巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第8章 新たなる冒険?の始まりかもしれない。

8-20 妖精を呼んだ・・でも?

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 しかし、聖霊や妖精達はマリエル様の加護している大陸、イルミナ大陸内ではもう手が回らないらしい。その話を聞き俺達は何かを忘れている気がした。



 聖霊と妖精の件は今のでだいたい解ったのだが、俺達以外でマリエル様の使徒かその他の人達には任せられなかったのかな?そう思っていると。

「すみません。1つ不思議に思ったのですけど、そちらの大陸にも冒険者や使徒が多数いるのでは?」
「そうですよ。それにわたくし達以上にお強い方も複数いるのでは、ないのですか?」
「えっと、その件なのですが・・・。実はその者達は一部を除いて、その、あの、言いにくいのですがそのマリエル様がもうその者達の加護するのをやめちゃったんです」
「はあぁ?それはどう言うことです」

 まあ、この話を詳しく聞いたら、これまたとんでもない状況にこの大陸は陥っているらしい。
「実はですね。マリエル様の加護しているこの大陸で、発生する可能性のある大厄災を未然に防ぐ為に関係各所に神託を授けたのです。しかし使徒達はまったく言う事を聞いてくれなくて、しかも自分達には関係ないので、女神マリエル自身で対処しろと逆に罵られてしまいました。それでも今回のは今まで様にはいかないので、その使徒達にマリエル様直々に頼み込んだのですが、その・・・」
 
「何でもその時点で、その加護を受けているはずの冒険者達がこぞって文句を言い出したそうなのです。それで神界に戻って来て、マリエル様は必死に自分で色々と調べ対処を最小限にして、それを実行してもらいに下界に降臨して自分も手を貸す事を条件にお願いしたのですが、今度はその所々で断れ続けたらしいです」
 言いにくそうな守護天使のエミちゃんの説明に続き、ミアちゃんがそれに答えた。

「そしてですね。その冒険者達が言うには今までマリエル様の力なんか借りた事など無い。等と言いまして、それに『いざ起きてもマリエル様の力など要らないし、そんな起こっても無い事に手を貸す義理はない』とすべてを断られて、その泣きながら神界に帰ってこられました」
 それはどうやら、今まで余り下界に関与しなかった代償なのか、特別な加護していた者達のほとんどがいまさら何を言うみたいな感じで言う事を聞いてくれないし信じてくれなかったそうだ。

「それでですね。その特別な加護を与えてる者達にも、神界に戻って来たマリエル様は、私に愚痴を言って半分ヤケになって腹を立て、言う事の聞かない者の加護を解いてしまいました。 しかも、今回の事もそれが原因で誰も手を貸してくれないのですよ」

「実はそれにはまだ続きがありまして、その事を聞いた聖霊や妖精達は、常にお優しいマリエル様に対してその様な態度をとるのなら、今後一切その者達に手を貸さないうえに守護や契約も解除しているようですね。何でもマリエル様を怒らせるからだ。とか言い次々とそれにマリエル様もそれに伴い後にも引けなくなり、その者達には今後一切、謝っても許さないと言ってしまったのですよ」
 言う事とお願いを聞かない使徒達には、どうやら女神マリエル様のお怒りと天罰がおりてしまっている様だ。しかもそれが負のスパイラルとなっている可能性がある。

 まあ、今でもマリエル様の加護がそのまま残っている使徒も少数ではあるがまだ残っているし、今回の事を聞いてくれ最小限の対処をしてる。
 それにその他の冒険者達と、元々いる女神マリエル様の信者も少なからず協力はしているそうだ。

 それでその加護を受けてる使徒達は今回の場所とは、違う場所でその対処をさせているらしい。

 そういえば、先程の話の途中で1個思い出した事があった。それは、その雪山に行くには聖霊か妖精の力が必要って言っていた事である。

 そう思いシルフィーと視線を交わした。どうやらシルフィーもその事で思い出したようなのである。

 俺達と言うよりシルフィーには、紅の妖精フレイムフェアリーのフレイがいた。
「あのう、すいません。少し良いですか?あのですね、その妖精の件ですが、どうにかなりそうですよ」
「えっ、でも、この大陸の妖精達は、手が」

「いえ、私には・・・フレイ」
 シルフィーが目を瞑り、自分と契約している妖精フェアリーの名を呼んだ。

『ホイホーイ、てっ・・・あれ?てぇ、シルフィーここ神界じゃない。なんでここにいるの?』
 姿を現し周りを見渡し、雰囲気がいつもと違う事を感じ取ったようだ。

『おりょ、マスターも発見!』
 て、なんで呼んでもないファルまで来てんだ?

 この2人の登場で目の前にいる色々と説明をしてくれていた守護天使のレミとルア、それにエミが驚いた顔をしていた。そして、ミアちゃんに関しては忘れてたって顔をしていた。

 そうファルはともかくシルフィーには今回の討伐にうってつけの妖精フェアリーと契約していたのである。しかも、この大陸の妖精フェアリーでは無いので手はあいている。

 しかし、何故にファルまで付いてきたのやら?その部分が不思議である。

 まあ、実際に話を聞いたら。
『うん、あのね。みんなとお茶してたらマスター達の気配が、神殿から消えたのは知ってたけど、どこに行ったのかなぁって思ってたら、フレイがシルフィーに呼ばれたって言ったから付いて来ちゃった』だ、そうだ。

 しかし、そうだからって普通付いてくるか、まあ良いけど。

 と言う事はこれで妖精がいる条件はそっろったという事になるかな。
「でもまさか、あなた達が妖精と契約してたなんて、しかも高位聖霊と契約してるなんて・・・」
 はぁ、いまなんと?高位聖霊がどうのとか。

『あっ、たぶんそれ私だ』
 いつの間にか、いつもの定位置というより俺の頭の上に居座る2人のうち、ファルがそう声をあげた。
 そして、その場所から浮かび上がり、いつもの妖精の姿から突然俺らと同じ様な人の姿になった。
『ねっ、これが本来の私の姿なの』
 そう声をかけてきたファルの姿を見てみんなが驚いていると、それを見ていたフレイも驚いている俺達に向けて声をかけてきた。

『あっ、それなら。私も最近なれるようになったよ』
 そお言いつつ今度はフレイも人の姿になり、何故か俺の横を2人して陣取った。

 今の状態は俺の両横には、虹色の髪と虹色のドレスを纏った少女と、反対側のシルフィーにいるほうに紅髪で炎の様なドレスを纏った少女の2人が椅子に座っていたのだ。

『ねっ、どお、すごい、すごいでしょ』
「えっ、えっ、フレイどういう事なのです?」

『うんとね。最近シルフィーが最近異常に強くなったのと、ユウマのそばにいたのが原因なんじゃないかな?』
『私は、元々からなれたけど最近異常に力が増してるよね。マスターのそばにいる子達もだけど特にアリアが』
 どうやら2人共、いつの間にか上位の存在に進化しているのであった。まあ、ファルは元々なっていた様だが。



 それならますます問題ないようで、2人の聖霊気で俺達全員を寒冷でも活動でいる様にしてもれえるらしい。それなら問題なく雪山に向かう事が出来るので、アイスストーン山脈にいけるとの事だ。


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