巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
312 / 557
第9章 戦いの中で真実を?

9-72 角付き魔人族=魔王?

しおりを挟む



 そんな事とは知らずに、大切そうにその風呂敷に包まれた卵を転移門の前にある、台座みたいなモノの上に風呂敷を巻いたまま設置したのである。



 いつの間に持って来たのか解らないが、転移門の前に豪華で立派な台座が準備されていた。

 どうやってその場所に卵を置く為のモノの台座を持って来てたのかと、何故そんなところに台座を設置したのか解らないが、その台座の上に風呂敷と一緒に卵を飾りつけ風呂敷を解いたのである。

「なあ、あんな台座いつの間に持って来てたんだ・・・あいつら? さっきまであんなのなかったと思ったけど?」
「えっ?ホントだねお兄ちゃん。いつの間に持ってきたんだろ? ねっ、アリアお姉ちゃん知ってる・・・」
「ありゃ、ホントだね。いつ持ってきたんだろうね。ロンは知ってる」
「いえ、僕も知りません。気が付いたらあそこに・・・?」
 どうやらミーア達3人にも解らないらしい。

『あっ、マスター!あれならさっき、突然地面からはえてきたよ!』
『うんうん!突然出てきたよ。ニョキニョキィィって』
『そうですね。主様先程地面から湧き上がってきましたよ』
 それにどうやら卵をおいてる台座は、地面から突然現れたようである。聖霊であるファル達3人が、それを一部始終見ていたようなのだ。

「兄貴!それよりも、どうします。あいつの様子が変ですよ。何故か気が充実していき・・・!?」
 俺達が卵と台座の方ばかりに気を取られている間に、角の生えた魔人族・・・先程の人族に擬態した魔獣モンスター達の言葉を借りれば、そいつは魔王らしい。それでその魔王の様子がおかしい事をロンが気付き教えてくれたが、ロンの様子も少しおかしかった。

 だが、それよりも先程まで確かに高らかに大笑いしていた魔王が、その姿を一変させて苦しむ様にうなっていて、そいつの周りの気が充実して大きくなっていたのである。
『うぅぅがぁぁぁ!ごぉぉぉあぁぁぁっ!Gugaaaaaaaa・・・・』

 どうもその苦しむ様な声は、地の底からうめく様な重低音のような声で唸っていた。それは耳を塞いでも聞こえてくるほどの声であった。

 そこにファル達が俺に近付き、抱き付いて会話に参加してきたのだ。
『マスター、あいつの周りに変な気が渦巻いてるよ。ピリピリするの』
『そうですね。ファルお姉様が言うように、禍々しい邪気を感じますし、ちょっと気分が悪くなってきますね。私はあの邪気は嫌いです』

 ファルと雪姫は、気分が悪そうに俺に抱き付いてきたが、その2人とはあきらかに違う感じの娘が1人いたのである。

『ねぇ、ねぇ主様、今度こそ月達は、思いっきり戦っていいよね。あいつすごく強いし悪い奴だよ。間違いないよ倒しちゃおうよ』

 ファルと雪姫は魔王の邪悪な気が充実して強力になり、そのうえ魔力が巨大化している事に気が付き驚いている。その2人に対して、月姫は強い相手が現れるのは大歓迎の様であるみたいだった。
 しかし、月姫はいったい誰に似て戦闘狂バトルジャンキーになったのやら、最近特に強い相手と戦いたいようなのである。今回も回りのみんなと違いウキウキの状態であった。

『そうだ。マスター!そんな事よりアリア達が、大変な事になってるよ。私達はマスターの側にいれば問題ないけど、アリア達はマスターの側にいても、あいつの邪気はたまらないと思うよ。多分動けなくなってると思うよ』

 どうやら俺とラン以外のアリア達の3人は、ファルが言うように少し相手の強大な邪気に当てられて、顔を青ざめさせ雪姫が先程感じたような軽い状態でなく、かなり気分が悪くなっているようだし、その場で動けなくなり俺の側でガタガタ震え始めているようだ。
 それに先程から徐々にではあるが、更にその充実していく邪気と魔力が強くなっていき。考えられない程に気の力がどんどん膨れて行く、それによりアクア達3人は、さらに硬直してしまい、気分的に弱っていき更に暗くなりめげている様な感じである。

 それに俺達が最初にあった時には、魔王自身の力を表には殆ど出しておらず隠し持っていた様なのである。
「ぐっははははっ、人間共恐怖しろ、そして我の偉大さを肌に感じろ、我は魔王、魔王ドロスである。これより我は魔神へと進化する。よく見ておけ!特に・・・?何故貴様たちがここにいる?キサールをどうした!」

 すごい意気揚々と語ってあえて自分の事を魔王と語り、そのうえ魔神に進化すると語ったあと、俺達の存在に気が付き不思議がっていた。

 それはそうだろう、あいつにとってはホンの数分前に、恐らく過去の俺達と会っていたようだし、絶対に追ってこないと思っていたのであろうからである。

「う~む・・・?まあ、よい、そこで大人しく見ているがいい、どうせ我の邪気で動けまいからな。それに我が魔神へと進化したのち、すぐに魔王竜の幼生体と融合して魔神竜へと変貌する姿をそこで見ておれ。そして、そのまま恐怖して消滅しろ。がっははっ」
 実はこの時点で、何故か全員動けない状態になっていた。恐らく何らかの不可思議な能力でそういう状態になっていたのだろうと思う。しかし、ユウマとラン、それと聖霊の3人は違っていたのである。
 実は怖いモノ見たさで動けないのでは無く、動かなかったのであった。

 それにさっきアリア達3人が青ざめていたのは、その魔王の直接の力ではなく、なにか別の能力で恐怖による状態異常を起していたのであった。

「ねっ、ねえ、ユッ、ユウ兄、あいつ、やばいよ。怖いよ・・・ユウ兄助けて・・・」
「ああっ、兄貴、嫌です。こんな奴と戦うのは。怖すぎる・・・」
「あつ、ああっ、おっ、お兄ちゃん・・・」
 3人共ガタガタ震えながら、青ざめた状態で俺に近付き助けを求めてくる。
 それにファルと雪姫も先程以上に気分が悪そうにしているが、3人ほどでは無いようであった。

「えっと、この状態って、やっぱり、あいつの邪気のせいなんだよな?月姫とランは平気みたいだけど・・・」
『うん、主様。多分あいつのせいだと思うよ。まあ、ファルファルと雪ちゃんは生理的に嫌な相手みたいだけど・・・』
『ウォ?・・・・』
 どうやら月姫とランには、変化していく魔王の禍々しい邪気は効いていない様であった。



 ちなみに俺も平気であるが、恐らくここにいるみんなは耐性さえ身に付けば、その後はなんともないと思うので、きついだろうがもう少し我慢して貰おうと思っていた。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...