好きになって貰う努力、やめました。

たなか

文字の大きさ
3 / 11

心に秘めた決意

しおりを挟む



「お母様!!!!!!」
「ごめんね、エル。こんなお母様でごめんなさいね。」
「何で!!!!!!何でお母様がこんな目に合わなくちゃいけないの!?こんなの変だよ!!!!!!」
「エル。」
「お母様!!!!!!行かないでよ!お母様!!!!!!!!!!!!待ってよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「メイレーン。時間だ。」
「…っ!承知致しました。ミルネシアル公爵。」
「お母様!!!!!!!!!!!!!!!!!!何で!!!何でよ!!!!!!!!!!」
「シュリエル。もうアレは母ではない。」
「何で!!!」
「五月蝿い。」

バチン!


「ゲホッ!」
痛い。痛い。痛い。 


悲しい。悲しい。悲しい。


悔しい。悔しい。悔しい。


「お…母様…。お父……様………どう…して…………?」
「おい誰か。コイツを地下牢に入れておけ。」












「………ぁ」

夢?久しぶりに懐かしい夢を見た。
昨日あんな事があったからかな。








小さい頃に、両親が離婚した。
貴族界の離婚なんて醜聞でしかないから、ただ屋敷内でも違う所に住むだけなんだけどね。

お母様の後釜におさまったのは胸が大きくて媚を売るのが上手な方だった。


だから、その時に知ったの。
愛される為には愛されるように努力しなくてはいけないって。

女の人は特に。どう頑張っても男の人みたいになれないから。剣を振る力も無ければ、皆を支える権力も男の人に比べて小さい。所詮、子供が産めればどうなっても良いっていう存在なのでしょうね。
違う所もあるのかもしれない。でも、私が育った環境はそうだったから。

だから、男の人に好かれるように愛されるように護られるように努力しなくちゃいけないって。それから私は料理も勉強も作法も完璧にした。



でも、違ったのね。
男の人は自分が守ってあげたくなるようなか弱い女の子が好きなんだね。
愛される為には、強くなってはいけなかったんだね。


ああ、失敗したな。


何でこうなっちゃったんだろう。




涙がほおを伝う。


ああ!もう!最近泣いてばかりだな。



家では肩身が狭かった。
今は寮生活だから良いけど。

もし…あのまま、家に居たら………


私は…殺されていたかもしれない………



「…………その方が良かったのかな。」

女は役立たずだからって殴られる蹴られるし。

唯一の使い道である婚約ももうすぐ破棄されるし。



もう一生誰にも迷惑をかけたくないな。



1人暗い部屋で考え込むと、暗い思考を止められない。



こんなに陰気な私を愛してくれる人なんている訳ない。
自分で自分を愛してあげられない人なんかを愛してくれる人なんている訳ない。

小説でも、いつだって主人公が明るいから優しいから自分を貫いているから皆に愛されているんだ。




何しても愛されないなら、もう辞めていいよね?

愛される努力なんてもう出来ないよ。
どうせもう誰にも好かれないんだから。

少しでも好きになれる自分にならなくちゃ。

私が私じゃなくなっちゃうみたいな嘘はもう終わりにしよう。



それが正しいと信じていたから、自分の色を上から白で塗りたくれた。
本当は真っ黒なのに、浅ましくも真っ白になろうとしていた。


ああ、汚い。
私の存在が汚い。



こうやって小さい頃から自己嫌悪を繰り返していた。

何度も何度も自分に刷り込むように。





でも、もうやりたくないの。



「明日の私は新しい私。周りなんて気にしない。自己中って言われても協調性が無いって言われても仕方ないじゃない。」






だってそうしたのは貴方達よ?



何てね。





「明日は学校頑張ろう!!!!!!」
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました

小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」 二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。 第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。 それから二十年。 第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。 なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。 不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。 これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。 ※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。

【完結】そんなに嫌いなら婚約破棄して下さい! と口にした後、婚約者が記憶喪失になりまして

Rohdea
恋愛
──ある日、婚約者が記憶喪失になりました。 伯爵令嬢のアリーチェには、幼い頃からの想い人でもある婚約者のエドワードがいる。 幼馴染でもある彼は、ある日を境に無口で無愛想な人に変わってしまっていた。 素っ気無い態度を取られても一途にエドワードを想ってきたアリーチェだったけど、 ある日、つい心にも無い言葉……婚約破棄を口走ってしまう。 だけど、その事を謝る前にエドワードが事故にあってしまい、目を覚ました彼はこれまでの記憶を全て失っていた。 記憶を失ったエドワードは、まるで昔の彼に戻ったかのように優しく、 また婚約者のアリーチェを一途に愛してくれるようになったけど──…… そしてある日、一人の女性がエドワードを訪ねて来る。 ※婚約者をざまぁする話ではありません ※2022.1.1 “謎の女”が登場したのでタグ追加しました

【完結】ブスと呼ばれるひっつめ髪の眼鏡令嬢は婚約破棄を望みます。

はゆりか
恋愛
幼き頃から決まった婚約者に言われた事を素直に従い、ひっつめ髪に顔が半分隠れた瓶底丸眼鏡を常に着けたアリーネ。 周りからは「ブス」と言われ、外見を笑われ、美しい婚約者とは並んで歩くのも忌わしいと言われていた。 婚約者のバロックはそれはもう見目の美しい青年。 ただ、美しいのはその見た目だけ。 心の汚い婚約者様にこの世の厳しさを教えてあげましょう。 本来の私の姿で…… 前編、中編、後編の短編です。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...