606 / 1,038
606
しおりを挟む
「ーーその……だって、ええと……そのネジってまだ一回しか使ってなくて、しかも……すごく限定的な使用だったでしょ? ……なのにみんな「凄い」「欲しい!」ってなってるの……その、不思議だなぁーと思って」
リアーヌは多少覚束なくはあったが、自分一人で言葉をぼかし「一回しか使ってなくて、しかも守ったの国じゃなくて村じゃん?」という事実を告げ、その上で、先ほどの発言は「“意味不明”ではなく“不思議”という意味ですよ」と主張してみせた。
(――わりと上手にできたのでは⁉︎)
リアーヌは少しその顔に自信をのぞかせながら隣に視線を流した。
その視線を受けクスリと笑いながら大きく頷くビアンカ。
――こういったことを苦手としているリアーヌにとっては、完璧ともいえる返答だった。
「ーーそ、れは……」
「けれど……その、とても昔からある有名なーーネジですから、ね?」
「安心ーーは、しますわよね……?」
友人たちが目配せしながら意見を言い合う。
リアーヌの意見を聞いてジッと考え込んでいたレジアンナも重々しい仕草で頷きながら口を開いた。
「……その視点は盲点だったわーーけれど……私たちにはなんの決定権もないのが辛いですわね……」
レジアンナはそう困ったように笑いながら、家の意向には逆らえないことを揶揄して肩をすくめた。
この国の初代の国王がこの地に建国をした際、数々の外敵から王や仲間、そして国そのものを守り続けだと伝えられている、守護のギフトーー
現在の王族でさえも求めるそのギフトは、たとえその持ち主の言動や態度に多少の難があったとしても、そう簡単に諦められるものではなく、フォルステル家と距離を置くーーつまりは“『守護』のギフトの力を必要としない”と、明確に表明しているのはボスハウト家、ラッフィナート男爵家そしてレオンが現在在籍しているとされるパトリオート家だけだった。
ーーただし、ラッフィナート商会は未だにフォルステル家と良好な関係を保っており、パトリオート家はレオンのために存在しているような家なので、完全に距離を取っているのはボスハウト家ただ一つであった。
(それなんだよねぇ……ーーレオンがこのまま王太子、そして国王を目指すんだったら、あのギフト無いとうちの国戦争に突入しちゃう気がするんだけど……ーーあのエピソードってレオンルート以外の時、どういう扱いになるんだろう……?)
うーん……と、これからのことについて考えを巡らせていると、ザワザワザワッと廊下のほうが俄かに騒がしくなった。
リアーヌは多少覚束なくはあったが、自分一人で言葉をぼかし「一回しか使ってなくて、しかも守ったの国じゃなくて村じゃん?」という事実を告げ、その上で、先ほどの発言は「“意味不明”ではなく“不思議”という意味ですよ」と主張してみせた。
(――わりと上手にできたのでは⁉︎)
リアーヌは少しその顔に自信をのぞかせながら隣に視線を流した。
その視線を受けクスリと笑いながら大きく頷くビアンカ。
――こういったことを苦手としているリアーヌにとっては、完璧ともいえる返答だった。
「ーーそ、れは……」
「けれど……その、とても昔からある有名なーーネジですから、ね?」
「安心ーーは、しますわよね……?」
友人たちが目配せしながら意見を言い合う。
リアーヌの意見を聞いてジッと考え込んでいたレジアンナも重々しい仕草で頷きながら口を開いた。
「……その視点は盲点だったわーーけれど……私たちにはなんの決定権もないのが辛いですわね……」
レジアンナはそう困ったように笑いながら、家の意向には逆らえないことを揶揄して肩をすくめた。
この国の初代の国王がこの地に建国をした際、数々の外敵から王や仲間、そして国そのものを守り続けだと伝えられている、守護のギフトーー
現在の王族でさえも求めるそのギフトは、たとえその持ち主の言動や態度に多少の難があったとしても、そう簡単に諦められるものではなく、フォルステル家と距離を置くーーつまりは“『守護』のギフトの力を必要としない”と、明確に表明しているのはボスハウト家、ラッフィナート男爵家そしてレオンが現在在籍しているとされるパトリオート家だけだった。
ーーただし、ラッフィナート商会は未だにフォルステル家と良好な関係を保っており、パトリオート家はレオンのために存在しているような家なので、完全に距離を取っているのはボスハウト家ただ一つであった。
(それなんだよねぇ……ーーレオンがこのまま王太子、そして国王を目指すんだったら、あのギフト無いとうちの国戦争に突入しちゃう気がするんだけど……ーーあのエピソードってレオンルート以外の時、どういう扱いになるんだろう……?)
うーん……と、これからのことについて考えを巡らせていると、ザワザワザワッと廊下のほうが俄かに騒がしくなった。
28
あなたにおすすめの小説
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。
木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。
本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。
しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。
特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。
せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。
そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。
幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。
こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。
※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち
せいめ
恋愛
侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。
病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。
また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。
「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」
無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。
そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。
生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。
マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。
「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」
三度目の人生はどうなる⁈
まずはアンネマリー編から。
誤字脱字、お許しください。
素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる