巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
258 / 557
第9章 戦いの中で真実を?

9-18 時の迷宮内・・森の中で?

しおりを挟む



 しかし、その他の能力が殆ど使えないという事は、かなりキツイかも知れないのである。



 何せ今迄の戦闘でスキルに頼っている節が結構あったし、実力以上の力を出せるから、かなり楽をして戦闘に勝利いたからであった。

 しかし、今回に関してはその系統のスキルはおろか能力の殆ど使えず、しかも現状周囲の警戒と敵の襲撃に対して一番頼りになるのは、ミーアとランだけなのである。

 このまま行けば確かに今迄以上に強くなれるだろうが、一番の心配なのがティナから連絡が来るまでの間、この迷宮ダンジョンを耐え抜く事が出来るかであった。

 何せこの時点で、俺もであるがアリアとロンはかなりキツイようなのである。何せいつ敵が襲ってくるのか解らないのと永遠に続く木々で視界的に周囲を見渡せず、しかも遠くまで見えない状態で、自分の視界に入るまで何も解らないのであった。
 その為いつも神経を研ぎ澄ました状態でずっと自分の周りを警戒して、移動しているので精神的に疲労して、判断が送れている状態に陥っている状態である。

 そのせいか、いつもの実力の十分の一程度しか出せていない状態になっている。

 実際の10メートルくらい進んだら、かなり強力な魔獣モンスターが出現しているからである。

 まず最初にミーアとランが違和感を感じていた場所で、双頭の蛇が襲ってきた。それからが始まりであった。

「何?あの蛇、頭が2つある。しかも鑑定が出来ないから、何なのかも解んないよ。ユウ兄!どうしよう・・・」
「とりあえず戦おう、情報が解らないけど、恐らくデススネークなんかと同じ様に対処しよう。ロン!君は、以前のように槍術を駆使して敵を牽制、アリアは魔法剣が使えるならそれを使って攻撃してくれ。ミーアとランは相手にスキが出来たらいつものように攻撃をしてくれ」
 俺はとりあえず目の前の敵の情報が何もないので、知っている魔獣モンスターと比較しながら戦うしかなかったのである。

「うん、わかったよ。お兄ちゃん」
「解りました。兄貴!」
「ユウ兄は、どうするの?」
 ミーアとラン、それとロンは自分ができる事をすぐに開始し出し、アリアも魔法剣に魔力を流し使用できる事を確認して、アリアはユウマの行動を確認した。

「ああ、俺は、まず【付与魔法エンチャントマジック】を使用してみんなの防御力と状態異常耐性の効果をみんなに付与するよ。どこまで効くか解らないけど試してみる。それから自分の元の能力だけで切り込んでいくよ」
 その様に言葉を掛け、【付与魔法エンチャントマジック】を試して使用した。するとすべての効果は上手くいき、いつもどおりの効果をもたらしていた。ただし魔力は一旦ごっそり持っていかれたが、その後は徐々に回復し出したので、全く使えないというわけではなかった。
「よし、【付与魔法エンチャントマジック】は上手くいった。これからは昔みたいに自分だけの力で頑張りますか、行くぞみんなっ!」
「「「おうっ!」」」
『ウッウォォォン』
 最後にランの咆哮を聞きみんなで目の前の敵へ駆けていった。そこからは相手の双頭の蛇の2つある頭と尻尾の方を、それぞれの頭を相手に全員で戦いを開始した。

 まずこの双頭の蛇は、基本Y字のような感じであるが、頭だけ気を付ければいいと考えていた。何故なら頭が両サイドにあるので、意識を別々に向ければ尻尾の部分はどちらか一方にしか攻撃してこないと考えてた。しかしこいつは器用にも1本の尻尾を両方頭の支援をしている・・・というより尻尾から魔法を発動してきていた。

 ただ尻尾の先端の方は丸く大きいうえに周りにはトゲトゲが沢山あり、時たまそのトゲをミサイル見たいに飛ばしてくるのである。しかも両方の頭に意識がいってる筈なのに、尻尾は独自に動き回り色々な攻撃をしてくる。

「ねえ、ユウ兄。あの頭・・・もの凄くうざいんだけど、なんか勝手に動いてるっポイよ?」
「そうだな。さっきから頭の二つの意識は、両側から攻撃してる誰かに向いてる筈なのに、その頭の視界に入ってないうえに、意識が向いてない相手に尻尾は攻撃をしてきてるもんな?」
 アリアも気が付いたように頭の部分は、確かに明後日の方向に向けていて、死角を付いて胴体を攻撃しようとしたら何故か尻尾が防御して、魔法と尻尾のトゲを飛ばして攻撃して来る。

 しかも見えてない筈なのに、正確にこちら側を攻撃して来るのであった。

「お兄ちゃん。こいつスキが無いし、頭に大ダメージ与えて止めを刺そうとするけど、尻尾が攻撃防いで回復させちゃうよ。なんか尻尾が別の生き物みたいだよ」
 ミーアが言うように頭に止めをさせない状態になっていた。何故なら1つの頭に止めを刺しに行こうとすると、尻尾が突然目の前に現れ、こちらの攻撃を肩代りする。
 それでその攻撃を尻尾が喰らうとすぐに脱皮して全身が新品同然に戻ってしまう。

『マスター、こいつの脱皮する時、尻尾に魔力が集中してるよ。もしかしたら尻尾に何かあるのかな?』
「兄貴、頭の方は、我々で如何にかします。なので尻尾の方をお願いします」
 確かにロンの言うとおり、一番厄介なのはこいつと尻尾のようなので、そちらに俺が対処する事にした。ただみんなが言うように、尻尾にしては動きがおかしすぎるし、どうも頭と同じように単体で動いている感じもあった。

 なのでユウマも頭を倒す前に、尻尾の方をどうにかしないといけないと思い、尻尾に攻撃を開始した。

 先程から尻尾単体の攻撃を繰り返しなのだが、尻尾を普通に攻撃すると何故か回復しないし脱皮もしない。それに頭の部分も尻尾を攻撃されているのに気が付いてない様子なのである。



 それでユウマは不思議に思ったが、引き続き尻尾を先端部分の丸い場所と付け根の部分を集中して攻撃する事にしたのだ。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

姉妹差別の末路

京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します! 妹嫌悪。ゆるゆる設定 ※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...