巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第9章 戦いの中で真実を?

9-103 神界では今だ大混乱?

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 そうして一応中央都市リフィーラの転移門の周りには、もう危険が無い事を教えておく事にしたのである。



「えっと、ティナさん。あのな・・・」
 俺が中央都市リフィーラの現状を説明しようとしたら、ティナの方から話し掛けてきた。

「あっ、そうなんだよ。お兄ちゃん!ホントに大変なんだよ。お兄ちゃん達が一旦過去に転移魔法陣で送った瞬間に、魔神が復活したって大騒ぎになっちゃって、それでその数がなんと、4つとか言う誤報が次々と流れてくるし、止めには全ての未来予見が白紙になっちゃたんだよ。それで最新の予見装置が全部、ぶっ壊れちゃたみたいなんだよ」
 ティナの話しでは、どうやら予見装置のシステム自体が、自分の予見に自信をなくして、最後に自爆したみたい
らしい。それで守護天使達が昔使っていた装置を起動する為に、色々と行ないその場所に全員いなくなったとたんに、あの部屋が大爆発を起して、それからこのホールで部屋を分けて、情報を整理しているそうなのである。

 じっ、自爆って!なんてぶっそうな。でも、誰も怪我しなくてよかったよ。それに考えようによっては良かったかも、ちょうど予見装置も壊れたみたいだし・・・・。まあ、ただ、後でちゃんと説明しておかないと、また使用する可能性があるからちゃんと話しておこう。

 それはさておき、俺達が処置した事と魔神に関して、それに魔神竜の事を・・・。
「まず、最初にな、ティナ、元々魔神竜なんて現れる予定はなかったんだな・・・これが」
 まずは今回の魔神竜に関しての話をした。

「はい・・・?どう言うことなの・・・お兄ちゃん?」
 不思議がっているティナに、俺達が時の迷宮ダンジョンと思っていた森の事と、今回の件で一旦少し過去に戻った時に起こった事を簡単に説明した。それから俺達・・いや、実際に俺は戦って無かったから、アリア達が戦った魔神に関しての事と、最後に魔王竜の卵になる可能性だった、聖竜セイントドラゴンの卵に関しても説明した。

「へっ、へぇぇ、そんな事になってたの・・・でも、おかしいな?前もお兄ちゃんに説明したけど、時の迷宮には、やっぱり森なんてないはずだよ。私、前にあそこに入った事あるもの。それにあそこの100階層にいる大ボスのゴーレムが厄介なの。ダンジョンの生態系を崩しちゃって、あの場所の扉を内側から閉めちゃってそれ以下にいけなくしてるのよ」

「ああ、それなら多分変な事が起きたと、思うけど・・・?」・・・はっ?ちょっと待てよ。ダンジョンの100階層?あれ、でも、俺達10階層で似た奴に会ったような?まあ、恐らく違う奴だろうな。ティナも正体知ってるみたいだから・・・。

 この時点というより今回の件で少し解った事がある。それは恐らく俺達が最初に時の迷宮ダンジョンと思っていた所は、あの魔人族達が言っていたように、辺境の魔界であり別の場所だったのだろうと思う。まあ、どう言う原理であの場所に行ったのかは、不明だけど・・・。
 ただ、その場所からそのホントの時の迷宮ダンジョンに戻ってきた方法が解らない。それに今、ティナが少し気になる事を言っていたのである。

 とりあえずその事を確認してみようと思う。それに何で時の迷宮ダンジョンとか、その大ボスについて何故知っているのかを確認する事にした。
「ほっ、ほぉぉっ、何でそいつの正体と場所までを知ってるんだ。ティナさんよ」

「えっ、ちょっとね。それでさっき言ったゴーレムは元々は90階層にいた大ボスなんだけどね。そのゴーレムが色々物を落とすから、みんなが欲をだして遊んでたら逃げられちゃってさ。その後どうも100階層に立てこもっちゃったんだよね。えへへへっ」

