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違法キメラ製作狂のワガママ小娘捕獲ミッション その三
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「さて。ビアンカ=ベアズリ―。
密猟罪で連行するから、大人しく降伏しなさい」
剣を突きつけ、言い放つエレナに、
「ふんっ。失敗作を倒したくらいで、調子に乗らないでよね」
しかし、ビアンカは落ち着き払って様子で、カップをかたむける。
「そんな~。ビアンカ様~」
失敗作呼ばわりされて、だくだく涙するメルザ。
「うるさい、ごくつぶし。約束どおり、これから一週間、あんたのエサはドッグフードよ」
「うっうっうっ・・・・・・・がくり」
その言葉にとどめをさされ、気を失うメルザ。
ううむ。敵ながら、なんという劣悪な職場環境・・・・・・・
ビアンカは、そちらには見向きもせず、小さく呪文を唱えると、
「ま、いいわ。 ちょうど、新作キメラの実験台が欲しかったところだし」
言い終わるのとほとんど同時に。
ボコッ! ボコボコッ!
不意に、エレナの真下の地面が盛り上がる。
「――なっ!?」
エレナがとっさに横に跳んだ、次の瞬間、今まで立っていた空間を、濁流の勢いで、幾条もの触手の群れが薙ぎすぎる!
続いて、何本もの触手を足のように使い、うにょうにょと地表に這い出たのは、気色の悪いキメラだった。
「げっ!? な、なによコレ・・・・・・」
それを見たエレナの身体が、ぴきっ、と硬直する。
「ふふんっ。どう? 私の新作キメラ、『ぬるにょろワーム』は?
サンドワームとかスライムとか。ぬるぬるしたモンスターばかりかけ合わせたんだけど・・・・・・」
ビアンカは、自慢げに鼻を鳴らしたあと、ふと眉をひそめ、
「・・・・・・ちょっとグロすぎ」
「お前が言うな。つか、作る前に気づけ」
ぼそりと呟くのに、俺は呆れた顔でつっこむ。
「あ、ああ悪趣味にもほどがあるわね」
罵るエレナの額には、しかし、じっとりと脂汗が流れている。
あー。こいつ、ぬるぬるしたの嫌いだからなー。
強がってはいるものの、スライムやワームが苦手なエレナにとって、まさに天敵だろう。
「そもそも、なんであんなキモいの作ったんだ?」
「フッ、そんなの決まってるじゃない。『究極にぬるぬるしたキメラ』を作るためよ!」
「いや。究極がつけばいい、ってわけじゃないだろ」
「こ、こらーっ! 人が戦ってる時に、なにのんきに敵と話してるのよっ!」
焦りのにじむ声で、叱責するエレナ。
そちらに目をやれば。やはりヌルヌルが気になるのか、エレナは触手をかわすのに精いっぱいで、攻めあぐねていた。
一方のキメラは、強力なモンスターであるサンドワームが基本なだけに、グロい外見はともかく、戦闘力はかなりのものがありそうだ。
俺は口に手を当て、
「おーいっ。こいつは、さっきの犬キメラより数段手強そうだぞ。フードを脱いで、本気で戦った方がいいんじゃないか?」
「嫌よ、スケベっ!」
即座に罵倒が帰ってきた。
エレナは、四方から襲いかかる触手を、巧みな剣さばきでしのぎつつ、
「あんなハレンチな格好するぐらいなら、死んだほうがマシだわっ!」
・・・・・・ったく、しょうがないな。
ため息つくと、俺は呪文の詠唱に入る。身体中の魔力が、杖の先端に収束し――
と、それを聞きとがめ、
「バ、バカやめなさいっ! あんたが呪文を使ったら――」
エレナが抗議の叫びを上げた、その一瞬。
ばしっ! しゅるるっ!
「しまっ・・・・・・!」
ワームの触手が、エレナの右足を絡めとる!
