異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル51.女騎士と女奴隷と日常②

6.女奴隷とメイド(中編)

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 唖然呆然大仰天。
 普段ダークな雰囲気の白黒ゴスロリ服の彼女が、こんなフリフリキュートなメイド服でいるなんて。
 そりゃ双方言葉も失うわ。どんなサプライズだよこれ。
 俺達はしばらく向かい合ったまま、冷や汗をダラダラ垂れ流すのみ。しかしそんな状態で互いに黙ったままでいると、当然周囲は怪しむ。
 そうこうしているうちに、客と他のメイドの視線がわらわらと集まってきた。これはまずいぞ。どうする? 逃げるか? まだ一口も喰ってないけど。

「は、はーいリクエスト通りできたわよ! リアル殺人現場風血痕ケチャップアート!」
「は!?」
「ふっ、まったくこんなアヴァンギャルドなものをお望みなんて変わったご主人様もいたものね。でもこのあたしにかかれば、この程度チョチョイのチョイのホイサッサよ! 光栄に思いなさい!」

 沈黙を破ったのはエリア女史だった。
 まるでパテを塗りたくったような笑顔を浮かべながら、もの見事にこの大惨事をごまかしきった。ていうか全部俺の要求ということにされたよざけんなこの野郎しばくぞ。
 だが他の客はそれで納得して、各々の時間をエンジョイしに戻った。
 本当なら俺達も彼らと同じようにウキウキ気分で応じるところだが、この現状ではお通夜のような雰囲気になってしまっているのは否めない。

「じゃ、じゃあ注文は以上だったわね! 他にも別サービスがあるから何かあったら気兼ねなく申しつけるがいいわ! あ、呼び方でリクエストとかあればそれに変更も可能だけど? どうする?」
「いや、そーゆーのは特に……適当で」
「そう。ならエリアのお好みでいかせてもらうわねー。それじゃあ早速……」

 バァン!
 と両手をテーブルに叩きつけ、早くもパテが剥がれたエリアは重々しく低い声で囁くように言った。

「さすがは我が婿……私に会いたくなってこ ん な と こ まで来ちゃうなんて。ほんと嬉しいわ」
「……ウス」

 その顔の引きつり具合からするに、やはり見られたくないお仕事風景だったようだ。

「ものすごく驚きだけど、ようやく私の伴侶になる気になったってことでいいのよねぇ? ちょっと遅すぎる気がしないでもないけど、まぁいいわ」

 ブンブンと俺は高速で首を横に振る。
 会いたくなかったし、そもそもエンカウントすること自体まったくの想定外ですんで。
 そりゃ自分が会いたかった人がたまたま職場に現れて、たまたまそれがメイド喫茶で、たまたま自分が接客することになるなんて、どう考えてもこっちが狙ってやってきたとしか思えないだろうけども! 逆にこれを否定して偶然だと言っても、それはそれで「結ばれる運命」とかいう言い訳を与えてしまいかねない。なんだこの八方塞がり!

「てか、お前こそ何でこんなところにいるんだよ。メイド喫茶なんて……帝王を名乗る奴がやる仕事とは思えねぇぞ」
「そっ、それは……」

 痛いところを突かれたのか、たじたじになる自称帝王様。話題逸らしからの反撃成功。

「あ、あれよ。城下の庶民の暮らしを視察するのも王たる者の務め。だからこうして一般市民に扮して、街の様子がどんなものかを探ってるわけ」

 要はお忍びってわけか。にしては職種のチョイスがあまりにもアレなんですが。ていうか視察なら普通に客としてくればよくね? 帝王なら立場的にもそっちの方が向いてそうだし。

「べ、別にいいでしょ! そんじょそこらの仕事場なんか見たって面白くないし。店の裏事情も知っておくには従業員の方が何かと都合がいいの!」
「あっそ」

 投げやりに納得したリアクションをして見せると、エリアは気を落ち着けて一息つく。

「とにかく。私がここで働いてるのは決して本気でやってるわけじゃないから。王の職務の一環で仕方なくやってるだけ! わかった?」
「へいへい」

 と肩を竦めてみせたその時である。

「メイド長ー!」

 と、厨房方面から出てきたメイドが誰かを呼んだ。
 メイド長。名前から察するにチーフ的な人を探してるんだろうか。そのメイドはお目当てが見つからないのか、しばらくキョロキョロとしていたのだが……。

