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最初の国と最初にそれかよ
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結果的にリズナンドにたどり着いたのは夜のことだった。
神であるエリンが居た為アンデットは寄っては来なかったが、日が暮れてからリズナンドに着くまでの30分程はまるで生きた心地はしなかった。
だってお前らわかるか?考えてみろ?
骸骨やゾンビだけならまだしも、生首がゴロゴロ転がってたり、人間の指の様な物が芋虫の様に這いずっていたり、さらには体全体に人の顔が張り付いた謎の物体までもが闊歩しているんだぞ?
もはや純粋な恐怖以外感じなかったね!!エリン様万歳!!
「主人よ…、そろそろ離れてくれぬか?恥ずかしいのじゃが…。」
「あ、あぁ!ごめんなさい!本当に助かりました!!エリン様ぁ!!あいつ怖い!!」
「ええい!鬱陶しい!!」
そんなやり取りがあった事は言うまでもないだろう。
因みに今はまだリズナンドに入れていない。リズナンドを囲む壁の東西南北の門、その南検問所内にいる。理由は簡単だ、身分を証明できない。
エリンに聞いたところ、この世界には共通の身分証明書が出生と同時に国から発行されるようなのだが、もちろん俺たちは持ってない。
まあ、だからと言って野盗や盗賊扱いされるわけじゃない。ただ紛失したとして扱われるだけだ。さらに前世でいう免許証などの個人情報物と違ってお金がかからない。理由は前世ほど法律国家ではない為、先程話した野盗や盗賊、さらには凶暴な魔物などに襲われて紛失、などが日常的に起こるからである。
それに本人以外が持っても何も表示されないというのも大きな理由だろう。
この世界の危険さと自由さに頭を垂れつつ、検問所内の待合室で待っていると、バタン、と扉が開いた。
「それじゃ、こちらへ来て。」
この国を守る騎士であろう男性が扉の奥から現れ、俺たちは呼ばれた。
言われるがまま付いていくと、雰囲気の違う台が置いてあった。どうやらその前に座れ、とのことらしい。
「俺が言う通りにして。」
騎士の彼が言うにはまず俺かららしい。俺は机の前まで歩いて行って座った。
座ってすぐに手を置く様に言われ、その様にした。
「『イタリティ・ステータス』」
彼がそう言うと、俺の手の周りが輝き始めた。
「な、なんだ!?」
俺の手の周りから出た光は上に登り、俺の目の前で像を結び始めた。
いかにも異世界だ。本当に面白い。
「それがお前の身分証明、『スコープ・カード』だ。ふむ、お前のステータスはなかなかに高いな。まあ、凡人の域は出ないがな、普通よりちょっといいぐらいだ。スキルは持ってないみたいだしな。」
おお、結構いい体にしてくれていた様だな。しかし、スキル無しとはどう言う事なんだ?
(エリン、なんでスキルが見れないんだ?)
小声でエリンに尋ねる。
(お主の神の夫と言う名のスキルは、私が付けたこの世にないスキルじゃからな。表示されないだけじゃ。設定されてないことは出来ない。それだけじゃよ。)
なるほど、前世で言うプログラムの話か。つまりはデータが無い。そりゃあ文字化けか表示不能になるだろうね。
「次は君だ。こちらへ!」
エリンが同じ様に呼ばれ先ほどまで俺が座っていたところに座り、同じように手を置いた。
…大丈夫なのか?神だぞ?ステータス普通なのか?偽造してるのか?心配すぎる。
「『イタリティ・ステータス』」
エリンの手元が光る。その光はエリンの目の前に像を結び…
「何だ…この数値は…」
とんでもない数値を叩き出したようだ。
いやいやいや、お約束で普通隠蔽するもんでしょう?!なんでことごとく平穏を遠ざけて行くの?エリンさん?
「どんな…感じ…ですか?」
とめどないストレスを感じつつ、騎士にエリンのステータス数値を尋ねてみた。
「全数値…上限値です…。」
こいつは馬鹿なのか?やりすぎという言葉を知らないのか?ん?なんなんだ?
「なんじゃお主らそんなにわしの個人情報を見おって、恥ずかしいじゃろう。」
頰を赤らめながらそう言うエリンさんは実に可愛く見えたが、俺から平穏を奪う悪魔の顔にも見えました。
「申し訳ありません…。と、とりあえず、スコープ・カードを返しますね…。」
顔の表情がガチガチに固まってしまった騎士は、石像がまるで動いているかのようにカードをエリンに渡した。
「とりあえず、これで国内へ入っていいんですね?」
いたたまれなくなった俺はとりあえずここを出ようと許可を促した。
「は、はい 。問題ありませんよ。いい観光を!」
幸い、問題ないようだ。…本当に?
許可を取り、身分証を発行した俺たちはそそくさと街に繰り出した。もうこれ以上は居た堪れない。
リズナンドの街並みはとても綺麗なものであった。
日本のような街並みではなく、中学生の頃に家族に連れられて行ったヨーロッパの街並みによく似ている。目の前には大きな川もあり水も綺麗だ。川にはボートも浮いていて本当にヨーロッパで見た景色を思い出す。街灯の文化はあるようで、外ほどは暗くない。その為か、この時間…と言っても何時かわからないが、まだ活気がある。街灯…電気が通っているのか?
「取り敢えず、今日は野宿だな…」
すでに夜もふけ、俺たちは金もなく野宿確定となっていた。もちろん、野宿の経験は無い。
街に入ってすぐの街内案内板を見ると、近くに公園があるようだ。そこで寝るか…
「はぁ~…」
「どうしたのじゃ、そんなに息を吐いて…。環境破壊か?」
ため息をとめどなく出しながら歩く俺にエリンが腹立つことを言ってくる。
「神様ならなんとかしてくれよ…。」
「なんとかって言われても、お金はないぞ!そもそもお主が遅い事が問題じゃ。」
「それは責任転嫁じゃないか…?…ん?あれはなんだ?」
エリンの無責任さに頭を痛めていると、前を歩いていた女性が男たち三人に囲まれて何か頼まれている。
もし放っておいて何かあったら心苦しいし、エリンも居るから大丈夫だろうと考え、あまり距離を詰めずに見守っていた。
しかし、女性が襲われる事もなく、男どもは頭を下げて去って言った。
「…?どうしたんだ?話を聞いて見るか…。」
「まあ、お主にロールプレイングは任せるぞ。自由に交友関係を広げるが良い。」
俺は肩を落とすその女性に近づいて後ろから話しかけて見た。
「だ、大丈夫ですか…?」
俺の声を聞いた女性がこっちに振り向く。
そして、
俺はその可愛いさに息を飲んだ。肩ほどまで伸びる青み掛かった銀髪…。透き通るように白い肌…。少し幼いが、綺麗な顔立ち。目はジトッとしている。なんだか眠たそうなその目は美しい青色をしている。
服装から察するに、恐らく魔法使いだろう。ローブを羽織り杖を持っている。
「あなたは…?」
その女性は呆然と立ち尽くす俺を見てそう聞く。見とれてしまっていた。
(わしの時はそんなに見とれなかったのにのう?)
