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「なんでぇ? 嬢は魚も好きかー?」
酒を片手に上機嫌な男性がリアーヌに近づきながらたずねる。
この男性とは初対面であるはずなのだが、リアーヌはごくごく自然に「うん!」と大きく頷いていた。
「あとエビとカニも好き!」
「そうか、そうか! よぅし、じゃあおっちゃん特製のあら汁振る舞ってやろうなぁ?」
その言葉にリアーヌはピタリと動きを止める。
リアーヌの代わりにその男性に声をかけるのは集まった人々だった。
「良いねぇ!」
「寒い日はあれが一番なんだよなぁー」
そして、男性は上機嫌でテオに話をつけにいく。
「テオ、コンロ貸してくれやー」
「かまわねぇが、鍋も器もそっちで用意しろよ?」
「分かってるってぇ。 おいオメェら器とーーあと中身もなんか持ち寄れやー。 今日は気分がいいからタダで配ってやらぁな!」
男性のその声に、広間中が沸き立つ。
そしてあら汁の準備に取り掛かるのだった。
(ーーえ、あら汁ってあのあら汁? 魚の出汁に生姜がきいてて、ネギなんかちらして食べる、あのあら汁よね? え、あれって……)
「ーーリアーヌ大丈夫? あら汁ってのがどんなのかは分からないけど、無理して食べなくてもいいんだよ……?」
リアーヌの様子がおかしいことに気がついたゼクスは、気づかうように声をかけた。
「ーー食べますよ⁉︎」
「えっ」
「だってお味噌汁ですよ⁉︎」
「おみ……え?」
困惑するゼクスだったが、詳しい話を聞く前に、近くにいたご婦人がその会話に口を挟んだ。
「あら嬢、味噌なんて知ってるの?」
「はい! ……食べたことはないですけど……でもきっと好きです!」
(昔は大好きでした! 今もとっても食べたいです!)
「ここいらのは正真正銘アウセレ産だからね、しかも品質も折り紙付きさ! たーんとお食べ?」
「はい!」
「よぅし! じゃあおばちゃんもとっておきのエビを差し入れてやろうかねぇ」
「ふおぉぉぉぉ⁉︎」
テンションの上がりきったリアーヌの口から奇声が漏れ出る。
「ーーお嬢様?」
「あ……ごめんなさ……」
すぐさまアンナからの注意が飛び、ビクリと肩を震わせるリアーヌに周囲から再びクスクスという忍び笑いが巻き起こるが、今回のそれは前回のそれとは意味合いが違うようだった。
「ぶはっ ーー困ってるわけじゃないならよかったよ?」
思わず吹き出してしまったゼクスも、表情を取り繕いながら言うが、どことなくわざとらしい態度であると言うことが、リアーヌにもよく分かるほどだった。
「むぅ……」
頬を膨らませ不機嫌であることを隠そうともしないリアーヌの態度に、ゼクスは再び吹き出した。
酒を片手に上機嫌な男性がリアーヌに近づきながらたずねる。
この男性とは初対面であるはずなのだが、リアーヌはごくごく自然に「うん!」と大きく頷いていた。
「あとエビとカニも好き!」
「そうか、そうか! よぅし、じゃあおっちゃん特製のあら汁振る舞ってやろうなぁ?」
その言葉にリアーヌはピタリと動きを止める。
リアーヌの代わりにその男性に声をかけるのは集まった人々だった。
「良いねぇ!」
「寒い日はあれが一番なんだよなぁー」
そして、男性は上機嫌でテオに話をつけにいく。
「テオ、コンロ貸してくれやー」
「かまわねぇが、鍋も器もそっちで用意しろよ?」
「分かってるってぇ。 おいオメェら器とーーあと中身もなんか持ち寄れやー。 今日は気分がいいからタダで配ってやらぁな!」
男性のその声に、広間中が沸き立つ。
そしてあら汁の準備に取り掛かるのだった。
(ーーえ、あら汁ってあのあら汁? 魚の出汁に生姜がきいてて、ネギなんかちらして食べる、あのあら汁よね? え、あれって……)
「ーーリアーヌ大丈夫? あら汁ってのがどんなのかは分からないけど、無理して食べなくてもいいんだよ……?」
リアーヌの様子がおかしいことに気がついたゼクスは、気づかうように声をかけた。
「ーー食べますよ⁉︎」
「えっ」
「だってお味噌汁ですよ⁉︎」
「おみ……え?」
困惑するゼクスだったが、詳しい話を聞く前に、近くにいたご婦人がその会話に口を挟んだ。
「あら嬢、味噌なんて知ってるの?」
「はい! ……食べたことはないですけど……でもきっと好きです!」
(昔は大好きでした! 今もとっても食べたいです!)
「ここいらのは正真正銘アウセレ産だからね、しかも品質も折り紙付きさ! たーんとお食べ?」
「はい!」
「よぅし! じゃあおばちゃんもとっておきのエビを差し入れてやろうかねぇ」
「ふおぉぉぉぉ⁉︎」
テンションの上がりきったリアーヌの口から奇声が漏れ出る。
「ーーお嬢様?」
「あ……ごめんなさ……」
すぐさまアンナからの注意が飛び、ビクリと肩を震わせるリアーヌに周囲から再びクスクスという忍び笑いが巻き起こるが、今回のそれは前回のそれとは意味合いが違うようだった。
「ぶはっ ーー困ってるわけじゃないならよかったよ?」
思わず吹き出してしまったゼクスも、表情を取り繕いながら言うが、どことなくわざとらしい態度であると言うことが、リアーヌにもよく分かるほどだった。
「むぅ……」
頬を膨らませ不機嫌であることを隠そうともしないリアーヌの態度に、ゼクスは再び吹き出した。
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