異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル51.女騎士と女奴隷と日常②

8.女騎士と女奴隷とキノコと山菜(前編)

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「――というわけでキノコと山菜採りにこの山まで来たあたし達一行なのであった」
「久々開幕強制転移~」

 俺と渚と異世界コンビは、いつの間にか目の前にそびえ立っていたその小山を見上げる。
 標高は200メートルもないくらい。登山道も舗装されてなくて単なるあぜ道。鬱蒼とした感じで誰かが管理してるようにはとても見えない。
 俺は隣の渚を肘で小突きながら尋ねる。

「おい渚、今回はなんなんだよ一体」
「はぁ!? センパイ、まさか忘れちゃったんですか? あたし達が何のためにここに来ているのか。ダメですよ、大事なことはちゃんと覚えとかなきゃ」

 開始早々何の説明もなく「というわけで」で全てを済まそうとしたお前にだけは言われたくない。そもそも記憶がないから覚えるもクソもない。

「んもう~しょうがないな。これですよこれ!」

 俺の言い分はナチュラルにスルーしつつ、渚はポケットから丸められた大きめの紙を取り出して広げた。
 そこには何やら細かい文字がびっしりと敷き詰められている。
 どれどれ……?

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【採取クエスト】迫りくる恐るべき脅威
 レベル:★
 メインターゲット:食用キノコ100グラム・食用山菜500グラムの納品

 報酬金:0円
 主なモンスター:虫・蜘蛛
 目的地:山
 制限時間:三時間
 依頼主:ダンディでクールな喫茶店店長

(依頼内容)
 やぁバイト君、突然だけどナギちゃんの提案で今度ウチの店で秋の味覚を使った料理を出そうということになったんだ。
 普通に店で買ってもいいんだけど、やっぱり新鮮な産地直送の食材の方が味も格別になると思ってさ。
 ってなわけで、ひとっ走り山でキノコと山菜の調達よろしく! 
 なおリタイアないし失敗した場合は、向こう三ヶ月減給処分にするのでそのつもりで

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ……。
 …………。
 ………………。

「あのクソ店長どういうつもりだ何がダンディでクールだオメーなんかグリーディーでフールだろうがボケ産地直送がいいってただ材料代ケチりたいだけだろ報酬金0円って時点で魂胆見え見えなんだよなめてんのかテメエゴルァ大体なんだよこのクエスト名もうこれだけで確実に乱入されるパターンじゃねぇかパッケージモンスタームービー付きでエンカウントするやつだろ三時間どころか三分で三死確定だよこんな危険な仕事無報酬で誰がやるかってんだ労基に訴えんぞクソ無能経営者が」
「おー、凄まじいマシンガントーク。さすがセンパイ、ツッコミスキルパないっすね」

 身につけたくなかったよこんなスキル。でもボケ役が周囲に大量発生してるから会得せざるを得ないんだよガッデム。

「おいクローラ、リファ! オメーらも黙ってないで何か言ってやれこいつに!」
「キノコ狩りじゃあああああああああああ!!!」
「山菜狩りですぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 洗脳済みだったかぁ。
 今度は何を吹き込まれたんだかまったく。

「今の季節は秋。いわゆる豊穣の季節……果実や野菜など、いろいろな作物が取れる時期。その中でも特にこのキノコというのに興味が湧いてな! なんだっけ、あの……マツケン? というのが凄まじく美味であると渚殿に教わったのだ」
「松茸?」
「そうそれ」

 と言ってリファは少し黙った。

「だが、渚殿によると松茸はかなり希少価値が高く、高額で取引されているらしい。我々が気軽に手が出せるものではない……しかし、それは店で買えばの話! ならば自分達で採取すれば、実質タダで手に入るのだ! どうだ、名案だろ!」

 そんな「名案」と自慢げに言われても俺はため息しか出ない。
 名案というよりは迷案、だからな。取らぬ狸の皮算用とはこのことか。

「あのなぁリファ。これは異世界に限った話じゃないけど、高級品っていうのはそれだけ手に入りにくいからこその高級品なの。簡単に俺達が入手できるようなものじゃないんだよ」
「つまり苦労して探せば見つかるということだろう? なんだ簡単な話ではないか」