「あ、いた」

 見つけたらしい。
 安堵した表情で、彼女はそのメイド長と思しき人物に駆け寄り、ポンと肩を軽く叩く。

「メイド長~。接客中すんません、厨房のケチャップ切らしちゃったんですけど、替えってどこにありましたっけ?」
「……」

 だがメイド長は答えない。
 部下が困っているのになぜ無視しているのか。自身もケチャップの替えの場所を知らないのか、それともそんなもの自分でなんとかしろ精神の厳しいお方なのか。
 答えは、そのどちらでもなかった。

「あの、メイド長? どうしたんすか?」

 心配そうにメイドが言うも、本人は額にどっと汗を吹き出していて答えない。見るからに焦りまくっている御様子。
 それもそのはず。
 だってメイド長の正体は……。

「あのー、エリアメイド長? ケチャップないとオムライスがいつまでも出せないんですけど~」
「……」

 俺は目を細め、冷ややかな視線をメイド長ことエイリアスさんに送った。
 再び気まずい沈黙タイム。また周囲の視線がこっちに集中しかける。
 そしてそれを破るのもまたエリア女史であった。

「ま、まったく。資材庫の入り口に段ボールがあるからそこにいっぱい入ってるわよ。昨日言ったばかりでしょーに」
「あ、そーでした! あたしったら忘れんぼ。テヘ」
「まったく。悪いわねー、この娘ってば結構天然なのよー」

 愛想笑いでエリアは俺達に謝罪してきた。素早い対応と接客中断をうまくキャラ萌えに繋げる機転の利かし方。さっきのごまかしといい、その手腕はまさしくメイド長の名に相応しい。
 その忘れんぼメイドさんがトコトコと戻っていったのを確認し、俺はボソッと呟いた。

「王の職務の一環で仕方なく……ねぇ」
「う」
「随分と出世されてるようですなぁ」
「そ、そりゃ私は人望も厚いし、戦闘力だって53万だし、オーラだってピトー並にあるしっ! 市民に扮していてもやはりそれ相応の立ち位置に上り詰めてしまうのは、いわば帝王としての素質があるからこそで……」
「……」
「な、なによその養豚場の豚を見るような目はっ! いいでしょ別にっ!」

 耐えきれないのか涙目で訴えてきた。流石に可哀想だから、煽るのはこのへんでやめにしよう。

「と、とにかくっ! もうあたしは行くから、次はプライベートなときに会いに来なさいよね! あんたは私の婿なんだから、来るならタキシード着て、花束でも持ってくるのが常識よ」
「はいはい」

 俺は生返事を返し、不満げに背を向けるそのツンツンメイドさんを見送ろうとした。
 その時。

「あ、主くん……」

 クローラが立ち上がると、備え付けのナプキンを何枚か取って寄ってきた。そして座っている俺の前にしゃがみ込むと……。

「衣服が、汚れておりますので……」

 ご丁寧にも、シャツに付いたケチャップを拭いてくれた。そういえばめちゃくちゃぶっかけられてたんだった。余計な気を使わせちゃったかな。

「いや、いいよクローラ。自分でやるからこれくらい」
「そういうわけにはまいりません。主くんのお世話するのは、私の役目ですから」
「……ありがと」

 優しいなぁ。と、俺はほっこりした気分になる。
 ぶっちゃけこういう拭き方はシミが広がって逆効果なんだけど、心遣い自体は素直にありがたい。辺りの人間もほんわかした表情で俺達の様子に見入っていた。
 約一名を除いて。

