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第10章 女神の修行・・・。

10-41 何故ユウマとリンカまで?

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 それで次の日の朝早く、レーネさんとキュリカさんに連れられてシルフィーが王城に向けて馬車に乗って出発したのであった。



 それで俺はというと・・・。
「でっ、なんで俺とリンカまで一緒に行かないとならないんだ!」
 そうなのであるシルフィーだけかと思っていたら、何故か俺とリンカまで寝ていたところを叩き起され馬車に乗せられたのである。

「そうだよ!まだユウ君は解るけどなんで私まで?ねえ、レーネさん!キュリカさん!」
「はい、それが・・・私からは、とても言いにくいのですが・・・」
「えっと、ですね実はどちらかと言うと、ユウマさんの方はついででありまして、今回の件はシルフィーとリンカさんの2人に関係がありまして・・・」
 言いよどんていたキュリカさんを見てどうしたんだろうと思っていると、代わりレーネさんが詳しく説明したのである。

 どうやら先の戦い、魔神出現予定の場所であるメルウェルの街での戦いで・・・まあ、ちょうどシルフィー達と周囲にいた冒険者達が、まだ戦闘をせず敵の様子を見ていた時に、何も考えず先走って戦闘を行なっていた部隊がいたそうだ。
 それでその部隊を指揮していたドコゾノ、ボンボン騎士団達が見事に返り討ちにあっていたので、仕方なく戦闘を開始したらしい。それでたまたまシルフィーとリンカが指揮していた冒険者達に、そのアホ軍団の騎士達が助けられたようなのである。 

 その後も何度と馬鹿繰り返し、何度も何度もシルフィーとリンカの指揮していたみんなに、その騎士団が偶然に助けられていのだが、そいつらは何を勘違いしていたのか、自分達を気にしてくれて助けてくれていると勘違いして、指揮官であるシルフィーとリンカに一目惚れして、恋に落ちてしまったそうなのである。
 それからどうやって調べたのか、元シルフォード王家の関係者であるところまで調べ。2人に数名の貴族である騎士達が、結婚していない2人に、王家をとおして求婚を求めてきたそうである。

 それでそのボンボンで勘違い貴族の騎士達の他に、どうやらイルミナ大陸にあるドライド王国のお馬鹿な第二王子がいたそうだ。まあ、実際そのお馬鹿な王子が指揮していた騎士団らしいのだが、何故かこのシルフォード公国内で最上級である貴族の息子もその騎士団の中に数名いたそうなのだそうだ。

「それでですね。一応その方達に説明して大半の方は諦めてくれたのですが、トライド王国の使者と同じ王国の貴族と我が公国の貴族の数名の使者が納得してくれないようで・・・」
 何故かそれらすべてが求婚してきたが、その本人達も居ないという事と求婚者本人も居ないという事を理由で、一応断りはしたのだ。
 どうやらなかなか諦めない相手が、まだ4、5名いるそうで、そこでユウマの事をだして話をしたのだが、かえって状況が悪くなり結婚していないうえに、貴族でもないのに一緒に住んでいるのはおかしいというのと『既成事実もないのなら自分達が話をして双方に諦めさせる』とまで言い出し、仕舞いにはどんどん話しが大きくなっているそうであるらしい。

「結局は、何がしたんかったんですか王様達は?最初から関係ないとでも言えばいいでしょうに・・・」
「そうだよ!まあ、シルフィーは少し無理が有るかもしれないけど、どうにでもなるでしょう。私とユウ君は!」
「そうですよね。それに私の事も、書類上では存在していないのですから・・・」
 確かにシルフィーが言うように書類上は、姫様は死亡扱いであり、外交官みたいな事をやっていたシルフィーは、既に王家とは関係がない状態のはずなのだ。

「それが・・・実は、一応御2人、ユウマさんとシルフィーは関係なくも無いのですよ。その、実は結構前から死亡したことが・・・無かった事になってるようで・・・」
 レーネさんの話では、少し前から仮面の騎士と仮面の王女は、実は生きていて影から王家を支えているという噂が広まり、その時期から目立っている俺にその矛先が向いて、知らないウチにそう言う事になっているそうなのであった。

 ・・・まあ、間違っちゃいないんだけど、なんでまたそんな噂が・・・!?
 少し心当たりがあったユウマは、その事は黙っておく事にした。まさかその原因が自分だとは流石に言えない。

 それで流石にこれ以上は無理だと王様達も困り、その渦中の人物であるシルフィーとリンカを連れて来る事にしたらしい。それで無理というのなら今度はユウマ自身を前に出す事にしたらしい。

 この時点では俺自身はついでだと言う事らしいが、この後の説明を聞いたらいよいよ訳が解らず、どう言う事だと思ってしまうのである。

 何せ相手の使者が説得できない場合は、ユウマと決闘をして奪っても構わないとまで言い出したそうだ。しかも何を血迷った事を言っているのか、今俺が所有している屋敷を含む全ての敷地を勝負に関係無しで譲り渡せと言って来ているそうだ。

「はあぁっ?何言ってんのそいつら!なんでまたあそこを」
 あきらかに俺にとっては、なにもメリットどころかデメリットばっかりじゃないか・・・。俺がその決闘する意味自体ががよう解らん・・・。

「そうなんですよ。とにかくデタラメなんですよ。その為にユウマさんも一緒に来てもらったほうが・・・とにかく、今から王城に向かいましょう!」
「既にシルフィーとリンカさんのお腹に、ユウマさんの子がいれば、流石に諦めるでしょう・・・まあ、そちらの方は・・・」
「これに関しては恐らく国王達もお喜びになると思いますよ♪」
 それで王城に向かい王様に会うと、流石に現状のシルフィー達の姿を見て王様も王妃様も驚いたが、内心安心したようである。

