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第一章:第一節
3:大魔王もビックリ?
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しかしこの思いは、杞憂に終わった。
なぜかと言うと、エリザが抱き上げ手を放してしまった赤ん坊が、エリザの胸にひしっと、しがみ付いていたからであった。
これに関しては当事者であるエリザはもちろん、その光景を見ていたマリーも目を白黒させ驚いていた。
「エリザ様に触れて・・・ひきつけを起こさない子なんて私・・・初めて見ました。しかも、よく見たらこの子・・・男の子ですよ。普通だったら弱っているから死んでしまいますよ。それなのに必死にしがみ付いているなんて、考えられませんよ」
マリーが不思議に思いその様に語りながら、いまだ気絶している少女と、もう一人の女の子の赤ん坊を抱き上げた。
その言葉を聞きながら一番驚き不思議がっていたエリザが語った。
「一番驚いているのは、私なんだけど?よくよく考えたら私、赤ん坊にこんなに長く触った事が無いわよ。しかも自分からしがみ付いて来る子なんて、初めてよ」
エリザはその様に語りながら、しがみ付いていた赤ん坊を抱きなおした。
それに今迄は殆どの子供達は初見ではエリザが近付いただけで、ひきつけを起こし泡を吹きよくて気絶、悪くて死亡していたはずだ、それに例え少しでも耐性があったとしても恐怖で子供達の思考は停止していた。
なので今迄まともにエリザに近づけた子供はおらず、エリザもまともに子供に触った事がなかったのである。
しかも子供は特にだが、大人でも男性であれば、近づくだけで泡を吹き倒れるか、もし耐性があっても膝を折りひれ伏すという結果になっていたのだ。
それはエリザの大魔王と言われる根源である魔力の巨大さと、身体から漏れ出す王の覇気と魔素によるものである。
しかし、エルザ自身は子供好きであったのだが、この身体の為にどうしようも無いとあきらめて、考えないようにしていた。それなのに今回その事を忘れていて、咄嗟とは言え1回は手を放し自分にしがみ付いちた赤ん坊を抱きながら不思議になり声をだした。
「なのになぜかしら、この子は平気どころか・・・自分から私にしがみ付いていたわよね?そう思わないマリー」
しがみ付いた赤ん坊を再度抱き上げ顔を除き込んだら、どうも先程命を削って魔力に変換していた影響なのか若干その赤ん坊の顔が青ざめていたので、エリザはすかさず回復魔法をかけた。
するとその赤ん坊の顔色は精気を取り戻し、そして安心するようにエリザの胸でスヤスヤと、安らかな顔をして寝息をたて眠りについたのであった。
「しかし、不思議な子ですよね。確かに私も初めて見ましたよ。しかもエリザ様に抱かれて、こんな安らかな寝顔で寝てるなんて・・・?」
「あらっ、この子の魔力が回復しだした。・・・えっ、私から魔素を吸収しているの?」
エリザが自分から漏れでている魔力を、この赤ん坊が吸収して自身の魔力を回復しているのを感じとって不思議に思っていた。
何せ、大魔王であるエリザの魔力は、通常の魔力と違い毒にも等しい魔力なのだから、ましては人族に対しては特に害になる魔力を赤ん坊が、安らかな寝顔で吸収していた。しかもこの赤ん坊は聖なる気の魔力を放っていたのに、いよいよエリザの魔力を吸収するとは考えられなかったのだ。
この世界では使用できる魔力には、色々と存在していた。しかも複数の力があった。
まずはこの世界で一番数多く存在しているのが魔素で、これは吸収する種族によって己の体内で自分の力、魔力に変換する。
たとえば魔族で多いのが魔の力が濃い魔力へ変換でき、獣人族は体内にある気孔へ、それにエルフやドワーフなどの妖精族は精霊の力である聖霊気へと変換している。
ただし人族に関しては事実上万能であり、魔素を極平凡な魔力や聖なる力の魔力へ変換できる。まれに精霊の力である精霊気や体内にある気の気功などを使用できる人族もいるのである。
ただ神族と天使族などは魔素でなく、聖なる気、聖光気や神なる気、神光気等があり、これもまれに人族の中にも存在していたのである。
しかし、基本的に魔力はその性質上、同じ性質の魔力か身体の内部で生成される魔力でないと吸収、補充できないのだ。 だがこの赤ん坊は、エリザが今抱いている赤ん坊は、直接エリザの漏れ出した魔力を問題なく吸収しているのだった。
