上 下
1 / 10

1話 何てこった

しおりを挟む
俺は、宮本悠。20代半ばの日本料理人だ。高校を卒業し修行させて貰いながら、今はこじんまりしているが、知る人ぞ知る名店で働かせて貰っている。料理をするのは幼少期からしていたので、イタリア料理から中華料理まで一応何でも作れる。ちなみに得意料理は、煮込み料理だ!特に魚!俺の作るホロホロの金目鯛の煮付けはリパピーターも多く、少しだけだが自信もある。
まあでも、そんな事は今はどうでも良い。

「おい、おい、おい、おい、なんだよこれはーーーーーー!!!!ってか寒ぃーーーーー!!!」

見渡すばかり一面、氷の世界。しかも、俺がテレビで見た事のある様な殺風景な感じではない。水色の氷は勿論の事ながら、ピンクに黄色、紫など大中小様々な氷が、俺の目の前には広がっている。あろう事か、宙に浮いているものまである。

「綺麗だ…」

俺は、思わずふと呟いていた。

ーけど、何なんだこれは…夢ー!?それとも地球上に、こんな場所が存在していたのか!?いやいやそんなはずはない…
そもそも俺は魚を仕入れに、近場の魚市場に歩いて向かっていたのだ。それでー…
あれ、思い出そうにも、そこから先の記憶がどうしても思い出せれない。ってかヤバい、寒さで頭もボーッとしてくる。なんだか眠たくて堪らない…。あれ、これ、ヤバい感じ?何処かも解らない場所で死ぬのか俺…。

ツルンー

俺はついに立っているのも難しくなり、ツルツル滑る氷の上でバランスを崩した。あ、床に頭がぶつかるヤバいーと思い、死を覚悟した瞬間ー


ボフッ

何か大きくてモフモフしたものが目の前に立ちはだかる。気持ち良くて、暖かいーそれに草原の良い匂いがする。
あ、もう駄目だ、瞼が開かないー
俺は安心したかの様に、その暖かくてモフモフしたものに身を委ねると、意識を手放した。
「スースー、ふふっ、モフモフ~~~、スースー」

「…何んだコイツ。…魚の美味そうな匂いがするな」

「アレン様ー!アレン様ー!何処にいらっしやいますかー…って!あ!ここにいらしたのですね!…全く返事して下さいよー。って、誰ですかそいつ!?アレン様に近づくなんて命知らずな!…それにしても、こいつ魚の美味そうな匂いがプンプンしますね。まさか魚泥棒じゃないでしょうね!?だとしたら重罪ですよ!!」

「…どうやら体調が良くないらしい。顔も赤いし、体も冷たいし、うわ言も言っている。…城に連れて帰るから、ロレイン手当てしてやってくれ」

「ええええええ!!!!連れて帰るんですか!?アレン様らしくないですよ。そんな何処の骨とも解らない様なやつ、捨ててしまえば良いんですよ!!」

「……連れて帰る。手当てしろ。ロレインは良い医者だろ?」

「…分かりましたよ。アレン様がそこまで言うのなら…。アレン様の頼みだから、するんですからねー」

「ふっ、ありがとうな」

「~~~~っ、イケメンはずるいですね!!!」

かくして、主人公宮本悠はアレンにお姫様抱っこをされ、て城に足を踏み入れた。アレンが収める国の城だ。

国の名はズバリ、にゃんにゃん王国である!!
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

巻き添えで異世界召喚されたおれは、最強騎士団に拾われる

BL / 連載中 24h.ポイント:4,700pt お気に入り:8,540

俺の可愛い皇帝陛下〜けしからんモフらせろ!〜

BL / 完結 24h.ポイント:78pt お気に入り:1,937

運命の番を見つけることがわかっている婚約者に尽くした結果

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14,358pt お気に入り:259

極道恋事情

BL / 連載中 24h.ポイント:2,081pt お気に入り:778

称号は神を土下座させた男。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,711pt お気に入り:7,313

【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:681pt お気に入り:716

主神の祝福

BL / 完結 24h.ポイント:2,059pt お気に入り:257

処理中です...