繰り返そう」
街灯の光が反射する眼鏡を指で押し上げ、その男は端的に言った。
「言ったはずだ、『そうなった場合でも、都合のいいように解釈するだろう』と」
「っ……」
あたしの勢いが止まり、言葉が詰まる。
それを反論できないものと受け取った彼はあくどい笑みを浮かべる。
「君でも忘れたり間違えたりすることがあるんだねぇ。じゃあ答え合わせをしようか」
ぴん、と立てた右手の人差し指があたしの前に突き出される。
「第一に、僕は一番目に記憶を仕組んでなどいない。今言った通りさっきの彼女が述べたエピソードは全て、僕の言葉をトリガーに彼女自身が思い出した『自分の死』を今の彼女なりに解釈した結果だ」
「……」
「第二に」
言いながら立てられた中指が人差し指の隣に並んだ。
「彼女が語った過去は決してでたらめなどではない」
「何ですって?」
どう考えてもでたらめだろう。あたしたちが知っている真実とはなにかもがかけ離れている。
彼は口の端を吊り上げて歯を覗かせると、あたしの方に一歩ずつ近づきながら理由を語った。
「『自身がワイヤードを創った者の関係者』、『既存のそれにキカイという概念を持ち込んだ人物』」
「?」
「『それを持ち込むことで起きた争い』、『奴隷にまで落ちたという事実』『リファレンス・ルマナ・ビューアが死のきっかけ』『主人殺し』……」
「……」
「最後に、『密告者の存在』」
彼はあたしの目と鼻の先で足を止め、少し身をかがめると額をゴツンとあたしにぶつけた。
黒々とした、周囲の闇よりも深い色をした瞳があたしに金縛りをかける。
動けないこちらに向かって、彼はゆっくりと答えを言った。
「どうだい、ちゃんと要点は抑えてあるだろ?」
……この野郎。
人間ならそんなことばが100%出るに違いない、とあたしは確信した。
「真実から遠ざかった? 逆だね、これで間違いなく彼女は近づいたんだよ」
「……どういうことですか」
「真実へのキーワードが揃ったということさ。自分の頭の中に眠っていたそれらを断片的に繋ぎ合わせ、『今の彼女』なりに認識した結果がさっきのエピソードだ。言うなれば『半分正解で半分外れ』というわけだ」
自分にとことん酔いしれたような口調で彼は続ける。
「今の一番目が自覚している記憶はいわば黒炭だ。だが構成する元素はそのままに、配列を組み変えればそれはダイヤモンドへと姿を変える」
「……」
「いずれ彼女はさらに穢れを落としていくうちに気づくだろう。さっき自分で語った過去のおかしさに。そしてそれぞれのキーワードが指し示す意味を紐解き、分解と再構築を繰り返すことで……その先に待つ真実を思い出す――」
ぽん、とそこで彼の両手があたしの両肩に置かれた。
瞬き一つしないまま、目の前の人間はゆっくりと自分の思惑を口にした。
「自分が本当は何者なのかを」
パン。
と、とうとう我慢ができなくなったあたしは彼の手を払い除けた。
肩をわざとらしく払い、最大級の睨みをぶつけて反論開始。
「都合のいいように解釈するほど彼女が『染まってる』のはわかってます! でもあえてそうさせる意味は? なぜわざわざ回りくどいことをする必要があるんです! 予定していたプロセスには無いアクションが、どれだけ危険を孕んでいると思ってるんですか!」
「必要はあるよ」
即答だった。あたしの言葉になど全く動じていないというように、相手は薄ら笑いを浮かべて近くの電柱にもたれかかる。
「彼女から完全に『ワイヤード』を取り除くためだ」
「ワイヤードを……取り除く?」
「たとえ現実世界の人間に帰化できたとして、またあのような世界に触れる可能性は否定できない。いやむしろ確実に触れることになるだろう。それによって彼女が再び感化されるかもしれない。そこに対する回帰欲求が目覚めるかもしれない。そうしたら全てが水の泡だ」
「ちょっと……」
「だから僕はキーワードを思い出させるのと同時にある感情を芽生えさせたそれは……」
あたしは彼がその先の答えを口に出す寸前に理解した。彼女に一体何があったのかを。
「忌避感……」
「そのとおり。さすがだね」
彼は称賛など全く感じられないような拍手をした。