いつのまにか後ろに来ていたエリンから微妙に怒りの篭った声が聞こえる。あとで謝ろう。死ぬ前に。
「お、俺たちは今この街に着いたばかりの旅人。宿代が今無くてね、野宿のために公園に行くところなんだ…。そこに輩に絡まれてる君が見えたから、大丈夫かと思って。」
こんなところだろうか、怪しまれずに設定を組めただろうか。
「…なるほど…私は大丈夫。そっちの方が大変。」
大丈夫みたいだ。怪しまれていない。
「ところでなんで絡まれていたの?」
「……なんでもない…。」
ふむ、彼女もこう言っている事だし、これ以上はしつこいかな。もう公園に向かうか…。
「気安く話しかけてごめんな、大丈夫そうなら行くよ!じゃあまた何か機会があれば!」
そう言ってその場を去ろうとしたとき、袖を掴んで引き止められた。
「やっぱり…まって!…手伝って、お金なら払うわ…!」
「ど、どうしたの!?話をとりあえず聞かせてくれない!?」
それから可憐な女性の話を聞くことになった。
話の内容とはこうだった。ん?異世界に来て一日でいきなり重たそうな話か?だって?
違うぞ、至極単純くだらない話。
彼女はあの男三人に飲みに誘われていたのだ。他に二人連れて来いとも。
つまり、
「合コンかよ!!!!!!!」
昔の世界にもある文化、合同コンパのお誘いだった。
「…私友達いなくて…困っちゃって…。」
なんとも悲しい子なんだ…。だがまさかこの世界に来て最初の仕事が合コンになるとは…。
「ん?でも女の子二人が必要なんだろ?エリンは分かるとして俺は何したら?」
そう。何を隠そう俺は男だ。ちゃんと奴もついてる。これでは助けられそうも「変化してもらうわ。」おおぉぉお!?
「つまり…女装?」
話を聞いていたエリンが手を叩いて笑う。
「あぁっはっはっ!なるほどのう、チェンジの魔法を使うんじゃな?」
「そう…。」
この世界の常識がない俺を取り残して話が進んで行く。
「そ、それは、それしかないんでしょうか…?」
「ない…。助けて…くれるんでしょ?」
首をかしげる可愛い彼女の目には怪しい光が漂っていた。
「……覚悟を決めるよ…。」
こうして俺は産まれて初めて女性になる事になった。
異世界パワーにより、身体まで…
「こ、これが俺の顔…?」
チェンジの魔法をかけて貰った俺は、エリンの神的な力なのか魔法なのかで現れた鏡のような物体で自分の姿を見ていた。
そこに移っている自分はもはや自分とは思えなかった。
髪の毛は胸元まで伸び、毛先にかけてパーマがかかっているようにふわふわしている。顔は可愛いと言うよりは美人という感じだ。軽いつり目が似合う。そして何よりもこの…
おっぱい!!!
健全な男には刺激的すぎるサイズの胸が自分の体についていた。男服が何とも苦しい。…苦しい?
「この魔法って感覚も女性に変わるのか?」
偽りの姿のはずなのに感覚がある。そんなもんなのか?
「ほう?ここに感覚はあるかの?」
「ひゃあ!!ってどこ触ってんだ!!」
エリンから急におっぱいの頂点を触られ変な声が出る。これが女の子…!?
「感覚があるという事はかなりの魔力量じゃのう!この娘なかなかやるみたいじゃ!普通チェンジじゃ感覚まで共有されんからの!」
エリンにこんなに言われるとは、この娘結構凄いのかもな。
「…もう準備はいい?待ち合わせ場所に移動する。」
「構わないよ。行こう!」
こくんと頷いた彼女はとても可愛らしく、初めての女装(?)で荒んだ心に響いた。…まあ、この娘の所為で俺の姿はこんなにナイスバディになってしまったのだが…
そういえばこの娘の名前をまだ聞いていなかったな、と思い、待ち合わせ場所に向かう間に聞いてみた。
「ねえ、君の名前は?」
前を歩く彼女は振り向かずに答える。
「私の名前はアリス・ミスト。アリスと呼んで…。ところで、貴方達は?」
ん?俺の名前…?前世のままじゃこの世界に馴染まないよな。平穏に過ごすためにも似合いそうな名前を作る事にした。
「俺はアルス・フォーレンだ。よろしく!」
「わしはエリン・ルミスト。よろしくのう。」
「うん…よろしく…。」
違和感なく通ったようで、少し安心した。
初めて会った彼女との会話はそれ以上は無く、しばらくして、例の待ち合わせ場所である酒場の前についた。
酒場の名前はシャルバン。川の前に建っており、小洒落たバーと言うよりかは、居酒屋という印象の店だ。合コンには御誂え向きだろう。
「あ、きたきた!こっちだよ、アリスちゃん!」
チャラチャラした男が話しかけてくる。さっきの三人のうちの一人だ。
他の二人は多分中だろう。
「そっちの二人も、今日はありがとう!自己紹介は中でしよう!」
チャラ男に促されるまま中に入る。
内装は外見に比べて居酒屋感は薄れ、食事処のような印象を受ける。
木造の雰囲気がとても良い。
奥に案内され、他の二人の顔も見えてくる。お世辞にも皆イケメンとは言いづらい容姿をしている。
その二人は俺たちをみて歓声を上げている。少し気持ち悪いぞ…。
「まあまあ!とりあえず座って!」
ここまで案内したチャラ男が座るように促す。こいつがおそらく幹事だろう。
言われるがままアリスを真ん中に俺が右、エリンが左で男達の向かいに座る。俺の目の前にはキースが座った。
「まずは、お酒でも頼みますか!!そのあと自己紹介ね!」
酒!?そうだ、忘れていた…。普通こういう場では酒を飲むのが普通だった…。でも俺未成年だぞ!?飲んで大丈夫なのか?
とりあえずエリンに小声で聞いてみよう。
俺はアリスの後ろから体を伸ばし、エリンを突いた。
(なんじゃ…?)
(俺未成年なんだけど?)
