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11、話の種
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春の温かさにも慣れ、昼間の日差しが少し汗ばむように感じ始めた頃。白い封筒に赤い封蝋が施された手紙が届いた。
「王宮で開かれる夜会に参加するように、と王太子殿下からのお達しだ」
以前のセシリアには、貴族と言えば、お城で開かれる舞踏会で踊るイメージがあった。それは間違いではなく、実際いろんなところから招待状が届いている。
その中でも王宮――王太子から直々に誘われたことは、大きな意味を持つ気がした。
「きみの従姉が王太子の花嫁となるから、それも含めていろいろと気になるのだろう」
クライヴの本来の結婚相手だった、ヨランダと王太子はまだ婚約者同士である。
王太子の挙式となれば大層な準備が必要なためでもあるが、長らくクライヴの婚約者であったことも恐らく関係しているのではないか、とセシリアは思った。
(クライヴ様は、ヨランダ様が王太子殿下と結婚することをどう思っているのかしら……)
伯爵の説明では、王太子がヨランダを見初めたと言っていた。ヨランダの気持ちが当時どんなものだったかは知らないが、王太子に結婚してほしいと言われれば、断るのは難しいはずだ。ましてあの伯爵の様子では……ヨランダが拒絶しても、無理矢理結婚するよう命じただろう。
(別れることが決まった時、クライヴ様も辛く思ったのかな……)
結婚前、伯爵家で読んだ悲恋ものの小説を思い出す。権力者によって引き裂かれた恋人たちのようにクライヴたちも悲しんだのか。確かその小説のヒーローは、きみを失うくらいなら、いっそ死んだ方がマシだと言ってヒロインを情熱的に抱きしめていた。
クライヴもそう言ってヨランダを――
(……なんだか、あまり想像できない)
それとも表情に出さぬだけで、心の中だけで悲しんだのか。まだこちらの方が現実味があると考えたところで、何だか複雑な気持ちになった。
「セシリア。きみはまだ夜会そのものに慣れていないだろう? 大変かもしれないが、いくつか出席しておいた方がいいと思う」
「はい。そうですね」
考え事をしている間にクライヴは淡々と今後のことについてまとめていく。セシリアも、クライヴとヨランダの関係について今は考えている暇はないと、頭を切り替えた。夜会へ行くドレスを決め、主催者の名前など、覚えなければならないことが山のようにある。
(あ、ダンスも踊るかしら……)
クライヴに一度練習に付き合ってほしいが……嫌がられるだろうか。使用人に頼んで練習相手になってもらおうか。
(何事もなければいいのだけれど……)
今日から眠れない夜が続きそうだと、胃が痛くなる思いだった。
◆
夜会の当日。緊張で朝から何も食べる気になれないまま、セシリアはクライヴと共に招待された貴族の屋敷へ出向いた。
「まぁ、公爵様。ご結婚おめでとうございます」
ハーフォード公爵家は、貴族の中でも上位に位置する。声をかけてくる人々の表情や態度でセシリアは改めてそう実感させられた。
「そちらの方が奥様?」
「はい。妻のセシリアです。セシリア、こちらは――」
クライヴが結婚したばかりの妻を紹介し、相手の名前を告げながら紹介してくれるので、セシリアは名前を間違えるなどという失態を犯さずに済んだ。
「初めまして。妻のセシリアと申します」
「まぁまぁ、あなたが……」
後に続く言葉を夫人が思わず飲み込んだので、恐らくセシリアの出自や、クライヴとどのようにして一緒になったのか、ある程度知っているのだろう。
「初々しい方ね。クライヴ様も奥様が可愛くて仕方がないでしょう?」
「そうですね」
クライヴが微笑を浮かべて肯定したので、夫人は驚いたようだ。
セシリアも珍しい、と思ったが、単に夫人の言葉に合わせただけかもしれない。普段も淡々としているので、別に何とも思っていないというのが正しい気がした。