「そう、彼女があの『半分正解で半分外れ』のエピソードを語らせる上で最も重要なのは『ワイヤードで辛い思いをしたことであの世界に二度と戻りたくない、見たくも聞きたくもない』という自己意識を植え付けることだ」
震えが止まらない。
そのために……あんなことを……。
「これで彼女は『今自分が生きるこの世界こそが至高であり、ワイヤードなどという存在は自分に傷と痛みとトラウマを与えただけの、文字通り地獄でしかない』と自覚した。これで二度と彼女は染まることもない……一番目などという偽りの自分から抜け出し、完全な『この世界の住人』になれる」
「冗談じゃない!」
無意識に叫んだあたしは真横のブロック塀に拳を叩きつけた。
重たい音と共に、そのコンクリートの壁に無数のヒビの模様が出来上がる。
「たしかに一番目は過去に凄惨な仕打ちを受けてきた。それによってああなってしまったことは百も承知……でも……でもっ! ワイヤードそのものの是非に繋げることは間違ってる!! それはあなたの主観でしかないッ!」
「……」
「それに、たとえ今はそうだとしても、もし全ての真相を一番目が知った時……その自己意識も偽りであったと彼女は知ることになりますよ?」
「無理だね。たとえ頭では理解していても、心に根付いた感情はそう簡単には変えられない。たとえ異世界の存在に何の責任もないと知ったところで、彼女がもう一度その世界に好意的な印象を抱くことなど無い」
「……なら……ならっ!」
段々と声までが震えてくる。何を必死になってるんだろう、と自分でも思う。
あたしは……今はただの天使……言われたとおり、役目を果たせばいいだけなのに。
多分それはあたしの中の……『木村渚』が命じてるってことなんだろうか。
心のないあたしに、心を教えてくれた彼女が。
なら、言わなきゃ。でないと、気が収まらない! 荒ぶる心が落ち着かない!
「あなたはこう言った……『今の彼女は歪んでいる』……『どれだけ傷ついても、どんな痛みを感じても、常に自分の置かれた境遇が一番幸せであると思い込んでしまっているから』と……」
「……」
「それは……あなたが目指そうとしている彼女の在り方と何が違うんですか!」
本末転倒。
それを正すのが、死者処理事務局の使命だったはずなのに。今は彼女を導くために敷いたレールを……終着点から遠ざけている。
彼は目を閉じて黙って聞いていたが、あたしが言葉を吐き終えると、ため息を吐くように喋りだした。
「違いはあるさ」
「……何が?」
そしてメガネを取ってシャツの胸ポケットにしまい、ポツリと呟く。
「彼女がここで生きていくからだ」
「……」
「何がどう転んでも、彼女が今立っているのはこの世界であり、これから先の人生もずっとこの世界で作られていく……」
そう言いながら彼は虚空を仰ぎ、散りばめられた星空に向かって言った。
「そのために、わかってもらわないとね。ここで生きることの素晴らしさを」
「……どんな世界にだって下劣なものはありふれてます。この世界で生きることは幸せになるということとイコールではないでしょう?」
「だからそのために僕らがいるんだよ」
待ってましたと言わんばかりの、高らかで意気揚々とした声。
あたしは思わず小さく悲鳴を上げる。
「僕は一度彼女を見捨てた。その結果ああなってしまった」
そこには、人間で言うある種の狂気を感じた。
自分の信条とそのための手段こそが正義であると絶対に疑わない……そんな狂気。
「だから責任は果たさないとね。彼女が早く本当の幸せをつかめるようにしっかり『管理』しなくちゃ」
「……」
「全ては僕の贖罪のため……そして、もう一度彼女と向き合うためなんだ」
……。
がっくりとあたしは脛骨が折れたようにうなだれた。
もう反論する気すら起きない。
今やっと理解した。
この人間は、紛れもなく……。
「……でます」
「え?」
彼女が耳を傾けた時、最後の抵抗のつもりで、あたしは伏せていた面を上げ彼を上目遣いに見つめた。
「あなたは、歪んでます!」
だが結局はその抵抗も……いや、今までの抗弁全てが無駄に終わったようだ。