 ぴたっ、ともう用済みのはずのメイド長様が足を止める。
 そして大げさにため息を吐いたかと思うと、何のつもりか急遽踵を返して戻ってきた。

「もうー、我が婿ったら、子供じゃあるまいしこんなに汚しちゃってー」

 と、さっきのパテ塗りの笑顔でクローラを自然に押しのけ、俺の真ん前に居座った。困惑する俺とクローラを置き去りにするかのように、しれっとポケットから彼女は清潔な布と小型のスプレーみたいな容器を取り出す。
 そして中に入った透明な液体(多分洗剤)をクローラが拭いた部分に散布し、布巾でぽんぽんと叩くように掃除し始めた。

「はーい、さっさとキレイキレイしましょうねー。我が婿ともあろう者が、こんな不潔なカッコしてたらみっともないわよ」

 ちょっと待て事の元凶全部あんたなんですが。何なのその徹頭徹尾責任転嫁してくスタイル。何喰ってどんな環境で育てばこんな傲慢な性格になれるの?
 だが腐っても熟練の喫茶店員、汚れの落とし方はエリアの方が一枚上手であった。瞬く間にシャツの赤いシミは消え失せ、元のぴっかぴかの状態に復元した。これでは怒るに怒れない。

「はーい、お掃除完了。ありがたく思いなさいよね」
「………あざっす」

 謝罪どころか、こっちが謝辞を述べなきゃならんとか。なんだこの店員。なんでこんなのがチーフになれんの? ここのオーナーなんか弱み握られてんの?

「………ってクローラ。お前にもケチャップ飛び散ってないか?」
「え? あ、そうみたいですね」

 黒いワンピースだから気づくのが遅れたが、確かにあちこちに汚れが付着している。いかんいかん、その服は彼女のお気に入りなんだから早くなんとかしないと。

「おいエリア、クローラの汚れもその洗剤で落としてやってよ」
「え、なんで?」

 なんでってお前。こっちのセリフだよ、何その本気で言ってる意味わかんないというような表情は。

「オメーがケチャップぶちまけたせいだからに決まってるだろ。何言ってんだ」
「いや、だからなんで?」

 日本語通じねぇのかこいつ。
 若干イラっときた俺は食ってかかろうとしたのだが、それよりも先に向こうがとんでもない一言を放った。

「なんであたしがそんな卑しい奴隷を掃除してやんなくちゃいけないの?」

 キレるかと思った。頭に血が上るとはこういうことなんだなと初めて実感した。
 まさに客に対してあるまじき態度。メイドのキャラで済ませられる問題じゃない。

「どういうつもりだオメー」
「どういうもこういうも、当たり前でしょ。あたしは帝王、国の最高位に就く人間が最底辺の身分の輩の汚れを拭け? 冗談きついわよ、我が婿」
「なっ」

 言い返そうとしたが、エリアは俺の耳元に口を近づけると他の客や店員に聞こえないように御託を並べ続けた。

「第一あんたこそどういうつもり? 公共の店に奴隷を平然と引き連れてくるとか厚顔無恥も甚だしいわね。ああいうのは店の外で繋いでおくのがマナーでしょうが。何のための首輪だと思ってんの?」
「てめぇ……」
「ワイヤードではそれが普通だったはずだけど? もしかしてそいつ何も言わなかったの? なるほど、知られなきゃいいと思って黙ってたわけか。卑しい身分の者が考えそうなことね」

 怒りで拳が震えた。
 ケチャップをかけられたことなどどうでもよくなるくらいに。それに対する謝罪も何もないことなど忘れてしまうくらいに。
 クローラを公然と侮辱されたことが、許せなかった。 
 気がつくと俺は立ち上がって、今にもエリアに掴みかかろうとしていたが。それは不覚にも途中で断念せざるを得なくなった。

「やめてください主くん」

 クローラが立ち上がって、俺の袖をつまんでいた。
 その顔はとてもやりきれない思いを孕んでいるものだとひと目でわかる。

「いいんです、クローラは平気ですから。だから私なんかのために――」
「なんか、とか言わないでよ」

 押し殺したような声で俺は彼女に伝えた。

「俺はお前を何より大切に想ってる。なのに、お前自身が自分を大切にしないでどうすんだよ」
「でも、その人の言う通り……私は奴隷です。ワイヤードだったらこのような場所についてくる事自体本来タブーですし。汚れがついたって、もともと奴隷は穢れてる存在――」
「お前はもう奴隷じゃないだろ」

