巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
422 / 557
第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-24 残りの操られた者達?

しおりを挟む



 そして、夕方近くから行動した結果、夜の間に全ての鬼人とエルフ達をレールファ大陸からスレリア大陸へと、一旦移動という名の避難もしくは移住作業を終らせたのだ。



 それからまた俺自身は、鬼人の街の地下設備と暗黒の森の中心部にある開拓中の拠点を、行ったり来たりしていたのである。ついでに昏睡状態だった鬼人とエルフ達は建物と共にスフィードの村へと転移させた。

 実際にその施設の建物を昏睡状態の患者ごと転移させると、周囲にいた鬼人達とエルフ達からの視線が、なんとなく女神であるシルク様に向けてるような視線と同じ感じがしたが気にするまい。

 ただその後にした治療で完全に崇めたてられる事になってしまった。何せ昏睡状態だった全員を一瞬のうちに治療してしまったからであった。
「ユウマ殿・・・いや、ユウマ様あなたは神なのでは?」
 鬼人の王であるエンキ王にその様に訪ねられ、その周囲にいた鬼人やエルフ達からも期待するような眼差しで俺の返事を待っていたので、それに関しては否定するように答えた。

「えっと、一応俺は神ではありませんよ。知り合い・・・あっ!う~ん・・・」・・・これは参った!確かに俺は神ではないが、嫁さんフィーナ様ティナが神様だ!知り合いはあってるがあきらかに身内だ!どうやって答えよう・・・。
 俺がどうやって答えようか困っていると、シルク様が手助けをしてくれた。

「貴方達!彼は一応神ではないわよ。どちらかと言うと使徒の方だね。ただし私達女神の加護をより多く受けた人よ!」
 いや、間違っては無いけどそんなんじゃ納得する訳・・・。

「おお、そうでしたか!それならば納得です」
 えっ、そんなんで納得するの?まあ、俺は別に細かい説明をしないでいいから別にいいけど・・・。

 そんな事より・・・まだ全員を助け出した訳ではない。それは暗黒の森の入口付近に陣取っている擬態している魔獣モンスターと一緒にいる操られ鬼人とエルフ達が、あと合計30人いる筈だ。
 その操られている人達を今度は優先的に救出しないといけない。最初は攻めて来た奴等全ての討伐する予定だったが、大掛かりに予定が変更して操られてる人達はとりあえず全員救出する事になった。

 実際の地下より救出した鬼人とエルフ達の話しによると、その中には裏切り者がいるらしいが誰が裏切っているのかは解らない。まあ、助け出し確認すれば問題ないので、とりあえず全員救出後に鬼人とエルフ達にその後の調査と処理をお願いする事のした。

 それで現状鬼人の街の方は明日まで問題ないので、チョクチョク暇になったら様子見程度で問題ない。それに何かあれば俺に解る様にセキュリティみたいなものを設置しているので問題ない。そういう事で日中の間は暗黒の森に攻め込んでいる奴等の対処をする事にした。
 幸い暗黒の森にいる奴等は、殆ど入口付近から進めていない。どうやら最初に行動していた2部隊以外は奥に進めてはいないようだ。それでも数箇所に分かれて行動しているようだ。

「おっ、あいつら進めない割には考えたな!あれなら上手く行けば前進は出来るだろうけど・・・1日経ってその結論ってどう言う事?しかも進むスピードが遅っ!」
 どうやら20人程が横一列に並んで、俺達が拠点にしている中心部を目指し一歩ずつ進んでいるようでかなり遅い、それでも迷う事無く進んでいるが・・・そのスピードでは恐らく2ヶ月以上は間違いなくかかると思う、それだけ遅い。

 ただこちらとしては、余裕が出来たのと今その行動を起しているのは、どうも操られている人達のようである。
「これって、手っ取り早く救出できるのでは?」

 ここは開拓自体はミナとユア、それにシャナ姫とエリーゼ姫の4人にお任せしておいて・・・俺は最初にその20人程の人数を眠らせて助け出す事にした。要は簡単、その横一列に並んで進んでくる奴等の周囲に霧状の睡眠薬を散布し、眠らせている間に浄化しまくり、その状態のまま一箇所に集め、スフィードの村へと【瞬間移動テレポート】で何度か往復して全員連れて行った。
 