「歪んでる? ははっ、僕が? ははは……はっはははは! はーっはっはっは! はぁーあ、何を言ってるんだか」
それは聞けばわかる、誰の声も届いてない、誰の声も聞き届けるつもりもない笑い。
ひとしきり笑った後、彼は真顔で言い放った。
その言葉は……彼の今の姿を、歪みに歪みきったおぞましい姿をこれ以上なく忠実に現した言葉だった。
「僕はただ、歪んだものを元に戻そうとしてるだけだ」
……。
はぁ。
そうだよね。そう、なるよね……。
だって、彼女はあなたの――。
「それはそうと……君も君で随分とやってくれたよねぇ」
「はい?」
眉をひそめて聞き返すあたしに彼は引きつった表情を見せながら言う。
「さっきの戦いだよ」
なんだ。
何かと思えばその話か。
「おかげでマイグレーションは台無し。予定の半分で打ち止めになっちゃったじゃないか。れっきとした失態だよこれ?」
「……」
「まぁ戦いの最中に一番目自身が乱入したのはまぁこの際良しとしよう。それだけならまだいい。でも問題は……あの剣だ」
剣。
突如として襲いかかってきた化物を打ちのめし、とどめを刺した武器。
クローラ・クエリが生み出し、リファレンス・ルマナ・ビューアが使い、そしてセンパイに受け継がれた……三人を繋ぐ絆とも呼べるもの。
爪を噛みながら、先ほどとは打って変わって心底気に食わないというふうに、彼は軽く地団駄を踏んでこっちを睨んでくる。
先程センパイに、いつものヘラヘラ顔でいつつも辛辣な物言いで接していたのはそのせいか。
「いつあれを彼に仕組んだ?」
「……」
別にこんなことでイニシアティブを取れるとも取ろうとも思わない。
だが意趣返しを食らわせてやったと、少しだけ気が晴れたような気がした。
あたしはあえて明確には答えず、彼の前を横切りながらつらつらと述べた。
「部長。あなたさっきあたしに言いましたよね?」
「ん?」
「『君はどっちの味方なんだ』って」
「……」
顔をしかめる彼を横目で見やると、あたしはきっぱりと宣言した。
「あたしは……『木村渚』の味方です」
「あ?」
「今のあたしはセンパイのことが好きで好きで仕方ないです。気がつけばいつも彼のことばかり考えてて……その度に胸が苦しくて切ない。本当に狂おしいほど愛おしいって思ってます」
「……だから何?」
だから? そんなもの決まっている。
あたしはセンパイが大好き。
たとえあたし本人の気持ちでなくとも……それが『木村渚』の心の声だとしても。
何度でも言おう。彼のことを愛していると。
それこそ―――。
「キスだってしちゃうくらいに」
あの海の日。
センパイと二人きりになれたあのわずかなひととき。
『木村渚』としてのあたしにとって……本当に最高だった瞬間。
あたしは、自分の想いを彼に託した。
それが今日……やっと実を結んだ。
「……」
しばらく呆然としていた彼だったが、すぐにまたさっきの滑稽なものを見る顔に戻った。
だが……確実にその裏には煮えくり返るほどの憎悪と憤怒が渦巻いていると、人間ではないあたしにもわかった。
「本当に……人をムカつかせることに関しては天才的だね」
「ええ……あんたの言ってたとおり、『指示の出てない範囲で』好き勝手やらせてもらいました」
「ホント……君ってやつは」
もはや笑顔を保っていることすら困難になってきたか、彼はあたしに背を向けた。
これで五分五分……ってわけじゃもちろんないけど、ある程度彼の発作じみた行動は妨害できた。おかげで多少の損害はあれど……これまで通り計画は進められる。
「まぁいいや。これ以上ここでゴタゴタ言っても無駄だね。今日はお開きにしよう」
「それが賢明ですよ」
その時あたしが僥倖と感じたのは否めない。
もし彼の虫の居所が悪ければ、最悪の事態にもなりかねなかったから。
「でも最後に確認」
「なんです?」
「穢れの残りは……どうするつもり?」
さっさと歩行を再開させて、彼はあたしに尋ねてくる。
「あの穢れ――彼らの言う『シ霊』を一番目から抜き出し、二番目に襲わせることで移すつもりだった。でも結果さっき見ての通り、彼らに倒された。じゃあ残りの分はどうやってこれから処理していくつもり?」