 彼女が泣きそうになりながら言うのを、俺は静かに、それでいて強く否定した。

「お前は、あの日俺に奴隷のままじゃ嫌だって言った。その願いは叶ったんじゃないのか? こうして今俺と話してるお前は、奴隷のクローラなのか?」
「主くん……」

 恋人同士。それが今の俺と彼女の関係。
 一緒にいて何が悪い。一緒に店に入って何が悪い。侮辱されて腹を立てることに何の問題がある?
 おかしくなんかない、間違ってなんかない。
 なんたって、そういう既存の価値観から抜け出すために、彼女はここで成長していってるんだから。もう二度と、ワイヤードで味わったつらい日々と同じ思いはさせないって、そう決めたんだ。

「……なるほど、開き直ってるってわけか」

 と思った矢先に、またエリアが不快そうな顔でぼやいた。

「まぁそんならそれでいいけど。どうせいずれ分際をわきまえない下郎はあたしが全て叩き潰すから。ただ……」

 ゴツン、と額をクローラの頭にぶつけると彼女は悪魔のように口の端を吊り上げ、牙を剥き出して嘲笑った。

「あんたは奴隷よ。どこまでいってもね」
「っ!?」
「たとえ住む世界が違おうが、優しい人に出会おうが、他ならぬあんた自身が変わってなけりゃ無意味。だけど今のあんたは心の芯から奴隷を脱け出せてない。あたしにははっきりわかる」
「……私、は」
「いわばどっちつかずなのよあんたは。奴隷じゃいやだとか口で言ってても、どこかで変化を恐れてるあんたがいる。でもそれと面と向き合おうとはせずに、そのまま自分の中に押し込め続けている……そんな迷いが見えるわ」
「……」

 言葉も出ないままクローラは一歩後ずさる。
 それに追い打ちをかけるように、エリアは踏み出して赤い二つの瞳で彼女を睨みつけた。

「あんた……何を隠してるの?」

 その言葉を境に、クローラの表情がこわばり、全身が二三度痙攣した。まるでそのセリフがナイフのように心臓を貫いたように。その後彼女はだらんと両腕を下げ、脛骨が折れたかのようにうつむいて押し黙ってしまう。生気が抜けたみたいに目からは輝きが完全に失われていた。

「トイレ……行ってきます」
「クローラ……」
「心配いりません、汚れを……落としてくるだけですので」

 それを聞いたエリアは目を閉じて、つまらなそうに顎でトイレの案内がある方向をしゃくった。クローラは無言でお辞儀をし、そそくさと足早にその場から去っていった。

「ちょ、待ってよクローラ!」
「どこに行く気よ我が婿」

 後を追おうとした俺の手をエリアが掴んで止めた。

「女子トイレまでついていく気? ちょっとあの奴隷に肩入れしすぎじゃあないの?」
「お前こそ……これ以上あいつをどうしようってんだよ! 向こうでも散々ひどい目にあわせておいて!」

 その手を振り払って俺はとうとう怒鳴った。瞬間、賑やかだった店内が静まり返り、一斉に客の目が再び俺達に集中する。
 そんな中でも、エリアは冷めた表情で肩を竦めるのみであった。

「向こうでも……って、何の話よ。あのはぐれ騎士も散々そのことで喚いてたけど、一体あたしが何をしたってわけ?」
「シラ切るのも大概に――」
「あのー、ご主人様、メイド長……どうされましたか?」

 そんな時、騒ぎを駆けつけてさっきのメイドさんが苦笑しながら声をかけてきた。
 どうする? 正直に洗いざらい事情を話すか? だが、こいつのメイド長という立場があると、どうしても第三者はそっちを信用する。最悪こっちが悪質クレーマー呼ばわりされて出禁になるかもしれない。
 かといって黙ってれば、それはそれで不利になる。被害者はこっちなんだから、毅然とした態度でいくしかない。

