48 / 92
【本編4・search for my roots】
自由を得る為に小鳥は哭く。
しおりを挟む道は1つしか無かった。
愛する人と一緒にいたかった。それを最悪な形で引き離された。絶望の中無理やり放り込まれた後宮。私だけが不幸だと思っていた。でも違った。後宮は女の牢獄だった。
皇帝は嫌がる娘も帰りたいと泣き喚く娘も、義務だからとばかりに無理やり組敷く。誰の名も呼ばない。顔を見ようともしない。女を子を生む道具とばかりに扱う。ただただ義務を果たすだけ。そんな地獄の様な閉ざされた世界。私は無力だった。何も考えたくない。そして何もしたくない。
嫌な事を考えると、幸せだった頃を思い出す。楽しい事を考えると、嫌な現実を思い出す。現実逃避すら出来やしない。なら何も考えなければ良い。
やがて涙すら渇れ果てた。
しかし私はやがて足掻き出す。
私が入宮して直ぐ、皇帝の従妹姫の存在が浮上してきた。それがやがて確信にせまってくる。他国に居るとはいえ、私より皇家の血は濃い。そんな噂が囁かれる中、皇帝は戯れ言を宣っていた。
そんな中、後宮内では多種の問題が発生していた。
もう他の妃は要らない?愛するのは彼女だけ?なら何故後宮を廃止しないの!
後宮の管理すら出来ぬ癖に!
幾人もの不幸な女を作った癖に、己だけが幸せになろうなんて許せない!
好きな女と添い遂げたい?側妃は無理やり押し付けられた?嫌なら断れば良い?己は好きでもない女を宛がわれて不幸?我々妃は望んで得た地位じゃ無い。正妃の座を争う陰謀なんて、後宮の主が魅力的じゃなきゃ起こりえない。自惚れるな!皇帝の地位は全てを覆す力を持っている。現に簡単に新しい妃を中止した。なのにまだ沢山の女の涙を踏み台にするの?不幸なのは私達よ!
私の手は汚れている。
私が地獄にゆく?それこそ本望。あの人を目前で殺された時、私の心も死んだの。
今の人生はオマケの様なもの。叶うならば父と皇帝の魔の手から、この牢獄の小鳥達を守りたい。飛び立てたなら尚嬉しい。
道化を演じるのは私だけでよい。
*****
「その遺骨は多分私の侍女です。宰相たる父は、裏で私を利用してました。その為有る事を隠していました。実は私はくノ一。そして巫女です。その私に子供の頃から仕えてくれてた楓。彼女は私の巫忍でした。巫忍とは巫女の依り代。私から離れた場所に居ても、私の力を引き受け、私の代わりに力を発現させる。いわば私の分身の様な者です。私は既に侍女を亡くし心細く暮らしていた椿姫の為、彼女のお世話を楓に頼みました。ダンジョンの聖域の繭を発動させたのは私です。椿姫の近くに必ずいる、巫忍の楓を媒介にしたのです。しかし楓は死んでいたのですね。私は知らずに力を送り続けていました。」
「その力はお腹の子が吸収し、母を守る為に使ってた。無駄にはしてないよ。」
その場が静まり返る。菊姫は更に先を話し出した。
宰相は皇室の高い純血に拘っている。しかし反逆者によりその地位を奪われた皇家。殺略や処刑により、皇家の血筋は薄れてしまった。皇帝と宰相は従兄弟に当たる。つまり菊姫は皇帝の再従兄弟。最も近い近親で子の可能性の有る女性だった。
「父は私を無理やり側室に送り込もうとしました。私には当時、思いを通じた婚約者がいたのです。父はその婚約者の首を、私の目前ではねたのです。絶望に染まる私を見て、父はこう言い放ったのです。」
「くノ一で巫女たるお前が、恋だの愛だのほざくな。どんな事をしてでも他の妃を孕ませるな。その為に閨の技術までをも仕込んだんだ。世継ぎに他の穢れた血はいらん。お前が寵妃になり子を孕めば、何でも望みを聞いてやる。」
私は絶望にうちひしがれました。愛する人を目前で殺され、他に何を望むと言うのでしょう。この人を返せ!私には、それしか望みは有りませんでした。絶望を抱えたまま、私は後宮に放り込まれたのです。