「ご心配いりません。既に手は打ってありますので」
と言って、あたしはあるものを取り出して、彼に見せた。
真っ二つに割れた、血のように真っ赤な球体状の塊の片割れ。
シ霊のコア――そう呼ばれていたものだった。
彼は立ち止まって振り返り、それにつまらなそうな目を向ける。
「どうする気? それ」
「もちろん、予定通り事を運ばせるまでです」
「……あっそ。ならいいや」
疲れたと全身で表現するかのごとく大きく息を吐いて、彼はもうそれ以上言及することはしなかった。
後はあたしに任せればいい、そう思ったのだろう。
ひとまずこれで、話は終わりかな。
「……」
「? どうしたんですか」
彼が遠い目をしてあたし――ではなく、その背後をじっと見つめていたので、釣られて自分も振り返った。
すると、はるか先の道路をこちらとは反対方向に向かって歩く三人の男女の背中が。
センパイと、一番目と、二番目。
楽しそうに、三人で手を繋いで歩いている。
本当に仲良さそうに浮足立って、今にもスキップを踏みそうな雰囲気だ。
あんなことがあったってのに……いや、あんなことがあったからこそか。
――いいな。
不意にそんな言葉を吐きそうになるのをすんでのところで止めた。
羨ましい、か。やっぱり油断するとこうなっちゃうなぁ、あたし。
自分もあの中に入れたらどんなにいいだろう、と思わずにはいられない。
そんなの、天地がひっくり返っても叶うはずないのに。
「帰りましょう」
それ以上見てると沸き立つ感情を抑えられる自信がなかったので、あたしは彼に向けてそう言ったが、言葉をかけられた当人は歩き出そうとしなかった。
一体どうしたんだろう。あたし以上に彼らを見ているのは辛いはずなのに。
「偶然ってのは恐ろしいもんだね」
「はい?」
「いや、それとも必然か? むしろこういうのを運命と言うんだろうか……」
「あの、一体何を……」
いきなり独り言? 困惑するあたしは首を傾げることしかできない。
が、次の瞬間にその意図は明らかになった。
「ワイヤードの初代帝王の名前」
「!」
「あの剣に付けられた名前」
彼の目だけが動き、あたしに向けられる。
「そして……君の本当の名前」
その時のあたしはどんな表情をしていたんだろう。
頭が真っ白になって、何も考えられなくなった時、人間というのはどういう顔になるとデータにはあったっけ?
「もしかしてあの剣の形にしたのは……それが理由だったり?」
「……」
「ま、どっちでもいいけどね」
答えを探し当てるより先に、彼はあたしを見下したように鼻で笑うとまたスタスタと早歩きで行ってしまう。
そして軽く手を振りながら背中越しに、いつものチャラチャラしたような品のない声で言う。
「そんじゃ、明日からまた『天使』として、引き続き彼らの監視頼んだよ、ナギちゃん。いや――」
そこで言葉を切り、彼はもう一度だけ足を止め、こちらを振り返った。
立ち尽くすあたしに、その黒い二つの瞳を向ける。
死んだ魚のような目をした、全てに絶望した者だけが持つ瞳を。
そして口端を歪め、牙を剥き、赤い舌を露わにして……呼んだ。
自らの前に存在する、あたしの名を。
「デウス・エクス・マキナ」
「何か言いたいことがあるなら言えばいいじゃないか。どーせ誰が聞いてるわけでもなし」
あたしの一歩前を悠々と歩く彼は、落ち着き払った声でそう言う。
そこまで気づけてるならわざわざ訊くなと、何回言えばわかるんだ。
いい加減うんざりしたあたしは足を止めてわざとらしくため息を一つ。
そして足を止め、彼の背中を睨みつけて問うた。
「何故嘘の記憶を植え付けたんです?」
ぴたり、と彼もその場で停止する。
少しの間の静寂が流れた後、その中年男性のせせら笑う声が聞こえてきた。
「嘘って? ああ、僕が一番目や二番目にちょっかい出した事実をもみ消したこと? 仕方ないじゃないか。まだ事務局のメンバーだとバレる訳にはいかないからねぇ。そのへんの記憶は多少いじっても計画には差し支えない――」
「とぼけないでくださいよ」
静かに、だけどはっきりとあたしは押し殺した声で詰問した。
「あたしが言っているのは……一番目の記憶のことです」
「……」