「――ひっ!? ぬ、ぬるぬるするぅぅぅぅぅぅぅっ!」
ゾワワワッ、と背筋を這いのぼる悪寒に、軽くパニくりながらも、エレナは足首に絡んだ触手を斬り飛ばし――だがそこに。
いっせいに伸びた触手の群れが、エレナを押し包むように襲いかかる!
「――ひあっ!?」
青ざめるエレナを見て、ビアンカは、金髪巻き毛をかきあげつつ、
「クククっ。生意気な脳筋女め! 触手まみれになっちゃえっ!」
勝ち誇った嘲笑を圧して、
「風円斬っ!」
俺の呪文の声が響いた!
「・・・・・・へ?」
ズシャ、ズシャ、ズシャアッ!
魔力の刃を帯びた突風が、キメラの周囲に吹き荒れ、触手を次々に切り飛ばしていく。
吹きつける強風に、土ぼこりが舞い上がった。
「こ、これって、最高難度の風魔法じゃない。なんで冒険者ごときが使えるのよっ」
「ふっふっふっ。これでも、元宮廷魔術師なんでね」
逆切れするビアンカの言葉に、俺は自慢げに腕を組み、
「ま、本気を出せば、ざっとこんなもんですよ」
ぱこーんっ。
「何が『こんなもん』、よ。このアホっ!」
不意に、飛んできた小石に頭を直撃されて、俺は前につんのめる。
頭をなでつつ振り向けば、舞う土煙の向こう、投擲の姿勢で息を弾ませるシルエット。
やがて、土煙がおさまっていくにつれ、エレナの姿が露になり――
「な、なに? あの格好・・・・・・?」
ビアンカの口から、あきれた声が上がる。
エレナが身に着けているのは、真紅のビキニ鎧だったのだ。
しかも、鎧の布地が小さすぎて、美乳のふくらみが、たっぷりとはみ出している。
下半身は、腰骨まで切れ上がったハイレグで、桃のように張りつめたお尻が、半分ほどしか隠れてない。
深い胸の谷間には、溜まった汗がキラキラ輝き、健康的な色香を放っていた。
「レェイィィィ・・・・・・、あんたって奴はまたぁぁぁぁぁぁっ!」
プルプルと双肩を振るわせつつ、俺を睨みつけるエレナ。
羞恥と怒りのせいで、凛々しい美貌は真っ赤に染まっている。
と、次の瞬間。
ダッシュで駆け寄ってくると、ビキニ鎧の剣士は、ぐいっ、と俺の胸ぐらつかみ上げ、
「あたしのそばで魔法を使うなって何べん言えばわかるのよあんたはーっ!」
美しい眉を吊り上げ、一気にまくし立てる。
「まっ、待て待てエレナ。どうどう!」
かっくんかっくん首をゆすられながらも、俺の視線は、ビキニ鎧の胸の谷間に釘づけ状態。
「・・・・・・ごくりっ」
思わず生唾を飲み込んでしまう。
エレナが身体をゆするたび、形よく発達した乳房が、ゆさゆさ上下にゆれるのだ。健康な男子なら、目が離せるわけもない!
「くすくすっ。なんでフードなんか着て戦ってるのかと思えば、そんなエロ鎧のせいだったとはねっ。
こいつはお笑いだわ、アーッハッハッハッ!」
嘲笑あびせるビアンカに、
「・・・・・・あんたも似たような格好じゃない」
肩越しに振り向き、エレナはジト目で言い放つ。
「へ? なに言って・・・・・・」
言われて、ビアンカは自分の姿を見下ろし――
「ぎゃーっ! な、なんで下着姿になってんのよっ!?」
甲高い声で叫ぶと、慌ててぺたんこの胸を隠す。
ゴスロリ風の服は、すでにビリビリに千切れ飛び、あたりに散らばっていた。
「こ、このぉ・・・・・・お兄様にも見せたことないのに、よくもよくも・・・・・・!」
ビアンカは、半泣きで唇かみつつ、
「あたしを本気で怒らせたらどうなるか、たっぷり教えてやるわ!
