インフィニット・ファンタジアライフ

桜華 剛爛

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40:沼にあった石碑?

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 それで、そんな事を考えて急いで沼のある場所まで戻ってくると、不思議な現象が起きていたのだった。

-☆-☆-

 それはあきらかに、最初に沼を見たのと違う光景が目の前に映ったのである。
「なっ、なんだこれ?さっきまでと様子が違うぞ・・・なんなんだこの木の根は?」

 目の前には湖から木の根らしいモノが、沼の上、ちょうど水中に瘴気をだす石碑のに向かって伸びていたのである。それは意図的に、木の根が沼の中心にある石碑付近に近づけるように伸びたような感じであった。

 まあ、恐らく世界樹ユグドラシルの精であるマナが、俺の為に・・・かどうかは解らないが石碑を浄化しやすいように、してくれた事なのだろうと思う様にした。
 何せこの木の根の伸び方は、はっきり言って不自然すぎると思われるのである。何故なら安全な湖の水中から1本だけが伸びてきて、沼には出来るだけ近付かないように、その根が伸びているのであった。

 ただ問題なのは、やはり沼の水には近付きないのか、その木の根は石碑の上部のかなり高い位置に伸びていて、しかもその場所に近付くと心なしか細くなっている様な感じがしたのであった。
「うーん、確かに前の状況とはかなり変わってるけど、ここから俺にどうしろと・・・まさか、あの部分にぶら下って浄化しろとでも言うのか?アクアが居ればなんか解りそうだけど、まだ機嫌が治んないのかな」

 状況を見る限りでは、この木の根を利用して瘴気を出す石碑を、浄化すれば問題ないと思う。しかし、現状ヒビキは、この状況をどうすればいいか考えてみたが答えは見付らない。

 まあ、もしこの場にアクアがいれば世界樹ユグドラシルの精であるマナ、アクアの母様に確認を取ってもらえる筈なのだが、現状何故かアクアは機嫌を損ねて世界樹ユグドラシルのある島に戻ってしまっている。
 しかも原因がなんなのかヒビキには全く解らないし、何かした覚えもなかったのである。それに去り際には臭いとまで言われてしまった状態であったのだ。

 それで、とりあえず何の為に木の根が伸びて来たのかは解らないが、一応それに登り石碑の側まで行ってみようとヒビキは考え、木の根を登りその場所に向かったのである。

 しかし、この行為は実は余り良くなかったのであった。それは一人で行なおうとしたのと、根の部分がそんなに丈夫でなかったと言う事だったのである。それにアクアがいたら一旦止めて、次の日に行なう様に助言出来ていたのであったのだ。
 実は世界樹ユグドラシルの精であるマナも、いっきには木の根を丈夫に延ばすことが出来ず、ある程度伸ばして時間を掛けその根を強化する予定であったのだが、まさかすぐにヒビキその部分に登ってしまうとは考えていなかったようだ。

 それで案の定、水中で瘴気を出している石碑の上部に着いた時に、その木の根が折れてしまったのである。まあ、幸いしたのは石碑の上まで来た時であったが、折れた木の根の部分は沼に落ち、何故か煙をあげ溶けてしまったのである。

「まっ、マジですか・・・やっ、やばい、このままじゃ・・・俺、死ぬかも・・・誰か助けてくれないかな・・・」
 その溶けていく折れた木の根を見ながら、これは冗談抜きでヤバイと考えていた。しかもその溶けた時に発生した煙は、物凄い異臭と目にしみる煙であったのである。

「ゲホッ、ゲホッ・・・なんだこれ臭すぎるし、目がしみる誰か助けて・・・くぅぅぅ、ゲホッ、ゲホッ」
 石碑にへばり付き目を瞑った状態で、必死に耐えていた。

 現状は石碑に抱きついた状態であるが・・・もう、いつ沼に落ちてもおかしく無い状態であった。

 それでついに我慢出来ず、愚かな行動に出てしまったのである。
「とっ、とりあえずこの石碑を浄化しよう。もしかしたら助かるかもしれない・・・」

 ヒビキは、決心して石碑を浄化する為に力を込めた。ただ、今迄だったらどちらかの手の平にというより、腕に力を集中するのだけど、このときは石碑に抱き付いて自由が利かないうえに、沼に落ちないようにしていたので、おのずと両腕に力が入っていたのであった。

 しかし、実際はこの状態で浄化をするべきでは無かったのである。それは、浄化と同時に石碑が水晶に変化した事により、手をかける場所がなくなったのであった。
 今回はホントに不運と言うしかなかったのある。
 今迄の水晶は殆どが角ばったモノであったが、今回のは丸いうえに、つるつるの黒水晶であったのだ。

「えっ・・・うっ、うそだろぉぉぉぉ」
 つるっと手を滑らせ・・・そのまま『ドボン』と、どす黒い沼の中に落ちてしまっていたのである。

 そう案の定、ヒビキは浄化して水晶に変化した途端に、水晶を掴もうとしたが、今回の水晶は表面は丸く、しかもつるつるだった為に、手を滑らせ叫びながら毒の沼の中に落ちてしまったのであった。
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