(大丈夫じゃ、この世界に未成年者飲酒禁止法は無い。ちなみに成人は15歳からじゃ。)
な、なるほど、文化がそもそも違うのか…。安心した。
「みんな決まったかな?」
安心したあたりで幹事チャラ男が何を頼むか聞いてきた。
俺たちはそれぞれ、
俺 エール
エリン エール(樽)
アリス ワイン
を頼んだ。
男どもは俺も含め皆エールを頼んでいた。
皆見た目の幼さの反面に馬鹿みたいな量を頼んだエリンに目を白黒させていた。
「そ、それじゃあ、自己紹介しようか?」
エリンの樽頼みに圧巻されていた一同だったが、幹事チャラ男が気を取り直し自己紹介を始めた。
「俺はキース・ホープ。今回の飲み会の発案者さ!発案した理由は新人冒険者アリスちゃんを馴染ませようと思っただけだよ!」
こいつらもアリスも冒険者だったのか。馴染ませるとか何とか言っているが…まあ、アリス目当てだろうなぁ…
左隣の男も口を開けた。
「ディスマン・ケルトだ。私はキースの付き添いで来ただけだ。」
ぶっきらぼうなイメージだ。本当に付き添いだけなのだろう。
「シルバー・ディンです…。よ、よろしく…。」
最後に一番左端のやつ…、こいつは人と関わることが苦手なタイプだろう。喋りかたがそんな雰囲気を醸し出している。
「それじゃあ次は女の子行こっか!」
キースが俺たちに紹介するよう促してくる。さてと…
「私はルル・シャリア。アリサの友達よ。」
咄嗟に自分の小説のヒロインの名前を出したが…まあ、問題ないだろう。
「私はアリス・ミスト。魔法使い…これからよろしく…」
新人冒険者のアリスちゃんはよろしくとつけそえた。うむ。実に可愛い。
男どももデレデレだ。…いや、真ん中のやつ…確か名前はディルマンだったか?こいつだけはポーカーフェイスだな。…ちょっとこっち向いてないか?嫌な予感がするなぁ…
最後はエリンだが、樽を頼んだ事もあり視線が集まる。
「わたくしはエリン・ルミスト。よろしくですわ。」
その瞬間、俺とアリスの首が九十度横に向く。喋り方が違う。
こいつ…よく見られようとしてやがる…。
まだ会って短いアリスも違和感を感じたようだ。
…それなら酒を樽で頼むなよ…エリン…。
「それじゃあ紹介も終わったし、乾杯!!」
頃合いをみて、キースが会を進めた。
それから俺は初めての酒に戸惑いながらも、その場を眺めることにした。
飲みはエリンの酒豪ぶりに皆が圧巻するところから始まった。あの馬鹿神は自己紹介以外自重する事がなく、最初の一杯目はノンストップで飲み切りやがった。それを見た男たちも頭がよろしくないようで、若いくせにやるじゃねえかとガバガバと飲み始めた。何をやってるんだ一体…
エリンのおかげでベロベロになった男たちは女の子そっちのけで騒ぎ始めた。キースはアリスに好かれたかったんじゃないのか?
これが女子達の言う退屈な合コンか…、と俺が前世で知る由もなかった事を知ったところでディスマンから話しかけられた。
「君は…ルルさんだったかな?君は冒険者…?」
横に座るディスマン。…もしや…
「い、いえ違います。」
「そうか…、もし冒険者になるんだったら私と一緒に来ないか?」
ブーッ!!!
口に含んでいたエールを吹き出してしまった。
やばい、口説かれている。
「だ、大丈夫か?ほら、これで拭け!」
ディスマンが綺麗な布を渡してくる。し、紳士だが…俺にその趣味は無い!!
「あ、ありがとう…」
なんとかしてこの場を切り抜けないと…
「冒険者にはなりたいんですけど、私はここにいるエリンとともに活動しているもので…」
「エリンちゃんも一緒でいいよ、だからな?」
引いてくれよ!なぜ食い下がるんだ…!
「あ、アハハ…」
笑いながらその場をごまかそうと四苦八苦していたその時、ディスマンの両隣に座るキースとシルバーが立ち上がった。
「俺がアリスちゃんを貰う!!シルバー!貴様にはやらんぞ!!」
「なんだとオラ!やんのかてめえ!!」
なんとアリスを取り合って争い始めた。
シルバーは酒が入ると性格が変わるようで、大人しかった印象から一変、喧嘩っ早い輩に変身していた。
「…私はどちらについて行くとも言ってない…」
もちろんアリスの意思は無視である。
そもそも何故アリスの意思に構わずこのような状況になったのかは少し前に遡って説明しよう。
ディスマンが俺を口説こうとする少し前、まだ男どもがベロベロになる寸前、キースが俺たちに誰が一番容姿がかっこいいか聞いたのだ。俺やエリンは誰でもいいと適当に答えたのだが、アリスは顔を赤らめ黙ってしまった。
俺たち側から見れば単純にそう言うことに慣れておらず恥ずかしがっているだけと言うことは一目瞭然なのだが、男たちは酒も回ってきており勘違いをした。(ディスマン以外だが。)
あろうことか自分に対する好意だと受け取ったのだ。
それからはもうヒートアップする一方だった。俺が口説かれている間、だんだんと大きくなる声、人格が変貌するシルバー。それに合わせて荒れるキース。
そして、胸ぐらを掴み合う二人。
「いっぺん殴らねえと分かんねえみたいだな?キース?」
「ああ?上等じゃねえか!オラ表でろ!!」
二人がズンズンと外に歩いて行った。それをみていたアリスは呆然を通り越して無の顔をしていた。
二人の様子を見ていると、喧嘩が始まったあたりで女性の店員が止めに入った。
男性店員は動かない。何故だ?
「ちょっとやめてください!店の前で!」
「「うるせえ!!」」
「痛っ!!」
クズ二人は止めに入った女性を突き飛ばし、喧嘩を続けた。
なおも助けに入らない男性方々。
「なんで誰も助けないんですか…?」
渋々ディスマンに尋ねる。
「それはあの二人がランクBの冒険者だからさ…、この辺であの二人…特に酒の入った二人を止められる奴は居ない…。」
なるほど、悪い意味で有名ってわけか。
なら、エリンに頼んで「ぐぅ…」飲みすぎて寝てるやないかい!!あのアホ本当に神様なのか!?全ての行動がアホだぞあのアホ神!!