「あのでたらめな記憶……なぜあんなものを彼女に仕込んだのですか? 何がキカイ大戦ですか? 初代王の末裔!? 真実と何もかも違うではないですか!」
彼は答えない。あたしは息を切らして肩を上下させつつも糾弾をやめない。
「以前にも言ったはず! 今一番目に死に際のことを指摘したら『瓦解』すると!」
だからこそ、センパイがその質問をしないように意志を今日までコントロールしてたのに! なのにこいつが今日それをしてしまった。
「その結果があれなんじゃないんですか! 穢れを抜き出すためとはいえ、あまりにも悪手すぎるし逆効果です! これでますます彼女が真実から遠ざかってしまったではないですか!」
「……以前にも言った、ねぇ」
あたしとは対照的に冷静そのものといった口調で、彼はこちらを振り返る。
「ならこちらもその時に言い返したことを繰り返そう」
街灯の光が反射する眼鏡を指で押し上げ、その男は端的に言った。
「言ったはずだ、『そうなった場合でも、都合のいいように解釈するだろう』と」
「っ……」
あたしの勢いが止まり、言葉が詰まる。
それを反論できないものと受け取った彼はあくどい笑みを浮かべる。
「君でも忘れたり間違えたりすることがあるんだねぇ。じゃあ答え合わせをしようか」
ぴん、と立てた右手の人差し指があたしの前に突き出される。
「第一に、僕は一番目に記憶を仕組んでなどいない。今言った通りさっきの彼女が述べたエピソードは全て、僕の言葉をトリガーに彼女自身が思い出した『自分の死』を今の彼女なりに解釈した結果だ」
「……」
「第二に」
言いながら立てられた中指が人差し指の隣に並んだ。
「彼女が語った過去は決してでたらめなどではない」
「何ですって?」
どう考えてもでたらめだろう。あたしたちが知っている真実とはなにかもがかけ離れている。
彼は口の端を吊り上げて歯を覗かせると、あたしの方に一歩ずつ近づきながら理由を語った。
「『自身がワイヤードを創った者の関係者』、『既存のそれにキカイという概念を持ち込んだ人物』」
「?」
「『それを持ち込むことで起きた争い』、『奴隷にまで落ちたという事実』『リファレンス・ルマナ・ビューアが死のきっかけ』『主人殺し』……」
「……」
「最後に、『密告者の存在』」
彼はあたしの目と鼻の先で足を止め、少し身をかがめると額をゴツンとあたしにぶつけた。
黒々とした、周囲の闇よりも深い色をした瞳があたしに金縛りをかける。
動けないこちらに向かって、彼はゆっくりと答えを言った。
「どうだい、ちゃんと要点は抑えてあるだろ?」
……この野郎。
人間ならそんなことばが100%出るに違いない、とあたしは確信した。
「真実から遠ざかった? 逆だね、これで間違いなく彼女は近づいたんだよ」
「……どういうことですか」
「真実へのキーワードが揃ったということさ。自分の頭の中に眠っていたそれらを断片的に繋ぎ合わせ、『今の彼女』なりに認識した結果がさっきのエピソードだ。言うなれば『半分正解で半分外れ』というわけだ」
自分にとことん酔いしれたような口調で彼は続ける。
「今の一番目が自覚している記憶はいわば黒炭だ。だが構成する元素はそのままに、配列を組み変えればそれはダイヤモンドへと姿を変える」
「……」
「いずれ彼女はさらに穢れを落としていくうちに気づくだろう。さっき自分で語った過去のおかしさに。そしてそれぞれのキーワードが指し示す意味を紐解き、分解と再構築を繰り返すことで……その先に待つ真実を思い出す――」
ぽん、とそこで彼の両手があたしの両肩に置かれた。
瞬き一つしないまま、目の前の人間はゆっくりと自分の思惑を口にした。
「自分が本当は何者なのかを」
パン。
と、とうとう我慢ができなくなったあたしは彼の手を払い除けた。
肩をわざとらしく払い、最大級の睨みをぶつけて反論開始。
「都合のいいように解釈するほど彼女が『染まってる』のはわかってます! でもあえてそうさせる意味は? なぜわざわざ回りくどいことをする必要があるんです! 予定していたプロセスには無いアクションが、どれだけ危険を孕んでいると思ってるんですか!」
「必要はあるよ」
