異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル51.女騎士と女奴隷と日常②

14.女騎士と女奴隷と学祭②

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 学祭の準備なんてものは、中学高校と計六回は経験した。
 お化け屋敷、フリーマーケット、演劇、本当にいろいろやった。
 毎日遅くまで残って、重いものを運んだり、飾り付けをしたり、遠くまで買い出しに行ったり……正直めちゃくちゃ重労働だった。
 だけど友人達と協力し合って、一つのものを作り上げるというのは、非常にワクワクしたし楽しかった。今までの人生で、あれほどなにかに夢中になれた瞬間はそうそうないだろう。正直、学祭当日よりもテンションがハイになってたと思うくらい。

 なのに……。


「死ね」
「そっちが死ねクソ下民が」
「あ? 斬るぞこの白髪女」
「銀だよ、色盲かあんたは」
「ああ、完全配色の貴様など目に入れたくもない。というか視界に入れたくもない」
「だったらその剣で両目ぶっ刺して失明しろバーカ」
「貴様を斬って捨てる方がよほど理に適ってると思うのだが?」 


 大学に入って初めて経験する学祭準備は……楽しさのかけらもないほどギスギスしていた。


 学祭準備が始まってからしばらく経ち、俺達は毎日部室に集まって作業をしていた。
 俺達がやるのは漫画喫茶。といっても一般的なそれとは違い、文化としての漫画についての研究を発表し、それを展示する傍らで喫茶店をやるという、一風変わった出しものである。
 喫茶部分は教室のセッティングや当日の運営が主なので、前々からやれる準備は少ない。だから必然的に今は研究部分に専念している現状である。
 メイン担当者は俺と、リファ、そしてエリア(外注)。
 後のメンバーは後方支援に徹するという感じになっている。こういうのは人手が多いと、逆に統率が取れなくなってややこしくなるからな。

「し、失礼します……」

 すると、部室のドアが開いて誰かが入ってきた。
 メイド服を着て、鉄製の首輪をし、肩にはモデルガン入りのホルスターを下げている。はっきり言って異様にしか見えない、二十代位の少女。
 クローラ・クエリ。異世界の元奴隷にして現俺の大切な彼女さん。
 この一触即発の状態の中では、険悪な雰囲気を鎮めてくれる心優しい天使であった。

「あの、差し入れと言ってはアレですけど……よければどうぞ」

 彼女は、バッグから何かを取り出すとノートを広げている俺達の傍に置いていった。
 それは、ラップに包まれた白い球体状の物体。米という日本の誇るべき主要穀物を使った伝統的な料理。

「おにぎりだー!」

 リファは目を輝かせてペンを放り出すと、それを我先にと掴み取った。
 俺も礼を言って受け取ると、まだほんのりと温かい。

「ありがとう。お腹ペコペコだったんだ、これってまさかクローラが?」
「お家に一旦戻って作ってきたんです。お店でなにか買ってくるでも良かったんですけど……」
「そんなことないぞ! まごころが籠もったクローラの料理は、この世のどんなものよりもご馳走だ! ありがとうなぁ!」
「えへへ……クローラ頑張りました」

 俺に頭を撫でられ、リファに頬ずりされてテレテレとニヤけるクローラさん。
 いつもこういう優しい心遣いを忘れないのが彼女のいいところだ。
 
「心配かけて悪いな。帰ったらちゃんとおかず作るから。途中でスーパー寄ってこう」
「いえいえ、主くんやリファさん達こそ大丈夫ですか? こんな遅くまで毎日……私にもなにかお手伝いできることがあれば……」
「心配するなクローラ。私達なら大丈夫だ。でもすまないな、寂しい思いさせて……」
「そんな……謝らないでくださいませ。これも『がくさい』のためですゆえ。さぁさ、冷めないうちに召し上がってください」
「ああ、いただきます」
 
 というわけで小休止して、みんなで軽食タイムだ。
 
「んー♥ やっぱりおかかが一番だな。王道はシャケと言われてはいるが、私的にはやっぱりおかかだな。あ、でもこんぶも捨てがたいし、つなまよも結構いいんだよな」

 もぐもぐとリスみたいに頬張りながら女騎士はご満悦。その傍らで水筒に入ったお茶をカップに注ぎながら、クローラは嬉しそうに微笑む。

「ふふ、まだ沢山ありますからいっぱい食べてくださいね」
「う、うん」
 
 彼女の言う通り、軽食という割には結構量は多く、数えてみたら十二個もあった。何合炊いたんだこれ……クローラも食べるとして一人あたり四個。やっぱり多い。
 夕飯をこれで済ますのもあれだから、いくつかは持って帰った方がいいかな……。
 などと考えていたら。