しかし後宮は酷い所でした。後宮に通うのを義務としか感じていない皇帝。まるで欲望を吐き出す為だけの様に、妃達を手荒に扱う。私が入宮した際には、痣や怪我を負った者が沢山おりました。後宮には男性は入れません。男性しか医師になれぬ帝国では、後宮に医師は居ないのです。己達で庭で薬草を栽培してた位です。正直夜のお召しは、妃達には恐怖でしか無かったのです。
そんな中事件が起こりました。椿姫が入宮し初夜を迎えられた翌朝、椿姫の侍女が亡くなっているのが発見されたのです。入宮早々に大騒ぎです。
侍女の部屋は主人の隣の部屋です。その部屋のベッドには、間違いなく事後とわかる痕跡が残されていました。鮮血に染まるシーツに飛び散る飛沫。薙ぎ倒された家具類に床に散乱するゴミクズ。その散乱するゴミに紛れ、侍女は床の上で冷たくなっていたのです。
皇帝の初夜の夜の床入りは、予定よりかなり遅れました。皇帝が酔いをさましてたの事で、かなり遅くに椿姫の部屋に入ったのです。
これらの意味する事とは…。
後宮に入れる男性は皇帝のみ。つまり皇帝が彼女を手込めにして殺したのです。それしか考えられません。もしかしたら、椿姫の部屋と間違えたのかもしれません。去る時には彼女は生きていたのかもしれません。
しかしそれは言い訳にもなりません。彼女は死にました。それだけが事実なのです。しかし宰相はそれを病死と揉み消しました。皇帝は彼女の死亡を知ったのでしょうか?多分知らぬのでしょう。翌日からも同様の閨でした。後宮の妃達は皆震えました。次は我が身かもしれないと。そして私は決心したのです。
私は正妃になり皇帝の子を生む。宰相たる父は言ったのです。私が正妃になり世継ぎを生めば何でも望みを叶えると。ならば私はやり遂げる。私の望み。いえ、後宮の妃達の望みを叶える為。私達の願いは唯1つ。
後宮の廃止。
私の幸せはあの人が死んだ時に無くなった。ならば後の人生は人々に尽くそう。勿論皇帝にではない。
その日から私は、巫女として働いていた頃に懇意にしていた商人に頼み、色々な薬や品物を購入しました。私は避妊薬や簡易な毒薬や怪しい媚薬の入手と称し、父を欺き医薬品等も入手したのです。勿論薬品は妃達の治療に使用。避妊薬は妃達が望まぬ妊娠をしない為。例え望んだとしても、宰相たる父に知られれば殺されてしまいます。私は全ての妃の許可をとり、皇帝に避妊薬を盛り続けました。怪しげな媚薬は、皇帝に幻惑を見せる事により満足感を与える。精神を麻痺させ、1人でも盛り上がれる様にする物。錬金術師の男性は私達の境遇を哀れみ、様々な物を錬金してくれました。
ベッドで人形相手に戯れる皇帝様。哀れを通り越し滑稽でしたよ。
暫くすると他の妃から、椿姫の体調が優れないと聞いたのです。
そんな中、椿姫に2度目のお召しの知らせが来ました。体調が悪く、臥せる日も多い椿姫。私が交代を申し上げても、皇帝は順番だからと聞く耳を持ちません。私達は椿姫の無事を祈るしか有りませんでした。
深夜に楓が私の元へ飛び込んで来ました。皇帝は幻惑に上手くかかり、閨は暴力を振るわれずに済んだとの事。しかし先程起き出し、眠っていた椿姫に無体を働いている。椿姫はかなり顔色が悪く嘔吐を繰り返し、冷や汗までかいていた。それでも何とか言葉を発し、皇帝にお許し下さいと懇願する姫。皇帝は言う事が聞けぬのか!と、暴力を振るい組敷いてるそうだ。
しかし私達には助け出す術がない。皇帝は後宮での絶対者なのだから。悔しくて唇を噛み締め夜明けを待つ。皇帝が退出した合図と共に、私達は部屋へ飛び込みました。
部屋の隅で踞り、激しく嘔吐を繰り返す椿姫。シーツのみを羽織った体には、無数の痣が見え隠れしている。ベッドシーツには鮮血の跡。怪我をしてるなら治療をしなければ!