 しかし、なんでそんな事をやってたんだ?それにみんなってどう言うことだ?
「なあ、みんなってどう言う事だ?」
「あっ、それはね。私を含めた5人の女神候補生で、このダンジョン内で修行を行なったんだよ。まあ、90階層に行くまで5、6年は掛かってるけどね。その後、100階層に付いたら扉が開かないので、仕方なく放置したの・・・でも、その後に解ったんだけど、ダンジョンの生態系が滅茶苦茶になちゃって、90階層は今だボスは不在の状態なんだ」

 どうやらその原因を作ったのは、現在時の女神であるティナとその他の4人の女神候補生達のようだ。それでその後は、そのダンジョンは危ないということで、封鎖されていたそうだ。それでそのダンジョンを復活させる為にティナが女神になってから、頼まれていたそうなのであった。
「ちょっと、まて、なあ、ティナ・・・何かそんな訳の解らないダンジョンを俺に勧めたのか?」
「えっ、だって、一応私が管理してるダンジョンだから、問題ないし・・・あわよくばお兄ちゃんが問題を解決してくれないかなって思ったけど、まあ、あそこまで行くのはちょっと日にちが足りないと思うし・・・」

 なっ、なんて妹だよ。自分の仕事を俺に押し付けようとしてたのか?・・・・えっ!?でも、ちょっと待て、それって・・・いや、なんかややこしくなりそうだから、その話しはやめて、先に違う話しに進めよう。

 実はユウマが考えていたとおり、例の時の迷宮ダンジョンの10階層と思い込んでいた場所は100階層で、しかも倒した大ボスであるゴーレムは、時の女神であるメルティナが語ったものと同一の魔獣モンスターで、しかも、そのゴーレムは元々100階層にいた元大ボスを倒し、依存進化した相手だったのであった。
 それを倒した事により、今の時の迷宮ダンジョンは正常に稼動している事になっていたのであった。ただそれが解ったのは、それからある程度経っての事であったのである。

 それで元々ユウマは自身が、聞きたい事を確認する事にしたのである。
「あっ、そういえば、フィーナ様や、他の女神様はどうした?」
 そう尋ねながら、その部屋にあるソファーに座って、話しをする事にした。ちなみに月姫は棒つきキャンディを銜えたまま、守護天使がしている作業を見入っていた。

「えっ、フィーナちゃんなら、ちょっと前に目を覚まして、このホールのどかでぼーとしてると思うけど、さっきあった時に、もうちょっと、横になってたらって行ったけど、何かを確認したいって言ってたから。えっと・・・あっ、ほら、あそこに!・・・あっ、それと、そうだお兄ちゃんフィーナちゃんの様子がちょっとおかしいんだよ、目覚めてから、ぼーとしてるかと思ったら、突然顔を紅くして不適に笑ったりしてるの?お兄ちゃんなんかしたの。フィーナちゃんに」
 はい?ティナの言いたい事が良く解らないが、少しビックリしたぞ!フィーナ様の様子がおかしいとか言うから・・まあ、行動自体はおかしいが、俺達が下界に行く前とは状況が代わってるから・・・まあ、いいや・・。

「でっ、マリエル様とシルク様の方は、どうなってっるのかな?」
「あっ、うん、一時期危なかったんだよ。あの2人!神核がボロボロで修復不能な状態になってたんだって。でも、不思議なんだよね。2人を見てくれてた医療の神様が最初は覚悟するようにって言ってたのに、今は元通りになってるんだって不思議だよねぇぇ」
 お茶を入れてくれながらマリエル様とシルク様のその時の様子を教えてくれたが、殆どその事については知っているので視線をそらしながら答えた。
「ふっ、ふ~ん、そうなんだ・・・。危なかったな。でも、ヨカッタヨカッタ、ブジデ・・・」

 なるほど確か創造神様は、内緒で治すって言ってたから・・・うん、この事は口外したら多分不味いんだろうから、黙っとこ・・・。
「何で、お兄ちゃん。片言なの?それに何で私から視線を反らすの?2人とも危なかったんだよ。それに下手をするとマリエルちゃんは、この世から消えちゃうところだったんだよ。まあ、あの時、お兄ちゃんがすぐに手を打ってたから、それ以上は進行してなかったけど・・・?でも、何でそんなに冷静なの、しかも全てを知ってるような・・・」
 いえ、殆ど知ってますよ。まあ、マリエル様もシルク様も覚えてないだろうけど、まあ、それえも結果的に元気になるなら、俺のした事は無駄にならずにすんでよかったぁぁ、よかった。