まだ、とっておきの奴が残ってるんだからねっ!」
中指をびしっ! と立てて言い放つ。
密猟罪で連行するから、大人しく降伏しなさい」
剣を突きつけ、言い放つエレナに、
「ふんっ。失敗作を倒したくらいで、調子に乗らないでよね」
しかし、ビアンカは落ち着き払って様子で、カップをかたむける。
「そんな~。ビアンカ様~」
失敗作呼ばわりされて、だくだく涙するメルザ。
「うるさい、ごくつぶし。約束どおり、これから一週間、あんたのエサはドッグフードよ」
「うっうっうっ・・・・・・・がくり」
その言葉にとどめをさされ、気を失うメルザ。
ううむ。敵ながら、なんという劣悪な職場環境・・・・・・・
ビアンカは、そちらには見向きもせず、小さく呪文を唱えると、
「ま、いいわ。 ちょうど、新作キメラの実験台が欲しかったところだし」
言い終わるのとほとんど同時に。
ボコッ! ボコボコッ!
不意に、エレナの真下の地面が盛り上がる。
「――なっ!?」
エレナがとっさに横に跳んだ、次の瞬間、今まで立っていた空間を、濁流の勢いで、幾条もの触手の群れが薙ぎすぎる!
続いて、何本もの触手を足のように使い、うにょうにょと地表に這い出たのは、気色の悪いキメラだった。
「げっ!? な、なによコレ・・・・・・」
それを見たエレナの身体が、ぴきっ、と硬直する。
「ふふんっ。どう? 私の新作キメラ、『ぬるにょろワーム』は?
サンドワームとかスライムとか。ぬるぬるしたモンスターばかりかけ合わせたんだけど・・・・・・」
ビアンカは、自慢げに鼻を鳴らしたあと、ふと眉をひそめ、
「・・・・・・ちょっとグロすぎ」
「お前が言うな。つか、作る前に気づけ」
ぼそりと呟くのに、俺は呆れた顔でつっこむ。
「あ、ああ悪趣味にもほどがあるわね」
罵るエレナの額には、しかし、じっとりと脂汗が流れている。
あー。こいつ、ぬるぬるしたの嫌いだからなー。
強がってはいるものの、スライムやワームが苦手なエレナにとって、まさに天敵だろう。
「そもそも、なんであんなキモいの作ったんだ?」
「フッ、そんなの決まってるじゃない。『究極にぬるぬるしたキメラ』を作るためよ!」
「いや。究極がつけばいい、ってわけじゃないだろ」
「こ、こらーっ! 人が戦ってる時に、なにのんきに敵と話してるのよっ!」
焦りのにじむ声で、叱責するエレナ。
そちらに目をやれば。やはりヌルヌルが気になるのか、エレナは触手をかわすのに精いっぱいで、攻めあぐねていた。
一方のキメラは、強力なモンスターであるサンドワームが基本なだけに、グロい外見はともかく、戦闘力はかなりのものがありそうだ。
俺は口に手を当て、
「おーいっ。こいつは、さっきの犬キメラより数段手強そうだぞ。フードを脱いで、本気で戦った方がいいんじゃないか?」
「嫌よ、スケベっ!」
即座に罵倒が帰ってきた。
エレナは、四方から襲いかかる触手を、巧みな剣さばきでしのぎつつ、
「あんなハレンチな格好するぐらいなら、死んだほうがマシだわっ!」
・・・・・・ったく、しょうがないな。
ため息つくと、俺は呪文の詠唱に入る。身体中の魔力が、杖の先端に収束し――
と、それを聞きとがめ、
「バ、バカやめなさいっ! あんたが呪文を使ったら――」
エレナが抗議の叫びを上げた、その一瞬。
ばしっ! しゅるるっ!
「しまっ・・・・・・!」
ワームの触手が、エレナの右足を絡めとる!
「――ひっ!? ぬ、ぬるぬるするぅぅぅぅぅぅぅっ!」
ゾワワワッ、と背筋を這いのぼる悪寒に、軽くパニくりながらも、エレナは足首に絡んだ触手を斬り飛ばし――だがそこに。
いっせいに伸びた触手の群れが、エレナを押し包むように襲いかかる!
