元勇者で神に近い存在になった男、勇者パーティに混じって魔王討伐参加してたら追い出されました。

明石 清志郎

文字の大きさ
18 / 47

18話:魔獣討伐と襲撃

しおりを挟む
 セーブルを連れて早速依頼を受けた。王女とはいえ一緒に旅をする仲間として冒険者ギルドへの登録を済ませた。今回倒すのは獰猛な魔獣であるメガザウラーだ。

 「来たよ!二人ずつに分かれて!」

 シーラとミーナ、リオとセーブルの二手に分かれる。俺はと言うと真ん中に立って、とりあえず囮だ。木々のない荒野での戦いだけに、短期決戦で終わらせたい所だ。

 「魔法剣ソイル!」

 シーラはすっかり魔法剣を武器に戦っている。初めて会った時に比べると水を得た魚のように違う。直接戦闘では戦いにくい敵もいたが、魔法剣によってそれを補う事が出来ているからだ。特にメガザウラーのような外面の鱗が堅い敵は魔法が有効な事も多い。

 「シーラ、メガザウラーは攻撃こそ単調だけど、当たればそれなりに喰らうから、いいとこで撤退してね」
 「了解!」

 これは俺の指示の元、四人がメガザウラーを倒せるかどうかという一種の試験だ。セーブルを加えた四人で連携して戦えるかどうかの確認でもある。シーラは後退し後ろに下がると、メガザウラーはシーラに向かって突進をする。

 「アクアランス!」

 ミーナは俺の指導で良く使う攻撃魔法は無詠唱で使えるようになった。これは第四位階魔法だが、出会った当初は詠唱なしでは魔法を発動出来なかったので、これもまた凄い進歩だ。水の槍がメガザウラ-に当たり怯む。

 「今だ!」
 「大いなる風の精霊集え!エアロバースト!」

 リオのこの魔法は第五位階魔法だ。どうも小さい頃魔法教育を施されているのか元々レベルが高い。クリスタルの欠片を持っているだけに、何かあるのだろう。今回は魔法のみだが、弓が得意らしいので今度はそれも見せて貰うつもりだ。

 「止めよ!大いなる炎よ一つに、炎の精霊に誓い、放たれよ……エクスプロージョン!」

 爆発を起こす第五位階魔法だ。セーブルは言うことなしだ。というか四人の勇者をも凌ぐだろう。炎の加護を持っていた桜と比較しても生まれ持った才能が違う。勇者パワーがあっても追いつけないぐらいに愛されているからな。

 メガザウラーはその場で倒れる。

 「やったかしら?」

 俺が近づき倒れたメガザウラーを確認する。

 「しっかり倒せてるよ!」
 「やった!」

 シーラが歓喜し、俺の元に来る。出会った時では倒せるレベルではなかっただろうからな。

 「おめでとう」
 「私の魔法剣どうだった?」
 「うん!前よりも精度が上がってきてるよ」
 
 最近のシーラは戦闘の度に自分の魔法剣がどうだったかをよく聞いてくるようになった。それだけ向上心が高い証なのだろう。

 「なら良かった~もっともっと頑張るわ」

 というのもシーラにはある程度向上したら魔剣を進呈する約束をしてしまった。それが彼女のモチベーションを上げているのも原因の一つだ。

 「別に魔剣は逃げないから、焦らずだよ。無茶するとあげないからね」

 一応釘はさしておかないとだな。それで無理をされて何かあっては本末転倒だからな。

 「わかってるって~」
 「気持ちばかり先行すると戦闘で足元巣くわれるから、気をつけてね」
 「それは大丈夫よ。戦闘の時はしっかり集中してるから」
 「ジンさん私の魔法はどうでした?」