「あのですね、おたくの店の――」
「いやーもうそこまで言うんならしょぉーがないわねぇ!」

 ガバァ! と突如エリアが俺の肩に手を回して体重を載せてきた。
 俺もメイドさんも瞬時に頭が無数のクエスチョンマークで埋め尽くされる。

「そんなにあたしと二人きりになりたかったのぉ? まぁいいわ、今回だけ特別サービスなんだからねっ!」
「ちょ、お前……何を言って」
「め、メイド長? どういうことですか?」

 困惑する俺達に猫かぶりモードのエリアは屈託のない笑みでサラッと釈明した。

「もう聞いてよ、このご主人様からVIPルームに行きたいってさっきから何度もおねだりされちゃって~」

 は!? ブイ・アイ・ピー? なんじゃそりゃ? 何の話してんだよ!?

「えぇ!? でもメイド長、あそこに初回の人を入れるわけには……」
「そうなのよ~。とは言っても、断りきれない事情があってねぇ」
「と言いますと?」

 口を挟もうとする俺の首を腕で絞め上げて黙らせつつ、その悪徳メイド長は息を吐くようにとんでもないことを言い放った。

「実はこの人、ここの経営会社の社長のご子息様らしくってぇ。今日はお忍びで視察に来てるらしいのぉ」
「そうだったんですか!?」
「(は!?)」

 驚愕の事実に口に手を当てて驚くメイドさん。そしてその虚偽の事実に口に手を押し当てられて黙るしかない俺。
 なんだ社長子息って!? 何だお忍びって!? まるで意味がわからんぞ! 何のつもりか知らんが突飛すぎるだろいくらなんでも! 誰がそんなん信じるっていうん―――

「こ、これは失礼しましたっ! これまでの数々の無礼お許しくださいませっ!」

 いたー。目の前のメイドさん、腰90度折って深々と謝罪しちゃったー。

「え? なに社長の息子?」
「マジで? やばい、挨拶しとかなきゃ」
「嘘でしょ、あたし聞いてないよ」

 それだけでなく、他の接客にあたってた一般メイドさん及び、なんかオーナーっぽい人まで反応して集まってきた。なんだなんだよ、一体何がどうなってんだ!?

「ってなわけで、直々のご指名ついたからあたしは失礼するわねー」
「は、はいっ! ごゆっくりお楽しみくださいませ!」
「さぁ行きましょう我が婿」

 スタッフ総出でお見送りの中、エリアは俺を半ば引きずるようにしてどこかへと連れて行こうとする。俺は彼女の腕を叩きながらフガフガと抵抗の声を上げた。

「ちょ、何? 何のつもりだ? どこ行く気だよ!?」
「VIPルーム。この店に通いこんだご主人様だけが入れる、お目当てのメイドと二人っきりになれる特別なお部屋……そこではメイドと何をしても邪魔が入ることはない、素敵な時間が過ごせる場所よ」
「は!? 二人っきりって……でもクローラは!?」
「あんな奴隷、一生トイレで引きこもってりゃいいのよ。不潔な存在なんて、あたし達の関係には不要」

 くそ……あいつを追い出したのは、始めから俺と二人きりの状態を作るためだったか! 冗談じゃない。

「ふざけんな、誰がそんなとこ行くか!」
「もうー興奮しないで我が婿~。嬉しいのはわかったから、少しは落ち着きなさいな」
「思い上がってんじゃねぇよ! いいからさっさと離せこの野郎!」
「黙ってなさいって言ってんでしょうが」

 突然ドスの利いた声で唸るような声が耳元で囁かれたかと思うと、俺の首を絞める腕に急激に力が込められた。
 チョークスリーパー。まともに息さえできなくなった俺に、容赦なくエリアは冷徹な言葉を投げかけてくる。

「あたしが調子乗ってる? 思い上がってるですって? 片腹痛いわね、あたしに言わせりゃあんたこそよ」
「何!?」
「あんた、もしかしてあたしが『求婚』してるとでも思ってんの? いつあたしが『あなたのお嫁さんにして』なんてお願いしたのよ?」