 ホントこいつのセリフというのは、どうしてこうも頭のCPUに超高負荷をかけてくるんだろう。冗談抜きで使用率100%越えそうなんですけど。

「……じゃあクローラは? 正直お前ってそんなアウトドア派でもないだろ」
「何を仰います! 山菜……山に野生している食料ということですよ! 畑もいらず、人の手も必要とせず、当然買う必要もなく手に入る食べ物……こんなものがあると聞いてじっとしてられますか!」

 くっそー、こっちは奴隷時代の悪い癖が出ちゃったか。 
 虫や残飯しか口に入れるものがなくても、とにかく食い繋ぐために必死だったんだ。常に餓死との隣合わせの生活を送ってきた彼女から見れば、「道端に生えてる食べ物」なんてのは天からの思し召しに等しかろう。昔の血が騒ぐのは是非もなしか。

「今でこそ野菜や果物もお金さえあれば手に入りますけど、有事の時に備えて、自力で手に入れる術を鍛えておくのも非常に重要なことだと思いますです! 農業や畜産を学ぶよりも手っ取り早いですし!」 

 ふわりとスカートを翻しつつクローラは演説した。
 ちなみに彼女はこれまで裸エプロンが基本ユニフォームだったが、紆余曲折を経て現在はミニスカのフレンチメイド服である。
 「愛奴めいど」。本人は自らの立ち位置をそう名付けた。
 メイドを志す元奴隷という意味だそうだが、まぁそれは置いておいて。
 こうしてまんまと渚に丸こまれちゃったわけか、参ったなぁ。

「まぁこれも運命ってやつっすよ。もう諦めちゃってくださいな」

 と、ギャルは俺の肩に手を回して、ニヤニヤと気色悪い笑みを飛ばしてくる。
 ていうか事の元凶全部お前だってことお忘れか? 余計なこと店長に提言しやがって、山菜もキノコもホントは自分がただ食べたかったってクチだろ? 

「何言ってんすか。あたしが興味あるのはセンパイのキノコだけっすよ」
「もうすでに毒キノコに頭やられてんじゃねぇのかお前」
「失敬な。あーんセンパイのキノコしゃぶりたーい、っていきなり言わないだけ正気ですよ。むしろそれを褒めてもらってもいいくらいなんですが」
「お前はテロを実行してない時のテロリストを称賛するのか」
「はぁーそれにしてもセンパイのキノコしゃぶりたい」

 うんもうこいつは存在自体毒そのものだなこりゃ。頭痛い。

「で、採集に行くのはいいとして、この山はなんなんだよ」
「親戚んちの裏山っすよ。一応ナシつけておいたんで、色々採ったりしても問題はありません」
「山なんて持っているのか、渚殿のお家は!」
「すごいです! 大富豪さんですね!」

 羨望と尊敬の眼差しをギャルに向けながら二人は言う。
 ちなみにワイヤードでは、エレメントという元素エネルギーが生活インフラの要となっているのだが、山はそれらがまんべんなく採取できる場所だったという。それをまるまる所持しているともなればそういうリアクションになるのもむべなるかな。

 とはいえ、田舎の家で山を所持してるなんてのは珍しい話じゃない。
 異世界人でなくてもすごいことのように思う人はいるだろうが、作物が栽培できるわけでもないし、利用価値は思った以上に少ないものだ。それどころか毎年固定資産税だって発生するから、持ってるだけ損ってことにもなる。

「だっしょー!? まぁこの他にももう三つ四つくらいあるんだよね~。この界隈じゃ一番多く持ってる家でもあるし~」
「「すごーい!!」」
「にゃはは、いや~まぁそれほどでも~……あるかも? ほぅら、もっと崇めよ崇めよ~」
「「ははーっ!」」

 が、本人は何も知らない異世界人をひれ伏させて大えばり。虎の威を借る狐とはこのことか。

「と、茶番はこれくらいにして。この季節ですし多分どれもこれも一通り生えてるとは思いますよ? 松茸はどうかは知らないっすけど」

 ……まぁ許可が取れてるならいいか。気は乗らないけど。

「おーい、マスター。何をもたもたしてる! さっさと行かないと日が暮れるぞー」
「主くーん! 早く行きましょうー!」

 そうこうしてるうちにもうリファもクローラも山に入ってっちゃったし。
 もう、結局いつもの流れかよ……気が滅入るぜほんとに。
 頭を抱えて俺はトボトボと彼女達の後についていくことになった。

