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「なっ⁉︎ やめて! やめてよ!」
「ーー私がこんなに困ってるのにまだ隠すの⁉︎」
「黙れってばっ‼︎」
そう叫んだベッティの剣幕は、興奮しているユリアすらをも凌駕しており、怒鳴りつけられたユリアはほんの一瞬だったが、ビクリと身体を震わせ口を閉ざしたーー
そんな時、ユリアやリアーヌたちの周りに集まった生徒たちをかき分け、少しくたびれた様子のエドガーが現れる。
「っ! 無事ですか⁉︎」
「……ーーすごく無事だからオリバーさんたちには穏便に報告してほしい……」
そんなエドガーからの問いかけにリアーヌは少し迷った素ぶりを見せながら、懇願するように言う。
勝手にサロンを出てしまった上、こんな騒ぎに巻き込まれるたリアーヌは、今からでも入れる保険はどんなに小さなものでも入ろうと考えていた。
「……俺ヴァルム様には嘘つけねぇんで……?」
困ったように肩をすくめるエドガーに、ぐぬぅ……と顔をしかめるリアーヌ。
そんな中、エドガーやゼクスに背中で庇われている形となったリアーヌに、ユリアの忌々しそうな声が掛かった。
「ーーなんでアンタが庇われるのよ! 泥棒のくせにっ! 返してよ! 私のギフト‼︎」
そう叫んだユリアはベッティの手を振り払いながらリアーヌに向かいズンズンと詰め寄る。
「ーー悪いが、守るのが仕事だ。 女だろうと容赦はしない」
威嚇も込めてそう言い放ったエドガーがーー素手ではあったがーー臨戦体制を取ると、ユリアの取り巻きたちや周りの生徒からは、非難めいた悲鳴のようなものが上がった。
「おい! 女の子相手に!」
「はっ! その女相手に好き勝手言ってたヤツの言葉とは思えねぇなぁ⁉︎」
エドガーに苦言を呈した男子生徒は、そんな反論にぐぬぬ……と口を閉ざしながら、剣呑な目つきでエドガーを睨みつける。
あまり良くない空気を感じ取ったのか、カチヤたちがリアーヌの両隣を固めた時ーーまたしてもその光景にユリアが激昂し「泥棒のくせに! 被害者ぶらないでっ!」と、叫びながらリアーヌに向かい手を伸ばしたーー
それはすぐにエドガーによって阻まれたのだが、周りにいた生徒たちからはユリアに乱暴をしたと、非難の声が上がり始める。
「女の子に乱暴すぎる……」
「あんな力一杯止めなくったって……」
「なんか、可哀想……」
そんな空気の中、誰かが急に叫んだ。
「ーーやめて! ユリアに酷いことしないで! もうギフトは奪ったんだからいいでしょ⁉︎」
そんな叫び声に、エドガーとゼクスは思わず互いを見つめ合い首を傾げ合う。
周りで非難を向けていた生徒たちも、なんの話をしているのかと不思議そうな顔になっていたがーー
「ーー私がこんなに困ってるのにまだ隠すの⁉︎」
「黙れってばっ‼︎」
そう叫んだベッティの剣幕は、興奮しているユリアすらをも凌駕しており、怒鳴りつけられたユリアはほんの一瞬だったが、ビクリと身体を震わせ口を閉ざしたーー
そんな時、ユリアやリアーヌたちの周りに集まった生徒たちをかき分け、少しくたびれた様子のエドガーが現れる。
「っ! 無事ですか⁉︎」
「……ーーすごく無事だからオリバーさんたちには穏便に報告してほしい……」
そんなエドガーからの問いかけにリアーヌは少し迷った素ぶりを見せながら、懇願するように言う。
勝手にサロンを出てしまった上、こんな騒ぎに巻き込まれるたリアーヌは、今からでも入れる保険はどんなに小さなものでも入ろうと考えていた。
「……俺ヴァルム様には嘘つけねぇんで……?」
困ったように肩をすくめるエドガーに、ぐぬぅ……と顔をしかめるリアーヌ。
そんな中、エドガーやゼクスに背中で庇われている形となったリアーヌに、ユリアの忌々しそうな声が掛かった。
「ーーなんでアンタが庇われるのよ! 泥棒のくせにっ! 返してよ! 私のギフト‼︎」
そう叫んだユリアはベッティの手を振り払いながらリアーヌに向かいズンズンと詰め寄る。
「ーー悪いが、守るのが仕事だ。 女だろうと容赦はしない」
威嚇も込めてそう言い放ったエドガーがーー素手ではあったがーー臨戦体制を取ると、ユリアの取り巻きたちや周りの生徒からは、非難めいた悲鳴のようなものが上がった。
「おい! 女の子相手に!」
「はっ! その女相手に好き勝手言ってたヤツの言葉とは思えねぇなぁ⁉︎」
エドガーに苦言を呈した男子生徒は、そんな反論にぐぬぬ……と口を閉ざしながら、剣呑な目つきでエドガーを睨みつける。
あまり良くない空気を感じ取ったのか、カチヤたちがリアーヌの両隣を固めた時ーーまたしてもその光景にユリアが激昂し「泥棒のくせに! 被害者ぶらないでっ!」と、叫びながらリアーヌに向かい手を伸ばしたーー
それはすぐにエドガーによって阻まれたのだが、周りにいた生徒たちからはユリアに乱暴をしたと、非難の声が上がり始める。
「女の子に乱暴すぎる……」
「あんな力一杯止めなくったって……」
「なんか、可哀想……」
そんな空気の中、誰かが急に叫んだ。
「ーーやめて! ユリアに酷いことしないで! もうギフトは奪ったんだからいいでしょ⁉︎」
そんな叫び声に、エドガーとゼクスは思わず互いを見つめ合い首を傾げ合う。
周りで非難を向けていた生徒たちも、なんの話をしているのかと不思議そうな顔になっていたがーー
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