「お二人を見ていると、何だか自分の若い頃を思い出しますわ。わたくしも主人と結婚した頃は――」
夫人は自分の思い出話を語り始め、なんだかんだ言っても今も熱愛だということを伝え終わると、適当に挨拶して去って行った。
ただ話を聞いていただけだというのに、セシリアはひどく疲れてしまった。
(もう、帰りたい……)
しかしそんなことを言い出しては、ハーフォード家の妻は実に人付き合いが悪いと評され、クライヴの評判も落とすだろう。
耐えるしかない、とセシリアが決めた時。クライヴがセシリアの名前を呼んだ。
「少し、休憩しよう」
「え、でもまだ……」
「きみの顔色が悪い」
端的に指摘され、セシリアは一瞬頭の中が真っ白になる。そうして間違いを犯したような気持ちになり、クライヴに呆れられたと焦った。
「クライヴ様。わたし、まだ全然大丈夫です!」
いつになくセシリアが強い口調で言ったので、休憩室へ向かっていたクライヴは一度足を止めて、彼女の顔をじっと見つめてくる。
「無理をするな。挨拶なら、きみが部屋で休んでいる間、私が済ませておく。体調が悪いと言えば、誰も責めることはしない」
クライヴは気遣ってそう言ってくれたのだろうが……何だかセシリアは自分が信用されておらず、また足手まといだから部屋にいろと言われた気がして、傷ついた。
「……わかりました。ではお言葉に甘えます」
これ以上駄々を捏ねればさらに迷惑をかける。そう思ったセシリアは、大人しくクライヴについて行き、休憩室へと入った。
「ここに座っているといい」
「はい……」
「そこに軽食が用意してあるから、口にするといい。朝から何も食べていないだろう? 他に必要なことがあれば、呼び鈴を鳴らせば、使用人が来てくれるはずだ」
「はい、わかりました」
クライヴは他に何か質問はあるかと尋ね、セシリアはありませんとテーブルの木目を見ながら答えた。
「……すぐに戻る」
僅かな沈黙の後でクライヴはそう言い、部屋を後にした。
一人になったセシリアは深く息を吐き、ぐったりとソファへ寄りかかった。
(人付き合いって、なんて疲れるの……)
モヤモヤとした感情がお腹の奥底に溜まっていく感じがして、これはいけないと思い、ソファから勢いよく立ち上がった。
(せっかくだから、何か食べよう!)
お腹が空いていると、余計にモヤモヤが増加する。お腹が膨れれば、きっとこの気持ちも少しは解消されるはずだ。以前ハンスと喧嘩した時だって、りんごやパンをお腹いっぱい食べたら、実にくだらないことで怒ってしまったと、どうでもよくなったじゃないか。
(ハンス、元気かな……)
今は何だか無性にあの元気な声が聴きたかった。
『セシリア!』
屈託なく笑う幼馴染の顔を思い浮かべ、寂しい気持ちになったセシリアははっとする。
(いけない! また暗くなりかけていたわ!)
セシリアは慌てて軽食の置かれたテーブルへ向かい、用意されてある食べ物を眺めた。
(美味しそう……)
空腹も限界に達し、甘い物が特に食欲を誘う。でも卵やチキンが挟んであるパンも美味しそうだ。あのエビの料理は公爵家では見たことがない。どんな味だろう……。
食べることに意識が向き、セシリアがわくわくした心地で皿に取り分けていると、遠くから女性のはしゃいだ声が聞こえてきた。
(えっ、誰か来る⁉)
この部屋へ来ると決まったわけではないし、中に先客がいるとなれば相手も別の部屋を探す可能性が高い。
それでもセシリアは何だか盗みに入ったのを見つかるような心地になって、慌てて皿をテーブルへ置くと、ぐるりと部屋の中を見渡し、花瓶が飾ってある丸テーブル――白いテーブルクロスが床すれすれまでかけられた中へ、ドレスの裾を素早く捲し上げて潜り込んだ。
「あぁ、踊り疲れちゃった」
ちょうど女性陣が部屋へ入ってきて、セシリアは口元を手で押さえた。
「ねぇ、テーブルの上にお皿が置いてある。もしかして誰かいたのかしら」
「あら、本当ね」
(まずい!)