 ふと横を見やると、目を合わせただけで石になりそうなほどの眼光を放つ、血のように紅い瞳が二つ。先程クローラに向けられていたものと、全く同じ。いや、それ以上か。
 その目が保つ力に屈するように、否応なしに俺は口をつぐんでしまう。

「最初にあたしはあんたになんて言った? 『あたしの婿になれ』っつったの。つまりこれは帝王たるあたしによるあんたへの『命令』にほかならない。わかる? それをあんたはこれまで我が物顔で拒否しまくってんのよ? にもかかわらずまだ首と胴体が繋がっているのは、あたしの慈悲があってこそ」

 そう言うと、エリアは自分のメイド服の背中に手を入れた。そしてその中に隠し持っていたらしい何かを引っ張り出すと俺に見せつけた。
 禍々しい表紙をした分厚い書物。
 いつも欠かさず彼女が携えていた、彼女が「予知書」と呼ぶ本。

「いい? あんたはあたしと婚姻を結び、この世界にワイヤードを再誕させる。もうこれは決まったことなのよ。『これ』に記されている揺るがない未来なの!」

 こいつ、まだそんな戯言を……!

「戯言? 何を言ってるの。少なくともあの小娘ののたまうことに比べたら、何兆倍も崇高なものだと胸張って言えるわよ」
「んだと?」
「あたしはこの世界に来てからも自分の意志を貫き続けてる。どんなことがあっても、揺るがない信念を持って生きてきてる。こんな使用人の真似事をしてでも成し遂げるべき目的がある。そこが違うのよ、あんな自分でもどう在りたいのか、何がしたいのかさえはっきりしない奴とはね」
「……」
「わかった? たとえ何を犠牲にしても、あたしはあたしの野望を実現させる。そのためなら誰だろうとボコる、どつく、吐かせる、もぎ取る、すなわちあたしの総取り。鼻っからあんたの意見なんか求めてないんだから」

 くそ、黙って聞いてりゃ自分勝手な御託並べやがって! お前の野望は勝手だが、俺がそれに付き合う道理はこれっぽっちもねぇんだよ!
 なにか言い返せ俺、男だろ! ここまでコケにされて黙ってるなんて、それこそ情けないにも程がある!
 俺は歯を食いしばると、彼女に負けないくらい激しく睨みつけてやる。やってやる、いつまでもホホイ言いなりになるだけのヘタレ野郎だと思うなよ!
 心臓はホットに、脳みそはクールに。
 そんなコンディションを整えて、俺は渾身の一言を言い放った。


「……お、覚えてろよ」


 何を言ってんだ俺はァァァァァァァァァァァ!!
 何で? 何で心の中ではあんな威勢良かったのにいざ口に出すとこうなの? 完全に負けた方の言うセリフじゃん! さっき俺はヘタレ野郎じゃねぇって言った矢先にこれかよ! こんないかれポンチ女ごときに、どうしてここまでビビることがあるんだくそぉ!

「ふん、あなたこそしっかり覚えときなさいな。この世界を統べる帝王の顔をね」

 勝ち誇ったように不敵な笑みを浮かべてエリアは言った。

「しっかり脳みそに刻み込んで、生涯忘れないようにしてあげる。あんたはもうあたしのもの。これからも、ずっと、一生……もう離れない、もう離さない、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっと……」
「お、おい……」
「あんたを救えるのはあたしだけあたしを救えるのはあんただけあんたにはもうあたししかいないのよあたしだってあんたしかいないんだから他のものは何もいらないあんたさえいれば他はどうだっていい全ては運命なの全部必然なのもう決まったことなの誰にも邪魔はさせない絶対絶対絶対絶対……」


 狂ったように、呪言でも唱えるみたいに早口でエリアはまくしたてる。その目は完全に何も見えていない、光の失われた……死んだ魚のような目だ。
 こいつ……どうしちまったんだよ。
 その豹変ぶりに若干の恐怖心を感じた俺だったが。

