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一章 村からの脱出
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「おい、金返せ」
「……え?」
「え、じゃねぇよ! すっとぼけんなクソガキが! そこのチビがうちから持ってった金があんだろうが! そのせいで俺の酒は減らされるわ、女房に文句の一つでも言えば百になって帰って来るわっ! 入婿だからって舐めてんじゃねぇぞっ!」
……そもそもの苛立ちは家に帰ってその女房に言えや! ――でも、お金で帰ってくれるっていうなら……
――まずい。 私、みんなからお金回収しちゃった……。
嫌な予感をひしひしと感じながらセルジオに向かって愛想よく「お金ですね、今返します」といいプリムの元に向かう。
「……プリム、いくら貰ったか覚えてる?」
「え、あの……たくさん……」
私の問いかけにしどろもどろになりながら気まずそうに答えるプリム――それもそのはず。 プリムはまだ満足に数を数えることが出来ないんだ……ましてやお金の数え方なんて……
私の記憶が正しいなら、あの子が持って帰ってきたお金は銀貨だけだった。
多分大銀貨は無くて6か7ぐらいだった気がするけど……
――ちょっと勿体無いけど金貨1枚渡してしまおう。
何よりも優先すべきはアイツを外に出すこと。 それから安全に逃げることだ。
私は再び後悔を感じながらも服の中に手を突っ込みお腹に巻いた布の中から皮袋を取り出した。
無くさないようにってひとまとめに私が管理してたけど――なんで分散させなかったのかと!
後悔に襲われながらなるべく素早く皮袋から金貨を取り出す。 1円玉程度の小さな硬貨だからよく見えなくったってわかるはず――
と、焦っていた私のすぐそばで、強烈なお酒の匂いがした。
そう認識した瞬間、私の手は皮袋ごと誰かに掴まれていた――
「っ⁉︎」
「持ってんならさっさと出しゃいいんだよ……」
「ま、待ってください、ここには村長からいただいた街への入場料や、私たちが貯めたお金だって入ってるんです!」
身を捩ってセルジオの手から逃れようとするが、10歳の身体で大人の男を振り払えるわけもなく、力一杯引っ張ってもびくともしなかった。
「ごちゃごちゃごちゃごちゃ喚きやがって!」
なにに苛立ったのかセルジオは激昂するように吠えると、力任せに私を棚に向かって振り払う。
ぶつかった拍子にバキべキと音を立てて棚が壊れ、ぶつかった場所があちこち痛むが、その程度で解放してもらえるなら安いもんだ。
掴まれていたのだった腕も、ぶつかったもう片方の腕も痛かったが、それを堪えながら袋から一枚の金貨を取り出す。 そして床にどかりと座り込み「だから女は嫌なんだ! すぐに喚くしすぐに泣く!」と悪態を吐き続けているセルジオにそっと差し出した。
「……え?」
「え、じゃねぇよ! すっとぼけんなクソガキが! そこのチビがうちから持ってった金があんだろうが! そのせいで俺の酒は減らされるわ、女房に文句の一つでも言えば百になって帰って来るわっ! 入婿だからって舐めてんじゃねぇぞっ!」
……そもそもの苛立ちは家に帰ってその女房に言えや! ――でも、お金で帰ってくれるっていうなら……
――まずい。 私、みんなからお金回収しちゃった……。
嫌な予感をひしひしと感じながらセルジオに向かって愛想よく「お金ですね、今返します」といいプリムの元に向かう。
「……プリム、いくら貰ったか覚えてる?」
「え、あの……たくさん……」
私の問いかけにしどろもどろになりながら気まずそうに答えるプリム――それもそのはず。 プリムはまだ満足に数を数えることが出来ないんだ……ましてやお金の数え方なんて……
私の記憶が正しいなら、あの子が持って帰ってきたお金は銀貨だけだった。
多分大銀貨は無くて6か7ぐらいだった気がするけど……
――ちょっと勿体無いけど金貨1枚渡してしまおう。
何よりも優先すべきはアイツを外に出すこと。 それから安全に逃げることだ。
私は再び後悔を感じながらも服の中に手を突っ込みお腹に巻いた布の中から皮袋を取り出した。
無くさないようにってひとまとめに私が管理してたけど――なんで分散させなかったのかと!
後悔に襲われながらなるべく素早く皮袋から金貨を取り出す。 1円玉程度の小さな硬貨だからよく見えなくったってわかるはず――
と、焦っていた私のすぐそばで、強烈なお酒の匂いがした。
そう認識した瞬間、私の手は皮袋ごと誰かに掴まれていた――
「っ⁉︎」
「持ってんならさっさと出しゃいいんだよ……」
「ま、待ってください、ここには村長からいただいた街への入場料や、私たちが貯めたお金だって入ってるんです!」
身を捩ってセルジオの手から逃れようとするが、10歳の身体で大人の男を振り払えるわけもなく、力一杯引っ張ってもびくともしなかった。
「ごちゃごちゃごちゃごちゃ喚きやがって!」
なにに苛立ったのかセルジオは激昂するように吠えると、力任せに私を棚に向かって振り払う。
ぶつかった拍子にバキべキと音を立てて棚が壊れ、ぶつかった場所があちこち痛むが、その程度で解放してもらえるなら安いもんだ。
掴まれていたのだった腕も、ぶつかったもう片方の腕も痛かったが、それを堪えながら袋から一枚の金貨を取り出す。 そして床にどかりと座り込み「だから女は嫌なんだ! すぐに喚くしすぐに泣く!」と悪態を吐き続けているセルジオにそっと差し出した。
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