もし自分がいることがばれたら……テーブルの下から公爵家の妻が出てきたとあれば、彼女たちは当然仰天し、変人扱いされる可能性がある。
「化粧を直したら、また戻りましょうよ」
「まだ踊るの?」
「いい人を探さなくちゃ」
「そう言えば、クライヴ様、本当に結婚したのね」
夫の名が出され、どきりとする。
「ああ、見たわ。残念よねぇ。ヨランダ様が王太子殿下と結婚するから、私にもチャンスがあると思ったのに」
「あの子、見たことない顔だったわ。公爵様ってあんなのがいいのね」
「そんなこと言ったら悪いわよ。でもなんていうか……垢ぬけていない田舎娘って感じよね。ずっと修道院にいたみたいだから、仕方ないのかもしれないけど」
「私、駆け落ちした伯爵の弟の娘だって聞いたわ」
「まぁ本当?」
「だとしたら玉の輿よね」
「いいなぁ。でも、おどおどしていて、小鹿みたいに震えていたわよね。あんな調子で、大丈夫なのかしら」
「まぁ、辛辣。でも殿方はそちらの方が庇護欲を そそるのかもしれないわ」
「そういうものかしら」
「ねぇ、もうそろそろ行きましょうよ」
「あっ、待ってよ」
息継ぎもしないような会話をポンポンと続けていた女性たちは、騒がしい物音を立てて、あっという間にいなくなってしまった。
セシリアはテーブルの外へ出ようとしたが、力が抜けてしまって、その場に座り込んでしまう。
(怖い……)
遠慮なく自分のことを話の種にされた。あの様子だと彼女たちに悪意はないのだろうが、無邪気さがかえって残酷に心に突き刺さってきた。
「王宮で開かれる夜会に参加するように、と王太子殿下からのお達しだ」
以前のセシリアには、貴族と言えば、お城で開かれる舞踏会で踊るイメージがあった。それは間違いではなく、実際いろんなところから招待状が届いている。
その中でも王宮――王太子から直々に誘われたことは、大きな意味を持つ気がした。
「きみの従姉が王太子の花嫁となるから、それも含めていろいろと気になるのだろう」
クライヴの本来の結婚相手だった、ヨランダと王太子はまだ婚約者同士である。
王太子の挙式となれば大層な準備が必要なためでもあるが、長らくクライヴの婚約者であったことも恐らく関係しているのではないか、とセシリアは思った。
(クライヴ様は、ヨランダ様が王太子殿下と結婚することをどう思っているのかしら……)
伯爵の説明では、王太子がヨランダを見初めたと言っていた。ヨランダの気持ちが当時どんなものだったかは知らないが、王太子に結婚してほしいと言われれば、断るのは難しいはずだ。ましてあの伯爵の様子では……ヨランダが拒絶しても、無理矢理結婚するよう命じただろう。
(別れることが決まった時、クライヴ様も辛く思ったのかな……)
結婚前、伯爵家で読んだ悲恋ものの小説を思い出す。権力者によって引き裂かれた恋人たちのようにクライヴたちも悲しんだのか。確かその小説のヒーローは、きみを失うくらいなら、いっそ死んだ方がマシだと言ってヒロインを情熱的に抱きしめていた。
クライヴもそう言ってヨランダを――
(……なんだか、あまり想像できない)
それとも表情に出さぬだけで、心の中だけで悲しんだのか。まだこちらの方が現実味があると考えたところで、何だか複雑な気持ちになった。
「セシリア。きみはまだ夜会そのものに慣れていないだろう? 大変かもしれないが、いくつか出席しておいた方がいいと思う」
「はい。そうですね」
考え事をしている間にクライヴは淡々と今後のことについてまとめていく。セシリアも、クライヴとヨランダの関係について今は考えている暇はないと、頭を切り替えた。夜会へ行くドレスを決め、主催者の名前など、覚えなければならないことが山のようにある。
(あ、ダンスも踊るかしら……)