即答だった。あたしの言葉になど全く動じていないというように、相手は薄ら笑いを浮かべて近くの電柱にもたれかかる。
「彼女から完全に『ワイヤード』を取り除くためだ」
「ワイヤードを……取り除く?」
「たとえ現実世界の人間に帰化できたとして、またあのような世界に触れる可能性は否定できない。いやむしろ確実に触れることになるだろう。それによって彼女が再び感化されるかもしれない。そこに対する回帰欲求が目覚めるかもしれない。そうしたら全てが水の泡だ」
「ちょっと……」
「だから僕はキーワードを思い出させるのと同時にある感情を芽生えさせたそれは……」
あたしは彼がその先の答えを口に出す寸前に理解した。彼女に一体何があったのかを。
「忌避感……」
「そのとおり。さすがだね」
彼は称賛など全く感じられないような拍手をした。
「そう、彼女があの『半分正解で半分外れ』のエピソードを語らせる上で最も重要なのは『ワイヤードで辛い思いをしたことであの世界に二度と戻りたくない、見たくも聞きたくもない』という自己意識を植え付けることだ」
震えが止まらない。
そのために……あんなことを……。
「これで彼女は『今自分が生きるこの世界こそが至高であり、ワイヤードなどという存在は自分に傷と痛みとトラウマを与えただけの、文字通り地獄でしかない』と自覚した。これで二度と彼女は染まることもない……一番目などという偽りの自分から抜け出し、完全な『この世界の住人』になれる」
「冗談じゃない!」
無意識に叫んだあたしは真横のブロック塀に拳を叩きつけた。
重たい音と共に、そのコンクリートの壁に無数のヒビの模様が出来上がる。
「たしかに一番目は過去に凄惨な仕打ちを受けてきた。それによってああなってしまったことは百も承知……でも……でもっ! ワイヤードそのものの是非に繋げることは間違ってる!! それはあなたの主観でしかないッ!」
「……」
「それに、たとえ今はそうだとしても、もし全ての真相を一番目が知った時……その自己意識も偽りであったと彼女は知ることになりますよ?」
「無理だね。たとえ頭では理解していても、心に根付いた感情はそう簡単には変えられない。たとえ異世界の存在に何の責任もないと知ったところで、彼女がもう一度その世界に好意的な印象を抱くことなど無い」
「……なら……ならっ!」
段々と声までが震えてくる。何を必死になってるんだろう、と自分でも思う。
あたしは……今はただの天使……言われたとおり、役目を果たせばいいだけなのに。
多分それはあたしの中の……『木村渚』が命じてるってことなんだろうか。
心のないあたしに、心を教えてくれた彼女が。
なら、言わなきゃ。でないと、気が収まらない! 荒ぶる心が落ち着かない!
「あなたはこう言った……『今の彼女は歪んでいる』……『どれだけ傷ついても、どんな痛みを感じても、常に自分の置かれた境遇が一番幸せであると思い込んでしまっているから』と……」
「……」
「それは……あなたが目指そうとしている彼女の在り方と何が違うんですか!」
本末転倒。
それを正すのが、死者処理事務局の使命だったはずなのに。今は彼女を導くために敷いたレールを……終着点から遠ざけている。
彼は目を閉じて黙って聞いていたが、あたしが言葉を吐き終えると、ため息を吐くように喋りだした。
「違いはあるさ」
「……何が?」
そしてメガネを取ってシャツの胸ポケットにしまい、ポツリと呟く。
「彼女がここで生きていくからだ」
「……」
「何がどう転んでも、彼女が今立っているのはこの世界であり、これから先の人生もずっとこの世界で作られていく……」
そう言いながら彼は虚空を仰ぎ、散りばめられた星空に向かって言った。
「そのために、わかってもらわないとね。ここで生きることの素晴らしさを」
「……どんな世界にだって下劣なものはありふれてます。この世界で生きることは幸せになるということとイコールではないでしょう?」
「だからそのために僕らがいるんだよ」
待ってましたと言わんばかりの、高らかで意気揚々とした声。
あたしは思わず小さく悲鳴を上げる。
