217 / 557
第8章 新たなる冒険?の始まりかもしれない。
8-29 フィリアの決断。
しおりを挟む
・
・
・
唯一自身の保持している魔眼による強化魔法と攻撃魔法のみで、このときは戦闘を行なうしかなかったのである。
・
・
・
何故シルフィーがその様な事しか出来ないかと言うと、ユウマやアリアと同じ魔眼保持者でも、シルフィーはまれに見られる魔法特化型の魔眼保持者なので、今の状態では通常より数倍強い魔法が撃てるだけである。今までのようにフレイの力を借りて放つ、究極魔法の類は使用できない状態であった。
せめてこの場所に、最近ユウマがシルフィーのために創り渡したマジックロットのフレアルージュを持って来ていれば、まだ状況は違っていたかも知れなかった。
そのユウマが渡したフレアルージュは、はっきり言ってとんでもない代物だった。
それは、シルフィーとフレアの得意とする火属性である紅炎魔法を、数倍に増幅する武器だったのだが、ちょっとその倍増する能力が異常だった。それは通常の【紅炎】の魔法を元々は2から3倍程度増幅させるつもりの物だったのが、創る時に何を間違いたのか何十倍にも増幅され【超級紅炎波】級の魔法に変換されてしまっていた。ハッキリ言って予想をはるかに上待ってしまった代物が出来てしまっていた。
ただしこれはシルフィーが魔眼を発動した時でないと、使えない品物であるので、これはハッキリ言ってシルフィーしか使えない、専用の武器なのだ。
そのはずだったのだが、ところがあまりに強力な物なので、それを渡した時のシルフィーには制御し辛い物で、あまりにも危険なので、ユウマがいる時ぐらいしか持ち歩かないようにしていた。
それで今現在はシルフィーの自分の部屋において来ている状態になっていた。何せ今回はユウマと一緒と言っても急遽この場所に来たから、それを持ってくる事が出来なかったのである。
それで今はフレイの力も極力借りないようにして、自身の持つ魔法を駆使して戦闘を行なっている状態だった。
もちろんメグミ自身も急遽この場所に来たので、ほとんど何も持たず現在は自分の持つ能力だけであった。
「シルフィーさん、これは流石にきついですね。どうにかあの人の攻撃魔法を防いでますけど、このままじゃいずれ・・・」
「ええ、メグミさん。出来ればこれ以上の攻撃をしてこない事を願いましょう。それにもうすぐユウマ様が来てくれますわ」
「えっ、ホント!シルフィーさん。ユウ君、ここに来てくれてるの?」
シルフィーのその声に希望が持てて、つい声をあげてしまった。
「いえ、解りません。でも、来てくれてると思います。私の勘ですけど」
『でも、シルフィー。ファルの話しじゃユウマと連絡が取れないらしいよ。それにすぐにここには来れないと思うよ。だってすぐ近くに・・・?』
実を言うとこの時、フレイとファルは魔力をユウマから供給していたので、だいたいの居場所は把握していたが、連絡だけ着かない状態だった。しかし、今自分達がいる場所からユウマのいる場所はかなり距離があるので無理だとフレイは思っていた。
そして、もう一度ユウマの居る場所を確認してみると、その場所でユウマの気配が無くなったので不思議に思っていると、そこでちょうど魔人族の男グレルが、今まで以上の攻撃魔法を撃ってきたのである。
「ふはははっ。貴様たちの力はよく解った。もういい、きさま達は自分の力が無い事を悔いて死ぬがいい。ははっははは・・・」
そう笑い声を上げ、今まで手を抜いていたのか、いっきに魔力を解放して、覇気と共に物凄い力を解放してきた。
「「「きゃっ」」」
『あうっ』
『あっ、これ駄目だよっ』
「うっ、このままじゃみんなやられちゃうわ。この子達だけでも・・・」
全員の悲鳴を聞き、フィリアが何とか力を振り絞り、せめてみんなを救おうと立ち上がった。
グレルは自分の力を解放して、すぐに全力で【暗黒過重光線】の重力闇魔法を放った。
「あっ、これ、駄目だ・・・!?」
このときフィリアは、自分の死を覚悟した。何せ究極魔法の1つである重力系の魔法と闇属性の魔法の合成魔法を相手が放って来たからであり、自分の持つ重力系最大の魔法と同等かそのうえをいく魔法であったからである。
「はははっ、跡形も無く消え失せろ」
このときグレルは、先程倒れたスノウビックマンのゴンゾもろ共に消し去る事にしていた様だ。
実を言うとこのとき、グレルは少し戸惑っていたのだ。かなりの力を出していたにも関わらず、なかなか決定打を撃てずに焦っていた。
それで、仕方なく本気を出しいっきにかたをつけようとしていた。ただそれだとゴンゾを連れて帰るのは無理だと判断して、ゴンゾもろ共消し去ろうと自分のもうっている最大級の魔法を放ったのであった。
「あっ、ごめんヨーコ。後はお願いね・・・」
そう声をかけその攻撃が向かってくる方向に【瞬間移動】をした。
「フィリア様ぁぁ!」
「あっ、おっ、おねえちゃぁぁぁん・・・」
グレルが放った【暗黒過重光線】が向かってくるその前に、姿を現しヨーコの方に振り返り笑顔を見せたした瞬間に、相手の放った魔法がフィリアの直前で弾けた。
《ドゴゴッ、ゴゴゴゴゴゴッウウウウンンン》
・
・
・
物凄い地響きとともに辺りに吹き渡る爆風で、周辺の雪が瞬時に解け、水蒸気と氷の粒が吹き荒れ周囲が確認できなくなっていた。
・
・
・
・
・
唯一自身の保持している魔眼による強化魔法と攻撃魔法のみで、このときは戦闘を行なうしかなかったのである。
・
・
・
何故シルフィーがその様な事しか出来ないかと言うと、ユウマやアリアと同じ魔眼保持者でも、シルフィーはまれに見られる魔法特化型の魔眼保持者なので、今の状態では通常より数倍強い魔法が撃てるだけである。今までのようにフレイの力を借りて放つ、究極魔法の類は使用できない状態であった。
