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16話:解決
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「お前達一体これは何事ですの?」
「セーブル王女がクリスタルに触れては危ないとの事で止めに来たのですが……」
一足遅かった様だな。もうとっくに触れて加護を与えてもらっている。
「その事なら大丈夫よ。触れた事で加護を貰いましたわ。触れてはいけないというのは間違いだったようですわ」
「何と……」
指揮官的な奴が困惑した表情を見せる。あの時こっそり抜けてこの祭壇まで来たはずなんだがこうやって来るぐらいだ。あのまま時間をおいて行こうものならこういう邪魔が入って面倒だったわけだ。
「そうだ。もう王女は傷も治り、覚醒なされた。これでこの国は安泰だな」
シドも自信有り気に言う。とはいえこうなるとこの後が問題なんだけどね。
「俺達は王様の元へ行く。そこをどいてくれないか?」
「その通りだ、どくんだ」
兵士達は困惑したまま動かない。恐らくクリスタルに触れようとするのを意地でも止めろという任務を、その公爵か王女か王子から受けていたのだろう。
「どうしたんだい?」
「いや……本当に加護を受けたのかと……」
全く往生際の悪い連中だな。いっそ反逆罪とかの強硬手段に出てくれれば楽だったんだけどね。
「王女の首飾りを見てみて。炎の加護を受けた者が持つと光るクリスタルの破片だ。今王女はクリスタルから加護を授かった。俺とシド騎士団長が証人だ」
「その通りだ。言いがかりをつけるようなら陛下にこの事を報告させてもらうぞ!」
シドの言葉に兵士達がビビる。まぁ報告はさせてもらうけどね。
「さぁどいたどいた」
兵士達を押しのけて洞窟を戻る。
結構な量の兵士を動員させているな。わざわざご苦労って感じだけど無駄足だったな。
洞窟の入り口まで戻ると、豪華な服装をしたのが数人待ち構えていた。
「セーブルこれは一体……」
「あらお姉さまご機嫌用~」
セーブルはご機嫌な様子で意気揚々と返す。なるほどこれが腹違いの姉か……確かに見た感じ力は感じないし、これはセーブルには遥かに劣るな。それで隣にいるのが兄でその隣が例の公爵ってとこかな。
「まさか……クリスタルに触れたのですか?」
「ええっ、火傷はこの方に治してもらいましたわ。それでこの方の助言でクリスタルに触れ、会話をして加護を貰いました。これが証拠のクリスタルの欠片ですわ」
首にかけたクリスタルの破片を自慢気に見せる。それを見た三人は目を点にして、絶句する。
「どうやらお姉さま方の触れたらヤバいは間違いで、触れないとヤバかったみたいですわ~」
「まぁ何はともあれセーブル様のお身体が良くなられた。これにてこの問題は解決ですな」
セーブルとシドはそのまま通り過ぎて城に向かっていく。二人について行く俺だが、三人が凄い形相で二人を睨みつけている。こりゃこの後がヤバそうだ。
◇
「そうか!無事加護を貰う事が出来たのか!」
「はいお父様!」
二人してご満悦だ。特に王様の方は心底嬉しそうだ。
「これで王位継承権はセーブルで決まりだな」
「えっ……もう決まりですか?」
「当然だ。クリスタルの加護を受けた者が王位継承権の優先順位が高くなるのは当然の事だ。私も加護を受け、王位を継承したからな」
そりゃ本気で阻止したくなるのは無理もないな。これであいつらに王位継承する権利がなくなったと言っても過言ではないからな。
「おめでとうセーブル王女」
「ありがとうジン……あなたのお陰よ」
「私からも是非お礼がしたい。金貨五千枚ほどでどうかな?」
金貨五千枚……白金貨にして五百枚か……悪くないお金だ。何よりパーティで行動する為の資金になるな。
「そんなに貰っていいのですか?」
「当然ですわ。この私の人生を変えてくれたあなたですもの」
「その通りだ。私としても一番才能あるセーブルに王位を継がせたかった。それが叶うきっかけをくれたお主には感謝してもしきれない」
ここまで感謝をされては受け取るしかないな。ありがたく頂戴しましょう。
「そういう事ならありがたく頂きます」
「うむ、それで物は相談なんだが是非城で私に仕えてはくれないだろうか?」
「それがいいわね。ジンなら大歓迎よ」