「僕は一度彼女を見捨てた。その結果ああなってしまった」
そこには、人間で言うある種の狂気を感じた。
自分の信条とそのための手段こそが正義であると絶対に疑わない……そんな狂気。
「だから責任は果たさないとね。彼女が早く本当の幸せをつかめるようにしっかり『管理』しなくちゃ」
「……」
「全ては僕の贖罪のため……そして、もう一度彼女と向き合うためなんだ」
……。
がっくりとあたしは脛骨が折れたようにうなだれた。
もう反論する気すら起きない。
今やっと理解した。
この人間は、紛れもなく……。
「……でます」
「え?」
彼女が耳を傾けた時、最後の抵抗のつもりで、あたしは伏せていた面を上げ彼を上目遣いに見つめた。
「あなたは、歪んでます!」
だが結局はその抵抗も……いや、今までの抗弁全てが無駄に終わったようだ。
「歪んでる? ははっ、僕が? ははは……はっはははは! はーっはっはっは! はぁーあ、何を言ってるんだか」
それは聞けばわかる、誰の声も届いてない、誰の声も聞き届けるつもりもない笑い。
ひとしきり笑った後、彼は真顔で言い放った。
その言葉は……彼の今の姿を、歪みに歪みきったおぞましい姿をこれ以上なく忠実に現した言葉だった。
「僕はただ、歪んだものを元に戻そうとしてるだけだ」
……。
はぁ。
そうだよね。そう、なるよね……。
だって、彼女はあなたの――。
「それはそうと……君も君で随分とやってくれたよねぇ」
「はい?」
眉をひそめて聞き返すあたしに彼は引きつった表情を見せながら言う。
「さっきの戦いだよ」
なんだ。
何かと思えばその話か。
「おかげでマイグレーションは台無し。予定の半分で打ち止めになっちゃったじゃないか。れっきとした失態だよこれ?」
「……」
「まぁ戦いの最中に一番目自身が乱入したのはまぁこの際良しとしよう。それだけならまだいい。でも問題は……あの剣だ」
剣。
突如として襲いかかってきた化物を打ちのめし、とどめを刺した武器。
クローラ・クエリが生み出し、リファレンス・ルマナ・ビューアが使い、そしてセンパイに受け継がれた……三人を繋ぐ絆とも呼べるもの。
爪を噛みながら、先ほどとは打って変わって心底気に食わないというふうに、彼は軽く地団駄を踏んでこっちを睨んでくる。
先程センパイに、いつものヘラヘラ顔でいつつも辛辣な物言いで接していたのはそのせいか。
「いつあれを彼に仕組んだ?」
「……」
別にこんなことでイニシアティブを取れるとも取ろうとも思わない。
だが意趣返しを食らわせてやったと、少しだけ気が晴れたような気がした。
あたしはあえて明確には答えず、彼の前を横切りながらつらつらと述べた。
「部長。あなたさっきあたしに言いましたよね?」
「ん?」
「『君はどっちの味方なんだ』って」
「……」
顔をしかめる彼を横目で見やると、あたしはきっぱりと宣言した。
「あたしは……『木村渚』の味方です」
「あ?」
「今のあたしはセンパイのことが好きで好きで仕方ないです。気がつけばいつも彼のことばかり考えてて……その度に胸が苦しくて切ない。本当に狂おしいほど愛おしいって思ってます」
「……だから何?」
だから? そんなもの決まっている。
あたしはセンパイが大好き。
たとえあたし本人の気持ちでなくとも……それが『木村渚』の心の声だとしても。
何度でも言おう。彼のことを愛していると。
それこそ―――。
「キスだってしちゃうくらいに」
あの海の日。
センパイと二人きりになれたあのわずかなひととき。
『木村渚』としてのあたしにとって……本当に最高だった瞬間。
あたしは、自分の想いを彼に託した。
それが今日……やっと実を結んだ。
「……」
しばらく呆然としていた彼だったが、すぐにまたさっきの滑稽なものを見る顔に戻った。
だが……確実にその裏には煮えくり返るほどの憎悪と憤怒が渦巻いていると、人間ではないあたしにもわかった。
「本当に……人をムカつかせることに関しては天才的だね」
「ええ……あんたの言ってたとおり、『指示の出てない範囲で』好き勝手やらせてもらいました」
「ホント……君ってやつは」
もはや笑顔を保っていることすら困難になってきたか、彼はあたしに背を向けた。
