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「ふふふっこの会話が聞きたかったんですの」
笑いすぎたのか目に涙すら浮かべながらレジアンナは言った。
その言葉にリアーヌがギョッと目を剥いた。
「えっ⁉︎ 聞きたかったんですか⁉︎」
「そうよ? ーーそして私も皆さんたちとこんな風にポンポン言い合ってみたいわって伝えるつもりでしたの」
レジアンナのその発言に少女たちの指先や肩がピクリと震えた。
和やかだった空気も少々ぴりつき出しーーそんな気配を敏感に感じ取ったビアンカは、冗談と取れるほど大袈裟な仕草で肩をすくめ、リアーヌに視線を向けると大きなため息を吐きながら答えた。
「ーー頭が痛くなることも多くなりましてよ?」
その言葉に周りも調子を合わせ、先ほどの会話は全て冗談、ということで終わらせてしまおうと、少女たちは再びクスクスと笑いをもらす。
しかしレジアンナだけは、そんな周囲の態度に寂しそうに肩を落とすと、カップの中身を見つめながらポツリと呟いた。
「……お二人が羨ましいわ」
(ーーこれはつまり……取り巻きじゃなくて友達が欲しい、ってことなんだろうか……? ーー……その願い事はちょっと他人事じゃねぇんだよなぁ……⁇)
生まれも育った環境も、なにもかもが違っているはずのレジアンナにリアーヌは少し前までの自分と弟を重ね合わせると、同調するかのようにその眉を極限まで引き下げた。
そして迷いながらも恐る恐るレジアンナに向かって口を開く。
「えっと……ーーどうなるかは分かりませんけど……ーーとりあえず形から入ってみます?」
「……形?」
「ですから……つまりーーこれからよろしくレジアンナ……?」
友達ゼロとか可哀想すぎる! と同情を寄せたリアーヌだったが、レジアンナと言葉を交わせば交わすほどに、ビアンカの笑顔に恐ろしさを感じ始め、先ほどまでにこやかな表情を浮かべていた少女たちは全員笑顔を消し去り、リアーヌとは一切目を合わせないように顔を背けていた。
(……あ。 これは私やらかしたんだな……?)
「ーーええっ! よろしくってよリアーヌ‼︎」
(ーーまぁ、なんていい笑顔。 でも知ってた? 今この部屋の中で心から笑ってるのレジアンナだけなんだぜ……⁇)
ヘラリ……と笑顔を浮かべたリアーヌは絶対にその頬が引き攣らないように力を込めながら、リアーヌは心の中でこれからどうするべきなのか途方に暮れていた。
「ーーやり過ぎてたら止めてね?」
ビアンカのほうにに体を倒し、笑顔を崩さずに小声で伝えるが、帰ってきたのは大きなため息だった。
「……すでに止めたいわよ」
「あー……やっぱり?」
笑いすぎたのか目に涙すら浮かべながらレジアンナは言った。
その言葉にリアーヌがギョッと目を剥いた。
「えっ⁉︎ 聞きたかったんですか⁉︎」
「そうよ? ーーそして私も皆さんたちとこんな風にポンポン言い合ってみたいわって伝えるつもりでしたの」
レジアンナのその発言に少女たちの指先や肩がピクリと震えた。
和やかだった空気も少々ぴりつき出しーーそんな気配を敏感に感じ取ったビアンカは、冗談と取れるほど大袈裟な仕草で肩をすくめ、リアーヌに視線を向けると大きなため息を吐きながら答えた。
「ーー頭が痛くなることも多くなりましてよ?」
その言葉に周りも調子を合わせ、先ほどの会話は全て冗談、ということで終わらせてしまおうと、少女たちは再びクスクスと笑いをもらす。
しかしレジアンナだけは、そんな周囲の態度に寂しそうに肩を落とすと、カップの中身を見つめながらポツリと呟いた。
「……お二人が羨ましいわ」
(ーーこれはつまり……取り巻きじゃなくて友達が欲しい、ってことなんだろうか……? ーー……その願い事はちょっと他人事じゃねぇんだよなぁ……⁇)
生まれも育った環境も、なにもかもが違っているはずのレジアンナにリアーヌは少し前までの自分と弟を重ね合わせると、同調するかのようにその眉を極限まで引き下げた。
そして迷いながらも恐る恐るレジアンナに向かって口を開く。
「えっと……ーーどうなるかは分かりませんけど……ーーとりあえず形から入ってみます?」
「……形?」
「ですから……つまりーーこれからよろしくレジアンナ……?」
友達ゼロとか可哀想すぎる! と同情を寄せたリアーヌだったが、レジアンナと言葉を交わせば交わすほどに、ビアンカの笑顔に恐ろしさを感じ始め、先ほどまでにこやかな表情を浮かべていた少女たちは全員笑顔を消し去り、リアーヌとは一切目を合わせないように顔を背けていた。
(……あ。 これは私やらかしたんだな……?)
「ーーええっ! よろしくってよリアーヌ‼︎」
(ーーまぁ、なんていい笑顔。 でも知ってた? 今この部屋の中で心から笑ってるのレジアンナだけなんだぜ……⁇)
ヘラリ……と笑顔を浮かべたリアーヌは絶対にその頬が引き攣らないように力を込めながら、リアーヌは心の中でこれからどうするべきなのか途方に暮れていた。
「ーーやり過ぎてたら止めてね?」
ビアンカのほうにに体を倒し、笑顔を崩さずに小声で伝えるが、帰ってきたのは大きなため息だった。
「……すでに止めたいわよ」
「あー……やっぱり?」
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