こういう話はありがたいけど俺はあくまでも旅が目的だからな。ここは丁重にお断りささせてもらうか。
「凄く光栄な話なのですが、僕自身仲間と旅をしていましてね……仲間と冒険して世界を見るという旅の最中なんですよ……」
さも申し訳なさそうな顔をしながら頭を下げる。城でのんびり暮らしてもそんなにおもしろくなさそうだからな。
「そうか……それは残念な話だ……」
「だったら私も一緒にいいかしら?」
「えっ……」
それは予想外の展開なんだが……いやでも炎の加護は仲間にいないしこれで四人揃うか……いや王女様連れて行くのはちょっと重荷かな。
「私の問題を解決してくれたジンなら背中を任せられるわ」
「いやしかしですね……確かに僕はあなたを助けましたが、素性の見えない人間を一度救って貰ったからといって、易々と信用してしまうのは王女としてはいかがなものかと……」
まぁ俺は紳士だからそういう事はしないし、仲間の為に命張れますけどね。
「忠告ありがとう。そういう事言ってくれるジンならなお信用できるわ」
「えっ……」
「ジン殿是非娘をお願いしたい。まだ十六歳と若いが才能に溢れ、頭もいい。役に立つこと間違いなしだ。それにジン殿なら安心して任せられます」
まじか……王女パーティに入れる感しか。でも渋るわけにもいかないか……
「私じゃ駄目かしら……」
そういう哀しそうな目でこっち見ないでくださいな……視線が痛い。
「全然歓迎なんですけど、王女を外の世界を連れ出すと言うのは何かあった時がヤバいかなと」
「なるほど……だが今セーブルにとっては城も危ないかもしれない。この意味わかってくれるだろうか?」
王様は真剣な眼差しでこちらを見る。確かに王位継承を決定つけてしまったからな。命を狙われる可能性があるだろう。となれば暫くこっちで守った方が都合がいいのかもしれないな。向こうから仕掛けてきてくれれば、潰す事もできるだろうし。
「ですね……ここまでしてしまった以上は責任を取りましょうか」
もし城に残し、命が絶たれるような事があっては責任とれないからな。
「じゃあ!」
「ああ!だけど、仲間が三人いて一緒に会って面談って事でいいかな?丁度炎の加護の人いないから歓迎されるとは思うけどね」
後はもう流れに任せよう。恐らく三人なら歓迎してくれるだろう。
「セーブル王女がクリスタルに触れては危ないとの事で止めに来たのですが……」
一足遅かった様だな。もうとっくに触れて加護を与えてもらっている。
「その事なら大丈夫よ。触れた事で加護を貰いましたわ。触れてはいけないというのは間違いだったようですわ」
「何と……」
指揮官的な奴が困惑した表情を見せる。あの時こっそり抜けてこの祭壇まで来たはずなんだがこうやって来るぐらいだ。あのまま時間をおいて行こうものならこういう邪魔が入って面倒だったわけだ。
「そうだ。もう王女は傷も治り、覚醒なされた。これでこの国は安泰だな」
シドも自信有り気に言う。とはいえこうなるとこの後が問題なんだけどね。
「俺達は王様の元へ行く。そこをどいてくれないか?」
「その通りだ、どくんだ」
兵士達は困惑したまま動かない。恐らくクリスタルに触れようとするのを意地でも止めろという任務を、その公爵か王女か王子から受けていたのだろう。
「どうしたんだい?」
「いや……本当に加護を受けたのかと……」
全く往生際の悪い連中だな。いっそ反逆罪とかの強硬手段に出てくれれば楽だったんだけどね。
「王女の首飾りを見てみて。炎の加護を受けた者が持つと光るクリスタルの破片だ。今王女はクリスタルから加護を授かった。俺とシド騎士団長が証人だ」
「その通りだ。言いがかりをつけるようなら陛下にこの事を報告させてもらうぞ!」
シドの言葉に兵士達がビビる。まぁ報告はさせてもらうけどね。
「さぁどいたどいた」
兵士達を押しのけて洞窟を戻る。
結構な量の兵士を動員させているな。わざわざご苦労って感じだけど無駄足だったな。
洞窟の入り口まで戻ると、豪華な服装をしたのが数人待ち構えていた。
「セーブルこれは一体……」
「あらお姉さまご機嫌用~」
セーブルはご機嫌な様子で意気揚々と返す。なるほどこれが腹違いの姉か……確かに見た感じ力は感じないし、これはセーブルには遥かに劣るな。それで隣にいるのが兄でその隣が例の公爵ってとこかな。
「まさか……クリスタルに触れたのですか?」