「じゃああたしはここで待ってるんで、何かあったら連絡くださいな」
「は!? なんで、お前は来ないのかよ!?」
「いやいや、あたしは受付嬢っすから。色々センパイ達に指示出しするのがお・仕・事」

 つまり座りしままに俺らがついてこねた餅を食う気だと。事の元凶他ならぬオメーだってわかってんのか。

「はい、じゃこれカゴとか軍手とかの採集道具一式」
「にゃろう……」

 俺はそれらを受け取りながら渚を斜に睨みつけた。だが本人は対象的ににまぁ~っと笑うのみ。明らかに観客気取りだ。
 しょうがない、こうなったらさっさと採取して終わらせるとしよう。
 痛むこめかみを抑えつつ、俺はトボトボと彼女達の後を追ったのである。

 というわけで、クエスト開始だ。

 ○


「おぉー、なかなか綺麗だな!」
「ですぅ~」

 鮮やかに染まった紅葉と、隙間から差し込む秋晴れの日光により、山の内部には非常に幻想的な空間が広がっていた。
 落ち葉を踏みしめながら深呼吸すると、澄んだ空気が肺を浄化してくれる。
 耳をすませばどこからかウグイスやオオルリ、コマドリなどの野鳥の鳴き声がする。ざわめく枝や葉の音とうまい具合に混ざり合って、実に心地よい天然のBGMに仕上がっていた。
 ま、面倒だの何だの言ったが……こうしていると存外悪い気はしないな。

「っとと、景色に見入ってる場合じゃない。松茸を探さねば」
「ですです。私も山菜を探さないと」
「おい、あんまりはしゃいで迷子になるなよー!」

 今にも木々に紛れてどこかに消え去ってしまいそうな二人に、俺は慌てて注意する。小さな山とはいえ、初めてくる場所なんだから気をつけないと。
 しばらく二人はあっちこっち行ったり来たりしながら、時折しゃがんで目を凝らしたり持参したシャベルで地面を掘ったりしていた。
 俺も俺で適当な場所を探しはしたものの、やはり簡単には見つからない。十数分経過しても、片手で数えられるくらいしか集まらなかった。やっぱそううまくはいかないもんだな。

「えっと……これは確かオオバコですね。こっちは山ワサビで……あ、ウワバミソウもありました!」

 反対にクローラはひょいひょい、と農業用のハサミで植物を根本からカットしてはカゴに放り込んでいっていた。
 しかも、ちょっと見ただけで山菜や野草の名前をピタリと言い当てている。フットワークは軽いし、案外こなれた様子だ。

「ふふっ、結構上々ですね♡」
「すごい、もうカゴ半分くらい埋まりそうじゃん」
「前もってぐーぐる先生のお力をお借りして、入念に調べておきましたので」 

 なるほど、ぬかりがない。
 しかし、目当てのものをすぐに見つけるというのは、それだけじゃできる芸当でもなくないか?
 採取を手伝いながらさり気なく尋ねてみると、しんみりとした表情で彼女は答えた。

「んー。なんというか、感覚でわかるのですよ。食べられそうなものか、そうでないかっていうの」
「……」
「厳密には『食べても大丈夫かそうでないか』の区別ですけど。とにかく空腹の際は草だろうが構わず口にしてましたので、それを続けてるうちにもう本能的に判別できるようになってたといいますか……。まぁ奴隷だからこそ身につくスキルでしょうね。そもそも一般の人は山菜とか野草なんて口にしませんから」
「そうなん?」
「もちろんですよ。『山菜』なんて言葉も、この世界に来て初めて聞きましたし」

 そりゃ驚きだ。
 ぶっちゃけこっちの世界より自然が多そうなところだから、そういう文化は広く知れてるものだとばかり思っていたのだが。

「他所の国はどうかはわかりませんが、少なくともワイヤードでは、山はあくまで各エレメントの採取場所として最適な場所という認識で、こんなふうに食材を求めて訪れるなんて人は皆無でしたよ」
「そ、そうなのか」
「はい。帝都の人は皆、国が定めた野菜や穀物を食べるのが一般的でした。商業的に流通することができるのも認可された品種のみですし」
「え? 国が規制してんの?」
「はい。向こうでの植物の生態の多くが未解明でしたからね」