 それ以上の「異変」が彼女に起こり始めた。

「うぁっ! がっ……」

 突然頭を抑えて呻き出したのだ。
 その場で膝までついて取り乱す様子からして、尋常じゃないほどの深刻さであることがわかる。

「ぐっ……なんでっ……よりにもよってこんなときにっ……」
「おいエリア? 大丈夫かよ……」

 今度は何だよ、何だってんだよ……。
 次々とわけのわからない事象の連続に、ただ困惑するしかない俺。
 すると騒ぎを聞きつけた従業員達が颯爽と駆けつけてきた。

「メイド長! 大丈夫ですか? またいつものですか!?」
「あーもうこんなところで発動させなくっても……」
「すみませんご主人様、この人妙なところでキャラづくりに力入っちゃってて……たまにこうなるんですよ」

 は? キャラ作り? たまにこうなる? どういうこっちゃ?

「なんでも、『もともと某国の女王様だったんだけど、とある悲惨な事件がきっかけで記憶を失い、このメイド喫茶に流れ着いて働くことになったが、時折その悲惨な事件の映像がフラッシュバックしちゃうワケありタカビーメイド』って設定なんです」

 うんごめん多分それキャラじゃなくて八割方事実だわ。完全に素が出ちゃってんだわ。
 女王様ってのはもう本人が言ってる通りだし、悲惨な事件やフラッシュバックってのは、おそらくワイヤードで死ぬことになったきっかけのことだろう。

 なるほど、なんでメイド喫茶にエリアがって思ってたけどある意味ぴったりだわ。多少奇抜な性格しててもそういう設定ってことにすりゃ周囲も怪しまないと。とはいえメイド長まで上り詰められたのは流石に謎だが。

「くっ……みんな……あたしは、大丈夫」

 安堵と呆れが入り混じったような思いでいると、エリアがよろよろと頭を抑えながら立ち上がろうとしていた。

「メイド長っ! 少し休まれた方が!」
「そうですよ。ていうか前々から思ってたんすけど、ぶっちゃけそれ休憩入りたいのサインじゃ……何で普通に言えないんだかまったく」
「メイド長、んなわざとらしい真似いいですからさっさと引っ込ん――あぁ間違えた、お引取り……じゃないや、えー、帰れ? あ、違う……とにかくスタッフルームで休んでてください」

 メイド達が口々に彼女を取り囲んで気遣い始めた。うんうん、思いやりがあって心温まる職場だな!

「そう、ね……ちょっと……今日は働きづめだったから……」

 周りに支えてもらいながらなんとか立ち上がった彼女は、作り笑いを浮かべながらかすれ声で言った。

「でも心配ないわ。ちょっとお薬飲んで、顔でも洗えば回復するはずだから……とりあえず、彼を先にVIPルームにお通ししておいてくれるかしら」
「「「イェスマイマジェスティ!!」」」

 メイドさん達揃って敬礼。なんだこの店。
 ちんぷんかんぷんなまま、俺はフラフラとエリアが奥の厨房の方へ退場していくのを見送った。

「はい、ではご主人様! VIPルームはこちらでごぜぇやす!」
「ウェ!? いや、ちょっと俺は!」 

 いきなり背中を複数のメイドさんに押され、俺はまたどっかに連行されそうになる。

「あの、俺は社長子息でも何でもなくて……ていうかクローラがまだ……」
「いいからはよ行ってくださいっ!」
「こっちもさっさと仕事戻りたいのでっ!」

 あぁくそ、こいつら厄介払いしたいだけかよ。接客が物を言う仕事なんだからもうちょい歯に衣着せて欲しいもんだ、傷つくなぁ。
 そのまま流されるように身を任せていると、店の奥にある何やら重々しい雰囲気の大きな扉の前に通された。
 完全にRPGのラスボス部屋じゃん。一度入ったら倒すまで絶対出られないパターンだろこれ。どこだよセーブポイント。
 やべぇ、入りたくねぇ。何されちゃうの俺? レベル1の駆け出し冒険者をこんなとこ放り込んで何しようっての?