これで五分五分……ってわけじゃもちろんないけど、ある程度彼の発作じみた行動は妨害できた。おかげで多少の損害はあれど……これまで通り計画は進められる。
「まぁいいや。これ以上ここでゴタゴタ言っても無駄だね。今日はお開きにしよう」
「それが賢明ですよ」
その時あたしが僥倖と感じたのは否めない。
もし彼の虫の居所が悪ければ、最悪の事態にもなりかねなかったから。
「でも最後に確認」
「なんです?」
「穢れの残りは……どうするつもり?」
さっさと歩行を再開させて、彼はあたしに尋ねてくる。
「あの穢れ――彼らの言う『シ霊』を一番目から抜き出し、二番目に襲わせることで移すつもりだった。でも結果さっき見ての通り、彼らに倒された。じゃあ残りの分はどうやってこれから処理していくつもり?」
「ご心配いりません。既に手は打ってありますので」
と言って、あたしはあるものを取り出して、彼に見せた。
真っ二つに割れた、血のように真っ赤な球体状の塊の片割れ。
シ霊のコア――そう呼ばれていたものだった。
彼は立ち止まって振り返り、それにつまらなそうな目を向ける。
「どうする気? それ」
「もちろん、予定通り事を運ばせるまでです」
「……あっそ。ならいいや」
疲れたと全身で表現するかのごとく大きく息を吐いて、彼はもうそれ以上言及することはしなかった。
後はあたしに任せればいい、そう思ったのだろう。
ひとまずこれで、話は終わりかな。
「……」
「? どうしたんですか」
彼が遠い目をしてあたし――ではなく、その背後をじっと見つめていたので、釣られて自分も振り返った。
すると、はるか先の道路をこちらとは反対方向に向かって歩く三人の男女の背中が。
センパイと、一番目と、二番目。
楽しそうに、三人で手を繋いで歩いている。
本当に仲良さそうに浮足立って、今にもスキップを踏みそうな雰囲気だ。
あんなことがあったってのに……いや、あんなことがあったからこそか。
――いいな。
不意にそんな言葉を吐きそうになるのをすんでのところで止めた。
羨ましい、か。やっぱり油断するとこうなっちゃうなぁ、あたし。
自分もあの中に入れたらどんなにいいだろう、と思わずにはいられない。
そんなの、天地がひっくり返っても叶うはずないのに。
「帰りましょう」
それ以上見てると沸き立つ感情を抑えられる自信がなかったので、あたしは彼に向けてそう言ったが、言葉をかけられた当人は歩き出そうとしなかった。
一体どうしたんだろう。あたし以上に彼らを見ているのは辛いはずなのに。
「偶然ってのは恐ろしいもんだね」
「はい?」
「いや、それとも必然か? むしろこういうのを運命と言うんだろうか……」
「あの、一体何を……」
いきなり独り言? 困惑するあたしは首を傾げることしかできない。
が、次の瞬間にその意図は明らかになった。
「ワイヤードの初代帝王の名前」
「!」
「あの剣に付けられた名前」
彼の目だけが動き、あたしに向けられる。
「そして……君の本当の名前」
その時のあたしはどんな表情をしていたんだろう。
頭が真っ白になって、何も考えられなくなった時、人間というのはどういう顔になるとデータにはあったっけ?
「もしかしてあの剣の形にしたのは……それが理由だったり?」
「……」
「ま、どっちでもいいけどね」
答えを探し当てるより先に、彼はあたしを見下したように鼻で笑うとまたスタスタと早歩きで行ってしまう。
そして軽く手を振りながら背中越しに、いつものチャラチャラしたような品のない声で言う。
「そんじゃ、明日からまた『天使』として、引き続き彼らの監視頼んだよ、ナギちゃん。いや――」
そこで言葉を切り、彼はもう一度だけ足を止め、こちらを振り返った。
立ち尽くすあたしに、その黒い二つの瞳を向ける。
死んだ魚のような目をした、全てに絶望した者だけが持つ瞳を。
そして口端を歪め、牙を剥き、赤い舌を露わにして……呼んだ。
自らの前に存在する、あたしの名を。
「デウス・エクス・マキナ」
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