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第12章 新しい家族と新しい場所

12-2 その前に?(その2)そして・・・?

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 ちなみに結果的には名を付ける事の出来なかったうえに、娘達から貰った一撃を受け数時間ほど気絶していた事に対して、ヘルロイ様はかなり凹んでいたのであった。



 それは仮にも武神であり、武術や戦闘に関しては超一流の神なのに、不意打ちだとしても自分の娘からの攻撃を受け気絶していたのと、それにその後に言われた内容で精神的に超大ダメージを負った結果となってしまっているのだ。

 それは何故かというと・・・。
「ゴミ蟲と変わらないです。何て名を付け様とするですか!最悪です」(フェリエちゃんの言葉)
「こんなのが父親なんて最悪です。出来ればもう二度と顔を見たくないです」(フィリエちゃんの言葉)
「まさかここまで馬鹿とは思ってなかったわ。流石に私も恥かしいよ、一時顔も見たくないかも・・・」(フィーナの言葉)
「やっぱり、アホはそのままなのね。まあまた別居の延長は決定事項ね。今迄どおりよ・・・」(フェルト様の言葉)
「・・・・相変わらず、アホじゃの!」
 流石に創造神の爺様もあきれ返っていた。まあ俺は追い討ちをかけるような事はしなかったが、流石に自分の娘にあそこまで言われたら、俺ならきっと立ち直れないので、絶対に真似をしない様に心に誓ったのであった。

 それに今回の件で、どうもいつも以上にヘルロイ様は自分の娘であるフィリエちゃんとフェリエちゃんの双子ちゃんに避けられ、既に家族の中での序列が最下位となっているらしい。
 あえて何の下かは言わないが、とにかく双子ちゃんのヘルロイ様を見る目は父親を見る目で無く、もはや他人以下を見る様な視線を向けているような感じがあったのだ。

 それで最後にシルフィーとの間に生まれた男の子と女の子の双子で、女の子の方に関しては何の問題もなく、実は生まれてくる前には既に名前は決まっていてクレアと名付けられた。
 どうやらシルフォード公国の王族関係者は例え王家との縁を切ったとしても、先祖代々と続くしきたりとかで、その時の国王が絶対に生まれてきた子孫達の名を付けなくてはいけないらしい。それでフィルベルト義父国王が・・・。
『しょうがないからのう。ワシが国王である限り、孫達の名前もワシが付けないといかんのじゃよ。まあ、変な名とかは付けんから安心せい。それに文献を用いて考えるので問題ないのじゃ・・・』
 などと赤ん坊が生まれる前に俺を呼び出しそう言っていた。

 それで生まれてきた娘が金髪で黒い瞳である事も解っていたらしく、その娘の名前はクレアと付けられる事になった。何でも王家の血筋の他の娘達も文献で色々調べたうえに、その世代の国王がそうやって名前を付けられているとか・・・。

 だが俺は、ただ単にフィルベルトさんが、自分自身で付けたかったのだろうと思っていた。フィーナと俺の子が生まれてくる前から、文献を見ずに考えていたらしいく、かなり前からシルフィーにその様に伝えていたらしいからだ。
 まあ、俺も娘の名前であるクレアという名は結構気に入っているので何も問題は無い。

 ただそこで双子だったのも驚かれていたが問題はそこでなく、もう1人の子が男の子だったのが・・・どうやら問題らしく非常に驚かれていたらしい。実際シルフィーも子供達が誕生した時に、双子の1人が男の子と解った時にかなり驚いたらしい。

 何故ならそれはどうもシルフィーの家族である王家の中では、直系である男子は生涯のウチに1人だけしか生まれて来ないらしく、それはもう一種の呪いみたいなモノがあるらしい。実は既に国王であるフィルベルトさんの長男でシルフィーの兄であるシルヴァ義兄さんには子供が3人いて、そのうちの1人は確かに男の子であり、残りの2人の子は女の子らしいのだ。
 それについでを言うと、シルフィーの姉である王家に残っておるシルヴィアさんと、もう1人の姉で王家とは既に縁を切ったシルフさんの子供達も、全て女の子だと言う不思議な現象が続いているそうなのだ。もちろん国王であるフィルベルトさんの姉妹達も全て女系であり、男は元国王である父親と息子であるシルヴァと国王であるフィルベルトさんだけだそうだ。