せめてこの場所に、最近ユウマがシルフィーのために創り渡したマジックロットのフレアルージュを持って来ていれば、まだ状況は違っていたかも知れなかった。
そのユウマが渡したフレアルージュは、はっきり言ってとんでもない代物だった。
それは、シルフィーとフレアの得意とする火属性である紅炎魔法を、数倍に増幅する武器だったのだが、ちょっとその倍増する能力が異常だった。それは通常の【紅炎】の魔法を元々は2から3倍程度増幅させるつもりの物だったのが、創る時に何を間違いたのか何十倍にも増幅され【超級紅炎波】級の魔法に変換されてしまっていた。ハッキリ言って予想をはるかに上待ってしまった代物が出来てしまっていた。
ただしこれはシルフィーが魔眼を発動した時でないと、使えない品物であるので、これはハッキリ言ってシルフィーしか使えない、専用の武器なのだ。
そのはずだったのだが、ところがあまりに強力な物なので、それを渡した時のシルフィーには制御し辛い物で、あまりにも危険なので、ユウマがいる時ぐらいしか持ち歩かないようにしていた。
それで今現在はシルフィーの自分の部屋において来ている状態になっていた。何せ今回はユウマと一緒と言っても急遽この場所に来たから、それを持ってくる事が出来なかったのである。
それで今はフレイの力も極力借りないようにして、自身の持つ魔法を駆使して戦闘を行なっている状態だった。
もちろんメグミ自身も急遽この場所に来たので、ほとんど何も持たず現在は自分の持つ能力だけであった。
「シルフィーさん、これは流石にきついですね。どうにかあの人の攻撃魔法を防いでますけど、このままじゃいずれ・・・」
「ええ、メグミさん。出来ればこれ以上の攻撃をしてこない事を願いましょう。それにもうすぐユウマ様が来てくれますわ」
「えっ、ホント!シルフィーさん。ユウ君、ここに来てくれてるの?」
シルフィーのその声に希望が持てて、つい声をあげてしまった。
「いえ、解りません。でも、来てくれてると思います。私の勘ですけど」
『でも、シルフィー。ファルの話しじゃユウマと連絡が取れないらしいよ。それにすぐにここには来れないと思うよ。だってすぐ近くに・・・?』
実を言うとこの時、フレイとファルは魔力をユウマから供給していたので、だいたいの居場所は把握していたが、連絡だけ着かない状態だった。しかし、今自分達がいる場所からユウマのいる場所はかなり距離があるので無理だとフレイは思っていた。
そして、もう一度ユウマの居る場所を確認してみると、その場所でユウマの気配が無くなったので不思議に思っていると、そこでちょうど魔人族の男グレルが、今まで以上の攻撃魔法を撃ってきたのである。
「ふはははっ。貴様たちの力はよく解った。もういい、きさま達は自分の力が無い事を悔いて死ぬがいい。ははっははは・・・」
そう笑い声を上げ、今まで手を抜いていたのか、いっきに魔力を解放して、覇気と共に物凄い力を解放してきた。
「「「きゃっ」」」
『あうっ』
『あっ、これ駄目だよっ』
「うっ、このままじゃみんなやられちゃうわ。この子達だけでも・・・」
全員の悲鳴を聞き、フィリアが何とか力を振り絞り、せめてみんなを救おうと立ち上がった。
グレルは自分の力を解放して、すぐに全力で【暗黒過重光線】の重力闇魔法を放った。
「あっ、これ、駄目だ・・・!?」
このときフィリアは、自分の死を覚悟した。何せ究極魔法の1つである重力系の魔法と闇属性の魔法の合成魔法を相手が放って来たからであり、自分の持つ重力系最大の魔法と同等かそのうえをいく魔法であったからである。
「はははっ、跡形も無く消え失せろ」
このときグレルは、先程倒れたスノウビックマンのゴンゾもろ共に消し去る事にしていた様だ。
実を言うとこのとき、グレルは少し戸惑っていたのだ。かなりの力を出していたにも関わらず、なかなか決定打を撃てずに焦っていた。
それで、仕方なく本気を出しいっきにかたをつけようとしていた。ただそれだとゴンゾを連れて帰るのは無理だと判断して、ゴンゾもろ共消し去ろうと自分のもうっている最大級の魔法を放ったのであった。
「あっ、ごめんヨーコ。後はお願いね・・・」
そう声をかけその攻撃が向かってくる方向に【瞬間移動】をした。
「フィリア様ぁぁ!」
「あっ、おっ、おねえちゃぁぁぁん・・・」
グレルが放った【暗黒過重光線】が向かってくるその前に、姿を現しヨーコの方に振り返り笑顔を見せたした瞬間に、相手の放った魔法がフィリアの直前で弾けた。
《ドゴゴッ、ゴゴゴゴゴゴッウウウウンンン》
・
・
・
物凄い地響きとともに辺りに吹き渡る爆風で、周辺の雪が瞬時に解け、水蒸気と氷の粒が吹き荒れ周囲が確認できなくなっていた。
・
・
・
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ありふれた聖女のざまぁ
雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。
異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが…
「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」
「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」
※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる