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7話
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モンスター討伐を終え、ギルドに戻って来た俺達は新たなクエストを求め、掲示板を見た。
「んー、やっぱり難しいのしかないな」
「そうですね」
俺は頭をポリポリとかいて「これはどうしたものか」と悩んでいた。すると、窓口受付嬢のエイミーさんがこちらへと近づいて来た。
「どうしましたか、タケルさん」
「えー、難しいクエストしかないもので悩んでいるところです」
そう言うと、エイミーさんは一旦持ち場へと戻り、ゴソゴソと書類等を見てみる。そして、なにかを見つけたのかこちらに戻って来た。
「これはいかがでしょうか」
エイミーさんは一枚の依頼書を出した。
「内容はなんですか?」
エイミーさんはクエストの内容について話しはじめた。
「えーっとですね、リトル・グランドベアーを5体討伐という内容ですね」
まだ、冬眠から覚めたばっかりで空腹のため、凶暴ではあるが、非常に弱っている。
リトル・グランドベアーは名前通り小さい熊だが、普段は温厚であり、単体行動が多い。しかし、危険を察知してしまうと凶暴化してしまう。そのため、冒険者たちは不意打ちという形で討伐をする。
「これなら、俺でも出来そうですね」
「でも、ひとつ問題点があるんです・・・」
エイミーさんは少し深刻な顔をしている。
俺は若干のキメ顔で「どうしましたか?キリっ」みたいな感じで答えた。
エイミーさんはどう対処していいものか悩んでいる。
しかも、エマからの視線が痛い。
俺は恥ずかしさのあまり冷や汗が半端なく出た。
気を取り直し、俺は「どうしましたか」と答えた。
「普段は不意打ちという形で倒せるのですが、現在のリトル・グランドベアーは周りに異常なほど敏感でして、不意打ちはほぼ不可能です」
・・・え?じゃあ、無理じゃね!?と思っている俺に対して、
「その依頼やります!」
と答えるエマ。
「おい、エマ。ちょっといいか」
「え?なんですか」
そう言うと、俺はギルドの隅にエマ連れて行った。
「おい、なぜ受けた」
「だって、簡単そうじゃないですか」
「俺にとっては簡単じゃないんだよぉぉおお!!!」
俺は必死にエマに訴えかけた。しかし、
「いいじゃないですか。タケルはどうせユニークスキルのおかげでダメージ受けないんですから」
と、最もな意見で対抗してくる。
だか、ここで諦めたら男の名がすたる!!!!俺はそう思った。
「だ、だって、痛いだもん・・・」
「タケルさん」
「ん?」
「女々しいですね!」
この一言で俺の内なる魂に火がついた。
「なっ!!そのクエストやってやろうじゃないのぉぉおぉぉおお!!!」
少し、声が裏返った。
エマが「ふっ」と笑った。
「・・・タケルはチョロいですね」
「お、おい。今、聞き捨てならんこと言ったよな!?」
「いいえ、言ってませんけど」
「いや、言ったね!だって、俺の男テレパシーにビンビンと反応したぞ!」
「気のせいじゃないですか?」
「気のせいじゃなぁぁぁあああい!!!」
その後、このようなやり取りが数分続いた後、俺たちは迷宮(ダンジョン)の2階層へと潜った。
「んー、やっぱり難しいのしかないな」
「そうですね」
俺は頭をポリポリとかいて「これはどうしたものか」と悩んでいた。すると、窓口受付嬢のエイミーさんがこちらへと近づいて来た。
「どうしましたか、タケルさん」
「えー、難しいクエストしかないもので悩んでいるところです」
そう言うと、エイミーさんは一旦持ち場へと戻り、ゴソゴソと書類等を見てみる。そして、なにかを見つけたのかこちらに戻って来た。
「これはいかがでしょうか」
エイミーさんは一枚の依頼書を出した。
「内容はなんですか?」
エイミーさんはクエストの内容について話しはじめた。
「えーっとですね、リトル・グランドベアーを5体討伐という内容ですね」
まだ、冬眠から覚めたばっかりで空腹のため、凶暴ではあるが、非常に弱っている。
リトル・グランドベアーは名前通り小さい熊だが、普段は温厚であり、単体行動が多い。しかし、危険を察知してしまうと凶暴化してしまう。そのため、冒険者たちは不意打ちという形で討伐をする。
「これなら、俺でも出来そうですね」
「でも、ひとつ問題点があるんです・・・」
エイミーさんは少し深刻な顔をしている。
俺は若干のキメ顔で「どうしましたか?キリっ」みたいな感じで答えた。
エイミーさんはどう対処していいものか悩んでいる。
しかも、エマからの視線が痛い。
俺は恥ずかしさのあまり冷や汗が半端なく出た。
気を取り直し、俺は「どうしましたか」と答えた。
「普段は不意打ちという形で倒せるのですが、現在のリトル・グランドベアーは周りに異常なほど敏感でして、不意打ちはほぼ不可能です」
・・・え?じゃあ、無理じゃね!?と思っている俺に対して、
「その依頼やります!」
と答えるエマ。
「おい、エマ。ちょっといいか」
「え?なんですか」
そう言うと、俺はギルドの隅にエマ連れて行った。
「おい、なぜ受けた」
「だって、簡単そうじゃないですか」
「俺にとっては簡単じゃないんだよぉぉおお!!!」
俺は必死にエマに訴えかけた。しかし、
「いいじゃないですか。タケルはどうせユニークスキルのおかげでダメージ受けないんですから」
と、最もな意見で対抗してくる。
だか、ここで諦めたら男の名がすたる!!!!俺はそう思った。
「だ、だって、痛いだもん・・・」
「タケルさん」
「ん?」
「女々しいですね!」
この一言で俺の内なる魂に火がついた。
「なっ!!そのクエストやってやろうじゃないのぉぉおぉぉおお!!!」
少し、声が裏返った。
エマが「ふっ」と笑った。
「・・・タケルはチョロいですね」
「お、おい。今、聞き捨てならんこと言ったよな!?」
「いいえ、言ってませんけど」
「いや、言ったね!だって、俺の男テレパシーにビンビンと反応したぞ!」
「気のせいじゃないですか?」
「気のせいじゃなぁぁぁあああい!!!」
その後、このようなやり取りが数分続いた後、俺たちは迷宮(ダンジョン)の2階層へと潜った。
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