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邂逅と絡み合い
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戸谷は学生時代常にトップであり続けた。中学校時代は5教科で500点満点を取った事もある。高校時代も学年順位は1番しか取った事がなかった。そんな戸谷に対して転換点を迎える日がやって来た。
「今日から留学生が来ます」
教壇に立った教師が入り口から生徒を招き入れると、入って来たのは色が白く、目の青い爽やかな青年だった。
「アメリカのオックスフォード大学から交換留学生として来てくれました」
「トーマス・星輝・ウィリアムスです」
片言などでは無く、しっかりと日本語の発音でハキハキと自己紹介を済ませた瞬間、クラス中の女子から歓声が上がった。彼は全てを兼ね備えていた。どことなくアメリカの俳優エズラ・ミラーの様な美しい顔立ちと、はにかんだ笑顔、顔だけでは無く、高身長で名門大学からの留学と言う肩書き全てが女子全員を虜にしてしまった。綾子もそんな女子の一人で、特に彼女は初恋の相手から今まで外国人しか好きになった事が無かった。得意の英語もアメリカ人と喋る事を目標に頑張って来た。
「綾子、固まりすぎだって」
綾子の横に座る美智恵がイジる様に肘で体を突くと、バランスを崩した綾子が席から転げてしまう。クラスの視線が綾子に降り注ぐ中、教壇にに手をかけ飛び越えて颯爽とトーマスが綾子の前に立ち、手を差し伸べる。そして、少し目を上にやり、言葉を選びながら、
「どうぞ、私の手をお使いください」
まるでどこかの国の王子かの如く、爽やかな笑顔で綾子の手を握り上半身を後ろに傾けて、綾子を引き上げた。その一連の動作、所作にクラスの女子が歓喜の悲鳴を上げた。場が収まり、綾子が着席すると二人の隣に戸谷が現れて着席した。
「お前ら、理Iじゃ無くて教育学部だろ」
周りに聞こえない様に小声で突っ込むが、口を指に当てて煩いと言わんばかりに睨みつけた。
二人は事前に外国人留学生が来ると情報を仕入れたクラスに忍び込んでいたのだった。
「だって、イケメンの外国人だがぁ。朝日高校のマイケル先生より爽やかだらぁ」
綾子は悪びれた様子もなく、高校時代に
憧れていた外国人教師と比較して開き直ってみせた。
「本当に外国人に弱すぎだろ」
戸谷が呆れてしまうが、高校時代から綾子の外国人好きはクラスで有名だった。
「イケメンは存在だけで神なのに・・・さっきの見た?お使いくださいだがぁ。かなわんてぇ」
綾子は名古屋弁を全開で興奮している。
「お前普段大人しいのに、興奮すると言葉が汚くなるよな」
綾子の勢いに押されて呆れてしまう。日本人ではとても使いこなせない言葉を、言葉選びに迷ったとは言え、慣れない日本語でさりげなくやるトーマスに綾子は憧憬していた。普段は誰に対しても優しく、大人しい綾子だったが、外国人相手には子供の様に無邪気に興奮してしまう。
「戸谷もやりなよ。実家金持ちだし、頭良くて、スポーツも出来て万能なんだから」
そんなやり取りを聞いていた美智恵が戸谷に紳士的な振る舞いを求めた。
「そこまで褒めるなら顔も褒めろよ」
「トーマスを見た後じゃ無理だって、それに・・・」
美智恵は戸谷を上から少し見下ろす様に悪びれも無く笑った。戸谷自身は日本人としてはイケメンの部類に入るが、トーマスは別格だった。少女漫画やアニメに出てくる金髪が似合う女子の憧れが全て詰まった宝だった。それでいて甘い言葉を駆使されたら刺さらない女子はいない。恋愛バロメーターが存在していたら、このクラスの女子全員が振り切っていただろう。
「はいはい」
美智恵の低身長ネタに慣れている戸谷が受け流すと美智恵が話を変えてきた。
「今日から留学生が来ます」
教壇に立った教師が入り口から生徒を招き入れると、入って来たのは色が白く、目の青い爽やかな青年だった。
「アメリカのオックスフォード大学から交換留学生として来てくれました」
「トーマス・星輝・ウィリアムスです」
片言などでは無く、しっかりと日本語の発音でハキハキと自己紹介を済ませた瞬間、クラス中の女子から歓声が上がった。彼は全てを兼ね備えていた。どことなくアメリカの俳優エズラ・ミラーの様な美しい顔立ちと、はにかんだ笑顔、顔だけでは無く、高身長で名門大学からの留学と言う肩書き全てが女子全員を虜にしてしまった。綾子もそんな女子の一人で、特に彼女は初恋の相手から今まで外国人しか好きになった事が無かった。得意の英語もアメリカ人と喋る事を目標に頑張って来た。
「綾子、固まりすぎだって」
綾子の横に座る美智恵がイジる様に肘で体を突くと、バランスを崩した綾子が席から転げてしまう。クラスの視線が綾子に降り注ぐ中、教壇にに手をかけ飛び越えて颯爽とトーマスが綾子の前に立ち、手を差し伸べる。そして、少し目を上にやり、言葉を選びながら、
「どうぞ、私の手をお使いください」
まるでどこかの国の王子かの如く、爽やかな笑顔で綾子の手を握り上半身を後ろに傾けて、綾子を引き上げた。その一連の動作、所作にクラスの女子が歓喜の悲鳴を上げた。場が収まり、綾子が着席すると二人の隣に戸谷が現れて着席した。
「お前ら、理Iじゃ無くて教育学部だろ」
周りに聞こえない様に小声で突っ込むが、口を指に当てて煩いと言わんばかりに睨みつけた。
二人は事前に外国人留学生が来ると情報を仕入れたクラスに忍び込んでいたのだった。
「だって、イケメンの外国人だがぁ。朝日高校のマイケル先生より爽やかだらぁ」
綾子は悪びれた様子もなく、高校時代に
憧れていた外国人教師と比較して開き直ってみせた。
「本当に外国人に弱すぎだろ」
戸谷が呆れてしまうが、高校時代から綾子の外国人好きはクラスで有名だった。
「イケメンは存在だけで神なのに・・・さっきの見た?お使いくださいだがぁ。かなわんてぇ」
綾子は名古屋弁を全開で興奮している。
「お前普段大人しいのに、興奮すると言葉が汚くなるよな」
綾子の勢いに押されて呆れてしまう。日本人ではとても使いこなせない言葉を、言葉選びに迷ったとは言え、慣れない日本語でさりげなくやるトーマスに綾子は憧憬していた。普段は誰に対しても優しく、大人しい綾子だったが、外国人相手には子供の様に無邪気に興奮してしまう。
「戸谷もやりなよ。実家金持ちだし、頭良くて、スポーツも出来て万能なんだから」
そんなやり取りを聞いていた美智恵が戸谷に紳士的な振る舞いを求めた。
「そこまで褒めるなら顔も褒めろよ」
「トーマスを見た後じゃ無理だって、それに・・・」
美智恵は戸谷を上から少し見下ろす様に悪びれも無く笑った。戸谷自身は日本人としてはイケメンの部類に入るが、トーマスは別格だった。少女漫画やアニメに出てくる金髪が似合う女子の憧れが全て詰まった宝だった。それでいて甘い言葉を駆使されたら刺さらない女子はいない。恋愛バロメーターが存在していたら、このクラスの女子全員が振り切っていただろう。
「はいはい」
美智恵の低身長ネタに慣れている戸谷が受け流すと美智恵が話を変えてきた。
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