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周りの視線
しおりを挟む朝、登校してみると、噂になっていた。
『シュリエル様、婚約破棄されるそうよ。』
『お可哀相に。』
貴女達が心に思っているのは同情?優越感?興味?それともいい気味だ、とでも思っているの?
皆が皆私を憐憫の目で見てくる。
帰りたくなるけれど、私は今までの私じゃないわ。
堂々と授業を受けて、休憩時間には図書室で読書していようと思います。
「御機嫌よう、シュリエル。」
「御機嫌よう、ベルベラ。」
こんな私に話しかけて下さった方は、ベルベラ。
私の大の親友で、可愛らしいよりも美しいが似合う方です。
「シュリエル、噂の渦中ですわね。」
「ええ、本当に。そのようですね。」
「あら。」
「?如何なさいましたか?」
ベルベラがビックリなさっている。
そんな顔もお美しい。美人は得ですね。
「意外…でしたの。今までの貴女でしたら、煙に巻こうとしようとなさるかな、と思っていたのだけれど。………何か…変わりましたわね。」
流石は親友。
「フフ、そうなんですよ。もっと自分らしく生きようと思いましたの。」
思わず笑みが零れてしまうのはご愛嬌。
「そうですの。私はそちらの方がシュリエルの心に触れられるようで嬉しいですわ。」
「あら、前の私はお嫌いですか?」
「あ、いえ。そんなことはないのよ?」
慌て始めるベルベラが面白くて、笑っちゃった。
「あ、今私を笑いましたね?酷いですわ!」
「フフフ、ごめんなさいね。フフ。」
「もう!」
2人で顔を見合わせて笑う。
本心で話すって、こんなに楽しいんだ!
雑談してるうちに授業が始まりました。
「ふぅ。」
まさか授業中も視線を感じるとは。
予想外でした。
でも、気にしません。
さあ、図書室に行こう。
うちの学校の図書室はとても広くて、膨大な量の本があるのです。
レパートリーも多く、絵本や漫画から、辞書や図鑑、歴史の本等まで。
私は小説を読み漁っていますけれど。
また、図書室には鍵付きの書庫があり、そこには学校長が持っている鍵が無いと入れないとか。
少し、いや、凄く興味があります。
でも、学園長に会えるなどと思い上がれるほど図々しくないですよ、私。
まあ、そんなことは置いておいて。
今日読みに来たのは冒険小説。
時間はたっぷりあるので、じっくり読んでいきます。
「ふんふふーん、ふふーん、んふふー。」
楽し過ぎて、鼻歌を歌う等という淑女にあるまじき失態を犯していますが、図書室には誰も居ないので、セーフです。
見られたら完全にアウトですけども。
「ふふふんふふーん。」
足もユラユラ揺らしちゃいます。
最近ストレス多かったんですもの。
これぐらい許されるべきよ!
「ふふーん、ラララー、ルルルー、タリラッタッタッター。ふふふーん。」
歌も出ちゃいます。
仕方ないです。
楽しいのが悪いんです。
「か、可愛い!」
「ひゃあ!?」
不意に声が聞こえて、思わず肩がビクッとしました。声も出ちゃったし。
恥ずかしい。
しかも、もしかしてだけどさっきの鼻歌聞かれてた?
ほわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
ぎこちない動きで声がした方を見てみると、男子生徒の姿。
あ、あ、あ、アウトーーーーーーーーーー!!!!!!!!
あの顔、見たことがあります。
確か……
「リースレイ・アイングラッド様……?」
この国で1番強い魔力を持つ家のご嫡男様。
そんなお方が、どうしてこんな所に?
「っ!お初にお目にかかります。私、シュリエル・ミルネシアルと申しますわ。」
身分はあちらのほうが上。
身分が違う者と目が合った場合、身分が下の方から挨拶するのがこの国の常識。
私だってお嬢様言葉使えるのですよ?
ただ、普段使わないから咄嗟の時に出ないだけで。
「そんなことより!シュリエルちゃん!」
「…?はい。」
「僕のお嫁さんになってよ!」
は…………?
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