「むっす~」

 とこっちを恨めしそうに睨んでくるのが約一名。
 銀髪紅眼娘、エリアさんであった。
 いっけね、存在すっかり忘れてた。そうだ、このおにぎり彼女にもお裾分けしなくちゃな。彼女だけそっちのけで俺らだけ食べてるってなんかいじめっぽいし。

「なんだエセ帝王、羨ましいか? まぁやらんけどな。ざまぁみろ這いつくばれ」

 と思ったら先手で煽りが入っちゃったー。
 ああもう、せっかく緊迫感がほぐれてきたってのに余計な火種を……。
 だがそんな安い挑発に乗ることなく、エリアはぷいっと顔を背けた。

「別にいらないわよ。そんな庶民の餌なんて誰が食べるものですか」
「餌なものか。こんな極上品の味を知らずに生きていくとか……つくづく哀れな奴だな貴様は。次はこれにしようかなーっと……クローラ、これはなんだ?」
「あ、それゴキブリです」
「おいエセ帝王、喰うか? ちょうどお腹いっぱいになってきたから裾分けしてやる」
「なんでそれ聞いてあたしが食べると思うわけ!?」

 バァン! と拳を机に叩きつけて、至極もっともな理由で怒鳴る帝王。いつもわがままで理不尽な彼女にしては珍しい光景だ。

「はぁいちょっくら失礼しますよー!」

 楽しい軽食タイムが凄惨な殺し合いタイムに発展しようとする寸前、またまたドアが開け放たれる。
 軽いノリな口調で入ってきたのは、毎度おなじみ木村渚であった。俺はおにぎりを食べながら軽く手を上げて挨拶する。

「どうしたんだよ渚。なんか用か?」
「用もなにも、センパイ達いつまでここに残ってるつもりですか。もう学校閉まる時間っすよ」
「え?」

 マジかよと思って、時計を見てみたらなんともう二十時ちょっと過ぎ。通りで腹が減るわけだ。
 いつもバイトと授業で時間が潰れるから仕方ないとはいえ、ちょっと張り切りすぎかな。

「これ以降残るんなら、学生課が閉まる前までに居残り申請しておかないといけないって前に言ったじゃないっすか。ほれ、早いとこ切り上げて部室施錠しちゃってくださいな」
「へいへい」

 渚に促されるままに、俺達は急いでおにぎり(ゴキを除く)を喰らって帰り支度を始めた。


 ○


 数十分後。
 家の近くの帰り道にて。

「そうそう、学祭の発表場所だけど結構いいところ取れたわよ。三号館の二階205教室」
「おお、そうか! あの建物なら学校の入口からも近いし、大勢人が入るだろうな」
「私は、宣伝用の張り紙もPCの練習がてら作ったんです。こんな感じで」
「なんと! すごいじゃないかクローラ! うむ、誰もが興味を惹かれるような出来だな!」

 リファ、クローラ、渚は三人で仲良く学祭について話し合っている。
 そんな彼女達の一歩後ろで約一名、深刻そうな表情をしている奴がいた。

「あーもう、まだ全体ノルマの半分も進んでないのに……」

 エリアは展示の構想などがまとめられたノートを広げてそうぼやいている。あんまり進捗が芳しくないことが気に入らないらしい。
 ぶっちゃけリファと喧嘩ばっかしてたのが一番の原因であることは明白だが、それはまぁ黙っておこう。
 
「ごちゃごちゃゴネるなエセ帝王。己の力量が足りんというだけの話だろうが。いい加減認めたらどうだ」
「うるさいわね! ていうかあんたの方だって全然進んでいやしないじゃないの! こんなんでまともな成果が出るわけないじゃない!」
「まだ十分時間はあるだろうに。急いては事を仕損じるという言葉知らんのか? 戦場では冷静さは命と同じ、それを欠いた者から死んでいく。落ち着き、しっかり腰を据えてやることこそが肝要なのだ」
「時間はあるって、もう二週間切ってんのよ!? それで間に合わなかったら元も子もないじゃないのよ……」

 バリバリと髪を掻き毟りながら、エリアはいつも以上に苛立った様子を見せていた。
 しかし、そういうのを気にするくらいには随分と真面目にやってるみたいだな。欲しいものは権力に物言わせてぶんどる、がモットーみたいなこと言ってたのに、こういう自分で努力して成し遂げようなんて意思もあったとは……ちょっと意外。

「あーもう、いつまでもちんたらやってても埒が明かないわ。とにかく今日中に下書きだけは何が何でも完成させる! 我が婿っ!」
「えっ!?」

 いきなり指差されてキョドる俺を、エリアは正面から見据えて言ってきた。

「あんた、これからあたしの家に来て作業の続きを手伝いなさい!」
「「は!?」」
 
 そんな素っ頓狂な声を上げたのは俺だけではない。今までお喋りしていたリファもである。
 すぐさま会話を切り上げて、俺とエリアの間に割って入った。

「い、いきなり何を!? 何でマスターが貴様なんかと!」
「あたしは作業を終わらせなきゃならない。帝王の仕事を補佐するのは伴侶としての当然の務めでしょ」
「そんなの貴様の勝手だろうが! マスターはこれから私達と夕飯の支度をするんだ! くだらんことに彼を巻き込むんじゃない!」
「うっさいわね。あんたに話してないし、ましてやなんであんたらの事情なんて考慮しなくちゃなんないわけ? 帝王の指示こそ全てにおいて優先されるべきことでしょうが」
「この、言わせておけばっ!!」
「まぁまぁまぁちょっと落ち着けよ」

 こんな路上で騒ぎなんか起こされちゃかなわん。近所迷惑だし、サツにでも見つかったら速攻アウトだ。
 俺は憤慨するリファを羽交い締めにしてエリアから引き離して言った。

「落ち着けリファ。お前の言うこともわかるけど、エリアの焦る気持ちももっともだ」
「マスター!? こいつの肩を持つというのか!?」
「そうじゃなくて、時間的な問題の話!」

 そう、ぶっちゃけ今回はスタートが遅すぎた。元々活動してないに等しかったサークルをリブートさせ、まだろくに体制も整っていない中、学際で発表するから出し物用意しろってのはなかなか無茶ぶりがすぎる。
 もちろんそうしないと部が存続できなくなるからっていうのはわかってる。だからこそ、多少はもうちょっと拍車はかけるべきだと思う。こんな危機意識を持ってるのが、正式部員じゃないエリアだけってのもちょっとまずい。

「学祭成功させたいのはみんな一緒……だろ?」
「むぅ……マスターがそう言うなら、わかった」
「ふん、それ見たことですか。さすがは我が婿、フォローも完璧ね」

 勝ち誇ったようにエリアは鼻息荒くするが、別にお前に味方するために言ったんじゃないから……。
 と言おうとしたとき、その銀髪紅眼女は無理矢理俺の腕に自分のを絡めてきた。
 さすがにそれにはリファだけでなくクローラや渚も絶句。俺ももちろん絶句。
 ただ一人、しかけた本人だけはウキウキだったが。

「さぁ我が婿、いざ参らん私達の城へ!」
「ちょ! 待って、私達の城って、どういう意味!?」
「さっき言ったでしょ。私の部屋で一緒に作業しなさいって。あんたはそれに同意した。だったら早く行かないと」

 しまった、うまく乗せられた。いや、この場合は足を滑らせてうっかり乗船してしまったという方が正しいか。
 作業はもうちょい急いだほうがいい、という主張点にばかり目が行ってて重大なことを頭の隅に追いやってた。
 恋人がいるというのに!
 他の女の家にお呼ばれされて、それにホイホイついていこうとしてたとか!
 最低すぎだろ俺。いやマジで。

「あの、ごめんエリア。俺はその、家に行くことに同意したつもりは――」
「さぁ御託は無用よ我が婿。というわけで走るわよ! 時間を無駄にはできないわ」

 有無を言わせずに、エリアは俺を拘束したまま恐ろしいスピードで走り出した。
 こうしてあっさりと俺は帝王に拉致され、奴の根城に連行されていったのである。


 ○

 数分後。

「で? なんであんたまでここにいるわけ?」

 部屋の隅にたたまれた布団の上に胡座をかきながら、エリアは心底不満そうな表情で言った。
 そのジト目が向く先は、当然俺――の隣りに座っている金髪碧眼の女騎士である。
 リファは彼女同様胡座をかいて腕を組み、自分ちでもないのにこの家の主みたいな威厳を放っていた。

「マスターが居る所、常に我あり。理由などそれ以外にない」
「あんたなんか招いた覚えないわよ!」

 フシャー、とまるで毛並みが逆立った猫みたいに威嚇するエリア。だが所詮は猫、リファには大して効果はない。
 とにかくもう喧嘩はうんざりだ。残業しようぜって話なのに、また先延ばしにしたんじゃ意味がない。
 クローラは、今頃渚と一緒に夕飯作り。本当は三人で一緒に作るはずだったのに、これで食べるのも別々に――なんてなったら目も当てられない。
 とにかく今は一分一秒でも惜しいんだ。ひとまず喧嘩になりそうな話題はさっさと逸らそう。

「そ、それよりここがお前の部屋かぁ……なんか随分とシンプルだな」

 俺は初めて招待されたその女の子の自宅を見渡す。
 だが想像してたのよりはだいぶ違った。キレイな壁紙が張ってあったりするわけでもなく、化粧品や美容グッズとかが大量に転がったりしてるわけでもない。
 リビングにあるのは四角いテーブルと、小さなタンス、そしてエリアが玉座代わりにしている布団だけであった。
 机やベッドもなければ、PCも、本棚も無い。今流行りのミニマリストってやつなのかな。

「必要最低限のものだけあればいいでしょって……あいつが言うから」
「未來か……」

 八越未來、異世界から転生してきたエリアの教育係にして同居人である。
 つまりこの家は彼女の家でもあるわけだが……マジでこういう生活してるのか。必要最低限って、そりゃたしかにそうだけどさぁ……二人で一緒に暮らすわけだし、もっと他に揃えるものとかあるんじゃないかと思うんだけど……布団とか、それ一人分しか無いじゃん。

「はんっ! ほぼなにもない空虚な部屋。偽の帝王に相応しいではないか」
「おいリファ」

 言ってる傍から喧嘩売ってもう……。
 そんでまたエリアがムキになって反撃、俺が仲裁というパターンに入るかと思いきや。
 帝王は冷めた様子で脚を投げ出すと、ブラブラとさせながらこれまた冷めた口調で、

「別に気にしてないわよ。こんなのただの仮の住まい。いずれはでっかいお城に居を構えるんだから。今はこれでいいの」
「……あらら」
 
 珍しく流したな。
 彼女自身、そこまでこの家に愛着があるわけではないようだ。そういえば最初に出会った時も、このアパートのことは「お粗末な家」呼ばわりだったしなぁ。住めば都とは言うけれど、部屋の中がこの様じゃ都にするのは相当難しいだろう。
 でもそれでよく納得したよな。いっつも不平不満ばっか言ってそうなのに、妙なところで聞き分けはいいんだから読めないというかなんというか……。

「ところで未來は? あいつに断りもなく上げちゃってよかったのか?」
「構わないわよ。仕事が長引いて遅くなるんだって。当分帰ってこないわ。バレたらあたしから口添えしとくから心配しなさんな」
「あ、そう……ならいいけど」
「とにかくさっさと始めるわよ。あんたらも与太話してる暇があったらペンを動かしなさい」

 エリアはそう言ってテーブルにノートを広げてガリガリと作業に取り掛かり始めた。
 おっといけねぇ、俺達も急いでやらないと。
 閑話休題。
 俺達はいそいそと各々の仕事に集中することにした。

 ○

「マスター、運営から借りられる転がせる壁みたいなやつって、何枚だっけ?」
「パーテーションな。全部で九枚。そこに研究内容を書いた大紙を張り付けて展示する」
「で、一枚につき一テーマ……計九テーマに分けて内容を決めるんだったな……で、内訳は――?」
「漫画の歴史、有名漫画家の紹介で一枚ずつ使って二枚。あと七枚でそれぞれおすすめ漫画のレビュー、でしょ。もう忘れちゃったのかしらこのポンコツ」
「ただの確認だ! いちいち癪に障る奴だなもう……」

 小競り合いは多少あれど、先程よりは順調に仕事は進んでいた。
 普段からこの調子でいければいいんだけどなぁ。

「ところで、レビューの割り振りってどうする? あと七枚だから3:2:2になるけど……」
「5:1:1でいいわよ」

 ノートにペンを走らせながらエリアが即答した。
 その言葉に俺とリファは同時にノートから顔を上げた。

「それって、誰かが五枚やるってことか……?」
「さすがにそれはないだろエリア……。一人に負担かけすぎるのはまずい。第一誰が五枚分も……」
「あたしがやる」

 ……はい?
 今、なんと仰いましたかね?

「聞こえなかったかしら? あたしがやるって言ってんの。あと歴史と漫画の方も一枚担当するから、残りをあんたたちで分担してやんなさい」
「ちょ、正気かよお前!」

 そう言っても、彼女は撤回することもなく平然としている。疲れと焦りで頭がどうにかなったとかじゃなさそうだ。だけどあと一週間ちょいしかないのに、一人でそれだけの量を担当するとか激務にもほどがあるだろ。授業やバイトだってあるだろうに……。

「レビューする作品も、構想も全部頭では出来てる。あとはそれを文章に起こすだけだから問題なしよ。別にあんた達を気遣ってるわけじゃない。むしろ逆、あんたらが信用できないから自分でやる方が確実だってそんだけ」
「んなこといってもさぁ……」
「いいの! あたしがやるっつったらやるの! それとも帝王に意見する気!?」

 キッ、と俺を睨みつけてエリアは威嚇してくる。
 まったくこいつは……。
 いつもだったらすごすごと引き下がるが、今日はそうもいかない。
 俺ははぁー、と長くため息を吐いて静かに言った。

「そうだよ。意見するさ」
「!」
「これはお前一人でやってるんじゃない。もし無理して途中でぶっ倒れたら収拾つかなくなるだろ」
「な、何言ってんのよ我が婿! あたしはね――!」
「我が婿我が婿って、そんなに俺を旦那にしたいんなら!」

 俺は声を張り上げて彼女の反論を黙らせる。そうくるとは思ってなかったのか、やや萎縮して黙ってしまうエリア。そんなおませな少女に俺は一息ついて……。
 こつん、と。彼女のこめかみに軽く拳をぶつけた。
 
「夫の忠言くらいちったぁ聞き入れろっての」
「……」

 ちょっとやりすぎたか、と一瞬思った。こいつへの抗議はちょうどいいラインを見極めるのがむずい。そもそも抗議されること自体嫌うタイプだからな。
 だが、結果は吉と出た。
 ぽやー、と彼女は顔を少し赤く染めて、俺を瞬きもせずに見つめていた。やっと人の話を聞く気になったか、手間のかかる帝王様だ。
 俺がほっと安堵の息を吐いたその時。

「なら、3:2:2で決まりだな」

 ペンを動かす手を止めずに、リファがクールに提言した。
 エリアのぽかんとした目が彼女の方に向く。
 
「ポンコツ……」
「貴様の身を案じるつもりはサラサラ無い。マスターの言う通り、途中でリタイアされてその尻拭いをさせられるのは御免こうむるというだけだ。それに……」
 
 散らばった消しゴムのカスを息を吹きかけて飛ばし、その若き女騎士は髪を手でさっと掻き分けた。

「私だって書きたい漫画の話が沢山あるんだ。到底一枚じゃ足りん。言っておくが、貴様なんかより私のほうが漫画にかける愛はでかいんだからな」

 ……おやまぁ。
 言ってることは間違いなく本音100%だろうけど、でもまぁこれが彼女なりの優しさなのかもな。

「……ふ、ふん。まぁそこまで言うなら、仕方ないわね。わかったわよ、じゃあその……3:2:2で」
「ああ、私が3で、マスターと貴様が2な」
「ちょっ! 違うでしょ! なに勝手に配分決めてんのよ!」
「不満か? なら私が4でマスターが2、貴様が1でもいいぞ」
「あんたねぇー!!」

 またまた喧嘩は始まってしまったが、それでも今までのギスギスした空気ではなく、どこか涼しい風が吹き抜けている。俺にはそう感じられた。
 
 
 ○


「やっぱり私は『るろうに剣心』だな。剣に生きる者達の凄まじき生涯……あれこそ国民全員が読むべき聖書だろう……あとは素晴らしき剣技の数々……何度読んでも飽きることはない」
「何言ってんのよ。最高傑作は横山の『三国志』に決まってるわ。天下を目指す者達の群像劇……あれは頂点に立つ私にとっては欠かせない必読書よ。あーそういう意味なら『キングダム』もいいわねぇ。絵柄的にはあっちのほうが迫力もあるし」
「あ、あとはあとは! 『バガボンド』とかもいいな、あれも剣戟モノとしては外せんし。画力も繊細でリアルでとにかくすごいものな。続き全然出ないけど……」
「あ、『黒執事』とかもいいわねぇ。ああいうのが付き人だったら、きっと毎日が楽しくなりそう。我が婿も、ああいう男の所作を少し見習いなさいよねっ」

 二人共ノリノリで作業に取り組んでらっしゃるようで。よかった、調子が順調に軌道に戻ってきたみたいで。

「えっと……『赤きエンザ』が連載してたのは……コロコロイチバンだったかな?」
「別コロよ。あとそこ……『斬』の作者は、杉山じゃなくて杉田ね。紹介するならそれくらいはっきり覚えときなさいな」
「そ、そういう貴様こそ! ナックルは強化系じゃなくて放出系だ! あと天上天下唯我独尊じゃなくて天上不知唯我独尊! 好きなキャラとかいって紹介してるなら間違えるなよ……」
「ちょ、ちょっと書き損じただけでしょ! ったくもう……」

 ……。
 そんな様子を作業しながら見ていた俺は、思わずぼそっと呟いた。

「なんかお前ら……結構仲よさげじゃね?」
「「どこがっ!?」」
 
 そうやって揃って即答するところが。
 とは言わないけれど。
 でも、二人共本当に漫画が好きなんだってことは伝わってくる。隠しきれない愛というか……俺も好きだからわかるんだよね、そういうの。

「じゃあ二人は漫画のどういうところが好き? 試しに教えてよ」
「「そりゃあもちろん!」

 よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに、二人は同時に胸を張って論者のごとく語りだす。

「この世に二つと無い、個性あふれる世界観と登場人物の数々!」
「現実の世界じゃありえないような妄想でも、いくらでも表現できる自由の幅!」
「時間を忘れてしまうほど読者を惹きつける魅力!」
「かっこいい必殺技!」
「しびれるような台詞回し!」
「「大迫力のストーリー!!」」

