巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-5 新たな問題と訪問者

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 そんな事があったが、俺達は引き続き開拓を進めて行くのだあった。



 その前に新しく加わった仲間?いや、正確にはミナがテイムした従魔?と言っていいのか怪しいが、一応はミナとまだ少し警戒をしているユアにはすごく懐いているし、ちゃんと名を呼べば反応しているので問題ないと思われる。

 しかもシロスラの食事というより、栄養分は純粋な魔力または魔素、それに聖なる気である事が解った。

「シロスラって、間違いなく共食いをしてるよな?」
 普通に見たら間違いなく共食いをしているのだが・・・まあ、今の俺達にとっては、厄介なスライム達を排除してくれるので、正直なところすごく助かっているのである。

「でもシロちゃんの行為って食べてるのかな?どっちかって言うと吸収して1つになってるんじゃないのかな?」
 ミナの言葉どおりならシロスラは、他のスライム達を捕食している訳でなく、自身の一部として吸収している事になる。実際捕食と何が違うのかと言うと・・・捕食は間違いなく取り込んだ後に溶かして自身の栄養にしているようだが、吸収の方は瞬時に姿を消すような感じである早い話、自身の中に取り込むみたいな感じであった。
 どこが違うのかは・・・まあ、見た感じは区別が付かないが、どうやらミナには区別がついているようだった。

 ちなみにシロスラが俺に近付かない理由も判明した。どうやら俺の放出している気には聖なる気だけでなく、神の気に近い神気みたいなのと、意味不明な気が紛れているらしく、恐らくそれに恐怖して近付かない事が判明した。 実際その意味不明な気とは、今迄感じた事のない気だそうなのである。
 恐らく以前創造神の爺様が言っていた神核と龍核、それともう一つの不明な核のせいなのだとは思う。ただ神核は封印しているが、それでも徐々にまた力を蓄えているらしいのである。

 それに自身の出している気に関しては、俺自身は気付かないのではなく解らなかったのであるが、ミナとユアに指摘されてその時知り解ったのである。実際それが解ったからと言っても最後の一つが何の気なのかは俺には解らない。
 まあ、今度戻った時にでもフィーナ様にでも確認しようと思い。とりあえず今は気を操作して放出している気を弱くする事で、シロスラが不思議そうな仕草をしながら、最終的には近付いて来たので、まあ、何の気なのか解らない気が強く出ていたのは間違いないと思う。

 この時に良く解ったのであるが、どうやらシロスラには視覚というか目が見えている訳でなく、魔素や気を感知して状況を把握している事がこの時に解ったのであった。まあ、目のようなモノが無いから当たり前ではあるが、それでもミナとユアには意思疎通が出来ているようで、特にミナのいう事は良く聞くのであった。

 それからまた数日の時が流れ・・・。スライムによる襲撃が数度あり、シロスラがいる事で周囲にある薬草畑や特別な草花等が他のスライムに被害を負わなくなり、そのうえ俺達の作業が順調に進んでいる中で・・・また問題が発生したのである。

 今迄はスライム以外でこの場を襲ってきたモノは、獣や低級の魔獣モンスターが時たま単体で姿を現われては、無知にも俺達に襲い掛かってくる程度だった。

 ただ何故かここに来て上級の魔獣モンスターであるオーガ?と似たような気の持ち主の大群が向かって来たのであった。

「ん、なんだ!この気配ってオーガじゃないのかな?似てるんだけどな・・・しかし、ホントすごい数だな」
 俺が何故その様な事を口に出したかと言うと、それはその気配を感じる前のちょうど2日前の事であった。

 ☆・・・・・☆

 ちょうど2日前の日が沈んだ頃である・・・ユアの要望どおり巨大な湖が完成に近付き、後は水を流し込むだけの状態までの作業が終って、拠点としている簡易ログハウスにミナとユアに声を掛け戻っている途中で・・・。

 簡易ログハウスの中にある転移魔法陣のゲートを誰かが使用して、ここにやって来たのを感じ取った。

「あれ?ユウ兄!誰か来たみたいだよ。これって・・・」
「あっ、ホントだ!この気配ってレイちゃんかな?あと、ん?」
 ミナもその気配を感じ取り、ユアに関しては1名の存在を的確に言い当てたのである。まあ、実際ここに来たのは2名で、俺達の知っている人?達であった。