 生態が未解明? まだ詳細が判明していない種が多いってことか?
 でも、それでどうして帝国が色々流通作物の種別を管理することになるんだろう。

「それがさっき言った私の癖につながるのですよ」
「さっきの癖って、食べられるか食べられないかっていう……あ」

 そうか、そういうことか。国が管理しているのは、食用にできるのか否かということ。
 野菜、果物、その他数多にある植物。そのどれが口に入れて人体に影響がないかなんてのは、こっちの世界では誰だってわかることだが、それはあくまで先人達の研究によって解明したからに他ならない。

 だがワイヤードではその境界自体がまだ非常に曖昧なものであるため、判別がつかないものの方が多いわけだ。だから迂闊に得体の知れない植物を世に出回らせることは危険な行為と認められていたのだろう。それで病人とか死人が出たらたまったもんじゃないし。

 おかしな制度だとは思ったけど、こっちの世界だっていきなり業者が「食べられるかよくわかんないけどこれ出荷していいっすか?」なんて言って、国がそれを許すかというとそうでもないだろうからな。俺が知らないだけで、似たような法みたいなのはあるのかもしれない。

「こちらの世界は、こんな山奥にしか生息していない植物の一つ一つに詳細情報がありますが、これだって最初から全て知られていたわけではないのでしょう? 今まで主くんが食べてきた野菜も、その生態がはっきりする前は有害だと信じられていたなんて話もあるのでは?」
「ああ、あるよ」

 例えばトマト。今でこそ世界中で愛されてる野菜であるが、実際に食べる習慣が広まったのは18世紀中頃とされる。それまでは本当に毒入りの植物という認識が一般的だったらしい。
 何もこういう話は異世界に限った話じゃないということか。

「もちろん私のような個人が食べて有害じゃないとか判別する分には勝手です。でも、それを知識として一般に流布し、なおかつ栽培可能な作物として国に認めさせるのは生半可な道のりではありません。それがはっきりしていないものを食べようと思う人はいませんでした」

 私のような飢えた人間でない限り、と自虐気味に彼女は付け加えた。
 まぁ確かに、下手すりゃ国益に関わる重大な問題だ。慎重になるのは自然な話。
 しかし、ワイヤードでの植物ってどういう感じで扱われてるんだろうな、ちょっと気になる。

「まずは大まかに食用か、食用じゃないかに分けられますね。その後、前者は主に野菜か穀物かに区別されます。これはここの世界でも同様ですね」
「ふむふむ。後者は?」
「食用でないものは主に三つの種に分類されます。まず一つは『ワクチン種』。主に薬や健康促進に効果がある植物ですね」
「薬草ってわけか」
「はい。ただ、取り扱えるのは主に薬師の方やお医者様のみで、一般の人が勝手に栽培したり販売したりするのは固く禁じられております」

 なるほどな。食用、薬……とくればあとは……。
 俺が目配せすると、クローラは目を閉じて頷いた。

「もう一つは『バイラス種』。まぁ簡単に言って毒のある植物です。これの規制はワクチン種よりも厳格で、薬師やお医者様ですら許可を得ないと入手はできません」
「毒だからね。でも、ワイヤードなら利用価値は結構ありそうじゃない。戦いの時に武器として使用したりとかさ――」
「慧眼ですね主くん、まさにそのとおりですよ」

 思わぬ肯定に俺は若干面食らった。
 マジか、冗談めかして言ってみただけなのにまさか当たるとは。

「実際そういう戦術は古来より受け継がれてきたそうですよ。それに、軍人の方も毒薬の知識は訓練の一環として習いますし」
「そうなの? じゃあリファも……」

 俺は少し離れた場所で奇声を上げながら張り切っている女騎士を一瞥した。
 それにクローラはおそらく、とだけ返して山菜採りを再開した。

「実際私もアカデミー時代にいくつか学びましたしね。王族ゆえに、毒を使った暗殺などの危険が常に付きまとうものですから」
「あー、確かにそういう心配もあるよな……」
「物騒ですけど、結構面白かったですよ。摂取者を死に至らしめるだけでなく、その人体から有毒な瘴気を発生させる『トロイ』。少しでも口にしたら、その後常に同じものを摂取しなければならず、止めた途端に即死する『ランサム』。あとはそれ自体に害はないですが、身体の免疫力を完全に無力化する『ゼロデイ』などなど……実に恐ろしいものが多々ありました」

