Last Lesson

駄文のヒロ

文字の大きさ
25 / 31
アナザーストーリー裏設定

彼女の孤立

しおりを挟む
 シークエンス:彼女(未接種)が社会から浮いていく過程

 ① 放課後 ― 教室(最初は軽い違和感)

【教室 ― 夕方】

 机を囲んで、クラスメイト数人がスマホを見ている。

クラスメイトA「エデンベクター、
        来週から学校でも接種できるらしいよ」

クラスメイトB「早く終わらせたいよね。
        就活にも影響するって」

 如月澪、少し離れた席で聞いている。

クラスメイトA(彼女に)「澪は?」

 「……アレルギーあるから」

 クラスメイトB「あー、そっか」

 一瞬の沈黙。

 クラスメイトA(明るく)「ま、仕方ないよね」

 話題が変わる。
 彼女は、もう輪の中にいない。

 (この時は、まだ「特別」だった)

 ② 駅前カフェ ― 注意書き

【カフェ ― 夜】

 入口に新しい張り紙。

「エデンベクター未接種の方は店内利用をご遠慮ください」

 澪、立ち止まる。

店員(丁寧に)「テイクアウトでしたらご利用いただけます」

 「……大丈夫です」

 店を出る。

(いつから、説明しないといけなくなったんだろう)

 ③ 家 ― 母親との会話

【彼女の家・キッチン ― 夜】

 母親がスマホニュースを見ている。

 ニュース音声(TV)
「エデンベクター未接種者に対する公共施設利用制限について――」

母親「……学校、大丈夫?」

 「…うん」

母親「無理なら、医師にもう一度――」

 澪は静かに言った。

「無理って言われたよ」

 母親、何も言えなくなる。

 ④ 学校 ― 健康確認

【保健室前 ― 昼】

 生徒が列を作っている。
 タブレットで接種証明をスキャン。

養護教諭「はい、次」

 澪、証明書がない。

養護教諭(小声)「……別室で」

 澪、周囲の視線を感じる。

生徒の囁き「未接種だって」
       「危なくないの?」

(危ないのは、私なのに)

 ⑤ 主人公との短い会話

【校舎裏 ― 夕方】

 和真と澪。

「怖くないのか?」

「怖いよ。でも――」

 澪、少し考えて。

「私、『楽になる』理由で選びたくない」


 ⑥ 地下鉄ホーム ― 前兆

【地下鉄ホーム ― 夜】

 通勤ラッシュ。

 アナウンス「未接種の方は混雑時間帯のご利用をお控えください」

 澪、ホームの端に立つ。
 周囲から、無意識に距離を取られる。

(……ここにいるだけで、説明が必要になる)

 列車が入ってくる。
 強い風。

(それでも――私は、私でいたい)

 ⑦ カットアウト(後半への伏線)

 CUT TO:地下鉄路線図。

 赤い線が、澪の使う路線をなぞる。

(選ばなかったんじゃない。選べなかった
 でも――)

(…そのままの私でいい)

 暗転。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

あなたのいない世界に私は生まれた

駄文のヒロ
SF
 西暦2051年12月上旬。  レイヤー聖台高等学校2年生の横澤穂花は、母である智美と穏やかな日々を送りながらも、心のどこかで言いようのない違和感を抱いていた。  優しく、何不自由なく育ててくれたはずの母――  けれど穂花は、『この人だけじゃない』という感覚を拭えずにいる。  自分を見守っている“もう一人の誰か”。  声も姿も思い出せないのに、確かに存在している気配。  それが母なのか、記憶なのか、あるいはただの思春期の錯覚なのか――  穂花自身にも分からない。  そんなある日、学校で囁かれている都市伝説を耳にする。  “世界を見守る守り神”  人知れずこの世界を監視し、迷える者の問いに応える存在がいるという噂。  真実を知りたい。  自分が感じているこの違和感の正体を確かめたい。  穂花は、誰にも打ち明けられない想いを胸に、その“守り神”に会いに行くことを決意する。  ――その選択が、世界の秘密と、彼女自身の出生の真実を揺るがすことになるとも知らずに。  人々のそれぞれの愛情を紡ぐ『あな生き』シリーズ最終章、始動!

終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。 最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。 会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

あなたのいない世界でバージンロードを歩く

駄文のヒロ
SF
 西暦2051年6月上旬。  一年前の「ロンドン崩壊事件」を経て、レイヤー世界は表向きの安定を取り戻していた。  だが人々の心には、「世界は壊れうる」という不安が、静かに残り続けている。  東京レイヤー総合管理塔で働く研究員・朝霧結奈(24)は、レイヤー創成期の移行実験中に亡くなった父・朝霧雅人の死亡記録に、説明のつかない違和感を覚えていた。  公式には「実験中の突然死」と処理されたその記録に、近年になって管理層による不可解な参照痕跡が残されていたのだ。  個人研究として調査を進める結奈は、父の死が単なる事故ではなかった可能性と、レイヤー世界の深層に隠された過去に触れていく。  やがて彼女は、この世界を裏側から支える存在と静かに交錯する。  それは、レイヤーの中枢に関わる、名を持たぬ“誰か”だった。  その交錯で、知られていない16年前のレイヤー移行実験暴発事故の真相が明らかになる。  これは、あなたのいない世界で、それでもあなたと歩くための物語。 『あなたのいない世界であなたと生きる』第2弾開幕!

女神の白刃

玉椿 沢
ファンタジー
 どこかの世界の、いつかの時代。  その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。  女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。  剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。  大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。  魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。  *表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】新・信長公記 ~ 軍師、呉学人(ごがくじん)は間違えない? ~

月影 流詩亜
歴史・時代
​その男、失敗すればするほど天下が近づく天才軍師? 否、只のうっかり者 ​天運は、緻密な計算に勝るのか? 織田信長の天下布武を支えたのは、二人の軍師だった。 一人は、“今孔明”と謳われる天才・竹中半兵衛。 そしてもう一人は、致命的なうっかり者なのに、なぜかその失敗が奇跡的な勝利を呼ぶ男、“誤先生”こと呉学人。 これは、信長も、秀吉も、家康も、そして半兵衛さえもが盛大に勘違いした男が、歴史を「良い方向」にねじ曲げてしまう、もう一つの戦国史である。 ※ 表紙絵はGeminiさんに描いてもらいました。 https://g.co/gemini/share/fc9cfdc1d751

処理中です...