「ああ、確かにな。もう1名はシルク様かな?どうしたんだろう直々に女神様がここに来るなんて?」
 そう今迄は、なにか急用がある場合は、フィーナ様の専属の守護天使であるミアちゃんが来るか、スキルの【魔導次元通話マジックテレホン】(遠心テレホンの強化版)で連絡してくるぐらいだ。
 それに俺達が一旦戻った時に話を聞くぐらいだった。まさか女神本人と、女神候補の娘がここに来ること自体が初めての事であった。

 ・・・あれ、そういえば何気にこの場所に来たみたいだけど、大丈夫なのか?

 そうここはまだ聖域化してないし、周囲の浄化もまだ完璧に出来ていない。というよりまだわざと浄化を本気でやっていないのである。
 何故なら何が周囲に居るのかとどんな生き物がいるかを確認する為に、その様な状態にしているのである。そうしないと後々、周囲を開拓する時に困るからであった。

 それでこの場所には、レールファ大陸の女神であるシルク様(ただいま謹慎中でフィーナ様の仕事を肩代りさせられている)と女神候補のレイ(スレリア大陸の女神フィーナ様の代行)の2柱?が突然やってきたのだ。

「もう、ユウマさん!たまには戻って来て貰わないと、私の連絡とか相談が出来ないじゃない。まあ、フィーナ達にはしょっちゅう会いに行ってるようだけど!なんで私には顔を見せないのよ!もう・・・」
 いや、4日前には会いに言ったのだが?それなのにシルク様はいったいなに対して怒っているのかが、俺には良く解らなかった。まあ、あの時は忙しいみたいだったので、ひとこと声を掛けたがその場で断られたが俺が話し掛けたのに気付いてなかった様子である。

「えっと、一応4日前に顔を見せに行って、提示連絡と大陸の問題点について確認しましたけど?まあ、シルク様は忙しいって言って仕事に没頭してたけど?」

「えっ、そうだったかしら?それでも・・・」
 ただ、そんな事を言う為にここに来た訳じゃないだろうが、ブツブツとシルク様は、俺に文句をいい本題に入ってくれない。
 そのシルク様が俺に愚痴を言っているのを無視して、ミナとユアが女神候補である娘、以前は青髪でショートヘアだったが、今では髪が少し伸びサイドテールが良く似合い、以前とは比べ物にならない程に明るくなったレイと仲良く今回の事について話をしている。

 確かに以前会った時は、かなり暗い感じ・・・いや、根暗な感じだったが、俺達、いやミナやアリア達と接する間に性格が変わったのか、それとも元々がその性格だったのかは解らないが、現状はすごく明るくなったのであった。

 とりあえず俺はシルク様の愚痴を聞きながら、ミナ達が話しているのを聞き耳を立てて聞く事にした。

「それでそれで!どうしたのレイちゃん!こんなとこまで来るなんて?・・・ところで聖域じゃないのに大丈夫なの?」
 ユアは、一応女神候補であるレイに対して物凄くフレンドリーに話し掛けている。

「あっ!うん、それは大丈夫だよ。ここはユウマさんの造った建物の中だからそこは気にしないでいいみたいだからね。それであのね!あのね!!ユアちゃん、ミナちゃん。実はここに・・・」
 どうやらシルク様とレイがやって来たのは、オーガとは違う鬼の一族で、その最強の部隊である鬼人達が近々この場所にやって来て侵略するみたいな事が解り、その事を知らせに来てくれたようだ。

 その鬼人の部隊はシルク様の加護する大陸では、魔獣モンスターとは違う存在で妖魔と言われる鬼の一族であり、魔獣モンスターよりも知能が発達しており、どちらかと言うと魔人族のような存在らしいのだが、魔人族とは違いそこまで厄介な相手ではないそうだ。



 それでその鬼人共が何を血迷ったのか、俺達がここを開拓いている事に気が付き、この場所を自分達のモノにしようと数人で奪いに来ているらしいのである。


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