巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
366 / 557
第10章 女神の修行・・・。

10-14 神界に戻ると・・・?

しおりを挟む



 それで結局、まったく問題等は無く、時の迷宮ダンジョンの389階層にある隠し部屋にある転移サークルから、神界の転移魔法陣のある部屋に戻って来れたのであった。



 神界に戻って来てすぐに、転移魔法陣の部屋である事は解ったのだが、どうも普段と違う感じがする。

 なのでそっとその部屋からを顔を出して覗いてみると、何故か奥の方にある広間と部屋を、守護天使の子達が慌しく荷物を部屋から部屋に運びだして、行ったり来たりと大忙していた。

「あれ・・・どうかしたのかな?時の迷宮に行く前と、殆ど状況が変わってないような?確か俺達が行った後に片付けをするって言っていたような・・・」
 まあ、今の状態を確認する限りでは、俺達が出発した時と余り状況が変わってないようにも、見えたのであった。

 確か俺達の出発が遅れのは、以前使用した大広間の装置や壊れてしまった未来を予見する為の装置を、どうするかで悩んだ挙句、緊急事態の時や今回みたいに女神様達が不在時に使用したいらしい。
 それにもし女神様達が、その未来予見の能力を取得出来なかった時の事を考えて、とりあえず旧型を使える様にしたいそうだ。

 それで今回は時間的に余裕があるフィーナ様に白羽の矢が立てられた。まあ実際にシルク様とマリエル様は6日から7日程の日にちしか修行が出来ないのに対して、フィーナ様は時の迷宮ダンジョンに入るので、実際にはかなり長い時間修行が出来る予定である。
 ホントだったらみんな一緒に行動をすればいいと考えるところだが、どうやらそれに関しては創造神様が禁止していたので、それだけが不思議だったが、今となってはどうでもいい事である。

 それで現状は俺達が出て行った時と、殆ど代わって無いように思えたのであった。

「ほへっ、あっ、ホントだね。どうしたんだろね。どっちかって言うと私達が行く前より忙しそうじゃない?」
 確かにパッと見だけど・・・俺達が出発する前と変わらないというより、それ以上に忙しそうなのである。

 ただ、それでも帰って来た事を知らせないと、それこそ大変な事になりかねないので、3人を神界のフィーナ様の元部屋に連れて行き俺が様子を見て来るのと、報告しに行く事にした。
「なら、3人はさ、フィーナ様の部屋で休んでなよ。今は体調がいいようだけど、また、以前みたいに突然悪くなるかもしれないからさ」

 そう言葉を掛け一緒に部屋に行き、果物と果汁のドリンクをテーブルに置いて声を掛けた。
「それじゃぁ、俺は行って来るね」
 そう声を掛けて、その場を後にした。

 それでそのまま守護天使達が忙しそうにしている部屋の前まで行き、邪魔にならないよう部屋の中を確認しると、忙しなく指示を出しているティナを見つけたので、話し掛ける為に近付いた。

「ほら!早くその機材を撤去するよ。さっき出発したお兄ちゃん達の方はそんな心配は無いけど、間違いなくシルクちゃんとマリエルちゃんの方は、さっきの連絡振りからして、私の予定じゃ、あと4、5日は余計に掛かると思うから、さっさとこの広間を綺麗にするわよ。それで明日来る予定の臨時の女神候補の娘達をここに迎えるわよ。それでみんなが戻ってくるまで、その娘達に代わりを任せるから気合を入れて急いで!」
 ん、なんか忙しそうだな。それに・・・あれ、なんかおかしく無いか、あと4、5日とか言ってたように聞えたが?・・・あと、代わりの女神候補生の娘とかも・・・どう言う事だ?

 この時点で余り深く考えない様にしていたが、良く考えたら俺達が時の迷宮ダンジョンに行って4ヶ月程度経っていたので、こちらの世界では余裕で1日は過ぎている筈であったが、ティナの口振りが少し不思議に思えたのであった。
 
 その事をユウマは不思議に思いながら、ティナに話しかける事にした。
「なあ、ティナ!なんか忙しそうなんだが、どうかした?」
「そりゃ、忙しくもなるよ。シルクちゃんとマリエルちゃんが予定より時間が掛かりそうだって連絡が入るし、それにフィーナちゃんとお兄ちゃんが出た後に、すぐ連絡が来たんだよ。もう少し早く連絡が来れば、お兄ちゃん達にちょっと出発を待って貰えたのに、それに私の仕事が急に入ったから、代わりの娘を呼んで貰ったのよ。せめて半日早く連絡して貰ったら問題無かったのに。ほら、お兄ちゃんもぼさっとしてないで荷物を運んでよ。この広間にその娘達の仮の部屋作るんだから、ほらほら、早く、急いで!」
「えっ、あっ、ああ、解った、解った」
 あれ、なんか上手い具合に使われている様な・・・?まあ、いいか。

「ほらそこ、それは・・・」
 完全に片付ける事に夢中で、俺が戻って来ている事には、全く気付いてないようである。とりあえず片付ける事を手伝う事にした。

 えっと、これを全て向こうの部屋に、戻せばいいんだよな。おっ、ミアちゃんがいるから聞いてみよう。
「ミアちゃん!この荷物はどの種類で、どう言う風に運搬してるの?」
「えっ、あっ、はい、これは・・・・」
 フィーナ様専属の守護天使であるミアちゃんを見つけたので、詳しく荷物の運搬について聞く事にした。まあ、詳しい説明では、まずあるブロックごとに固めてある荷物は、運搬する場所は全て決まっているが、中央に置いている荷物に関しては全て倉庫に持っていくそうである。ただ、個別に持って行く荷物の中身に関しては、後日その部屋で組み立て直すそうなので開封は不要であるそうだ。