「はいそれじゃあごゆっくり!」
「どーぞ!」

 ドアが開放され、俺はそのボス部屋の奥へと突き飛ばされた。
 振り返って抗議する間もなく、扉はメイド達によって閉ざされてしまう。
 騒がしかった店内から、しんと静まり返っているその密室への移動。何がなんだかさっぱりだが、落ち着け、ひとまず深呼吸。
 息を吸って吐いて、改めて自分が今立たされている場所を見渡す。

 やや薄暗い照明が照らし出すのは、ピンクを基調とした壁と床が一面に広がる空間。
 壁際の棚にはティーセットや電気ケトル、アフタヌーンティースタンドなどの道具が一式。
 中央には大きな猫脚テーブルと、高級そうな赤いソファーが構えていた。
 ソファーは二人がけで、かなり柔らかそうなハート型のクッションも二つ。

「……」

 座ってみると……なんという心地よさ。まるでマシュマロみたいにふわふわで、寝っ転がれば普通にベッドとしても機能しそうなくらいだ。
 ベッド……そしてここは指名したメイドと二人きりで過ごせる場所。 
 ……んー、ん、んー。
 なんつーか、あれだな……かなりアレな雰囲気だな。
 VIPルームと言うよりは……その、宿泊よりは休憩メインで使われるホテルの一室、みたいな?
 なんだろう……心なしか胸がドキドキするというか、なんとなくちょっと気分が高まってきちゃうような……そんな感じがする。

「って、何考えてんだこんなときに!」

 ブンブンと頭を振って俺は邪念を振り払う。
 ぐずぐずしてる場合じゃない。こんなとこさっさと出て、一刻も早く事情を説明しないと。クローラだって俺がいなくなったら困っておたつくに決まってる。
 俺はソファから跳ね起きて、この変な雰囲気の場所から脱出しようとした。
 のだが。

「失礼します」

 ガチャリ、とドアが向こう側から開き、誰かが中に入ってきた。
 しまった、遅かったか!
 苦い顔をして、俺はその侵入者と対峙する。
 くそー、エリアめ。具合悪いんならそのまま一生休んでろよ……いや、ここじゃなくてスタッフルームでね!

「まったく、あなたの不潔っぷりには毎度毎度舌を巻きますよ、ほんとに」
「うるせぇな、こっちだって好きでこんなとこいるんじゃない――え?」

 何だ今の声? 明らかにあのタカビー女のものとは違う。
 おかしいな、ここで俺の相手をするのはエリアのはず。
 で、体調崩したから一旦引っ込んでまたここに戻ってきた――はずじゃないのか?
 恐る恐るその目を凝らし、もう一度ここに入ってきたメイドさんの姿を再確認する。

 着ているのは、フリフリのミニスカメイド服。これはいい。
 小柄で、華奢な体躯に、小さめのバストひんにゅう。これも一致。
 髪は黒でミディアムボブカット。あれ?
 顔には地味な縁無しのメガネ。あれれれ?

 ちょっと待てちょっと待て。なんか違うとこがあるぞ。
 ていうか一番違っちゃいけないとこが違ってるぞ。
 どういうこと、これどういうこと?

「何をぼけーっとしてるんですか? まさかVIPルームって聞いて、いかがわしいことで頭が一杯だとでも? はぁ、どこまで不潔なんだか。よくこの店が入店を許可したもんですよ」

 そのメイドはペラペラとメイドらしからぬ毒舌を浴びせてくる。
 この口調……まさか。
 部屋の変なムードにぼーっとしていた頭が冴え、ようやく今目の前にいる人間が誰かを視認すると同時。俺の顔が瞬時にこわばっていくのがわかった。

「な、なんで……」

 パクパクと口を開けて言う俺に、彼女は大仰にため息を吐いた。
 そしてスカートの端を両手でつまみ、恭しく、それでいてわざとらしくお辞儀。

「本日は申し訳ございません、ご指名のメイドが急遽体調を崩したため、私が代わりにお相手させていただきます」
「……」

 唖然とする俺の前で、彼女はゆっくりと面を上げる。
 そしてこちらを凍りつくような眼差しで睨み、凍りつくような声で自らの名を名乗った。


「どうもクソ先輩……もといクソご主人様。八越未來と申します」


 ラスボス……いや、隠しボス登場の巻(推奨レベル99)。
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感想 10

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