 こんな可愛いメイドさんがこんなおっかない話題を、まるでこの間食べたスイーツショップの感想でも述べるみたいに話す。なかなかシュールな光景だ。

「それで、残りの一種類は?」
「あとはそれ以外です」
「はい?」
「だから『それ以外アザーズ』です。食料としても薬としても毒としても使わない無害なもの。すべてがこれに当てはまります」
「それって、きれいな花とかの観賞用植物とかでも? 結構大ざっぱすぎない?」
「無害と認定されれば、私達としては別に困ることはありませんから。それに……」

 腰を上げて、その重そうなカゴを持ち上げるとその少女はサラッと言い放った。

「どうでもいいじゃないですか。毒にも薬にもならないものなんて」
「……」

 どうでもいい、か。
 前々から思ってたけど、ワイヤード人の考えることはとことん「主体的」だ。
 食べられるものか、有害なのか、薬には使えるのか。
 聞く限り彼らの植物学の内容は、そういった自分達がそれらと付き合う上で知っておくべきことに絞られている。
 針葉樹落葉樹、被子植物裸子植物、双子葉類単子葉類、そして科名、学名……それらを知ったところで生活自体には影響を及ぼさない。故にいちいち分類や命名などしなくていいと。そういうことだろう。

「そうですね。実際、アザーズを栽培したり販売したりする人なんて聞いたことないですし。そんなものを育てる暇があったら、野菜とか育てたほうがよほど実用的ではありませんか」
「それはそうだけど……」
「それほど余裕が無かったのですよ、私達のいた世界には」

 彼女はそう言って、スタスタとまた別の採取場所を探して行ってしまった。
 余裕がない。
 ワイヤードには、およそ娯楽と呼んでいい文化が存在しなかった。小説やゲームはもちろん、音楽や絵画鑑賞なんかも貴族だけが嗜むもの。
 一般庶民は、ひたすら今日明日を生きるために働き続ける。それ以外の時間など、作るだけ無駄だという考えが根付いていたのだ。ひたすらに実用性だけを求める彼らにはまさに『花より団子』というわけか。


「だからこそ、こちらの世界は素晴らしいと思います。お花屋さんで綺麗なお花を買ってプレゼントしたり、木に咲く花々の下でわざわざどんちゃん騒ぎをしたり……。植物を娯楽として扱うという考え方をここにきて新しく学ぶことができたのですから」
「……そっか」
「それに、こんなに美味しそうな山菜を一般の人でも簡単に探せて、安心して食べられますしね!」

 にぱーっと、本当に幸せそうにクローラはカゴの山菜を自慢気に見せつけてきた。
 まったく、花より団子なところは相変わらずなのな。

「だーっ! もう、どこに生えてるのだ松茸はーっ!!」

 とか思ってると、遠くからリファの叫び声が。
 どうやらのものが見つからなくてイライラしている模様。予定調和ではあったが、仕方がない。
 俺はクローラと一緒に、小走りで彼女のもとまで向かった。
 女騎士は見事な楓の木の根本で、必死に地面をスコップで掘り返していた。

「おいおいリファ、あんまし乱暴に掘るなよ。仮にも人の家のだぞ」
「む、マスター……。でも、これだけ探しても一本も見つからないなんておかしいぞ……苦労して探せば手に入るのではなかったのか」

 リファはそうむくれて不満を漏らし続ける。
 苦労したところで探す場所が間違ってたら意味ないんだよなぁ。

「リファ、松茸ってなんで松茸って名前なんだと思う?」
「何だいきなり? 今関係あるか、その話」
「おおありだよ。松の根元に生えるキノコだから松茸なの。んでお前が今掘ってるのは楓の木だ。いくら探したって見つかるわけないよ」
「なぬっ!?」

 聞いた途端に女騎士は面を上げ、目の前の大木が何であるかを確認。ヘナヘナと脱力してその場に崩れ落ちた。

「迂闊だった……通りで何も出てこないわけだ」
「見た感じ、この山に松は生えてないみたいだし……松茸は諦めたほうが良さげだぞ」
「そんなぁ~、せっかく来たのに……」