 しかも国王の妹達の子供も全て、女の子らしいのである。まあ流石に3世代までは間違い無いらしいのだが、その後の血縁者に関しては解らないらしい。というよりそれ以降は調べてないらしいのである。

「しかし、驚いたな!まさか我が一族のことわりを履がえすとはな・・・でも、どうしようかのう。流石のワシも驚きじゃわい」
 どうやらもフィルベルトさんも、今回の件は想定外のようで驚きを隠せない状態で、悩んでしまった。

 それで今回俺とシルフィーとの間に生まれてきた双子、特に男の子は方に関しては、それはもう王家の家族と・・・それなりに事情を知っている王城の側近や大臣達はその事を大変驚き、そのうえに頭を抱え込んでなにやら会議まで行なっていたのだ。

 ホントだったら王家の長男である子の第一子しか男の子が生まれてこない変な呪いと、それがしかもその子が、伝承に言い伝えられた大勇者の力を持つ存在だとか、またとんでもない厄災が起きるとかで・・・。
「はあ?何それ、なんでまたそんなヘンテコな伝承があるの?しかも厄災とか」
 誰だよそんなピンポイントの怪しい伝承を残したアホは・・・。

 俺が心中で今回の変な伝承を伝えたアホについて悪態をついている中で、王様の話は続いていた。

「実は王家のモノのなかで、英雄とされる子が赤毛で瞳の色が黄金に輝く・・・」
 何でも普通なら王家の血筋の者では、例外もなく金髪である事が伝えて来られているのに関わらず、俺とシルフィーとの間の子は、その文献での伝承どうりらしく赤色の髪で、しかも瞳の色が金色という特殊な状態だったからである。しかもその子が誕生する事は、世界に危機が迫っているという前触れに近い事らしいのでのである。

 まあ俺とシルフィーの間の男の子に関しては、その様な事らしい。まあ、そんな事は置いといて、名前に関してはどうやらフィルベルトさんは、過去にシルフォードとなる前の国を救い英雄と謳われた勇者と同じ名であるアレスという名を付けた。
 実際大層な肩書きは言いとして、アレスと言う名も別に悪く無いし、シルフィーも反対しなかったのでその名を男の子に付ける事にした。

 それで厄災とか大勇者とかの文献により言い伝え自体は、俺やシルフィー、そにアレスや家族達には関係が無い事だし、そんな危険な役割を俺は自分の子達にさせる訳には行かないので、もしその様な事態になる前に厄災の芽を摘み取る事を考えているのである。
 幸い俺にはその能力もあるし、女神様という強力なコネクションもあるから、実は殆ど心配等はしていないのであった。

 それに実は俺の子達が生まれた時に、一緒に生まれた聖竜である幼竜はリューイと名が決まった。というより決めていた様である。名付けたのはフィーナ、リンカ、シルフィーの3人で決めたそうだし、幼竜であるリューイもその名を気に入ってるらしいので問題はない。

 結局新しく加わった家族と共に神聖霊の森で、過ごしていた。ついでにシルフィーとの間に出来た男の子であるアレスには、どうやらシルフォードの王家の伝承にあった文献にも書かれていたように大勇者としての称号が既に開花していたのは言うまでもない。だが現状はまだ赤ん坊なので、そんな大役は任せる事は出来ないが、そのうち俺自身が鍛えていこうと考えている。
 それはまた別の話で・・・。

 ~☆~☆~

 そして、そんな事が子供達が生まれて来てから色々とあったし、あれからは何ごともなく平和に過ごしていたのである。



 まあ、なに事もなくとは言っているが、あくまで俺自身単体で解決できた事案であり、それに実は今回なんともいえないがどうでもいい事であったからだ。


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