 俺がそんな事を考えていると、ティナと俺が話している事に気付いたフィーナ様が、こちらに近づいてきた。
「あっ、ユウマさんだぁぁ、お帰りなさーい。えへへへっ」
 何故かご機嫌な、フィーナ様で俺に飛びついてきた。

 まあ、すごく可愛らしい笑顔で飛びついてきたのであるが・・・・何故だ、創造神様のところにいた時の記憶は、確かないはずだが?
「えっ、フィーナちゃん?えっ、えっ、そんなにお兄ちゃんが・・・・ねぇ、ねぇ、月姫ちゃんあれって」
『うわぁぁ、主様とフィーナ様・・・・月にも解んないよ・・・」
 何故ティナと月姫は少し離れて2人でコソコソ話しをしだした。何時のまに仲良くなってんだ?

「あっ、ホンマや。ユウマさんや。ウチもぉぉ、ゆうまさぁぁん!」
「あっ、マリエルずるいわよ。私も行くんだから・・・・」
 そこにマリエル様とシルク様もやって来て、何故か俺に抱きついてきたのである。

 この状態はどう言うことなんだ?訳が解らんのである。まあ、元気ならいいのだが・・・。
「おっ、お兄ちゃん、これは・・・どう言う事なの?おかしいよフィーナちゃんなら解るけど、マリエルちゃんとシルクちゃんまで虜にしちゃうなんて」
『うわぁぁ、主様すごいね。・・・これを他の娘達に言ったらどうなるんだろう・・・?』
「いっ、いや、俺にも・・・?どういう事なのか・・・月姫あんまり他の娘に言いふらすなよ。俺の命が危ない!」
 大体今迄だって、普通にみんなに普通に接していただろう。それを知ってるはずなのにティナ!虜って何だ!俺は・・・はっ!?もしかしてあれか?創造神様が言っていた奴か、記憶には残ってないけど、俺が何かをしたって感覚だけがあるとか言うやつか・・・。

 今現在、女神様3人は、何故か俺に抱き付き頬をスリスリしてきている状態だった。

「うううっ、何でマリエルとシルクまでユウマさんに、引っ付いてるのユウマさんは私のなんだからね」
 今はソファーに座っているのだが、フィーナ様は俺の頭に抱きついた状態で頬を膨らませている。

「ええ、いいじゃない。別にフィーナだけのじゃないんだからぁぁ。それに、あんたはいつでも会えるからいいじゃない。ここにいる間は貸してくれても」
「そうなんぇぇっ、ウチかて、ユウマさんと一緒がええんよ」
 今回はシルク様までが、俺に抱きついて来ているし何故かフィーナ様に対して強気で語っていた。それにマリエル様までのっかっちゃったよ。
 ・・・これじゃあ、この間みたいに、フィーナ様がまた、ぶち切れるんじゃ・・・・。

 前回の事があったので、ユウマが心配していると、今回はそのような事はなくフィーナ様が少し考えて答えていた。
「うううっ、でも、でもっ・・・まあ、いいけど手を出したら許さないからね。抱き付くまでだかんね。ユウマさんは私のだからね」
「ええ、解ってる。でも、ユウマさんが手を出したら解らないけどね。ねぇぇっ、ユウマさん」
「そうなんえ。ウチならいつでもOKやえ。それに何故かユウマさんじゃないと、いやなんよ」
「「でも、何でだろう。すごく落ち着くの。えへへへっ」」
 マリエル様とシルク様が・・・・やたらスキンシップが激しくなってる?フィーナ様はなんやかんやいいながら、それでも俺から離れそうにないのでった。

 とりあえずずっと抱き付かれると俺も色々と我慢できなくなるので、ある事を行なう為に要件を話す事にした。
「あのう、すいません。ちょっと3人に話をしときたい事がありまして・・・いいですか?」



 この場所で話してもよかったが、ここでは周りがうるさいので応接室で話す事にしのだった。


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