 心底残念そうな顔をしてリファはうなだれた。そんな彼女の頭をよしよしと撫でながらクローラが慰めに入る。

「まぁでも良いではないですか。松茸はダメでも、それだけキノコが採れたのなら結果オーライというやつでは?」
「ん?」

 それだけ採れてれば?
 俺は眉をひそめて、リファが背負っていたカゴの中を覗き見る。

 するとなんということでしょう。
 色とりどりのキノコがわんさか詰め込まれていたではありませんか。

「目についたそれっぽいものを放り込んでたら、それだけ溜まった。だが、どれも松茸とは違うようだ」
「いやでもすごいよ。一人でこんなに採るなんて、お前もフットワーク軽いんだな」

 つまらなそうに言う彼女を褒め称えながら、俺は中のキノコを一本ずつ確認していく。
 シメジ、舞茸、エノキ……いい具合に育ってるし、こりゃ大手柄だ。騎士のサバイバル能力未だ衰えずって感じか。
 素直に感心しながら、俺はリファの成果を拝見していたのだが……。
 少し気になる点が一つ。

「リファ……なんかこれ、ところどころ齧った跡があるっぽいんだけども」
「ん? ああ、少々味見をな。松茸は非常に美味なものらしいから、口にすればすぐわかるかなって」
「お前が喰ったんかい!」

 無茶すぎるだろ。いくら無害なものでも火も通さずに生食はやばいって。腹壊すぞ。
 それに、毒キノコが生えてないとも限らない。目についたキノコっぽいものを片っ端から齧ってるのだとすれば、うっかり当たってしまわないとも限らないし。

「毒? ああ、何本かあったぞ、毒入りのやつ」
「は!?」

 と言って、彼女はカゴとは別にキノコを入れていたビニル袋を差し出した。中に入っていたものを取り出してみると……真っ赤な傘に黄色の粒粒が何個もついてるようなのが何本か。
 ベニテングタケ。キノコに馴染みがない人でも一度は聞いたことがある代表的な毒キノコだ。
 他にもカキシメジやツキヨタケらしきものも混じってたし……これらも全て口にした痕跡がある。
 驚愕の事実に、俺の背筋に冷たい感覚が走った。

「お前、身体なんともないのか!?」
「別に平気だぞ。これくらいの毒なら耐性があるから」
「耐性って……」
「そういえば聞いたことがあります。軍の方は普段の食事にバイラス種から抽出した毒を微量に入れて訓練してると」

 何そのゾルディック家でやってそうな訓練。毎日毒入りのメシ食わすとかどんな虐待だよ。

「毒が戦術として利用されてたんだ。それに対する策は可能な限り講じておくのは当然のことだろう」
「にしてもそんなバクバクと見境なく喰うのはいかがなものかと思うんだが……」
「そうか? そんなこと言ったら私は転生した直後なんか、この世界でキノコなんてものを食べる文化自体どうなんだって思ってたぞ」

 ? どういうこと?
 小首をかしげる俺に、どうでもよさそうにリファは言う。

「考えてもみろ。野菜や穀物どころか、植物の定義にすら入るかどうか怪しい物体。土だけでなく、虫の死骸や家の中でも生える。そして、極めつけにこの生々しい外見……最初に見たときは目を疑ったぞ。初めにこれを食そうなどと考えたこの世界の先人達は何を考えて口に運んだのだろうな」

 それは一理あるな。
 普通に俺達は今、何のためらいもなくキノコを料理に使ってる。
 だがもし俺がキノコという存在をまったく知らなかったら、初めて見たこれを食べようとなんて思わないだろうし、そもそも食材として認識することすらしなかっただろう。
 キノコを食べる歴史は4000年以上前から続いているとされるが、その時代には農作の文化もまだなかっただろうし……今の俺達みたいに野山で食べられるもんは何でも試してたってことなんだろうか。

「だが理解はできないにしても、称えるべき功績だとは思うぞ? なんたってこんなにもうまいものを食材として世に知らしめたのだからな」

 ぽいっ、と掘り当てたキノコをカゴに放り込むと、女騎士は立ち上がった。

「まぁ、松茸が採れなかったのは残念だが、機会はこの先いくらでもある。今日のところはこんなところにしておくか」
「ふふ、こっちのと合わせれば随分採れましたね。これなら主くんも大満足でしょう」
「え?」

