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第10章 女神の修行・・・。

10-11 隠し部屋と再度階下の調査?

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 そして、そのまま3人は、ボス部屋の中にユウマの準備したログハウスの元に向かったのであった。



 それで、ユウマは階下の調査を終えて、390階層に戻ってきたのであった。

 まず最初に帰ってきて、ログハウスの入口の扉を開けたら、最初にフィーナ様が出迎えてくれた。
「あっ、お帰り、ユウマさん。どうだった階下の方は?」

 そこでフィーナ様は、今日の分の食事の準備をしていたが、リンカとシルフィーの姿を探してみると、奥の方で料理をしているようだった。

「ふっ、へぇっ、疲れたよ。無理して2つ下まで確認してきたよ。でも、それなりの収穫はあったよ」
「えっ、なになに、どうしたの?」
 そこへ俺が帰ってきた事に気付いて、リンカがお鍋を両手に持ってこちらにやって来た。その後から一緒にシルフィーも料理を運びながら近付いてきたのである。

 みんな揃ったので、少し詳しく話す事にした。
「うん、この下の階からは、アンデッド系のモンスターじゃなくて、違うモンスター達だったよ。まあ、予想はしてたけどね」
「それで、なんだったのユウ君!その階下のモンスターは?」
「うん、えっとね・・・あれ?シルフィーなんか顔色があんまり良く無いように見えるけど・・・大丈夫か?」
 俺の側に来ていた3人の内、シルフィーの顔色が特に良くない様に思えたのでそう尋ねた。

 そう言えば俺が調査に行く前もシルフィーだけは、姿を見せなかったもんな。それになんか最近3人ともよく・・・。まあ、深く考えないようにしよう。恐らく女の子の日だろう確か以前も辛そうだったし・・・。

 そんな俺の心配をよそに、シルフィーは笑顔を向けて答えた。
「えっ、はい、大丈夫ですよ。それよりユウマ様、どうだったんですか?階下の様子は」
 うん?まあ、本人が大丈夫ならいいけど、確かリンカとフィーナ様も・・・。

 実際、確かに顔色が少し悪いようではあるが、声色とか行動を見る限りでは問題ないようなので、気にはしつつ話しの続きをする事にした。

「ああ、それはな・・・」
 とりあえず階下の様子と魔獣モンスターの種類を説明した。

 それで実際に倒してきた魔獣モンスターの素材を見せた。それはキノコや野菜関係であり、実はこの場所で玉葱の魔物であるオニオンロックや、人参の魔物と南瓜の魔物等の取得した素材を取り出した。
 まあ、キノコである魔獣モンスターは、色々いたのだが、基本毒キノコが多かった。だが、数種は間違いなく食用のキノコであった。
 なので、安全なキノコだけを取り出し、その場に一緒に出し置いた。

 それらを全ての野菜類を、とりあえずこのログハウスの、広い部屋で出して見せた。
「とりあえずこの階下の敵は、殆どが食材なんかの素材を落す魔物が多いな。これがその素材だ」

 それを見たフィーナ様は、俺が平然と出した量には、驚く事無くその素材である食料を見て感心していた。
「ホントだね。普通ならここに来るまでに食材が持たないか、尽きかけてると思うから、これは大助かりだよね。まあ、一般の子なんかはある程度進んだら無理だろうけどね。いいとこ270階層付近までしか食材モンウターいないからね。でも、この食材・・・凄いって言うより、かなり新鮮でいいものだね」

 ・・・基本で言ったら300階層ぐらいまでは、何とかなるかもだけどねぇ。それ以降は食材どころか戦意喪失だし、誰もここまで来ないのかな?これだけいいものがあるのね。まあ確かに280階層からの階下は、素材なんて殆どが食料の足しにもなんないモンね。普通ならあの時点で引き返すわよね。まあ、うちにはユウマさんがいるから問題は無いのだけど、余程の能力が無いと殆ど無理ね。
 フィーナ様は、そう考えながら納得したように、頷いていたのである。

 フィーナ様の先程の話しを聞き、シルフィーもその事に納得して答えた。
「そうですわね。でも、あの部分さえ乗り越えれば370階層くらいからは、そこそこ食材も取れますから、そこまで頑張れば、どうにかなるかもしれませんものね」

「でも、シルフィー!普通無理だよ。こんなのユウ君みたいに食材を大量に持てて、そのうえで新鮮な状態で保管できるアイテムボックスやイベントリがないと。・・・まあ、ユウ君のは、殆ど異常だけどね。それよりも結構取ってきたね」
 確かにリンカが言うように、3人の目の前に出した量は、短時間で取ってこれるような量ではなかった。まあ、そんな事は今更なので3人共呆れているが、別に驚いていなかったのであった。どちらかと言うと新鮮な野菜類を見て喜んでいた。

 それに実を言うと、魔獣モンスターや魔物の野菜類だけでなく、いろんな種類の芋類が埋まっていた部屋と薬草や野草類が生えていた部屋、それに果物が育っていた場所があった。
 後から考えたらここの階層は、どうやら食料庫のような感じだったのだ。