私達は彼女を湯ぶねに誘い体を清める。痣に薬を塗り込めながら、出血部を探すが見当たらない。お臍近くの痣に薬を塗り込み、まさかと戦慄する。
「椿姫?初夜から約3ヶ月です。月の物は有りましたか?」
・・・・・。
やはり。良く見るとお臍回りがふっくらとしている感じもする。あの男性用の避妊薬ならほぼ安全だと聞いていたのに何故?薬が切れたの?私は1週間おきに必ず…。
まさか初夜の時間が遅れたから効果が切れた?でも理由は兎も角、父に知られたら堕胎させられるか殺される。堕胎は死か子が出来なくなるかの2択の結果を招く。女が子を生むのも生死をかけなければならぬのに…。椿姫を死なせたくはない。お腹の子にも罪は無い。一体どうしたら良いの?
後宮の私達は一致団結し、一世一代の賭けに出たのです。
私は侍女長に面会し、お召しの順を決める仕事を任せて欲しいと頼みました。侍女長はかなりの年令で、毎月同じ物を使い回していました。順番が全く来ない妃が嘆いていると訴えたら、寵妃の私が言うなら間違いは無いだろうと快諾してくれたのです。私はまず、閨の順から椿姫の名を抜きました。そして椿姫の体調が回復次第、彼女を隠したのです。
その後は皆様もご存知の通りです。違う所は、椿姫を落としたのでは無く隠したと言う事。既にお気付きの方もいらっしゃる様ですが、3階層への階段の裏に地上への転位陣が有ります。私古の寵妃の隠されてた本を参考にし、1度楓と共に2階層を攻略しました。
後宮での調べの際に、穴の奥にうず高く積まれた白骨が有ったとお聞きしました。しかし私達が椿姫をお連れした時には無かった。多分それらは落とされ亡くなった、沢山の妃達の亡骸でしょう。聖域の繭は仮の聖域を作り出すのです。聖域では嘆きや悲しみが浄化されます。ダンジョンに怨嗟で囚われてた妃達。浄化された古の妃達の悲しみが、徐々に白骨として具現したのでしょう。しかし浄化されても、聖域の繭の結界からは出られない。結界が解除されたと同時に、白骨はダンジョンに還り魂は天に還った。これらは巫女の神通力。聖域の繭による浄化の力です。
流行り病で村が全滅してしまった時等に使用されます。村全体を聖域の繭で包み浄化をする。解放により、悲しみや苦しみで死して尚その地に縛られてしまう魂を天に還すのです。
その後椿姫を連れ、魔物を討伐しながら部屋に到着。復活していたボスを倒し、私は聖域の繭を発動させました。部屋内部は仮の聖域となりました。また聖域が周囲に及ぼす清浄化により、ダンジョンはその活動を停止したのです。これで椿姫は安全です。食事や必需品は、転位陣にて楓が運んでいました。その空箱で転位陣を隠蔽していたのです。
楓は椿姫を守っているとばかり…。魔物も出ぬのに何故?楓…。
「なら私を落としたは、私に椿姫を見付けて欲しかったから?」
「はい。私も商人と画策したりと、何とか椿姫を後宮から逃がそうとしました。しかし中ではくノ一が!外では忍者が邪魔をするのです。どうにも出来ぬ内に椿姫は臨月に…。焦る中、貴女の訪問を知りました。情報によれば、貴女は正妃を許否している。しかもお国は一夫一妻を唱える国。もしかしたらと、藁にもすがる思いでした。ご無礼を働き、本当に申し訳ございませんでした。」
女将さんには協力を仰げ無かったのかしら?
