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一章 村からの脱出
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「……ああ? ――金貨……?」
金を見つめるセルジオの目が怪しく光った。 そのことで嫌な予感に襲われるが、今更引っ込めるわけにはいかない。
出来ることならさっさと受け取ってさっさと出て行ってもらいたい――その一心で必死に笑顔を取り繕った。
「プリムがもらってきたのは銀貨だったんですけど、いくらだったのか確認し忘れてしまって……ですからこれを。 ――10枚以上じゃなかったのだけは覚えていたので」
変な言いがかりをつけられないよう、最後の言葉も付け加える。
――ちなみにこれは本当だ。 私が村長から受け取ったお金が入場料以外に金貨10枚、そしてパン屋から銀貨15枚にオババが金貨2枚。 その後受け取ったのが銀貨8枚と6枚と5枚、誰から何枚受け取ったのかは覚えていないけど、金貨相当をもらって帰ってきた兄弟は居なかったのだけはちゃんと覚えている。
「へぇー……そうかよ? んじゃあこれは俺の金だな?」
「……お返しします」
金貨を渡してペコリと頭を下げるが、セルジオは怪しい目をこちらに向け続けるだけで、一行に立ち上がる素振りを見せない。
それどころかニタニタとこちらを見て笑いながら、持ってきた酒瓶を愉快そうに煽っている。
「――お前、金持ちだなぁ?」
「……村長のご厚意とみなさんの善意のおかげです」
「お前にそんな大金もったいねぇだろ? 俺が預かってやるよ」
そう伸ばされた手から逃れるように大きく下がり皮袋を押さえつけた。
そしてなるべく刺激しないようにヘラヘラと笑いながら続ける。
「でも……私たちもうすぐ村を出て行ってしまうから――」
そう答えた瞬間、肩に強い痛みと衝撃を受け、顔にはパシャリと水のようなものがかかった。
「ぐぅ……っ」
ああ……あの酒瓶、投げつけられたのか……
理解した途端襲ってきた痛みに、目を固くつぶる。 肩も痛かったけど、それ以上に目が痛くて開けられない。
「姉ちゃん!」というウィリムの声と共に背中を支えられ、その手に心底ホッとした。
しかし、その声に答えることも出来ないまま痛みに耐えていると、今度は首にものすごい衝撃を受け、その勢いのまま前に引き倒された。 そして息が詰まると同時にブチリッという音が聞こえる。
……このやろう。 力任せに引きちぎりやがって……! そのヒモ作るの苦労したのにっ!
「さっきからうるせぇんだよ! 口先ばっかり上手くなりやがって! これだから女は! ――特にお前みてぇな赤い髪の女は信用ならねぇんだっ!」
セルジオは、しっかりと私から奪った皮袋を握りしめたまま、どうでもいい主義主張を唾を撒き散らしながら喚いていたが、やがて気が済んだかのようにノロノロとドアに向かって歩き出すのが見え――
金を見つめるセルジオの目が怪しく光った。 そのことで嫌な予感に襲われるが、今更引っ込めるわけにはいかない。
出来ることならさっさと受け取ってさっさと出て行ってもらいたい――その一心で必死に笑顔を取り繕った。
「プリムがもらってきたのは銀貨だったんですけど、いくらだったのか確認し忘れてしまって……ですからこれを。 ――10枚以上じゃなかったのだけは覚えていたので」
変な言いがかりをつけられないよう、最後の言葉も付け加える。
――ちなみにこれは本当だ。 私が村長から受け取ったお金が入場料以外に金貨10枚、そしてパン屋から銀貨15枚にオババが金貨2枚。 その後受け取ったのが銀貨8枚と6枚と5枚、誰から何枚受け取ったのかは覚えていないけど、金貨相当をもらって帰ってきた兄弟は居なかったのだけはちゃんと覚えている。
「へぇー……そうかよ? んじゃあこれは俺の金だな?」
「……お返しします」
金貨を渡してペコリと頭を下げるが、セルジオは怪しい目をこちらに向け続けるだけで、一行に立ち上がる素振りを見せない。
それどころかニタニタとこちらを見て笑いながら、持ってきた酒瓶を愉快そうに煽っている。
「――お前、金持ちだなぁ?」
「……村長のご厚意とみなさんの善意のおかげです」
「お前にそんな大金もったいねぇだろ? 俺が預かってやるよ」
そう伸ばされた手から逃れるように大きく下がり皮袋を押さえつけた。
そしてなるべく刺激しないようにヘラヘラと笑いながら続ける。
「でも……私たちもうすぐ村を出て行ってしまうから――」
そう答えた瞬間、肩に強い痛みと衝撃を受け、顔にはパシャリと水のようなものがかかった。
「ぐぅ……っ」
ああ……あの酒瓶、投げつけられたのか……
理解した途端襲ってきた痛みに、目を固くつぶる。 肩も痛かったけど、それ以上に目が痛くて開けられない。
「姉ちゃん!」というウィリムの声と共に背中を支えられ、その手に心底ホッとした。
しかし、その声に答えることも出来ないまま痛みに耐えていると、今度は首にものすごい衝撃を受け、その勢いのまま前に引き倒された。 そして息が詰まると同時にブチリッという音が聞こえる。
……このやろう。 力任せに引きちぎりやがって……! そのヒモ作るの苦労したのにっ!
「さっきからうるせぇんだよ! 口先ばっかり上手くなりやがって! これだから女は! ――特にお前みてぇな赤い髪の女は信用ならねぇんだっ!」
セルジオは、しっかりと私から奪った皮袋を握りしめたまま、どうでもいい主義主張を唾を撒き散らしながら喚いていたが、やがて気が済んだかのようにノロノロとドアに向かって歩き出すのが見え――
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