【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 フィリップが眉を下げて答えれば、それに合わせるようにレジアンナも盛大に眉を下げて口を開いた。

「お可哀想なフィリップ様……」
「レジアンナ……」

 そして二人は手を重ねあって見つめ合うーー

「ーー今いちばん可哀想なの私じゃない?」

 リアーヌは目の前で繰り広げられる迷惑行為に呆れたような視線を向けながらビアンカに話しかける。

(無実の罪を着せられて、ギフト泥棒の汚名を負わされそうになっておりますが……?)

「…………おだまり?」
「ーーウッス」

 ビアンカは少しの葛藤ののち、リアーヌを嗜める言葉を口にして、そんなビアンカの態度に少しの気の毒さを感じたリアーヌは、大人しく口を閉ざす外にしたのだった。


「ーーで? みなさんも混乱してるって話でしたっけ?」

 しばらく経ってサロン内に『そろそろいいんじゃないか……?』という空気が流れ始めた頃、ビアンカに目線で指示されたリアーヌが話の続きを促した。

「ーーああ、そうだったね?」

 レジアンナと見つめあっていたフィリップはそう答えると、レジアンナの手を握り締めたまま話を続ける。

「ええと……ーー例えば、リアーヌ嬢は万が一にもそのギフトが使えなくなってしまったらどうする?」
「……ビアンカに泣きつく?」

 リアーヌの答えにフィリップからだけでは無く、サロン内にいた者たちのほとんどから呆れたような吐息がもれ、部屋の中がそんな空気になって行くのをリアーヌはその肌で感じ取っていた。

(ええ……? だって絶対そうなりますけど⁉︎)

「あー……素晴らしい友情だと思う。 ーーが、ご両親や執事なんかにはどうだろう? 隠し通すものかな?」

 そう言われたリアーヌは今すぐここで無くなると思い込んでいたことに気がついた。

(……無くなったのが家だったら、泣きつく相手はヴァルムさんか母さん……かな?)

「あー……家だったならそうなりますね?」

 リアーヌの答えにフィリップは満足そうに大きく頷きながら説明を続ける。

「うん。 では、学校中……少なくとも不特定多数の生徒が自由に出入りできるような廊下で「盗られた!」なんて訴えを主張するかな?」
「……それは言わないと思います。 え、言ったほうがいいの?」

 リアーヌは答えながら不安になったのか、一度答えてからビアンカに確認をとった。

「……言おうとしてたら止めるレベルね」 
「あ、だよね?」

 ホッと胸を撫で下ろすリアーヌに向かいフィリップが口を開く。

「我々もそれが得策だと考えるよ。 無くなったにしろ盗まれたにしろ、今後の対応が決まるまでは黙っているのが普通ーー常識なんだ」
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