「――ひあっ!?」
青ざめるエレナを見て、ビアンカは、金髪巻き毛をかきあげつつ、
「クククっ。生意気な脳筋女め! 触手まみれになっちゃえっ!」
勝ち誇った嘲笑を圧して、
「風円斬っ!」
俺の呪文の声が響いた!
「・・・・・・へ?」
ズシャ、ズシャ、ズシャアッ!
魔力の刃を帯びた突風が、キメラの周囲に吹き荒れ、触手を次々に切り飛ばしていく。
吹きつける強風に、土ぼこりが舞い上がった。
「こ、これって、最高難度の風魔法じゃない。なんで冒険者ごときが使えるのよっ」
「ふっふっふっ。これでも、元宮廷魔術師なんでね」
逆切れするビアンカの言葉に、俺は自慢げに腕を組み、
「ま、本気を出せば、ざっとこんなもんですよ」
ぱこーんっ。
「何が『こんなもん』、よ。このアホっ!」
不意に、飛んできた小石に頭を直撃されて、俺は前につんのめる。
頭をなでつつ振り向けば、舞う土煙の向こう、投擲の姿勢で息を弾ませるシルエット。
やがて、土煙がおさまっていくにつれ、エレナの姿が露になり――
「な、なに? あの格好・・・・・・?」
ビアンカの口から、あきれた声が上がる。
エレナが身に着けているのは、真紅のビキニ鎧だったのだ。
しかも、鎧の布地が小さすぎて、美乳のふくらみが、たっぷりとはみ出している。
下半身は、腰骨まで切れ上がったハイレグで、桃のように張りつめたお尻が、半分ほどしか隠れてない。
深い胸の谷間には、溜まった汗がキラキラ輝き、健康的な色香を放っていた。
「レェイィィィ・・・・・・、あんたって奴はまたぁぁぁぁぁぁっ!」
プルプルと双肩を振るわせつつ、俺を睨みつけるエレナ。
羞恥と怒りのせいで、凛々しい美貌は真っ赤に染まっている。
と、次の瞬間。
ダッシュで駆け寄ってくると、ビキニ鎧の剣士は、ぐいっ、と俺の胸ぐらつかみ上げ、
「あたしのそばで魔法を使うなって何べん言えばわかるのよあんたはーっ!」
美しい眉を吊り上げ、一気にまくし立てる。
「まっ、待て待てエレナ。どうどう!」
かっくんかっくん首をゆすられながらも、俺の視線は、ビキニ鎧の胸の谷間に釘づけ状態。
「・・・・・・ごくりっ」
思わず生唾を飲み込んでしまう。
エレナが身体をゆするたび、形よく発達した乳房が、ゆさゆさ上下にゆれるのだ。健康な男子なら、目が離せるわけもない!
「くすくすっ。なんでフードなんか着て戦ってるのかと思えば、そんなエロ鎧のせいだったとはねっ。
こいつはお笑いだわ、アーッハッハッハッ!」
嘲笑あびせるビアンカに、
「・・・・・・あんたも似たような格好じゃない」
肩越しに振り向き、エレナはジト目で言い放つ。
「へ? なに言って・・・・・・」
言われて、ビアンカは自分の姿を見下ろし――
「ぎゃーっ! な、なんで下着姿になってんのよっ!?」
甲高い声で叫ぶと、慌ててぺたんこの胸を隠す。
ゴスロリ風の服は、すでにビリビリに千切れ飛び、あたりに散らばっていた。
「こ、このぉ・・・・・・お兄様にも見せたことないのに、よくもよくも・・・・・・!」
ビアンカは、半泣きで唇かみつつ、
「あたしを本気で怒らせたらどうなるか、たっぷり教えてやるわ!
まだ、とっておきの奴が残ってるんだからねっ!」
中指をびしっ! と立てて言い放つ。
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