インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

文字の大きさ
34 / 66

34:この場所のボスっぽい奴と戦闘?

しおりを挟む
 それで殆ど動けない虫の魔物を次々葬って行き、その石碑と一体化している奴と対峙したのである。

-☆-☆-

 まず、すぐにその場に行くと、その石碑と一体化している奴は、こちらに向けて触手みたいなモノと変なゼリー状の液体で攻撃をしてきた。

「えっ、こいつ!やっぱり虫じゃない?何だよこの触手みたいな奴は、まるで植物みたいな・・・」
 相手の触手攻撃をかわしながらその攻撃してきた触手を、薄い朱色の刀身の剣で斬りつけたが『カキン』という音と共に弾かれた。

 その音は何故か金属音が跳ね返ったような音と、火花を飛び散らせた。

「うげぇっ、今迄の奴と違う!こいつ硬ってぇぇ。あの虫みたいな奴は殆ど一撃で倒せたけど・・・こいつの触手は硬すぎ、それにこの数の触手が結構うざっ!」
 石碑にへばり付きそこから出て来る瘴気を糧に、そいつは新たな虫を今だ生み出している。それに近付こうとした俺を見境無しに四方八方から触手で攻撃してくる。
 しかも変な液体も忘れずに飛ばしてくる。

 しかし、その触手は何故か俺が今持っている剣でも、簡単には斬る事が出来ない。何故か全てが弾かれてしまう結果になっている。ただ弾いた瞬間は一瞬炎のように燃え上がるが、すぐに消えてしまう。

 はっきり言ってよく解らない、弾いた時に切れた感覚はあるのだが・・・。それにさっきまでの敵は簡単に倒せたので、それはアクアが言っていた事を納得でき、弱いという事は解った。

 でもその親玉は完全に別物のようだ、攻撃してくる触手がやたら硬い、そのうえその触手の数は6本あるので1つを弾くと次がすぐ飛んでくる。ただこいつは一気にその触手を使わず最高3本同時しか攻撃してこない。それでも不思議と対処できる自分に実は若干驚いている。

『Gisyagoooo、Jyaaaaa!』
「いや、なんて言ってるから解らないから、それにこいつもしかして先程の奴達と同じで馬鹿なのか」

 触手の攻撃してくる速さは間違いなく、かなり早く次々とこちらを攻撃してくる。しかし、その攻撃をヒビキは簡単に対処して全てを防いでいる。
 何故ならその攻撃は単調で同じ箇所しか狙ってこない、最初は何か狙いがあるのかと思ったが、一向にその攻撃方法は変わらないし、こいつの体液はここまで飛んでこない。むしろ自分で生み出した虫にかかり解けている。

 そのまま今だ触手を弾く金属音と、その場で動き回っているヒビキの姿があった。

 何も知らない誰かが、その戦闘する姿を見たら、確かにすごい攻防が繰り返されていると思うだろう。でも、ここでは誰もその様子を見ていないし、唯一のこの状態を見れる人物は、湖にいるアクア達だけであるが、ちょうどその場所からでは、ヒビキの様子は全く確認できないのであった。

 しかもそのアクア達は、この場所には絶対近付こうとしない。というより近付きたくないようである。
 もし、俺がやられていたらどうするんだと思うが、信頼されていると解釈するしかない。

 しかし実はヒビキが石碑の場所で攻防を繰り広げている間に、アクアと水竜アクアドラゴンであるシーちゃんは、のんきに水面を漂いながらヒビキが自分達を呼ぶのを待っていただけで、そこで行なわれてる戦闘には全く興味が無かったのであった。
「シーちゃん、アクアもう退屈だよ。ヒビキ早くあの嫌な虫達消してくれないかな。気持ち悪いモンねあいつら。なんであんなのがいるんだろうね」
『クックゥゥ?』
「あっ、もう一つヒビキに教えるの忘れてた・・・。まっ、いいかっヒビキなら大丈夫だよね、シーちゃん!」
『くっぅ!?』
 アクアはある事をヒビキに伝え忘れていたが、問題ないだろうと勝手に解釈していたのである。
 それはアクアが嫌いな奴らを生み出しているその親玉が、そいつらとは別物である魔物だという事を伝え忘れていたのであった。もう、既にヒビキは対立しているので、今となっては問題ないのであった。

 それでそのヒビキは今だ攻防を繰り返していたが、ついに相手の・・・石碑の張り付いている奴の様子と先程まで生まれていた虫だったモノが虫としての形成を保てなくなりだした。それはすべてが液状のスライムのようなモノに変化し出したのである。

「はぁ?どう言う事だ?こいつら結局、虫でもないのか?よく訳が解らん」
『Gugobogooo!?』

 それに伴い先程まで硬く速い触手の攻撃は次第に遅くなり、そしてヒビキの振るう剣によって斬り刻め出したのである。それにその斬りつけた触手から炎の様なモノがその触手を燃やし出したのであった。

 どうやら先程から硬い触手を攻撃した時に、弾かれていたが浄化の炎で触手を操るそいつを弱らせていたようだが、そこには全く気が付いていなかった。

『Gisyaaaa、Daaaataaa!』
 怪獣を思わせるような叫び声と共に、自分の燃えている触手を振り回し、必死にその炎を消そうとしているが、余計に燃え広がり最後はその自分の触手を切り離したのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢(濡れ衣)は怒ったお兄ちゃんが一番怖い

下菊みこと
恋愛
お兄ちゃん大暴走。 小説家になろう様でも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】能力が無くても聖女ですか?

天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。 十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に… 無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。 周囲は国王の命令だと我慢する日々。 だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に… 行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる… 「おぉー聖女様ぁ」 眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた… タイトル変更しました 召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...