クライヴに一度練習に付き合ってほしいが……嫌がられるだろうか。使用人に頼んで練習相手になってもらおうか。
(何事もなければいいのだけれど……)
今日から眠れない夜が続きそうだと、胃が痛くなる思いだった。
◆
夜会の当日。緊張で朝から何も食べる気になれないまま、セシリアはクライヴと共に招待された貴族の屋敷へ出向いた。
「まぁ、公爵様。ご結婚おめでとうございます」
ハーフォード公爵家は、貴族の中でも上位に位置する。声をかけてくる人々の表情や態度でセシリアは改めてそう実感させられた。
「そちらの方が奥様?」
「はい。妻のセシリアです。セシリア、こちらは――」
クライヴが結婚したばかりの妻を紹介し、相手の名前を告げながら紹介してくれるので、セシリアは名前を間違えるなどという失態を犯さずに済んだ。
「初めまして。妻のセシリアと申します」
「まぁまぁ、あなたが……」
後に続く言葉を夫人が思わず飲み込んだので、恐らくセシリアの出自や、クライヴとどのようにして一緒になったのか、ある程度知っているのだろう。
「初々しい方ね。クライヴ様も奥様が可愛くて仕方がないでしょう?」
「そうですね」
クライヴが微笑を浮かべて肯定したので、夫人は驚いたようだ。
セシリアも珍しい、と思ったが、単に夫人の言葉に合わせただけかもしれない。普段も淡々としているので、別に何とも思っていないというのが正しい気がした。
「お二人を見ていると、何だか自分の若い頃を思い出しますわ。わたくしも主人と結婚した頃は――」
夫人は自分の思い出話を語り始め、なんだかんだ言っても今も熱愛だということを伝え終わると、適当に挨拶して去って行った。
ただ話を聞いていただけだというのに、セシリアはひどく疲れてしまった。
(もう、帰りたい……)
しかしそんなことを言い出しては、ハーフォード家の妻は実に人付き合いが悪いと評され、クライヴの評判も落とすだろう。
耐えるしかない、とセシリアが決めた時。クライヴがセシリアの名前を呼んだ。
「少し、休憩しよう」
「え、でもまだ……」
「きみの顔色が悪い」
端的に指摘され、セシリアは一瞬頭の中が真っ白になる。そうして間違いを犯したような気持ちになり、クライヴに呆れられたと焦った。
「クライヴ様。わたし、まだ全然大丈夫です!」
いつになくセシリアが強い口調で言ったので、休憩室へ向かっていたクライヴは一度足を止めて、彼女の顔をじっと見つめてくる。
「無理をするな。挨拶なら、きみが部屋で休んでいる間、私が済ませておく。体調が悪いと言えば、誰も責めることはしない」
クライヴは気遣ってそう言ってくれたのだろうが……何だかセシリアは自分が信用されておらず、また足手まといだから部屋にいろと言われた気がして、傷ついた。
「……わかりました。ではお言葉に甘えます」
これ以上駄々を捏ねればさらに迷惑をかける。そう思ったセシリアは、大人しくクライヴについて行き、休憩室へと入った。
「ここに座っているといい」
「はい……」
「そこに軽食が用意してあるから、口にするといい。朝から何も食べていないだろう? 他に必要なことがあれば、呼び鈴を鳴らせば、使用人が来てくれるはずだ」
「はい、わかりました」
クライヴは他に何か質問はあるかと尋ね、セシリアはありませんとテーブルの木目を見ながら答えた。
「……すぐに戻る」
僅かな沈黙の後でクライヴはそう言い、部屋を後にした。
一人になったセシリアは深く息を吐き、ぐったりとソファへ寄りかかった。
(人付き合いって、なんて疲れるの……)
モヤモヤとした感情がお腹の奥底に溜まっていく感じがして、これはいけないと思い、ソファから勢いよく立ち上がった。
(せっかくだから、何か食べよう!)