そのうえ、エリザの腕の中で安らかに眠っていて、なおもエリザにしがみ付いているのだった。
なぜかと言うと、エリザが抱き上げ手を放してしまった赤ん坊が、エリザの胸にひしっと、しがみ付いていたからであった。
これに関しては当事者であるエリザはもちろん、その光景を見ていたマリーも目を白黒させ驚いていた。
「エリザ様に触れて・・・ひきつけを起こさない子なんて私・・・初めて見ました。しかも、よく見たらこの子・・・男の子ですよ。普通だったら弱っているから死んでしまいますよ。それなのに必死にしがみ付いているなんて、考えられませんよ」
マリーが不思議に思いその様に語りながら、いまだ気絶している少女と、もう一人の女の子の赤ん坊を抱き上げた。
その言葉を聞きながら一番驚き不思議がっていたエリザが語った。
「一番驚いているのは、私なんだけど?よくよく考えたら私、赤ん坊にこんなに長く触った事が無いわよ。しかも自分からしがみ付いて来る子なんて、初めてよ」
エリザはその様に語りながら、しがみ付いていた赤ん坊を抱きなおした。
それに今迄は殆どの子供達は初見ではエリザが近付いただけで、ひきつけを起こし泡を吹きよくて気絶、悪くて死亡していたはずだ、それに例え少しでも耐性があったとしても恐怖で子供達の思考は停止していた。
なので今迄まともにエリザに近づけた子供はおらず、エリザもまともに子供に触った事がなかったのである。
しかも子供は特にだが、大人でも男性であれば、近づくだけで泡を吹き倒れるか、もし耐性があっても膝を折りひれ伏すという結果になっていたのだ。
それはエリザの大魔王と言われる根源である魔力の巨大さと、身体から漏れ出す王の覇気と魔素によるものである。
しかし、エルザ自身は子供好きであったのだが、この身体の為にどうしようも無いとあきらめて、考えないようにしていた。それなのに今回その事を忘れていて、咄嗟とは言え1回は手を放し自分にしがみ付いちた赤ん坊を抱きながら不思議になり声をだした。
「なのになぜかしら、この子は平気どころか・・・自分から私にしがみ付いていたわよね?そう思わないマリー」
しがみ付いた赤ん坊を再度抱き上げ顔を除き込んだら、どうも先程命を削って魔力に変換していた影響なのか若干その赤ん坊の顔が青ざめていたので、エリザはすかさず回復魔法をかけた。
するとその赤ん坊の顔色は精気を取り戻し、そして安心するようにエリザの胸でスヤスヤと、安らかな顔をして寝息をたて眠りについたのであった。
「しかし、不思議な子ですよね。確かに私も初めて見ましたよ。しかもエリザ様に抱かれて、こんな安らかな寝顔で寝てるなんて・・・?」
「あらっ、この子の魔力が回復しだした。・・・えっ、私から魔素を吸収しているの?」
エリザが自分から漏れでている魔力を、この赤ん坊が吸収して自身の魔力を回復しているのを感じとって不思議に思っていた。
何せ、大魔王であるエリザの魔力は、通常の魔力と違い毒にも等しい魔力なのだから、ましては人族に対しては特に害になる魔力を赤ん坊が、安らかな寝顔で吸収していた。しかもこの赤ん坊は聖なる気の魔力を放っていたのに、いよいよエリザの魔力を吸収するとは考えられなかったのだ。
この世界では使用できる魔力には、色々と存在していた。しかも複数の力があった。
まずはこの世界で一番数多く存在しているのが魔素で、これは吸収する種族によって己の体内で自分の力、魔力に変換する。
たとえば魔族で多いのが魔の力が濃い魔力へ変換でき、獣人族は体内にある気孔へ、それにエルフやドワーフなどの妖精族は精霊の力である聖霊気へと変換している。
ただし人族に関しては事実上万能であり、魔素を極平凡な魔力や聖なる力の魔力へ変換できる。まれに精霊の力である精霊気や体内にある気の気功などを使用できる人族もいるのである。
ただ神族と天使族などは魔素でなく、聖なる気、聖光気や神なる気、神光気等があり、これもまれに人族の中にも存在していたのである。
しかし、基本的に魔力はその性質上、同じ性質の魔力か身体の内部で生成される魔力でないと吸収、補充できないのだ。 だがこの赤ん坊は、エリザが今抱いている赤ん坊は、直接エリザの漏れ出した魔力を問題なく吸収しているのだった。
そのうえ、エリザの腕の中で安らかに眠っていて、なおもエリザにしがみ付いているのだった。
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