巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
143 / 557
第6章 王都シルフォードに到着、城で何かあるかもしれない。

6-16 ・・・そして旅立ち?

しおりを挟む



 何故かシルフィーに対抗して、アリアとメイリーまでもが、ユウマにしがみ付いてる光景を見た全員が語りだした。



「ほぉぉ、なかなかやりおるな。ユウマよ」
「あらあら、まあまあユウマ様ったら」
「まあ、兄貴だから仕方ないか」
「まぁ僕達は気にしませんけど、流石に・・・」
 ・・・・!

 みんなの呆れ気味の声を聞いたが、それは無視をして先程フィリアが言っていた事に対して再度抗議した。

「フィリアさん。悪巧みをするためって、ひどくないですか?俺が何をしたって言うんですか」

「何が仮面の騎士よ。貴方でしょう闇ギルドのアジトを次々と壊滅させて、この付近の盗賊達も根絶やしにしたのは、それにご丁寧にアジトの場所を記載した告発状を私に送り付けたのは」
 フィリアがユウマの方を睨みながらそう話した。
『あれ、どうもすべてばれてるっぽい。いい考えだと思ったのになぁ』

「えっ、どう言う事じゃ、フィリアよ。その話詳しく教えて貰えるか」
「ええ、王様いやフィルベルトあのね、この子は、ユウマはね・・・・」
 この後、事細かくユウマがやっていたであろう事実を王様に説明した。というよりフィリアの言葉使いはいつもの口調に戻り王様の事を呼び捨てで話し出した。

 まあ、後で聞いたら幼少の頃からの知り合いで、元々はお忍びで冒険者をやっていた時からの仲間であったそうだ、そしてフィリアは堅苦しい敬語が苦手みたいだ。

 そして、説明が続き闇ギルド関連の犯罪者共を1人で壊滅に追いやって、しかも誰一人殺さずに丁寧に縛り上げギルドに匿名でアジトを記載した告発状を届けていた事と、その時に仮面をかぶり正体を隠したうえで尋問を行ない今回の首謀者を割り出していた事までも話した。

「なっ、なんと、それはいつの間に、と言うよりユウマよ、何時の間に城を出たのであるのか?」
 王様の言葉を聞き、ユウマは視線をそらしていた。
『ヤッベー、黙って出で行ったのが、ばれてしまう。何とか誤魔化さないと』
「はて、何の事でしょう。俺にはさっぱりわけがわかりません」
 殆ど棒読みで王様の質問に答えた。

 ずっとこちらに視線を送っていた王様が溜息を吐いてフィリアの方に再度尋ねた。
「はぁ、まあしかし、それを何故ユウマがやったと思ったのだ」

「そうですね。それは捕らえた者すべてが声を揃えて仮面の騎士の事を話していましたのと。ここに来てこの子が、ユウマが仮面を着けていたので、もしやと思ったのですよ。それでちょっと鎌をかけたら案の定、正体はこの子で有力な手ががりも、持っていたという事です」
 フィリアは事前に情報を仕入れていたが、黒幕を捕らえるのにどうにも手を出せずにいたらしい。だが今回の式典でユウマが仮面を着けていた事から、黒幕を捕まえる為に利用した事を王様に説明した。

『あっちゃぁ、あいつらにもう少し脅しかけて、余計な言葉を喋らない様にしておけばよかった。・・・うぬぬぬっ』
 このときユウマは、仮面の騎士として噂を広めるつもりだったが、そこから足が付くとは考えてなかったし、まさか大臣が黒幕と思ってなかったので必要以上に脅さなかったのを後悔していた。

 そして、この後みんなに追及されて、仕方なく正直にすべてを話した。
 すると全員に呆れられて冷たい視線と共に溜息を吐かれてしまったのであった。

 ちなみにこの時に、聖碑の村に救援物資を届けた事と、仮面の騎士の噂を広めていた事も、ついうっかり話してしまっていたのであった。
「まさか、あんたそこまでやったの。今、向かわせてる冒険者が必死で情報を仕入れてるのに、殆ど無駄骨じゃない。ユウマ、明日ギルドに来たら覚悟しときなさい。こってり搾ってあげる。もちろん逃げたらただじゃおかないからね」
 フィリアにそう言われた後は、みんなに呆れられてもう少し自重する様に注意されてしまった。


 そして、翌朝早くまだみんなが寝静まっているうちに、王城の裏門でみんなに別れを告げていた。

「えっと、それじゃ、すいませんが。シルフィーさんは一緒に連れて行きますので、後は仮面の英雄と仮面の姫様の葬儀はよろしくお願いします。それじゃ失礼します」
「お父様、お母様それでは、失礼します」

「ああ、元気でやるのだぞ。ユウマよ、娘を頼むな」
「ユウマ様シルフィーをお願いしますね。なにとぞ幸せにしてやってください」
「えっ、いやいや、幸せにする事はしますけど、結婚はしませんからね。そんなことしたら他の子達に殺されます」
 ユウマは、ついつい本音が出ていた。なにせ自分の知り合いに黙って結婚なんてしたらリンチだけじゃすまないと思っていた。

 それは、少女達に再会を果した時に、女の子を沢山引き連れていた事をフィリアがばらした後に、ボコボコにされた事を思い出したからである。
 特にリンカに関しては尋常でないほど怒り狂っていたのである。

 すると王様が笑いながら、とんでもない事実を話してくれた。
「大丈夫だぞユウマよ。この国では、別に多重婚でも罪には捕らわれんからの。ワシはしていないが中には、多重婚しているものはいるからのぉ。ただ気を付ける事じゃ、それを妬む者もおるからのう。はっはっはっ」

 その話を聞き、いや、いくらなんでもそんなことしたら、ただ事じゃすまないとユウマは思っていた。
 しかし、女性陣は知っていたのか、別に気にしてる様子がなかった。
 まあ、ユータとロンはこちらの話には殆ど関心がないのか、今までお世話になった騎士団の人達に挨拶をしていた。
 騎士団の人達もわざわざ見送りに来てくれている。そして、総大将となったレオンさんに色々言われていたみたいだった。
 まあ、内容としては殆ど騎士団へのスカウトされた事を後で教えてもらった。

 まあ、後は立ち去る際には色々言われたが、もうこの城に来る事は無いだろうと思い最後に別れを告げて去ろうとしたが、後ろの方で王様達がいつでも戻って来ていいぞと、たまには顔を見せに来いなど言った後に、来なかったらこっちから行くからなぁ、などと言っていたが全部無視してやった。

 この後はみんなで冒険者ギルドへ向けて出発したのであった。
しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...