「ええっ、火傷はこの方に治してもらいましたわ。それでこの方の助言でクリスタルに触れ、会話をして加護を貰いました。これが証拠のクリスタルの欠片ですわ」
首にかけたクリスタルの破片を自慢気に見せる。それを見た三人は目を点にして、絶句する。
「どうやらお姉さま方の触れたらヤバいは間違いで、触れないとヤバかったみたいですわ~」
「まぁ何はともあれセーブル様のお身体が良くなられた。これにてこの問題は解決ですな」
セーブルとシドはそのまま通り過ぎて城に向かっていく。二人について行く俺だが、三人が凄い形相で二人を睨みつけている。こりゃこの後がヤバそうだ。
◇
「そうか!無事加護を貰う事が出来たのか!」
「はいお父様!」
二人してご満悦だ。特に王様の方は心底嬉しそうだ。
「これで王位継承権はセーブルで決まりだな」
「えっ……もう決まりですか?」
「当然だ。クリスタルの加護を受けた者が王位継承権の優先順位が高くなるのは当然の事だ。私も加護を受け、王位を継承したからな」
そりゃ本気で阻止したくなるのは無理もないな。これであいつらに王位継承する権利がなくなったと言っても過言ではないからな。
「おめでとうセーブル王女」
「ありがとうジン……あなたのお陰よ」
「私からも是非お礼がしたい。金貨五千枚ほどでどうかな?」
金貨五千枚……白金貨にして五百枚か……悪くないお金だ。何よりパーティで行動する為の資金になるな。
「そんなに貰っていいのですか?」
「当然ですわ。この私の人生を変えてくれたあなたですもの」
「その通りだ。私としても一番才能あるセーブルに王位を継がせたかった。それが叶うきっかけをくれたお主には感謝してもしきれない」
ここまで感謝をされては受け取るしかないな。ありがたく頂戴しましょう。
「そういう事ならありがたく頂きます」
「うむ、それで物は相談なんだが是非城で私に仕えてはくれないだろうか?」
「それがいいわね。ジンなら大歓迎よ」
こういう話はありがたいけど俺はあくまでも旅が目的だからな。ここは丁重にお断りささせてもらうか。
「凄く光栄な話なのですが、僕自身仲間と旅をしていましてね……仲間と冒険して世界を見るという旅の最中なんですよ……」
さも申し訳なさそうな顔をしながら頭を下げる。城でのんびり暮らしてもそんなにおもしろくなさそうだからな。
「そうか……それは残念な話だ……」
「だったら私も一緒にいいかしら?」
「えっ……」
それは予想外の展開なんだが……いやでも炎の加護は仲間にいないしこれで四人揃うか……いや王女様連れて行くのはちょっと重荷かな。
「私の問題を解決してくれたジンなら背中を任せられるわ」
「いやしかしですね……確かに僕はあなたを助けましたが、素性の見えない人間を一度救って貰ったからといって、易々と信用してしまうのは王女としてはいかがなものかと……」
まぁ俺は紳士だからそういう事はしないし、仲間の為に命張れますけどね。
「忠告ありがとう。そういう事言ってくれるジンならなお信用できるわ」
「えっ……」
「ジン殿是非娘をお願いしたい。まだ十六歳と若いが才能に溢れ、頭もいい。役に立つこと間違いなしだ。それにジン殿なら安心して任せられます」
まじか……王女パーティに入れる感しか。でも渋るわけにもいかないか……
「私じゃ駄目かしら……」
そういう哀しそうな目でこっち見ないでくださいな……視線が痛い。
「全然歓迎なんですけど、王女を外の世界を連れ出すと言うのは何かあった時がヤバいかなと」
「なるほど……だが今セーブルにとっては城も危ないかもしれない。この意味わかってくれるだろうか?」
王様は真剣な眼差しでこちらを見る。確かに王位継承を決定つけてしまったからな。命を狙われる可能性があるだろう。となれば暫くこっちで守った方が都合がいいのかもしれないな。向こうから仕掛けてきてくれれば、潰す事もできるだろうし。
「ですね……ここまでしてしまった以上は責任を取りましょうか」
もし城に残し、命が絶たれるような事があっては責任とれないからな。
「じゃあ!」
「ああ!だけど、仲間が三人いて一緒に会って面談って事でいいかな?丁度炎の加護の人いないから歓迎されるとは思うけどね」
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