アリスはもはや石だし、冒険者成り立ての彼女に対抗するすべがあるとは思えない。
「貴方は止めに入らないんですか?」
ディスマンに尋ねる。
「俺は君にしか興味がないからね…。」
気持ち悪い…
「しょうがねえな…あんまり目立ちたくなかったが…」
俺は渋々と立ち上がって表の二人のところへ向かう。
「お、おい!ルルさん、なにを!?」
それを見たディスマンが止めようと声を張り上げる。そろそろ夢から覚める時間だぞ、おっさん。
「おっさん、俺はチェンジの魔法がかかった男だよ。いい歳こいてこんな若え子狙ってっから婚期逃すんだよ!!」
この世界の婚期とか知らないが、適当に煽っといた。だってすごく気持ち悪かったから。
「おらおら、お二人さん?邪魔になってますよ?」
俺は「へ?」とか言ってるディスマンを無視して、二人に川を背にして声をかける。
「てめえには用事はねえ!」とキース。
「引っ込んでろブス!!」とシルバー。(酒の力ってすごい。)
「あんたらも、いい歳こいてアリスぐらいの歳の子狙ってんじゃねえよ。歳の差どれくらいだよ。」
ちなみに見た目はおっさん達20代後半から30代前半。
こちらは全員15歳くらいだ。
「んだとオラ、相手してもらえねえからって妬くんじゃねえよ!」
キースがついに俺に殴りかかって来た。かかったな。
「あらよっと!」
俺はキースのパンチを避け、腕を掴み、パンチの進行方向へ思い切り力を加えた。
そのままパンチの勢いが増し、バランスが取れなくなったキースは店の目の前の川に突っ込んだ。
「全く。頭を冷やしやがれ。」
見ているだけだった店員や客の声が悲鳴や落胆から歓声に変わる。
「なにやってんだあのカスは…。来いよ俺が相手だ。」
シルバーがファイティングポーズを取る。…本当にこいつシルバーか?最初の印象とかけ離れすぎていて何かに取り憑かれてるような気がする。
「いやいや、あんたも水浴びしたら?いや、お前は本当にした方がいい…。」
シルバーの身を案じてそう言ったが、聞く耳は持たなかった。
「ぬかせ!!」
ジャブを放ってくるシルバー。かなり速いが、速さは関係ない。
大切なのは目と足。その二つを見ていることで、音速を超える攻撃ですら避けられる。相手が酔っ払いならなおさら分かりやすい。酔拳とかなら話は別だが、幸いシルバーは前世でいうボクシングスタイルだ。ならば単純。
「な、何故当たらん!?」
「このままじゃ一生当たんねえよ。」
まあ、ただ、当たれば一撃でノックアウトだろう…、特殊な力なんて持ってないし…
歓声がどんどん大きくなる中、女姿の俺がランクBの冒険者の攻撃をかわし続けると言う謎の空間が出来上がった。
「このままじゃ拉致があかねえ…、街中での攻撃スキルは使用禁止だが、関係ねえ!!グラビティアロー!」
シルバーは叫び空中に無数の矢を発生させた。まて、魔法のかわし方なんて知らない。
しかもシルバーが呪文らしき物を唱えた瞬間、歓声が瞬く間に悲鳴に上がった。そんなにまずい代物なのか!?
「その技は何だ…?」
もうどうしようもないからシルバー本人に聞くことにした。だいたいこう言う時の切り札って喋りがちだし、酔っ払いだし、喋るだろ。
「俺様が編み出したこのグラビティアローは、グラビトンと召喚、さらにオブジェクトコントロールを重ねた超必殺技だぁぁ!!この技は空に浮かぶ無数の矢を操作して相手に放つわけだが、この矢の速度を重力魔法で上げる事で威力を増大している。こんな風にな!!」
馬鹿みたいに全部説明した後、俺の目の前に矢を放ち実演販売までしてくれた。さすが酔っ払い。
「うっそぉ…」
ただ、その威力は絶大で、凄まじ速さで矢は飛んで来て、地面のレンガで舗装された道を貫き、そこに大穴を開けた。穴のサイズ矢の直径超えすぎてない?!
おそらくエネルギー保存の法則で、速度に対するエネルギーが物理に「驚いたか!!その矢は着弾後爆発する!!」ごめん何でもない。
「おらおら!!行くぞ!!」
確かに驚異的な威力と手数だが、問題はない。
矢の場合は相手の目だけで判断がつく。つまり…
「な、何故当たらない!!」
目線の位置さえ気にすれば全て避けれる。
「もう終わりか?おっさん。」
呆然と立ち尽くすシルバーに煽りをかける。
「な、何なんだお前…!!」
信じられないと言う顔を向け、震えるシルバー。
「さっきディスマンには説明したが、俺はチェンジの魔法がかかった男だよ。」
「男だった…のか…、じゃない、そうじゃない。なぜ避けられる…!」
何故避けられるか、か。
「この世界で産まれる前にいっぱい修行したからだよ。」
「ば、馬鹿にしやがって!!!」
本当の事を言っただけなのに…
シルバーは空中に放っていた矢を全て俺に向けて放った。
もはや、筋を読む必要すら無い攻撃を避けるのは簡単で避けながらシルバーに近づいた。
「くるな、くるな、くるなぁ!!」
後ずさるシルバー。あ、それ以上いくと…
ボチャン
川に落ちちゃう。
「全く、これに懲りたら酒を控える事だな。」
そうセリフを吐き捨て、回れ右して店内に戻ろうとすると…
「うおおお!!」
「すげえ!!あの女、キースとシルバーをやっちまいやがった!!」
「かっこよかった…!!」
「私、女なのに惚れちゃいそう。」
「あいつはチェンジの魔法がかかった男らしいぞ!俺は男なのに惚れそうだ!」
「いや、分からん。実は本当に女かも知れん。強すぎて恥ずかしいんだ!!」
「いやまてまて!ルルさんは俺の嫁だ!!男でも構わん!!」(ディスマン)
拍手と特殊な歓声と馬鹿が迎え入れてくれた。
俺はどーもどーもとか言いながらアリス達が居る席に戻った。
「…あなた、すごい…ありがとう…ごめんなさい、私のせいで…。」
アリスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「君は悪くないでしょ、あの馬鹿二人が悪いんだよ。まったく。」
「…優しい、ありがとう。本当に、何かお礼がしたいわ。今回の報酬金以外にも何か言って?」
「それじゃあ…友達になって!」
俺がそう言うと彼女はポカンとしていた。
「逆に私でいいの…?」
「良すぎるよ!俺たちコッチに来てまだ数日だから色々教えてくれると助かるよ!」
「そう…わかったわ…。」
アリスは俯いて少し笑っていた。
「ずーいぶんと楽しそうじゃのう?」
悪寒。
「エ、エ、エリンさん?!これには深い事情が!!」
アリスの後ろで寝ていたはずのエリンがいつのまにか背後に立っていた。
「浮気は許さんのじゃぞ?」
「浮気じゃねえよ!!まて話を聞け!」
ズイズイと近づいてくるエリン、後ずさる俺。そしてアリスから放たれる言葉。
「浮気じゃ…ないの?」
何を言って!?!?
アリスの顔を見ると少し笑っている。こいつ、結構悪魔だ…!