 まあ今回救い出したのは25人で、予定ではあと5人いる筈なのだがどう考えても数が合わない?というより残りの5人が操られている感じではなかったのでだ。スフィードの村からまた先程の場所に戻ってきて、あと何人ほど操られた者がいるか確認を行なった。
「おりょりょ?残りの5人?・・・鬼人3人とエルフ2人は、操られてない?こりゃぁ邪鬼人と悪エルフかよ。なるほど!自分達は安全な場所で高みの見物ですか、参ったねこっちの奴等も性根が腐ってやがる」

 これは恐らく知り合い関係を最初に前線に送り状況を理解しようとしたか、それともただたんに強い鬼人に擬態したオーガと賢くそうに見えるエルフに擬態したデミゴッドゴブリン達を側に置いて護らしているのかは解らないが・・・そいつらの浅はかな作戦のお陰で操られている者達は全て救出でき、後は排除するだけの魔獣モンスターと倒しても問題ない者達でいいようだ。

「ふむふむ、これなら無視しといても大丈夫かな?まあ、まだ100~200はいるみたいだけど、殆どはモンスターみたいだし、あとは鬼人の街の方が片付いたら処分しようかな。でも、ちょっと悪戯をしておこうか・・・」
 俺はこのままでは埒が明かないと思い、強力な獣類がわんさかといる区画まで誘導する事にしたのだ。まあ早い話、直接俺達が手を出す事無く獣達に処分して貰おうと考えたのである。

 それで、3ヵ所ほど霧の結界で誘導するように、その区域に行けるように罠を張り、俺は一旦鬼人の街へ【瞬間移動テレポート】で戻って行った。

 ちなみに鬼人の街の地下施設は、相変わらず変化無しである。それでも実際の地下から地上に上がる為の通路は、着実に掘り進めているのだ。
 いったい誰がと思われるところだが、実は掘削は俺がチョコチョコ戻って来ては掘り進めている。ただ今迄も不思議に思っていたのが、掘削した土や岩はどうしていたのかが全く解らない。
「あっ!そういえば聞くの忘れてた。掘削した鉱石や土砂関係をどの様に処分してたのかを・・・。まあ、また後で戻った時にでも聞こう。鉱石に関しては・・・なんか貴重な鉱石みたいだし、もしかしてこれを取らせているのだったら・・・この鉱石を取りに来るかもしれないな」

 実際にこの場所に埋まっている鉱石は、鉄鉱石や魔鉱石が多いのだが稀にアダマンタイト鉱石が混ざっているのである。それに土に関しては粘土質であり、砂や岩にはガラス質のモノが混ざっているのだ。
「これって傍から見たらお宝がいっぱい埋まったところだよな。まあ、とりあえずは俺が持っておこう、それで気付かれたらどうにかしよう・・・」

 この時点で悩んでもしょうが無いが、俺が考えていた作戦が気付かれでもした時点で、恐らく半分の罠が使い物にならなくなるだろうと考えていたのだが、結局その心配も全く無かった。どうやら邪鬼人達はこの地下の有用性等は解ってない様で、恐らくここにいた無害な鬼人とエルフ達を冒険者達にけし掛けるつもりだったようだ。

 ただ元々指示を出していたであろう魔人族がいたら、もしかしたら気付かれたかもしれないが・・・既に魔人族がここに来る為の転移門には細工をしているので、こちらに来ようとした時点であちらは大爆発を起し、こちらの門も消滅するようにしている。しかし、まだ消滅したような感じがないところを見ると魔人族は姿を現していないようだ。



 そんな事を考えている間にも、何度か邪鬼人と悪エルフ達は交互に地下に確認は来るが、何故かすぐに戻ってしまっているのだった。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...