 それでみんなで食事をしながら、まずフィーナ様から俺に話し掛けてきた。

「ユウマさん、明日からここを拠点で行動して欲しいのだけど、明日は私と例の隠し部屋の調査をお願いするわ。その後は、悪いのだけど私は調べ物をするから時間を頂戴!お願い」
 フィーナ様は、どうやら明日にでも上の階にある隠し部屋を調査した後は、部屋に引篭もり色々と調べモノをするそうで、最初にそのようなお願いをしてきた。

 そのフィーナ様の話しに続き、今度はシルフィーが話し掛けてきた。
「ごめんなさいユウマ様、わたくしも少々調べモノをしたいので、あのうユウマ様お願いがあるのですが、書庫にある資料を見てもよろしいですか?」
「へっ、いや、別にあの中のモノを見るのは、禁止してる訳でもないし勝手に見ていいよ。なんなら他にいるのがあるなら言ってくれれば渡すけど?」
「あっ、いいえ、今はこのログハウスにある書物で問題ありません。もし、必要になったらその時にお願いします」
 シルフィーも書物で調べモノをする事にしたようだ。ならリンカと共にと思ったのだが・・・。

「ユウ君ごめん。私もちょっと試したい事があるから、明日はフィーナ様と2人で調査に行って。それから私の方も何日間かは、シルフィーと同じ様に調べモノしたいから書庫を使うね」
 それで結局・・・3人の願いで数日の間は、ここを拠点として行動をする事になった。それに明日以外は殆ど単独行動になりそうである。

 それで次の日は、フィーナ様と共に1階層上の階層に戻り、例の隠し部屋を調査する事になった。
 まあ、結局は以前と同じ様に各階層に転移する為のサークルがある部屋なのだけど、どうやらフィーナ様は未来視で、この部屋に新たな説明書とタブレット端末のロックを外す為の装置を見つける未来を知っていたようだ。

「ごめんなさいユウマさん。実はあの後すぐに、未来視でこの事を知ってたの、それで今日これを取りに来れば上手く行く事も確認出来たの。あと、ここを起動してこの階の転送装置を起動しておく事も前提だったみたい。それを行なったら、これが手に入る予定だったの」
 どうやら今フィーナ様が持っている説明書とデータを転送させるような端末は、ある条件を満たさないとこの場所に現れないようになっていたようである。しかも時間とタイミングも必要だったようであった。

「へっ、なら今迄も、もしかしたらどこかで手に入ってたって事ですか?」
「うん、恐らくね。ただ、私達の攻略速度が・・・以上に早すぎてタイミングが合わなかったみたいよ。それでたまたま、昨日ユウマさんが階下に行ってる時に、未来視を使用したら明日がチャンスだったの。それでお願いしたのよ。それと例のマジックタブレッドを貸して欲しいのよ」
 なるほどね、それで今日はここで必要な物を手に入れて、その後で調べモノをするようであった。

 それで結局は、この後ログハウスに戻り、フィーナ様とも別れえ、結局・・・ここからは俺一人で階下の調査へ向かう予定だ。

 まあ事実この時点で、既に4ヶ月近く経っていたが、何となく最近3人の様子がおかしいのに気付いてはいたが、とりあえず気付かない様にしていたのである。

 う~ん、なんか最近3人の様子が・・・俺に何かを隠してる感じなんだけど、まあ、その内ちゃんと話しをしてくれるだろうから、俺から聞くのは野暮だよな。でも、一言だけ言っておこう。
「あのさ、最近ちょっと気になったけど、相談があったら、いつでも遠慮なく言っていいからな。それなりに心配してるんだから」
 3人はお互いを見てから『うん、解った。でも、今は・・・』と言うだけで、現在この時点では詳しく話してはくれなかった。

 この時は、仕方なくそのまま階下へ調査する事にした。
 ちょうどユウマが、ログハウスを出た後ぐらいに、3人は話しあっていた。
「う~ん、どうもユウ君は、気付いてるぽいね。私達のこと・・・」
「ええ、恐らくかなり前からですね。出来るだけ気付かれない様にしてたんですが、私達の体調が悪くて個室で休んでる時には、必ず様子を見に来てくれてたのですよ」
「うん、私もそれは気付いてた。ユウマさん寝ずに看病してくれてたのも・・・」
 まあ、実際ユウマが気付いていたのだが、聞いていい事か迷っていた姿に、3人が気が付いたようだった。

「はあっ、参ったな?原因が解らない病気ってあるんだね?」
「そうですね。やはり、戻ってちゃんと治療をした方がいいようですね?」
「2人は、まだいいよ。私なんて女神だからお医者様って・・・あっ、そっか!お母様に聞けはいいのか、なら今夜にでもユウマさんに相談しましょう」
 これには流石に3人共、特に女神であるフィーナ様が困っていたのである。何せステータスの状態確認欄には、異常を示す表記がないのに、実際身体には変調があったからである。



 それで結局3人は、今夜の食事の後にでも、相談するようにしたのであった。


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