巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第2章 旅立ち、いえ迷子かもしれない。

2-12 治療のひと段落からの思いがけないトラブル?

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 キュリカの傷がほとんど回復したのを確認して、ユウマは念のため【状況確認・分析】で彼女の状態を確認してみた。
 すると先ほどまで頭蓋骨骨折・首の骨骨折・意識昏睡の状態だったのが、今は健康・睡眠中とでた。

「よかった、どうやら薬の効き目があったみたいですね!」
 ユウマが安心して、キュリカの回復に成功したと、シルフィーとレーネに伝えた。

「ユウマ様、この秘薬を使ったことに対しての対価は? いったい何を求める気ですか?」

「へっ、別に何も要らないですよ、だってエリクサーは貰い物だし、世界樹の葉に関してはここに来る途中で拾った物ですから。 それにしても治って良かったですね」
 ユウマの答えにレーネは、何でそんな聖人みたいな事を、でも彼はいやそんな事は出来るはずが無い、どんな人間だって無償で親切なんか出来ない。

 きっと後で薬剤店の薬剤師たちと同じように多額な請求をしたうえに、嫌がる私達の身体を求めてくるはずに違いないと、過去に自分が体験したことと同じように考えていた。

「姫様、あまり彼には・・・」
 レーネが、シルフィーに何かを言おうとしたが、それより早くシルフィーは、ユウマと話をしだした。

「あっユウマ様、残りのエリクサーはどうしますか?」
 にこやかにシルフィーが、ユウマに残り2本のエリクサーをどうするか聞いてきたので。

「えっと、1本はあちらで寝かせている男性騎士に早く飲ませてやってください。 どうも肋骨と両足の骨を骨折しているみたいですから、残り1本はちょっと使用は待ってください」

 ユウマは、【状況確認・分析】で確認した男性騎士の怪我が酷いので、残り2本のうちの1本をシルフィーに渡し、彼に飲ませてやってくださいと言い、あと1本はどうも先ほど精製した薬と同じように何か試してみたいと考えていた。

 このときレーネは、《ほら、エリクサーを2本出したけど、やはり1本は惜しくなって引っ込めた、ここから何かを要求するつもりだ》と頭の中でユウマへの、態度を悪い方向へ考えだし、この後の話を聞いていなかった。

 レーネが、ユウマはやはり悪人ではないかと考えているとはつゆ知らず、ユウマとシルフィーは話を続けていた。

「えっと、残りのエリクサーはどうするのですか?」
「ええ、ちょっと試したいことがあるので、待っていて下さい」
「あのうレーネさん、ちょっと良いですか?」
「えっ、いや私に近づかないでください!」
「へっ?」
 ユウマが、レーネにある事を訊ね様と声をかけたら、何故か身体を《ビック》とさせユウマから離れ拒んだ。

「レーネ!どうしたの?」
 ユウマの横にいたシルフィーが、慌ててレーネに近づいて、どうしたのと質問したが、彼女が震えていたのを見たユウマが、シルフィーに訊ねた。

「どうしたんですか?シルフィーさん、レーネさんが震えているんですけど、俺何か気に触ることしたでしょうか?」
「いえ、どうしてかわたくしにも解りません?ねー、レーネどうしたの?」
 シルフィーは、震えるレーネの身体をやさしく包み込むように、どうしたのか訊ねた。

「シルフィー様、ありがとうございますだいぶ落ち着きました」
 レーネは、シルフィーに介抱され落ち着きを取り戻し、こんな状態になった事を話し出した。

「かなり昔のことですが、薬剤店に上級ポーションを買い求めにいきました。その時は余りにも値段が高いので抗議していたのですが、どうも話している間に身体の様子がおかしくなり、そこで倒れたのです。この時知らないうちに、媚薬と睡眠薬を嗅がされ、意識がふわふわとしていたのですが、私の身体を触られていたのに気が付き、慌てて悲鳴を上げました。たまたま、巡回中の当時の戦乙女ヴァルキリー騎士団の団長が、私の悲鳴を聞き助けてくれました。後で団長さんに聞いたら、私の他に騙されて酷い目にあった女性が、他にいたそうです」
 レーネは、過去に自分が体験した嫌な思い出を語ってくれ、続きを話し出した。

「それから、何です薬剤師に関する事を、聞いてしまうと疑心暗鬼になり、拒絶反応がでてしまうのです」
 涙を流しながらレーネは、薬剤師に対してわれを忘れて拒絶反応が出ると語った。

《うーん、どうもレーネさんの過去に薬剤店で、とても嫌な思い出があったみたいだ》
 ユウマが、そんな過去があったからあんな態度を取ったのか、と考えていると。

「先ほどは、失礼な態度を取って申し訳ありません。ユウマ様が、そんな奴等と違うのは解りますが、薬剤師と言う言葉には嫌悪感けんおかんを感じ過去に会った事を、どうしても思い出してあんな態度を取ってしまいました」
 レーネは、本当に申し訳ないと、ユウマに、頭を下げて謝罪した。

「いえいえ、気にしないでください。そんな辛い過去があったのですから、しょうが無いですよ、俺が何か気に触る事を言ったのか?と思いましたよ」
 ユウマは、レーネに変なことを言って嫌われたのかと思ったがどうも違ったので安心して謝罪を受け入れた。

「それで、先ほどの話しですけど、あっ、まず俺は、薬剤師と言うわけではありませんから信じてください。たまたま、スキルを持ってしまったのですから」
「えっ、持ってしまったとは?」
「そう言えば、ユウマ様、先ほどもいつの間にか持っていたと、おっしゃいましたよね?」
「はい、ええ言いましたけど、なにか変ですか?」
 ユウマは、先ほどの話しをしようとしたが、薬剤師スキルは、たまたま持ってしまったと話して、その後、レーネとシルフィーに、何故もってしまったかについての質問に質問で返していた。

「えっ、変ですよ、スキルはそんなに簡単に取得できないはずですよ」

「はい、普通は経験を積んでから冒険者ギルドで確認が必要のはずです」

「えーと、そうなんですか? なら何で俺のスキルは・・・? もしかしてですけど、女神様の加護とか関係してますか?」

「えっ、ユウマ様は、女神様の加護持ちですか?」

「なるほど、ユウマ様は、女神様の加護をお持ちですか、なら可能性はありますが、ユウマ様、余りスキルもそうですが、加護持ちであることは、表に出して話さない方が良いと思います」

 ユウマは、レーネとシルフィーにスキルについての話しをして最後にレーネより余り人前でスキルと加護の話しをしないようにと注意された。

「はい、人前で話さないように気をつけます」
 ユウマは、素直に気をつけますといって心の中でレーネに感謝をした。
 そんなユウマをレーネは、先ほどは何故こんなお人よしで、やさしい方を薬剤師と言う言葉で、拒絶してしまったのを少し反省して、これからはユウマの事を信じようと思っていた。



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