お腹が空いていると、余計にモヤモヤが増加する。お腹が膨れれば、きっとこの気持ちも少しは解消されるはずだ。以前ハンスと喧嘩した時だって、りんごやパンをお腹いっぱい食べたら、実にくだらないことで怒ってしまったと、どうでもよくなったじゃないか。
(ハンス、元気かな……)
今は何だか無性にあの元気な声が聴きたかった。
『セシリア!』
屈託なく笑う幼馴染の顔を思い浮かべ、寂しい気持ちになったセシリアははっとする。
(いけない! また暗くなりかけていたわ!)
セシリアは慌てて軽食の置かれたテーブルへ向かい、用意されてある食べ物を眺めた。
(美味しそう……)
空腹も限界に達し、甘い物が特に食欲を誘う。でも卵やチキンが挟んであるパンも美味しそうだ。あのエビの料理は公爵家では見たことがない。どんな味だろう……。
食べることに意識が向き、セシリアがわくわくした心地で皿に取り分けていると、遠くから女性のはしゃいだ声が聞こえてきた。
(えっ、誰か来る⁉)
この部屋へ来ると決まったわけではないし、中に先客がいるとなれば相手も別の部屋を探す可能性が高い。
それでもセシリアは何だか盗みに入ったのを見つかるような心地になって、慌てて皿をテーブルへ置くと、ぐるりと部屋の中を見渡し、花瓶が飾ってある丸テーブル――白いテーブルクロスが床すれすれまでかけられた中へ、ドレスの裾を素早く捲し上げて潜り込んだ。
「あぁ、踊り疲れちゃった」
ちょうど女性陣が部屋へ入ってきて、セシリアは口元を手で押さえた。
「ねぇ、テーブルの上にお皿が置いてある。もしかして誰かいたのかしら」
「あら、本当ね」
(まずい!)
もし自分がいることがばれたら……テーブルの下から公爵家の妻が出てきたとあれば、彼女たちは当然仰天し、変人扱いされる可能性がある。
「化粧を直したら、また戻りましょうよ」
「まだ踊るの?」
「いい人を探さなくちゃ」
「そう言えば、クライヴ様、本当に結婚したのね」
夫の名が出され、どきりとする。
「ああ、見たわ。残念よねぇ。ヨランダ様が王太子殿下と結婚するから、私にもチャンスがあると思ったのに」
「あの子、見たことない顔だったわ。公爵様ってあんなのがいいのね」
「そんなこと言ったら悪いわよ。でもなんていうか……垢ぬけていない田舎娘って感じよね。ずっと修道院にいたみたいだから、仕方ないのかもしれないけど」
「私、駆け落ちした伯爵の弟の娘だって聞いたわ」
「まぁ本当?」
「だとしたら玉の輿よね」
「いいなぁ。でも、おどおどしていて、小鹿みたいに震えていたわよね。あんな調子で、大丈夫なのかしら」
「まぁ、辛辣。でも殿方はそちらの方が庇護欲を そそるのかもしれないわ」
「そういうものかしら」
「ねぇ、もうそろそろ行きましょうよ」
「あっ、待ってよ」
息継ぎもしないような会話をポンポンと続けていた女性たちは、騒がしい物音を立てて、あっという間にいなくなってしまった。
セシリアはテーブルの外へ出ようとしたが、力が抜けてしまって、その場に座り込んでしまう。
(怖い……)
遠慮なく自分のことを話の種にされた。あの様子だと彼女たちに悪意はないのだろうが、無邪気さがかえって残酷に心に突き刺さってきた。
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