 不意に放たれたクローラの言葉に、俺は足を止めた。
 俺が満足って……どういうことだ。
 戸惑うこちらを他所に、リファの方もしれっとそれに同調する。

「そうだな、キノコは焼いて食べるのがいいな。山菜の方はお浸しにしようか」
「天ぷらにするのも良さそうですよね。主くんの好物ですし」
「よぉし、帰ったら早速作ろうか。腕が鳴るぞ」
「クローラも張り切ってお手伝いしますね」

 仲良さそうに話す二人の背中に、俺はポツリと喋りかけた。

「あの二人共、まさか渚の話に乗ったのって……」
「ん?」

 クローラとリファは同時に振り返ると、天使のように輝く無垢な微笑みをこちらに向けた。

「当たり前だろ。この世界の植物事情に興味があったのはもちろんだが、根底にあるのは好きな人に美味しいものを振る舞ってあげたい。考えることはいつも同じだ」
「ですです。主くんに喜んでもらうために、リファさんと一緒に良い食材はないか、良い調理法はないかと常日頃から模索しておりますから」

「「ねー♡」」

 と、二人は顔を合わせて笑う。
 ……そうだったのか。面倒だとか言ってたさっきの自分が情けないや。
 こうして俺のためを想って何かをしてくれる。その気持ちは本当に嬉しい。
 木枯らしが吹き付ける中、少し冷たくなっていた俺の顔がだんだんと火照っていくのを感じた。

「ではそろそろ帰りましょうか、主くん」
「今日は腕によりをかけるから、楽しみにしているがよいぞ」
「ああ。ありがとう、二人とも」

 二人の差し出した手をしっかりと握り、俺達三人は仲良くふもとへと下りていった。
 存外楽にクエストは達成できたみたいだ。

 ○

「おやセンパイとその他、お早いお帰りで」
「その他ってお前」

 渚はアウトドアチェアに腰掛けてゆうゆうとジャンプを読んでいた。それが受付嬢の役割かよまったく。

「で、首尾の方はどうでした?」
「想定以上にたくさん採れた。二人が頑張ってくれたおかげでさ」
「ふふん、私にかかればこれくらい大したことないぞっ」
「えへへ、クローラ頑張っちゃいました」
「ほほー、そりゃすごいっすねー。どれどれ……」

 興味深そうに渚はカゴの中を覗いた。
 さすがのこいつも、これだけの成果を見れば頭が上がらなくなるだろう。
 と、高を括っていたのだが。

「センパイ……何を採ってきたんすか?」

 返ってきた反応は、予想に反して微妙な反応。
 何をって、クエスト通りにキノコと山菜を採ってきただけだぞ。何がおかしいんだよ。

「いや、でもこれは……」

 だが、なおも苦笑しながらギャルはカゴの内部を指差す。
 まったく、疑り深い奴だな。一体どうしたってんだよ……。
 痺れを切らした俺は同じようにカゴの中を上から覗き込んだ。
 そして。

「!? なんじゃこりゃ!」

 唖然とした。
 渚の言った通り、俺達は何を採ってきたのかと困惑する以外にない結果がそこにはあった。

「ど、どうしたのだ二人共……げっ!?」
「なにか変なものでも混じってたんですか……って、は!?」

 続けて覗き込んできた異世界コンビも、見た途端に固まってしまった。
 そりゃそうだろう。
 なんたってその中には……今まで採ってきたキノコも、山菜も、何一つ無かったのだから。
 じゃあ全部きれいさっぱり消えていたのかというのかというとそうでもない。第一それなら重さですぐ気づく。
 戦利品の代わりに入っていたもの。それは……。

「は、葉っぱばっかり……」

 そう、色づいた紅葉。それだけがずっしりと詰め込まれていた。

「紅葉狩り……のつもりでしたかね?」

 渚が引きつった顔で茶化すが、正直全然笑えない。
 なんで、一体どうしてこんなことに……。
 夢でも見てたのか? それとも集団幻覚か? 俺達、ちゃんとキノコと山菜集めてたよな?
 わけがわからず、皆そろって呆然とするしかなかったその時。

「はーっはっはっはっはっは!」

 野山に響く高笑いがこだました。
 野太い男の声だ。幻覚の次は幻聴か? 俺らやっぱり毒キノコか毒草でも知らないうちに口にしてしまったのか?