 話してる間にミーナが来る。

 「ああ、無詠唱でのアクアランスはしっかり練習通りの成果が出ていたね」
 「はい!私ももっと強い魔法を習得したいです」

 この子もシーラに負けず劣らずの勉強家だからな。二人とも前に何かに見返したいなんて言っていたからそれがあるのかもしれないな。

 「ハハッ、焦らずともそのうち第七位階までは習得できるさ」
 
 ミーナの話では第七位階を自由に行使することが出来るのは数える程しかいないらしいな。

 「はい!頑張ります!それと……」

 ミーナが顔を赤くしてモジモジしている。

 「どうしたの?」
 「今日は是非私の頭を撫でてくれればなって……」
 「ああ!」

 ミーナの頭を撫でる。ミーナは最近気があるのかボディタッチも一番だ。まぁ歓迎だがね。

 「ちょっとジン!ミーナばっかりずるいでしょ!ミーナにやるなら私にもやりなさいよ!」
 
 ちょっとそこ張り合わんでも。まぁ片方だけという訳にもいかないか……

 「ハハッ、わかったよ」

 シーラの頭を撫でると今度は戻ってきた二人からジト目で見られる。

 「ちょっとジン!私もそれやって!」

 せがんできたのはセーブルだ。これ見られながらやるの恥ずかしいんですよ。そのうちハグとかどんどんエスカレートしていきそうで怖いな。

 「もうセーブルまで~」

 セーブルの頭を撫でると機嫌良さそうにニコニコする。

 「リオはどうする?」
 「何よそれ?三人だけやって私だけやらないつもり?」

 この中で一番大人っぽいリオだけは、その流れを斬ってくれそうな感じがしたんだけど、違ったようだ。

 「それじゃあリオも」
 「フフッ、優しくね」

 うわっ……そんな事言われたら俺でも緊張しちゃうな。

 「こんなんでどう?」
 「いいわ、ありがとう」

 すると横でムスッとする三人。いや全員均等にやりましたよ?

 「私の時より少し長いですよジンさん!」
 「そうね!」
 「不公平は良くないわ!」

 三人して何を言ってるんや!

 「いやそんな事ないよ。ねぇリオ?」
 「少し長かったかもね~私としては満足よ~」

 そこはフォローしてくれるのが普通じゃ……しかも顔ニヤついて楽しんでやがるな。

 「リオまで何を言って……」

 ムッ……何かが飛んでくるな。

 「マスターシールド!」

 俺達全員を包むようにバリアを貼る。すると矢がシールドに弾かれる。

 「みんな俺の傍に!」

 すると複数の矢が俺達に向かって飛んできたのだ。

 「これは何?」
 「わからない……」

 盗賊かもしくは……仕掛けてきてくれたんなら丁度いいか……

 「大丈夫なの?」

 セーブルは心配そうな目で俺を見る。この程度で狼狽える俺ではないさ。

 「問題ないよ。想定内だ」

 さてこの矢の数と方向からして放っているのは十人。人の気配はその倍の二十人といったところか。

 「大地の嘆き!」

 第八位階魔法で周囲に地震を起こす魔法だ。

 「何この揺れ……」
 
 大きな地震を起こした事で高台の上にいる狙撃手達が動揺し、姿を見せる。

 「ヴァイスシュヴァルツ!」

 無数の白と黒の弾丸を放つ第八位階魔法だ。弾丸一つ一つに追尾機能を持つので、散っている狙撃手に向かって攻撃する。勿論集中砲火なんざしたら死んでしまうどころか体も残らないので、当てる弾丸はごく僅かで威力も下げる。

 「狙撃手に向かって飛んでいく!」

 どうやら全員にしっかりと当たってくれたようだな。

 「凄い……」
 「だから心配ご無用って言ったでしょ」

 俺は常に強くこの子達の支えでなくてはならないからな。あらゆる場面において油断をしないつもりだ。

 「ハハッ……ジンのとんでも魔法がまた炸裂したわね~」
 「セーブルさんもこの先こういう事多々あるので慣れておいた方がいいですよ~」
 「そうね。私も最初見た時はポカーンって感じだったわ~」
 
 みんな呆れたような感じだ。最近は慣れてきてくれたようで何よりだ。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...