【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 そこまで理解したリアーヌはげんなりしながら小さく息を吐いた。

(ーーカオスが過ぎるよ……授業どころの騒ぎじゃないじゃん……ーーあれ? そういえばオリバーさんは? ーーさっきヴァルムさんとか父さんの名前出してたんだから家に帰ったのかな……?)

 リアーヌがそんなことを考えていると、その会話でおおよその事態を把握したであろうフィリップがザームに声をかけた。

「ああ! つまりザーム様は姉君を心配し、オリバー殿の言いつけを聞いてこちらにいらしたと言うことですね?」

 ニコリと笑いながら、ザームの顔を立てるべく、それらしい理由を並べるフィリップだったがーー

「……? いいや? うるさくてウザかったから言われた通り姉ちゃんトコ来ただけた。 なぁ、あれ姉ちゃん探してんだろ? なんとかしろよ」

 フィリップの気づかいをいともあっさり切り捨て、リアーヌに向かい文句を言うザーム。
 そんな非常識な対応にフィリップやレオンたちの頬がヒクリと引きつるが、ビアンカやレジアンナは、により……とかすかに頬を緩めていた。

「姉ちゃん勝手にここから出られない」
「なんで?」
「オリバーさんに言われたから」
「……それは、出られないな?」
「うん。 すぐ言いつけるしな?」
「あれさえ無けりゃなー?」

 姉弟きょうだいで仲良くため息をつきながら、首を横に振るリアーヌたちに、戸惑いがちにフィリップが声をかける。

「いつまででも滞在してくれて構わないよ? オリバー殿にもそう伝えてあるんだ」
「……マジ? 姉ちゃん今日帰んねぇの?」
「……お迎えが来ないとそうなるらしい」
「……じゃあ姉ちゃんここ泊まる時は、姉ちゃんのデザート俺のな?」
「……ーー今日のデザートなに?」
「桜餅」
「ーー絶対ダメ」
「なんでだよ」
「明日食べるし」
「そんなズリいし」
「二つ食べるほうがズルイし!」

 子供のような言い争いを始めた姉弟に、呆れながらゼクスが待ったをかける。

「うん、今はその話し合いは後にしよう? 万が一食べられなかったら、カフェで作ってもらえないか交渉してみるから……」
「本当ですか⁉︎」
「ーー土産持って帰ってこいよ」
「……絶対イヤ」
「はぁー⁉︎」
「うん、だから大人しくしようね……? 二人ともオリバーさんからここにいるように言われたんだろ? 迷惑かけたら叱られちゃうかもよ?」

 ゼクスの言葉にリアーヌは気まずそうに視線を逸らし、ザームは不思議そうに首を傾げる。

「……俺、ここに居ろなんて言われてねぇけど?」
「あー……言われたのはエドガーからでも、エドガーにそう伝言したのはオリバー殿だろ?」
「……? エドガーさんには姉ちゃん探して一緒にいてやれとは言われたけど……?」
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