「手紙のやり取り位じゃ無理じゃ無い?キチンと伝われば助けてくれたと思う。でも女将はどちらかと言うと皇帝びいきだ。主と仰いでた人の子だからね。今回は椿姫の惨状を突き付けられたから助けたけど、己で確認しなければ動かないタイプだよ。良くイエバ慎重派って事。因みに後宮内のくノ一は皆、女将の弟子だよ。だから女将の声でも動く。それが動かず、今頃漸く動いてるのが証拠だよ。」
「今上にいる奴ら?」
「そう。女将に今の事をキチンと報告してよ。これが真実だ。皇帝が可愛いなら、キチンと躾をしなくちゃダメだ。宰相は破滅だから無理だし、これは貴女の役目だ。でなきゃ残虐無道な皇帝として名を残す事になる。被虐趣味の有る皇帝なんて、誰も妃になりたくない。しかし大人しそうな人間こそ怖いよね。」
グレイが話ながら天井を見上げて威圧を放つ。
確かに…。真面目な好青年だと思ってた。私も見る目が無いよね。
「まあダメなら僕が、天変地異1発で滅ぼしてあげる。神はちっぽけな島国位消しても変わらないと言ってる。だけど僕も鬼じゃ無い。これはアリーの親戚としての情けだ。」
この場の人達が息を飲み込む音がする。幼児の姿なのに、身から放つオーラに皆が圧倒させられる。
天井裏では、先程の威圧で何人か失神した様だ。
グレイ流石だね。
*****
「菊姫…。私を、お腹の子を助けてくれて有難う。そして楓を死なせてしまってごめんなさい。楓はお水を運搬中にくノ一に切られたと…。」
椿姫が目を開けた。その頬を涙が伝う。
「沢山助けて貰ったのに、私は楓に何もしてあげられ無かった。楓は最後まで私に生きて欲しいと言ったの。だから私は雨水を啜っても生きる覚悟をしたわ。」
菊姫が椿姫の側に駆け寄る。
「喋らなくて良いから!お願い休んで!無理しないで!私が脱出の手配に手間取り、楓だけにお世話を任せてたからいけないの!」
「…。食べ物も水も、重いのに楓は沢山備蓄してくれてた。節約したの。でも数日前に食べ物も無くなった。後は生きる為に、貯め置いた水だけ飲んでたの。もうダメだと思った時に…。」
椿姫が私を見上げた。
「助けて戴き、本当に有難うございます。私は生きたい。生きたいと私にしがみつく、お腹のこの子も助けたい。父親が誰でもこの子は私の子です。お願い。何も返せない私ですが、どうか私を助けて下さい!」
興奮して立ち上がろうとする椿姫。ルイスが彼女を押え布団に戻す。
椿姫はか弱いお姫様だと聞いてた。辛い境遇で強くなったのだろうか?それともお腹の子を守る為に強くなったの?きっと両方だよね。母は強しなんだよね。
小国とは言え姫君として生きて来た。その姫君が頭を下げ物事を願う。皇帝なら考えられぬ事だろう。そんな素直で正直な椿姫を、誰もが助けたいと思う筈!
「大丈夫!先ずは可愛い赤ちゃん誕生まで頑張ろう!少しでも食べて体力付けなきゃ。お腹の子は随分成長してるって。」
女将さんが丁度良いタイミングでお粥を盛って来てくれた。私も厨房を借りミルクを温め、砕いたクッキーを入れた。パン粥ならぬクッキー粥ね。元気の出るクッキー使用だよ。
椿姫はゆっくりと何度も食事をしながら、体力を温存する。その間に皆で、代わる代わる神通力を分け与える。神通力の人員が増えたので、ルイスは治療に専念する。お陰で椿姫もかなり回復してきた。
夜は女将がみていてくれた。
翌朝からまた戦争が始まる。
椿姫!赤ちゃん!頑張って!
****
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。