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「なら、やめておいた方がいいんじゃなくて?」
「絶対、私悪くないのにー……」
情けない声を上げるながら嘆くリアーヌに同意するように、レジアンナが憤りの声を上げた。
「人の幸せを掠め取ろうとしてるのは、あの愚か者のほうでしてよ⁉︎ どんな行いが返ってくるのか見ものだわ⁉︎」
言葉の内容に否定すべき所は無かったのだが、このような大勢の人間が聞いている前で発言して、レジアンナの評判に傷がつかないのかと言われるとそうでは無かった。
いくら評判がよろしくなくても、伯爵家のご令嬢に向かい、感情任せに「愚か者」などと言い放ったという状況は歓迎できるものでは無かったのだ。
そのためビアンカは、フォローを入れるべくヤケクソ気味にわざとらしいほど明るい声で話しかけた。
「ええ、ええ! 確かそんな名前でそんな特徴を持つネジが新しく発売されたとか? 発売が楽しみですわぁー?」
「いや、ざつぅ……」
ビアンカの強引なフォローになのか、リアーヌの口からつるりと漏れ出たツッコミになのか、中庭にいた生徒たちの多くが、口元を抑えながらフィッと視線を逸らすのだったーー
ゼクスからもクククッとくぐもった笑い声が聞こえてきて、そちらを向くとニヤリと笑ったゼクスと目が合い、リアーヌもふふっと笑顔になる。
ーーそして、お互いに何かを話しかけようと口を開くのだが、結局どちらとも声をかけることができずに、そっと視線を逸らしあう。
「ーーでは、私はこれで……お騒がせして申し訳ありませんでした」
ゼクスはにこやかな笑顔を貼り付けながらレジアンナやビアンカに話しかける。
「ーーお気になさらないで?」
レジアンナはそう答えながらも、どう見てもすれ違っているリアーヌとゼクスに視線を送りながら困ったように眉を下げた。
二人がすれ違う瞬間、意識しあっているのは丸わかりだったが、それでも二人の視線が絡まり合うことはなくーー
そのまま無言で離れて行くのをただ静かに受け入れているだけだった。
「……私たちも戻りましょうか?」
ビアンカが優しく声をかけるがーー
「ーーだね!」
それに答えたリアーヌは、無理やり笑顔を作り、わざとらしいほどに明るい声で答えた。
それは心配をかけてはいけないというリアーヌなりの気づかいだったが、バレバレで……しかし、レジアンナたちもそうと理解しながらもなにも気が付かないふりをして笑顔頷きあうと中庭での昼食の感想などを口にしながら、教室へと歩き出す。
ーーそして、その優しさに気がついたリアーヌはホッとしたように胸を撫で下ろしながらも、心の中で二人に感謝するのだったーー
「絶対、私悪くないのにー……」
情けない声を上げるながら嘆くリアーヌに同意するように、レジアンナが憤りの声を上げた。
「人の幸せを掠め取ろうとしてるのは、あの愚か者のほうでしてよ⁉︎ どんな行いが返ってくるのか見ものだわ⁉︎」
言葉の内容に否定すべき所は無かったのだが、このような大勢の人間が聞いている前で発言して、レジアンナの評判に傷がつかないのかと言われるとそうでは無かった。
いくら評判がよろしくなくても、伯爵家のご令嬢に向かい、感情任せに「愚か者」などと言い放ったという状況は歓迎できるものでは無かったのだ。
そのためビアンカは、フォローを入れるべくヤケクソ気味にわざとらしいほど明るい声で話しかけた。
「ええ、ええ! 確かそんな名前でそんな特徴を持つネジが新しく発売されたとか? 発売が楽しみですわぁー?」
「いや、ざつぅ……」
ビアンカの強引なフォローになのか、リアーヌの口からつるりと漏れ出たツッコミになのか、中庭にいた生徒たちの多くが、口元を抑えながらフィッと視線を逸らすのだったーー
ゼクスからもクククッとくぐもった笑い声が聞こえてきて、そちらを向くとニヤリと笑ったゼクスと目が合い、リアーヌもふふっと笑顔になる。
ーーそして、お互いに何かを話しかけようと口を開くのだが、結局どちらとも声をかけることができずに、そっと視線を逸らしあう。
「ーーでは、私はこれで……お騒がせして申し訳ありませんでした」
ゼクスはにこやかな笑顔を貼り付けながらレジアンナやビアンカに話しかける。
「ーーお気になさらないで?」
レジアンナはそう答えながらも、どう見てもすれ違っているリアーヌとゼクスに視線を送りながら困ったように眉を下げた。
二人がすれ違う瞬間、意識しあっているのは丸わかりだったが、それでも二人の視線が絡まり合うことはなくーー
そのまま無言で離れて行くのをただ静かに受け入れているだけだった。
「……私たちも戻りましょうか?」
ビアンカが優しく声をかけるがーー
「ーーだね!」
それに答えたリアーヌは、無理やり笑顔を作り、わざとらしいほどに明るい声で答えた。
それは心配をかけてはいけないというリアーヌなりの気づかいだったが、バレバレで……しかし、レジアンナたちもそうと理解しながらもなにも気が付かないふりをして笑顔頷きあうと中庭での昼食の感想などを口にしながら、教室へと歩き出す。
ーーそして、その優しさに気がついたリアーヌはホッとしたように胸を撫で下ろしながらも、心の中で二人に感謝するのだったーー
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