「あ、主くんっ! あれっ!」

 かと思うと、クローラがある一点を指さした。
 つられて全員が彼女の指の延長線上に目を向けると……。 
 登山口近くの木の枝に、誰かが立っている。
 姿かたちは男のようだが、顔は後ろから差す日光がまぶしくてよく見えない。

「すり替えておいたのさ!」

 謎の人物は俺達を指さして得意げにそう言う。
 すり替えた、って……まさか。
 見ると、その男は脇にカゴのようなものを抱えていた。遠目に中身を確認したら……間違いない、さっき俺達が採ったキノコと山菜がずっしりと入っている。
 つまりこれって……泥棒!?

「そんな……噂に聞いてたけど本当に現れるとは……」
「なんだお前、あいつのこと知ってんのかよ!」

 俺が訊くと、珍しく緊迫した表情で渚は頷いた。

「近年ここいらの山のキノコや山菜を乱獲しまくってる窃盗グループっす。まさかお目にかかれるとは思ってなかったっすけど」
「盗賊団って……」

 ここに来てそんなのありかよ。乱入ありなのはわかってたけど、こんな想像の斜め上をいく奴が出てくるなんて聞いてないぞ。

「元々は八人のメンバーがいたらしいんですが、次々にパクられて残っているのは一名。おそらくあいつが最後の生き残り……」
「マジかよ。一体何者なんだ?」
「八人のメンバー……そして全員が身体の何処かに蜘蛛のマークを付けた衣装を身に纏っていることから、通称『蜘蛛』と呼ばれています」

 なんかどっかで聞いたような連中だね。足が十三本でしかも衣装じゃなくてタトゥーだったら完全にあいつらになってたよね。冨樫仕事しろ。

「誰だお前は! 名を名乗れ!」

 そんな中、牙を剥き出しにして怒鳴ったのは女騎士リファさん。
 苦労して得たものを全部奪い取られたことに、かなり憤慨している様子。
 謎の男はそれに応じるように、その数メートルはある枝から飛び降りると、華麗に着地した。
 ようやく姿がはっきりしてきた俺達は目を凝らして、改めてその泥棒――もとい「蜘蛛」を名乗る男と対峙した。
 全身赤と青が入り混じったフィットタイプのスーツに身を包み、素顔どころか肌の露出が一切ない。
 そして胸元には確かに蜘蛛のマークがあった。渚の言う通り、こいつが蜘蛛の最後のメンバーに間違いないだろう。
 ごくり、と誰もが戦慄し、唾を飲み下す。
 そんな我々に男は一歩踏み出すと、何かワチャワチャと手を動かした後にかっこよくポーズを決めて、名乗った。

「キノコ狩りの男! スパイダーm」
「わーーーーーッッ!!!」

 危ねぇ、最後まで言わせるところだった。
 冗談じゃない、蜘蛛って地獄から来る方の蜘蛛かよ! 色んな意味で危険な奴じゃねーか!

「ふん。誰だか知らんが、げに恐ろしきは喰い物の恨み……今すぐこの剣の錆にしてくれる!」
「クローラも今回ばかりは堪忍袋の尾が切れました! あなたをとっ捕まえて奪ったもの全部返してもらいますっ!」

 だがそんなことは意に介さずに、二人は蜘蛛男に対して敵対心を露わにしていた。諸々の危機感より獲物を盗まれた怒りの方が大きかったらしい。

「クローラ! 力を合わせてあいつをぶちのめすぞ!」
「御意っ! やられたら倍返しですっ!」

 鼻息荒く異世界コンビは言い、背中合わせになって立ち……。
 びしぃっ! と泥棒に向かって人差し指を同時に突きつけた。

「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」
「窃盗と不法侵入、二つの罪を犯した男!」

 RI★CHI★GI(律儀)。

 なんて茶番をやってたら、スタコラサッサと蜘蛛男はカゴを持って山の奥へと走り去ってしまった。

「用が済んだら速やかに撤退する男!」
「逃がすかぁ!!」
「待つのですっ!!」

 遅れてリファとクローラが全力で突撃していく。いかん、あいつらは冷静さを失ってる。このままにしておくとどうなるかわからない。

「渚、俺達はあいつを捕まえに行くから! お前の方は応援を頼む!」
「フレーフレー! セ ン パ イ♡」
「どーもありがとよクソが!」

 礼と罵倒を同時に言い残して、俺はダッシュで二人の後を追いかけた。
 クエストはまだ、終わりそうにない。
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