 二人は酔いしれるように、次々にきゃーきゃーと騒ぎ立てた。まるで堤防の決壊した川みたいだ。
 共通の敵の前では敵対する二人は結束する、みたいな話はあるけれど……共通の話題でも同じような現象は起こるんだな。
 あまりの微笑ましさに思わず吹き出してしまうと、彼女達も我に返ったのかすぐにおとなしくなった。共感はできるけど意気投合は意地でもしたくないってか。素直じゃないんだからもう……。

「おーい! お仕事ずくめの部畜どもー!」

 と思ってたらいきなり部屋のドアが開けて誰かがズカズカ入ってきた。
 茶髪に厚化粧の見るからに遊んでそうなギャルと、その後ろにはメイド服を着た超可愛らしい女の子。

「クローラ!」
「主くん! 遅くまでお疲れ様です。お夕飯できたので、皆で食べようと思って持ってきました」

 彼女は笑顔で、両手に持っていた大鍋を軽く掲げた。
 作ってきてくれたのか……やべぇありがたすぎて涙が出そう。

「ありがとうな。でもごめん、何から何まで任せっきりで……」
「いえいえ。いつもは料理は主くんとリファさんにしてもらっていますから。ほら見てください、頑張って作ったんですよ!」

 と言って、我が家の愛奴メイドは鍋をテーブルに置いて蓋をパカっと開けた。
 途端、醤油のかぐわしい香りを湯気に乗って俺達の鼻腔をくすぐる。そして目に飛び込んできたのは、ホクホクの人参とじゃがいも、そしてジューシーな豚肉がゴロゴロ入った肉じゃがだった。

「おお、肉じゃがか! これは美味そうだ! 偉いぞクローラ!」
「えへへ……カレーの派生料理は大体ちゃんと作れるようになりましたです……」
「話数を重ねるごとにナギちゃんの扱いがひどくなっているこの現象になんと名をつけようか?」
「怒りのヒートアイランド現象だな」
「でも心はぽっかりドーナツ化現象ですけどね」

 そして泣き声はフェーン現象ってか。
 とまぁ、豪華な夕飯をいただきながら作業は着々と進み……。


 ○ 


「「終わったぁーーーぁぁ!!」」

 リファとエリアは同時にそう万歳して叫ぶと、そのままゴロンと寝っ転がった。
 あれから進捗はぐんぐんうなぎのぼりに上がっていき、下書きどころか本番用の紙に清書するところまでいった。
 驚いたな……いや自分でもここまでやれるとは思ってなかった。さっき間に合わない間に合わないって焦ってたのがバカみたいじゃん。
 気が抜け、やってる最中は感じなかった疲れがどっと襲いかかってくる。
 
「お疲れ様です、主くん」

 するとクローラが後ろから肩を揉んできてくれた。本当に滅茶苦茶疲れたけど、これだけであと数十時間は頑張れそうな気がする。
 
「ふふ、やっぱり主くんはすごいですね」
「俺が? そんなことないよ。俺よりもあいつらの方がめっちゃ仕事早かったし、俺なんて全然――」
「単なる作業の話ではありませんよ」
「え?」
 
 そっと彼女は俺の後ろから手を回してくると優しく抱きしめてきた。
 後頭部から側頭面にかけて柔らかい感触が伝わってくる中、甘ったるい声が耳元で囁かれる。
 
「喧嘩ばっかりのあの二人をうまくまとめて、仲を取り持って、最終的に成功まで導いたことです。それは主くんでしかできないことでしたよ?」
「そ、そうかな……」
「そうですとも。今日だけのことじゃない、私達が今まで成功してきたことややり遂げてこれたことは全部、主くんのお力添えがあってこそなのですよ」

 ゆっくりと俺の頭を撫でながらクローラは、寝る前のこどもに御伽話でも聞かせるような口調で続けた。

「リファさん、生ゴミさん、未來ちゃん……噛み合わないような関係の人でも、こうして笑い合って楽しく過ごせてる。ずっと孤独だった私達を変えてくれた……言わばあなたは私達を繋ぐ、絆そのものなんです」
「……まぁよくわかんないけど、こんな俺でも役に立ててるならよかったよ」
「はい、本当にありがとうございます。主くん」

 そう言って彼女はにっこりと微笑む。俺はその笑顔と羽毛布団のような抱かれ心地に、自然とうつらうつらとしてきてしまった。
 もうこのまま寝ちゃいたい。そう思ったのだが……。