「何か言い残すことはあるかの?」
青筋を浮かべるエリンに対し俺は
「…痛くしないで…?」
と、女性の見た目を利用してみた。
思いっきり殴られた。異世界初の一日がこれかよ。
「俺の存在感が消えてる。」
ディスマンは一人エールをすすっていた。
神であるエリンが居た為アンデットは寄っては来なかったが、日が暮れてからリズナンドに着くまでの30分程はまるで生きた心地はしなかった。
だってお前らわかるか?考えてみろ?
骸骨やゾンビだけならまだしも、生首がゴロゴロ転がってたり、人間の指の様な物が芋虫の様に這いずっていたり、さらには体全体に人の顔が張り付いた謎の物体までもが闊歩しているんだぞ?
もはや純粋な恐怖以外感じなかったね!!エリン様万歳!!
「主人よ…、そろそろ離れてくれぬか?恥ずかしいのじゃが…。」
「あ、あぁ!ごめんなさい!本当に助かりました!!エリン様ぁ!!あいつ怖い!!」
「ええい!鬱陶しい!!」
そんなやり取りがあった事は言うまでもないだろう。
因みに今はまだリズナンドに入れていない。リズナンドを囲む壁の東西南北の門、その南検問所内にいる。理由は簡単だ、身分を証明できない。
エリンに聞いたところ、この世界には共通の身分証明書が出生と同時に国から発行されるようなのだが、もちろん俺たちは持ってない。
まあ、だからと言って野盗や盗賊扱いされるわけじゃない。ただ紛失したとして扱われるだけだ。さらに前世でいう免許証などの個人情報物と違ってお金がかからない。理由は前世ほど法律国家ではない為、先程話した野盗や盗賊、さらには凶暴な魔物などに襲われて紛失、などが日常的に起こるからである。
それに本人以外が持っても何も表示されないというのも大きな理由だろう。
この世界の危険さと自由さに頭を垂れつつ、検問所内の待合室で待っていると、バタン、と扉が開いた。
「それじゃ、こちらへ来て。」
この国を守る騎士であろう男性が扉の奥から現れ、俺たちは呼ばれた。
言われるがまま付いていくと、雰囲気の違う台が置いてあった。どうやらその前に座れ、とのことらしい。
「俺が言う通りにして。」
騎士の彼が言うにはまず俺かららしい。俺は机の前まで歩いて行って座った。
座ってすぐに手を置く様に言われ、その様にした。
「『イタリティ・ステータス』」
彼がそう言うと、俺の手の周りが輝き始めた。
「な、なんだ!?」
俺の手の周りから出た光は上に登り、俺の目の前で像を結び始めた。
いかにも異世界だ。本当に面白い。
「それがお前の身分証明、『スコープ・カード』だ。ふむ、お前のステータスはなかなかに高いな。まあ、凡人の域は出ないがな、普通よりちょっといいぐらいだ。スキルは持ってないみたいだしな。」
おお、結構いい体にしてくれていた様だな。しかし、スキル無しとはどう言う事なんだ?
(エリン、なんでスキルが見れないんだ?)
小声でエリンに尋ねる。
(お主の神の夫と言う名のスキルは、私が付けたこの世にないスキルじゃからな。表示されないだけじゃ。設定されてないことは出来ない。それだけじゃよ。)
なるほど、前世で言うプログラムの話か。つまりはデータが無い。そりゃあ文字化けか表示不能になるだろうね。
「次は君だ。こちらへ!」
エリンが同じ様に呼ばれ先ほどまで俺が座っていたところに座り、同じように手を置いた。
…大丈夫なのか?神だぞ?ステータス普通なのか?偽造してるのか?心配すぎる。
「『イタリティ・ステータス』」
エリンの手元が光る。その光はエリンの目の前に像を結び…
「何だ…この数値は…」
とんでもない数値を叩き出したようだ。
いやいやいや、お約束で普通隠蔽するもんでしょう?!なんでことごとく平穏を遠ざけて行くの?エリンさん?
「どんな…感じ…ですか?」
とめどないストレスを感じつつ、騎士にエリンのステータス数値を尋ねてみた。
「全数値…上限値です…。」
こいつは馬鹿なのか?やりすぎという言葉を知らないのか?ん?なんなんだ?
「なんじゃお主らそんなにわしの個人情報を見おって、恥ずかしいじゃろう。」
頰を赤らめながらそう言うエリンさんは実に可愛く見えたが、俺から平穏を奪う悪魔の顔にも見えました。
「申し訳ありません…。と、とりあえず、スコープ・カードを返しますね…。」
顔の表情がガチガチに固まってしまった騎士は、石像がまるで動いているかのようにカードをエリンに渡した。
「とりあえず、これで国内へ入っていいんですね?」
いたたまれなくなった俺はとりあえずここを出ようと許可を促した。
「は、はい 。問題ありませんよ。いい観光を!」
幸い、問題ないようだ。…本当に?
許可を取り、身分証を発行した俺たちはそそくさと街に繰り出した。もうこれ以上は居た堪れない。
リズナンドの街並みはとても綺麗なものであった。
日本のような街並みではなく、中学生の頃に家族に連れられて行ったヨーロッパの街並みによく似ている。目の前には大きな川もあり水も綺麗だ。川にはボートも浮いていて本当にヨーロッパで見た景色を思い出す。街灯の文化はあるようで、外ほどは暗くない。その為か、この時間…と言っても何時かわからないが、まだ活気がある。街灯…電気が通っているのか?
「取り敢えず、今日は野宿だな…」
すでに夜もふけ、俺たちは金もなく野宿確定となっていた。もちろん、野宿の経験は無い。
街に入ってすぐの街内案内板を見ると、近くに公園があるようだ。そこで寝るか…
「はぁ~…」
「どうしたのじゃ、そんなに息を吐いて…。環境破壊か?」
ため息をとめどなく出しながら歩く俺にエリンが腹立つことを言ってくる。
「神様ならなんとかしてくれよ…。」
「なんとかって言われても、お金はないぞ!そもそもお主が遅い事が問題じゃ。」
「それは責任転嫁じゃないか…?…ん?あれはなんだ?」
エリンの無責任さに頭を痛めていると、前を歩いていた女性が男たち三人に囲まれて何か頼まれている。
もし放っておいて何かあったら心苦しいし、エリンも居るから大丈夫だろうと考え、あまり距離を詰めずに見守っていた。
しかし、女性が襲われる事もなく、男どもは頭を下げて去って言った。
「…?どうしたんだ?話を聞いて見るか…。」
「まあ、お主にロールプレイングは任せるぞ。自由に交友関係を広げるが良い。」
俺は肩を落とすその女性に近づいて後ろから話しかけて見た。
「だ、大丈夫ですか…?」
俺の声を聞いた女性がこっちに振り向く。
そして、
俺はその可愛いさに息を飲んだ。肩ほどまで伸びる青み掛かった銀髪…。透き通るように白い肌…。少し幼いが、綺麗な顔立ち。目はジトッとしている。なんだか眠たそうなその目は美しい青色をしている。
服装から察するに、恐らく魔法使いだろう。ローブを羽織り杖を持っている。
「あなたは…?」
その女性は呆然と立ち尽くす俺を見てそう聞く。見とれてしまっていた。
(わしの時はそんなに見とれなかったのにのう?)
いつのまにか後ろに来ていたエリンから微妙に怒りの篭った声が聞こえる。あとで謝ろう。死ぬ前に。
「お、俺たちは今この街に着いたばかりの旅人。宿代が今無くてね、野宿のために公園に行くところなんだ…。そこに輩に絡まれてる君が見えたから、大丈夫かと思って。」
こんなところだろうか、怪しまれずに設定を組めただろうか。
「…なるほど…私は大丈夫。そっちの方が大変。」
大丈夫みたいだ。怪しまれていない。
「ところでなんで絡まれていたの?」
「……なんでもない…。」
ふむ、彼女もこう言っている事だし、これ以上はしつこいかな。もう公園に向かうか…。
「気安く話しかけてごめんな、大丈夫そうなら行くよ!じゃあまた何か機会があれば!」
そう言ってその場を去ろうとしたとき、袖を掴んで引き止められた。
「やっぱり…まって!…手伝って、お金なら払うわ…!」
「ど、どうしたの!?話をとりあえず聞かせてくれない!?」
それから可憐な女性の話を聞くことになった。
話の内容とはこうだった。ん?異世界に来て一日でいきなり重たそうな話か?だって?
違うぞ、至極単純くだらない話。
彼女はあの男三人に飲みに誘われていたのだ。他に二人連れて来いとも。
つまり、
「合コンかよ!!!!!!!」
昔の世界にもある文化、合同コンパのお誘いだった。
「…私友達いなくて…困っちゃって…。」
なんとも悲しい子なんだ…。だがまさかこの世界に来て最初の仕事が合コンになるとは…。
「ん?でも女の子二人が必要なんだろ?エリンは分かるとして俺は何したら?」
そう。何を隠そう俺は男だ。ちゃんと奴もついてる。これでは助けられそうも「変化してもらうわ。」おおぉぉお!?
「つまり…女装?」
話を聞いていたエリンが手を叩いて笑う。
「あぁっはっはっ!なるほどのう、チェンジの魔法を使うんじゃな?」
「そう…。」
この世界の常識がない俺を取り残して話が進んで行く。
「そ、それは、それしかないんでしょうか…?」
「ない…。助けて…くれるんでしょ?」
首をかしげる可愛い彼女の目には怪しい光が漂っていた。
「……覚悟を決めるよ…。」
こうして俺は産まれて初めて女性になる事になった。
異世界パワーにより、身体まで…
「こ、これが俺の顔…?」
チェンジの魔法をかけて貰った俺は、エリンの神的な力なのか魔法なのかで現れた鏡のような物体で自分の姿を見ていた。
そこに移っている自分はもはや自分とは思えなかった。
髪の毛は胸元まで伸び、毛先にかけてパーマがかかっているようにふわふわしている。顔は可愛いと言うよりは美人という感じだ。軽いつり目が似合う。そして何よりもこの…
おっぱい!!!
健全な男には刺激的すぎるサイズの胸が自分の体についていた。男服が何とも苦しい。…苦しい?
「この魔法って感覚も女性に変わるのか?」
偽りの姿のはずなのに感覚がある。そんなもんなのか?
「ほう?ここに感覚はあるかの?」
「ひゃあ!!ってどこ触ってんだ!!」
エリンから急におっぱいの頂点を触られ変な声が出る。これが女の子…!?
「感覚があるという事はかなりの魔力量じゃのう!この娘なかなかやるみたいじゃ!普通チェンジじゃ感覚まで共有されんからの!」
エリンにこんなに言われるとは、この娘結構凄いのかもな。
「…もう準備はいい?待ち合わせ場所に移動する。」
「構わないよ。行こう!」
こくんと頷いた彼女はとても可愛らしく、初めての女装(?)で荒んだ心に響いた。…まあ、この娘の所為で俺の姿はこんなにナイスバディになってしまったのだが…
そういえばこの娘の名前をまだ聞いていなかったな、と思い、待ち合わせ場所に向かう間に聞いてみた。
「ねえ、君の名前は?」
前を歩く彼女は振り向かずに答える。
「私の名前はアリス・ミスト。アリスと呼んで…。ところで、貴方達は?」
ん?俺の名前…?前世のままじゃこの世界に馴染まないよな。平穏に過ごすためにも似合いそうな名前を作る事にした。
「俺はアルス・フォーレンだ。よろしく!」
「わしはエリン・ルミスト。よろしくのう。」
「うん…よろしく…。」
違和感なく通ったようで、少し安心した。
初めて会った彼女との会話はそれ以上は無く、しばらくして、例の待ち合わせ場所である酒場の前についた。
酒場の名前はシャルバン。川の前に建っており、小洒落たバーと言うよりかは、居酒屋という印象の店だ。合コンには御誂え向きだろう。
「あ、きたきた!こっちだよ、アリスちゃん!」
チャラチャラした男が話しかけてくる。さっきの三人のうちの一人だ。
他の二人は多分中だろう。
「そっちの二人も、今日はありがとう!自己紹介は中でしよう!」
チャラ男に促されるまま中に入る。
内装は外見に比べて居酒屋感は薄れ、食事処のような印象を受ける。
木造の雰囲気がとても良い。
奥に案内され、他の二人の顔も見えてくる。お世辞にも皆イケメンとは言いづらい容姿をしている。
その二人は俺たちをみて歓声を上げている。少し気持ち悪いぞ…。
「まあまあ!とりあえず座って!」
ここまで案内したチャラ男が座るように促す。こいつがおそらく幹事だろう。
言われるがままアリスを真ん中に俺が右、エリンが左で男達の向かいに座る。俺の目の前にはキースが座った。
「まずは、お酒でも頼みますか!!そのあと自己紹介ね!」
酒!?そうだ、忘れていた…。普通こういう場では酒を飲むのが普通だった…。でも俺未成年だぞ!?飲んで大丈夫なのか?
とりあえずエリンに小声で聞いてみよう。
俺はアリスの後ろから体を伸ばし、エリンを突いた。
(なんじゃ…?)
(俺未成年なんだけど?)
(大丈夫じゃ、この世界に未成年者飲酒禁止法は無い。ちなみに成人は15歳からじゃ。)
な、なるほど、文化がそもそも違うのか…。安心した。
「みんな決まったかな?」
安心したあたりで幹事チャラ男が何を頼むか聞いてきた。
俺たちはそれぞれ、
俺 エール
エリン エール(樽)
アリス ワイン
を頼んだ。
男どもは俺も含め皆エールを頼んでいた。
皆見た目の幼さの反面に馬鹿みたいな量を頼んだエリンに目を白黒させていた。
「そ、それじゃあ、自己紹介しようか?」
エリンの樽頼みに圧巻されていた一同だったが、幹事チャラ男が気を取り直し自己紹介を始めた。
「俺はキース・ホープ。今回の飲み会の発案者さ!発案した理由は新人冒険者アリスちゃんを馴染ませようと思っただけだよ!」
こいつらもアリスも冒険者だったのか。馴染ませるとか何とか言っているが…まあ、アリス目当てだろうなぁ…
左隣の男も口を開けた。
「ディスマン・ケルトだ。私はキースの付き添いで来ただけだ。」
ぶっきらぼうなイメージだ。本当に付き添いだけなのだろう。
「シルバー・ディンです…。よ、よろしく…。」
最後に一番左端のやつ…、こいつは人と関わることが苦手なタイプだろう。喋りかたがそんな雰囲気を醸し出している。
「それじゃあ次は女の子行こっか!」
キースが俺たちに紹介するよう促してくる。さてと…
「私はルル・シャリア。アリサの友達よ。」
咄嗟に自分の小説のヒロインの名前を出したが…まあ、問題ないだろう。
「私はアリス・ミスト。魔法使い…これからよろしく…」
新人冒険者のアリスちゃんはよろしくとつけそえた。うむ。実に可愛い。
男どももデレデレだ。…いや、真ん中のやつ…確か名前はディルマンだったか?こいつだけはポーカーフェイスだな。…ちょっとこっち向いてないか?嫌な予感がするなぁ…
最後はエリンだが、樽を頼んだ事もあり視線が集まる。
「わたくしはエリン・ルミスト。よろしくですわ。」
その瞬間、俺とアリスの首が九十度横に向く。喋り方が違う。
こいつ…よく見られようとしてやがる…。
まだ会って短いアリスも違和感を感じたようだ。
…それなら酒を樽で頼むなよ…エリン…。
「それじゃあ紹介も終わったし、乾杯!!」
頃合いをみて、キースが会を進めた。
それから俺は初めての酒に戸惑いながらも、その場を眺めることにした。
飲みはエリンの酒豪ぶりに皆が圧巻するところから始まった。あの馬鹿神は自己紹介以外自重する事がなく、最初の一杯目はノンストップで飲み切りやがった。それを見た男たちも頭がよろしくないようで、若いくせにやるじゃねえかとガバガバと飲み始めた。何をやってるんだ一体…
エリンのおかげでベロベロになった男たちは女の子そっちのけで騒ぎ始めた。キースはアリスに好かれたかったんじゃないのか?
これが女子達の言う退屈な合コンか…、と俺が前世で知る由もなかった事を知ったところでディスマンから話しかけられた。
「君は…ルルさんだったかな?君は冒険者…?」
横に座るディスマン。…もしや…
「い、いえ違います。」
「そうか…、もし冒険者になるんだったら私と一緒に来ないか?」
ブーッ!!!
口に含んでいたエールを吹き出してしまった。
やばい、口説かれている。
「だ、大丈夫か?ほら、これで拭け!」
ディスマンが綺麗な布を渡してくる。し、紳士だが…俺にその趣味は無い!!
「あ、ありがとう…」
なんとかしてこの場を切り抜けないと…
「冒険者にはなりたいんですけど、私はここにいるエリンとともに活動しているもので…」
「エリンちゃんも一緒でいいよ、だからな?」
引いてくれよ!なぜ食い下がるんだ…!
「あ、アハハ…」
笑いながらその場をごまかそうと四苦八苦していたその時、ディスマンの両隣に座るキースとシルバーが立ち上がった。
「俺がアリスちゃんを貰う!!シルバー!貴様にはやらんぞ!!」
「なんだとオラ!やんのかてめえ!!」
なんとアリスを取り合って争い始めた。
シルバーは酒が入ると性格が変わるようで、大人しかった印象から一変、喧嘩っ早い輩に変身していた。
「…私はどちらについて行くとも言ってない…」
もちろんアリスの意思は無視である。
そもそも何故アリスの意思に構わずこのような状況になったのかは少し前に遡って説明しよう。
ディスマンが俺を口説こうとする少し前、まだ男どもがベロベロになる寸前、キースが俺たちに誰が一番容姿がかっこいいか聞いたのだ。俺やエリンは誰でもいいと適当に答えたのだが、アリスは顔を赤らめ黙ってしまった。
俺たち側から見れば単純にそう言うことに慣れておらず恥ずかしがっているだけと言うことは一目瞭然なのだが、男たちは酒も回ってきており勘違いをした。(ディスマン以外だが。)
あろうことか自分に対する好意だと受け取ったのだ。
それからはもうヒートアップする一方だった。俺が口説かれている間、だんだんと大きくなる声、人格が変貌するシルバー。それに合わせて荒れるキース。
そして、胸ぐらを掴み合う二人。
「いっぺん殴らねえと分かんねえみたいだな?キース?」
「ああ?上等じゃねえか!オラ表でろ!!」
二人がズンズンと外に歩いて行った。それをみていたアリスは呆然を通り越して無の顔をしていた。
二人の様子を見ていると、喧嘩が始まったあたりで女性の店員が止めに入った。
男性店員は動かない。何故だ?
「ちょっとやめてください!店の前で!」
「「うるせえ!!」」
「痛っ!!」
クズ二人は止めに入った女性を突き飛ばし、喧嘩を続けた。
なおも助けに入らない男性方々。
「なんで誰も助けないんですか…?」
渋々ディスマンに尋ねる。
「それはあの二人がランクBの冒険者だからさ…、この辺であの二人…特に酒の入った二人を止められる奴は居ない…。」
なるほど、悪い意味で有名ってわけか。
なら、エリンに頼んで「ぐぅ…」飲みすぎて寝てるやないかい!!あのアホ本当に神様なのか!?全ての行動がアホだぞあのアホ神!!
アリスはもはや石だし、冒険者成り立ての彼女に対抗するすべがあるとは思えない。
「貴方は止めに入らないんですか?」
ディスマンに尋ねる。
「俺は君にしか興味がないからね…。」
気持ち悪い…
「しょうがねえな…あんまり目立ちたくなかったが…」
俺は渋々と立ち上がって表の二人のところへ向かう。
「お、おい!ルルさん、なにを!?」
それを見たディスマンが止めようと声を張り上げる。そろそろ夢から覚める時間だぞ、おっさん。
「おっさん、俺はチェンジの魔法がかかった男だよ。いい歳こいてこんな若え子狙ってっから婚期逃すんだよ!!」
この世界の婚期とか知らないが、適当に煽っといた。だってすごく気持ち悪かったから。
「おらおら、お二人さん?邪魔になってますよ?」
俺は「へ?」とか言ってるディスマンを無視して、二人に川を背にして声をかける。
「てめえには用事はねえ!」とキース。
「引っ込んでろブス!!」とシルバー。(酒の力ってすごい。)
「あんたらも、いい歳こいてアリスぐらいの歳の子狙ってんじゃねえよ。歳の差どれくらいだよ。」
ちなみに見た目はおっさん達20代後半から30代前半。
こちらは全員15歳くらいだ。
「んだとオラ、相手してもらえねえからって妬くんじゃねえよ!」
キースがついに俺に殴りかかって来た。かかったな。
「あらよっと!」
俺はキースのパンチを避け、腕を掴み、パンチの進行方向へ思い切り力を加えた。
そのままパンチの勢いが増し、バランスが取れなくなったキースは店の目の前の川に突っ込んだ。
「全く。頭を冷やしやがれ。」
見ているだけだった店員や客の声が悲鳴や落胆から歓声に変わる。
「なにやってんだあのカスは…。来いよ俺が相手だ。」
シルバーがファイティングポーズを取る。…本当にこいつシルバーか?最初の印象とかけ離れすぎていて何かに取り憑かれてるような気がする。
「いやいや、あんたも水浴びしたら?いや、お前は本当にした方がいい…。」
シルバーの身を案じてそう言ったが、聞く耳は持たなかった。
「ぬかせ!!」
ジャブを放ってくるシルバー。かなり速いが、速さは関係ない。
大切なのは目と足。その二つを見ていることで、音速を超える攻撃ですら避けられる。相手が酔っ払いならなおさら分かりやすい。酔拳とかなら話は別だが、幸いシルバーは前世でいうボクシングスタイルだ。ならば単純。
「な、何故当たらん!?」
「このままじゃ一生当たんねえよ。」
まあ、ただ、当たれば一撃でノックアウトだろう…、特殊な力なんて持ってないし…
歓声がどんどん大きくなる中、女姿の俺がランクBの冒険者の攻撃をかわし続けると言う謎の空間が出来上がった。
「このままじゃ拉致があかねえ…、街中での攻撃スキルは使用禁止だが、関係ねえ!!グラビティアロー!」
シルバーは叫び空中に無数の矢を発生させた。まて、魔法のかわし方なんて知らない。
しかもシルバーが呪文らしき物を唱えた瞬間、歓声が瞬く間に悲鳴に上がった。そんなにまずい代物なのか!?
「その技は何だ…?」
もうどうしようもないからシルバー本人に聞くことにした。だいたいこう言う時の切り札って喋りがちだし、酔っ払いだし、喋るだろ。
「俺様が編み出したこのグラビティアローは、グラビトンと召喚、さらにオブジェクトコントロールを重ねた超必殺技だぁぁ!!この技は空に浮かぶ無数の矢を操作して相手に放つわけだが、この矢の速度を重力魔法で上げる事で威力を増大している。こんな風にな!!」
馬鹿みたいに全部説明した後、俺の目の前に矢を放ち実演販売までしてくれた。さすが酔っ払い。
「うっそぉ…」
ただ、その威力は絶大で、凄まじ速さで矢は飛んで来て、地面のレンガで舗装された道を貫き、そこに大穴を開けた。穴のサイズ矢の直径超えすぎてない?!
おそらくエネルギー保存の法則で、速度に対するエネルギーが物理に「驚いたか!!その矢は着弾後爆発する!!」ごめん何でもない。
「おらおら!!行くぞ!!」
確かに驚異的な威力と手数だが、問題はない。
矢の場合は相手の目だけで判断がつく。つまり…
「な、何故当たらない!!」
目線の位置さえ気にすれば全て避けれる。
「もう終わりか?おっさん。」
呆然と立ち尽くすシルバーに煽りをかける。
「な、何なんだお前…!!」
信じられないと言う顔を向け、震えるシルバー。
「さっきディスマンには説明したが、俺はチェンジの魔法がかかった男だよ。」
「男だった…のか…、じゃない、そうじゃない。なぜ避けられる…!」
何故避けられるか、か。
「この世界で産まれる前にいっぱい修行したからだよ。」
「ば、馬鹿にしやがって!!!」
本当の事を言っただけなのに…
シルバーは空中に放っていた矢を全て俺に向けて放った。
もはや、筋を読む必要すら無い攻撃を避けるのは簡単で避けながらシルバーに近づいた。
「くるな、くるな、くるなぁ!!」
後ずさるシルバー。あ、それ以上いくと…
ボチャン
川に落ちちゃう。
「全く、これに懲りたら酒を控える事だな。」
そうセリフを吐き捨て、回れ右して店内に戻ろうとすると…
「うおおお!!」
「すげえ!!あの女、キースとシルバーをやっちまいやがった!!」
「かっこよかった…!!」
「私、女なのに惚れちゃいそう。」
「あいつはチェンジの魔法がかかった男らしいぞ!俺は男なのに惚れそうだ!」
「いや、分からん。実は本当に女かも知れん。強すぎて恥ずかしいんだ!!」
「いやまてまて!ルルさんは俺の嫁だ!!男でも構わん!!」(ディスマン)
拍手と特殊な歓声と馬鹿が迎え入れてくれた。
俺はどーもどーもとか言いながらアリス達が居る席に戻った。
「…あなた、すごい…ありがとう…ごめんなさい、私のせいで…。」
アリスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「君は悪くないでしょ、あの馬鹿二人が悪いんだよ。まったく。」
「…優しい、ありがとう。本当に、何かお礼がしたいわ。今回の報酬金以外にも何か言って?」
「それじゃあ…友達になって!」
俺がそう言うと彼女はポカンとしていた。
「逆に私でいいの…?」
「良すぎるよ!俺たちコッチに来てまだ数日だから色々教えてくれると助かるよ!」
「そう…わかったわ…。」
アリスは俯いて少し笑っていた。
「ずーいぶんと楽しそうじゃのう?」
悪寒。
「エ、エ、エリンさん?!これには深い事情が!!」
アリスの後ろで寝ていたはずのエリンがいつのまにか背後に立っていた。
「浮気は許さんのじゃぞ?」
「浮気じゃねえよ!!まて話を聞け!」
ズイズイと近づいてくるエリン、後ずさる俺。そしてアリスから放たれる言葉。
「浮気じゃ…ないの?」
何を言って!?!?
アリスの顔を見ると少し笑っている。こいつ、結構悪魔だ…!
「何か言い残すことはあるかの?」
青筋を浮かべるエリンに対し俺は
「…痛くしないで…?」
と、女性の見た目を利用してみた。
思いっきり殴られた。異世界初の一日がこれかよ。
「俺の存在感が消えてる。」
ディスマンは一人エールをすすっていた。
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