「おしっ、解った。なら、まずは中央にある荷物を全て倉庫に持って行こうか、ミアちゃん場所を教えてくれる」
「えっ、でも、私の担当分の荷物をフィーナ様の担当する制御室に持っていかないと行けないので・・・」
「あっ、ならそれも持って行くから場所を教えてくれ」
 そうユウマが話して【創生魔法クリエイト マジック】である【空間収納箱コンテナボックス】の魔法を使用して、1つにまとめ自身のアイテムボックスに入れ込んだ。

 それを行ない最初はミアちゃんの担当分を、目的の場所に持って行く事にした。その後は倉庫に荷物を持って行った。
 ただこの後も他の守護天使達の担当する荷物を次々と運んでやって、モノの1時間で全ての作業が終了した。
「いやぁユウマさん、ホントに助かりました。ありがとう御座います。それじゃ次の準備がありますので、後ほどお礼をいたします。それじゃ・・・・・あれっ、なんでユウマさんがここに?・・・まっ、いっか」
 ミアちゃんは俺にお礼を言って、次の用事の方へ向かって行った。

 それで全ての運搬作業が終って、ついでに頼まれた二段ベッドを3台と机を6台、それにテーブルとソファーを運搬し終わったところに、ティナが近付いて来たのである。
「しかし、便利だね。お兄ちゃんの能力とアイテムボックスは、私もアイテムボックスは持ってるけど、無限じゃないんだよね。大きさも決まってるし、他の守護天使達もそうなんだよね・・・・ん、あれ?なんでお兄ちゃんがここにいるの?」
 おい、今更かよ。どんだけ周りが見えてなかったんだよ。

 とりあえず不思議がっているティナに状況を説明する事にした。
「・・・・でっ、そう言う事なんだ。解ったか?」

 簡単にティナから頼まれていた事と、フィーナ様の新しい能力について、それから時の迷宮ダンジョンで見つけたタブレット端末を渡した。それで後からフィーナ様の部屋で、休んでいる他の3人を交えて詳しく説明する事を話した。

 その話をした後にティナは、いったん考え込んで俺の顔を見て不思議そうに尋ねてきた。
「あれ?でも、おかしくないかな?だってまだ、お兄ちゃん達が出発して半日も経ってないんだよ。それにどう考えてもその話しの内容なら、凄く矛盾するんだけど・・・」
 はい?それはどう言う事だ。確か時の迷宮ダンジョン内では、この世界で7日で2年って言ったのはティナの筈だぞ?・・・だから1年が3.5日の筈、それで、今回は約4ヵ月しか経ってたからおよそ1日とちょっとの筈だ。

 しかし、ティナの口振りでは、1日どころか半日も経ってないと言う事らしい。

「確か、前にティナ、お前が言ってたよな。時の迷宮内で2年がこちらの1週間って、なら、なんで半日も経ってないんだ?俺達中に最低でも120日、4ヵ月は居たぞ。その時間帯ってあってるのか?」
「えっ、あってるはずだよ。私が以前入った時は、約6年で20日ぐらいだったし、その時の指導していた神様も約7日で2年経過するって言ってたもん。まあ、その神様もすぐに指導者を首になってたけど・・・」
 ちょっと待て、それ事態も正確でないような。てか、その教官役の神様ってダメダメじゃないのか?ティナ達の後始末もしてないし・・・・。あっ、そうだタブレットで確認してみたらいいんじゃ、後で確認してみよう・・・。

「それで、お兄ちゃんみんなは、あっ、フィーナちゃんの部屋にいるの?なら、そっちで詳しい話を聞くわ。さあ、行こうお兄ちゃん!」
 とりあえずフィーナ様達がいるところに、ティナと一緒に向かう事にした。それで先程渡したタブレットをもう1度貸してもらって、ちょっと調べる事にした。

 フィーナ様の部屋に入って、3人がティナと話をしている間に、俺は黙々とタブレットを操作して説明の部分と、今迄読めなかった説明書を、先程ミアちゃんに借りた古代神語辞典(古代神の文字を解読する為の辞書)を使用して確認していた。まあ、この辞典は先程の片付け時に偶然見つけて借りた物である。

 それを確認してある程度の事が解って、それをティナを初めとするフィーナ様達にも説明した。
「なあ、今この説明書とタブレッド端末を確認して解ったんだけど、時間に関しては色々勘違いがあったし、例の件の事も・・・・」

 まあ、時間に関しては後で、マジックタブレットを使用し確認してみて解ったのだが、どうやら7日で2年でなく、変則的に時の迷宮ダンジョン内での時間が変わっている事が判明したのである。1年で10日以上の時もあれば、1年で1日の時もあるみたいだった。
 それと例の90階層に関してもトラップである事も判明して、タブレットにその事に対する注意書きと、改善対策の説明書きが追加されていた。ついでに元ダンジョンマスターだと思われる者の、メモらしきモノまで確認出来た。



 ただ、ダンジョンマスターが任意で全ての事が変更出来るような感じであり、ダンジョンマスターが不在の場合は、ランダムに設定されていた様であった。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

姉妹差別の末路

京佳
ファンタジー
粗末に扱われる姉と蝶よ花よと大切に愛される妹。同じ親から産まれたのにまるで真逆の姉妹。見捨てられた姉はひとり静かに家を出た。妹が不治の病?私がドナーに適応?喜んでお断り致します! 妹嫌悪。ゆるゆる設定 ※初期に書いた物を手直し再投稿&その後も追記済

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...