「おーし! じゃあ仕事もでかいのが片付いたことだし、景気づけに酒パしよーよ酒パ!」
 
 安眠妨害渚ちゃん参上。
 両手にはウィスキーの小瓶と日本酒の瓶を携え、口にはナッツの袋を咥えている。やる気満々だな。どっから持ってきたんだよそれ……。

「え、これ? この家の冷蔵庫」
「は?」

 この家。 
 つまりは俺達が今いる部屋。
 だがその家主は俺でもなければ渚でもない。
 ここにいない、八越未來のものである。
 その冷蔵庫から……持ってきた。

「ドロボーじゃねぇぇぇぇか!」
「こまけぇこたぁいいんですよ。瓶の一本や二本飲んだってバレませんって」
「まるまる全部いく気かよ! そんなのバレるに決まってんだろ! ていうか勝手に飲むな!」
「いやマジで多分気づかれないと思いますよ」 
 
 そう言って、渚は奥の厨房の方を顎でしゃくって示すと一言。

「冷蔵庫の中、酒しかなかったですもん」
「……は?」

 酒しか……ない?
 いやいやねーよ、いくらなんでもねーよ。
 そんないくら学生の一人暮らしだからって、そんな冷蔵庫を酒蔵にするバカがどこに居るってんだよ。自炊しないやつだってもうちょいなんかあるだろ普通。酒じゃなくてもジュースとかさ。
 と思いながら失敬して冷蔵庫の中を見てみたら……。
 
 マジで酒しかなかった。
 
 焼酎、カクテル、ビール、ワイン……見渡す限り全部酒。
 かろうじてペットボトル入りの水があったと思ったら、割る用のソーダだった。

「あたしもびっくりしましたけどねー。この前の新歓コンパの事件で酒弱いかと思ってたのに、ありゃ演技だったのかな」

 ご名答。
 未來はめちゃくちゃ酒が強い。ここまで酒好きとは予想してなかったけど……。
 色々な意味で凄まじい光景に顔を引きつらせていると、リビングのエリアが突然立ち上がった。

「……ちょっと、外で頭冷やしてくる」
「あれ? あんたは飲まないの?」

 既にウィスキーをラッパ飲みしている渚を彼女は軽くスルー。さっさと廊下に出ていき、程なくして玄関のドアが閉まる音がした。
 一瞬の静寂。
 どうしたんだろう。頭冷やすって……熱が入りすぎちゃったってことかな。

「おーいセンパーイ!」

 首をひねってると、渚がリビングからどやしてきた。
 ……まったくしょうがないな。

「悪い、俺もちょっとあいつの様子見てくる」
「いやそうじゃなくて、つまみ足りないからコンビニ行って買ってきてください」
「死ね」


 ○


 アパートの外。

 見事な下弦の月が照らし出す夜空の下、彼女は無言で風にスカートをなびかせていた。
 手にはいつもどおり、「予知書」を広げて。

「エリア」

 呼びかけると、彼女は一瞬だけこちらを振り返ると、つまらなそうにまた視線を本へと戻した。

「悪いな……なんか渚が勝手に。未來には俺からも謝っとくから」
「……別にいいわよ。あいつ、いっつも次から次に買い足してくるから」
「あ……そう」

 まぁそうでもしなきゃあそこまではたまらんだろうからな。
 しっかし、次から次へとねぇ……。

「お前と飲んだりは……しないよな?」
「当たり前でしょ」

 鼻で笑ってエリアは予知書を閉じると、そっと目を閉じた。 

「……嫌いなの、お酒」
「……そっか」
「酔っ払うと気が大きくなって人の本性が出るって言うけど……それって普段から本当の自分を曝け出せない弱い奴だから、そういうことになるって思わない?」
「え? ……あ、ああ」
「酒を飲まなきゃ、言いたいことも言い出せないなんて……つまらない人生よね」

 ふぁさっ、とエリアは銀色のもみあげを手で掻き分ける。

「あたしは違うわ。いつだって自分に正直に生きてる。言いたいことはいつだって言ってやるし、やりたいことは思い立ったその時にやる。どんな時だって自分の意志は曲げない。絶対にね」

 それは何十回と耳にした、ワイヤードの国民全員に定められた掟。
 帝王という立場にいた以上、彼女は人一倍それを守る意識は高いのだろう。

「建前ばっかりで、他人の顔色を伺って駆け引きし合う世界なんて本当につまらない。一体自分は何がしたいのか、本当の自分はなんなのかさえわからなくなる。死んでるのと同じよ、そんなの」
「……」
「だからあたしは漫画に惹かれたの」
「え?」

 突然の告白に、俺は面食らった。
 今の会話の流れで、漫画がすきって……どう結びつくんだ?
 ちんぷんかんぷんな俺を見て、その若き女帝は微笑した。

「漫画は作者の心の現れだからよ」
「!」
「世界を創り、登場人物を創り、それを自分で決めたストーリーに沿って動かす。その物語の中には、作者が作品を通して伝えたいこと、表現したいことが込められている。色んな漫画を読んで、あたしは創作者達の意思をそこに感じた。嘘偽りのない、正直な気持ち。……だから面白いのよ。人が自分に素直に生きる姿ってのは」