 ただ先程の話しの中で俺に対するフォローが全く無いのは・・・どう言うことだろう。
 ユウマがその事を思いながら、大人しく王城での話を終らせ、とりあえず決闘とかごねていた使者達には気絶するすんでんまで覇気による殺気をぶつけて、喋る事すらさせず眼力だけで黙らせた後に、屋敷に戻って言ったのである。

 その様な行為を行なった為、結局のところ求婚してきた奴等の話しに関しては全て無くなったが、流石にあの時からの時間を考えたらおかしい事に相手が気付き騙していると勘違いをしてきた。まあ、勘違いするのも解るが・・・それでもホントにシルフィーとリンカは妊娠してるのではっきり言って嘘ではない。

 それで、今度はその求婚してきた本人達が後日、シルフィーとリンカの姿を確認する為に王城に来て、自身達の目で確認する事により、納得して諦めてくれたと思ったのだが、どうやら本命は2人の事ではなく・・・どうやらやはり屋敷がある土地の方が目当てだったらしく、その後屋敷がある場所と店舗にお忍びで来ていたらしいのであった。
 まあ、流石にこれに関しては、王様達は疎かシルフィーとリンカはすごく怒っていたのであったが、俺としては、この問題をあげてきた奴等に、どう仕返しをしてくれようかと内心考えていたのである。

 その事に関しては後々考えるとして・・・何故屋敷とその周囲の敷地が目当てなのかと思っていたところ、どうやら貴族でもない俺が巨大で立派な屋敷と、その敷地内に有る神殿と新商品を数々と出す店舗が気に食わない貴族どもがいるらしく、全てを没収してはという話もあがっているらしいのである。

 王様と一部の大臣は、俺達の重要性と俺個人の能力を知っているので、極力その事はとめたらしいのだが、数でこられたらどうしようも無いそうである。まあ、確かに王様が1番偉いのは間違いないのだが、内政に関してはその下の者達(大臣や貴族達)で行なっているので、ごり押しも出来ないそうなのである。
 基本王族は、最終決断をするのがメインで、後は助言や書類の整理だけで殆どお飾りである。まあ、シルフィーやシルフィーのお姉さん達が嫌がるのは良く解る。

 というより貴族ってそこまで偉いのか!とも思うのだが、確かに俺達が住んでる屋敷やその周囲にある店舗は、敷地の広さから考えても、この場所から離れた貴族街と同じ位の敷地の広さである。それに屋敷も他の貴族達に比べたらただ事では無い大きさである。
 下手をすると第二の王城と言われても間違いが無いほどに、立派な屋敷になっていたし、そんじょそこらの屋敷と違い防壁が無いのに、防犯体制は完璧で侵入者は疎か店舗以外は一般人は入って来る事自体出来ないのである。

 それなのに、屋敷の構造に関してもそうなのだが、いつの間にか神殿がある事まで噂されていたのであった。

 それで、今回の件も踏まえてどうにもならない状況になっているらしいのである。この件には王様もある程度、間に入り阻止しているのだが、どうもそれも限界に来ているらしい。

 それで結局収集が付かなくなって来ているので、王様がユウマに爵位を授けると言い出したが・・・。
 これについては丁重にお断りしたのである。

 その事をフィーナ様に相談する事にした。
「えぇぇっ、それならこの屋敷がある敷地の場所ごと、どこかに転移したらいいんじゃないかな?」
「はぁ?いやいや、屋敷は別にいいけど・・・流石に敷地ごとは・・・」
 この時点で女神であるフィーナとユウマの話ている内容は、既に他の者が聞いたら頭がおかしいのではと疑うような事を簡単に話していたのであった。

 しかし2人にとっては些細な事であり、フィーナはユウマなら出来ると踏んでその内容を提案したに過ぎなかった。

「でも、そうしないと全てを取られちゃうんでしょう?まあ、私がそんな事言ってる馬鹿達に天罰を与える事も出来るけど」
 フィーナ的には、自身が加護している大地の者であっても、自分が1番大切にしているのはユウマであり、そのユウマに関する事なら・・・後はどうでもいい状態であるらしい。

「まあ、実際は俺が貴族でもないのに、この広大な土地を所有しているのが、気に食わないんでしょうね。王様は如何にかしようとしてくれているみたいですけど、最終手段が爵位なんて言ってましたから・・・」
 一応フィーナ様には今回の内容と、今後どうするかを相談したがいきなり、この敷地にある物を全て別の場所に転移させればいいという考えになっている。もうちょっと穏便に済ませて、この場所には加護も何も無い同じ様な屋敷をこそっと建てる事を考えではある。
 もし渡すとしても、絶対にそのまま全てを渡すつもりは無いし、神殿なんて特に渡せない。まあ、幸い神殿に関しては言葉のみで実際その存在を見られた訳でもないし、森に関しても既に聖霊や妖精、ましてや低位の神獣がいるというおかしな状態になっているが、それすらも知られていない筈である。

 それにフィーナ様の先程の考えには、一つだけ問題がある。それは・・・・。
「それにまだ、これらを移動できるような土地が無いですし、この公国内の別の場所に移しても同じ事ですよ。まあ、幸いすぐにこの場所を追い出される訳じゃないですけどね・・・」
 まあ実際フィーナ様の考えでは、この場所をさっさと明け渡して、他の場所に神殿や屋敷を移動させればいいと言う事らしいが、その屋敷や神殿の転移させるとしても、それを移動させる場所が今のところどこにもないのである。



 ついでに言えば出来るだけシルフォードを離れる訳にはいかないのであった。何故なら俺以外の子達でシルフォードでの細々した仕事があり、ついでにギルドから定期的に頼まれている依頼もこなしたいのであった。


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