 ぱちっ、とそこでエリアが指を鳴らすと。
 ボワッッ! と真紅の炎が彼女のレースの手袋に覆われた手から吹き出た。
 魔導……彼女が生み出した異世界の技術。大気中の元素を自らの体内に吸入することで、自由自在にその力を操ることができるというもの。
 元素封入器エレメントをセットして使用するキカイとは対をなすテクノロジーだ。

「あたしもこれを広めて、あの世界で自分の意志を伝えたかった。でもその志は達成させることのないまま、あたしは死んでこの世界に転生……やってきた場所はどいつもこいつも建前ばかりのつまらない世界……。そんな中であたしは、漫画あれに出会った」
「……」
「こんなつまらない世界で、それを面白くしようと頑張ってる人たちがいる。誰もが自分だけの世界を創ろうとしている。それってすごく素晴らしいことだと思わない?」
「……ああ、そうだな」

 俺が頷くと、彼女は予知書をホルダーに収納して大きく背伸びをした。

「だからあたしも頑張らないとって思った。この世界であたしのワイヤードをもう一度興す。本当の帝王になって、紙に描かれた絵空事でなく、本当に自分の思い描く面白い世界を実現してやろうって」
「……お前の、物語?」
「そう、あたしだけの物語。あたしが創っていく物語。それはきっと面白いし、素敵だし、何より……」

 そこで言葉を切ると、彼女はうつむいて少し音程を低くした声で言った。


「誰も、あたしを裏切らない」


 ……え?
 聞き返そうとしたが、既に彼女は元の明るい口調に戻っていた。

「ま、そういうこと。それが高じて今回あんた達の戯れに加担しちゃったけど……でもそこそこ楽しめたわよ。王の余興にしてはね」
「そ、そうか」

 なんか……すごいな、こいつ。
 単純に私利私欲のために、世界征服を企むようなのとはぜんぜん違う。
 誰もが周りに左右されず、誰もがやりたいことができる世界を目指している。それは確かに、面白い世界だろう。少なくとも、この窮屈な世界よりは。
 あんまりうまく言えないけれど……ちょっと立派だなって思った。
 誰もが他人に流され、引きずられ続ける中で……こうも「自分」を保ち、かつ主張していける人間はそうそういない。……これからの世の中を導いていくのに必要なのは、本当は彼女みたいな人なのではないだろうか。
 いや、そうに決まってる。
 だって彼女は……異世界の、ワイヤードの帝王だったんだから。
 だけど……エリアの思想全てを認めるわけにもいかない。

 だって彼女は、その野望のために、クローラ・クエリを貶めたのだから。
 
 自分の意志を貫き通すのは、逆に誰かの意思を妨げることにもなり得る。
 そしてそれは争いの火種にもなる。
 ワイヤードで幾度となく繰り返されてきた戦争は……言わば意思と意思のぶつかり合いなのだ。
 そう考えると、今の「つまらない」日本が平和なのは……そういうことではないのかと勘ぐってしまう。
 ……なんだか、皮肉だな。

「あーあ、にしてもちょっと気合い入れすぎたかしら。肩凝ったわー」
「おつかれ。もう今日はゆっくり休めよ。明日も授業あるんだろ?」
「そうね、我が婿も結構頑張ってたじゃない。あんたの機転のおかげで色々事がうまく進んだし、褒めて遣わすわ」
「ありがたき幸せ」

 恭しくお辞儀をしてみせると、エリアは顎に手を当てて何やら考え始めた。

「うーむ、そういえばあんたへの褒美って、いつもただ褒めるだけよね。それじゃありきたりすぎるかしら」
「え?」
「あんた、なにか欲しいものとかある? 授けものってわけでもないけど、よほどのものじゃなければ用意してあげる」
「いやいや、そんないいよ。別に」
「何よ、王の厚意が受け入れられないっての!?」

 ぷくーっと頬を膨らませてエリアは不満げに睨んでくる。
 そう言われても、あんたにねだりたいものなんてそっちが勝手に決めた婚約解消以外思いつかないし。それを正直に言ったところで却下されるのは目に見えてますしおすし。

「まったく、無欲な自分がかっこいいとでも思ってるのかしら。いいわよ、じゃあこっちで勝手に決めるから」
「おいおい……」

 ブツブツと独り言を言いながら、俺への褒美をしばらくあれこれ考えていたエリアだったが。
 やがてまたパチンと指を鳴らした。
 そしてスキップしながら俺の前に立つと、鼻先に人差し指を突きつける。
 今まで見せた中で一番晴れやかな笑みを浮かべて、言った。




「学祭当日、あたしがデートしてあげるっ!」
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