小さな怪獸

枝浬菰

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学園祭までの準備期間

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9月初め
ちょうど夏休みが終わりこれから学校が始まる時の一時。

9時 1時間目 総合 2年2組
「えーでは今日は学園祭の出し物について話し合ってもらいます学園祭委員は前に出てきて進行してください!」
柳先生が学園祭委員に手綱を渡す。


「えーでは、何をしたいかまず意見を出してください!」
学園祭委員の東雲萌恵しののめもえが喋り出す。
「はいはい!」

「はい神田君」

「俺! 食べ物屋がいい!」
「俺も」

「他の意見ありますか?」
「はい、劇とか?」
油目良あぶらめりょうは黒板に書く。

「劇はだるい」

「じゃ他に無いんなら多数決で決めよう!」

「じゃー多数決にしましょう! 意見が2つあるので頭隠してください」
先生以外頭を隠す。クラスの人数は40人なので、

「じゃー食べ物屋がいい人手あげて!」
(35ともう決まりじゃねぇか)

「劇がいい人手あげて!」
(2人?)

「はい、顔あげていいよ!」

「35と2 って食べ物屋で決定だな」
中途半端な数字にクラスがざわつく

「じゃぁ決定にしますね、それでどんなことがやりたいですか?」

「俺メイド喫茶、女子がミニスカ履いて接客すんの」
男子は盛り上がるが女子からの冷たい目線が黒板に記入する良に集まる。

「佐原きも」
「却下で」
女子からはばっさり切られた。

「そしたらさー男女逆の喫茶は?」
「それって男装女装喫茶ってこと?」

「それいい!! 静香がちょーミニスカ履いてご主人様とかやったら男の俺でもイチコロだわ」
主人公の大和静香やまとしずかに注目が集まった。
容姿は美少年で小さく身長が150cmしかないため見た目から可愛いがクラスからの印象だ。

「は!? なんで俺がミニスカ!?」

「女顔のお前にはちょうどいいと思うけどな」

「却下却下!!」
「俺も賛成!!」
賛成意見のほうが多い中幼馴染の良が意見を出すと

「ちょっりょうてめー」
静香が良に殴りにかかろうとするが柳智やなぎさとしに止められた。
「ちょっ智離しやがれ」

「離しちゃダメだからね」

「落ち着けってまた多数決にしよう」
と柳先生は意見を出したが、静香は拒否した
「俺は断固反対だからな!!」

「他に反対の人いますか?」
「俺は女装やだ」

「じゃ他に意見出して」
矢沼やぬま! 心配無用、女装役は全て静香がやってくれるから!」

「おい、何勝手にきめてんだ!!」
静香が佐原のとこにかけよろうとするがまたしても冷静な智に止められる。

「喧嘩はいけないぞ!」
智は静香の上着を掴む

「あぁもう」
「じゃ一度多数決をするので伏せてください、先生お願いします」
良が先生に多数決をとってほしいとお願いした。

「はいはい」

「?こら大和伏せなさい」

「どうせ俺は反対だからな」

「皆賛成だと思うぞ、俺もお前の女装姿見たいからな、なんと言っても学祭1位に輝くぞ!!」
先生は笑いながら言った。

まじかよ…

そして全員の意見は一致して39、反対が1という結果になった。

決定したその日の放課後花田はなだが静香を捕まえていた。


「おい、俺そろそろ部活行きたいんだけどー」
どうしても部活に行きたい静香と女装をさせたい花田が揉めていた。

「まだダメ」

「なんでー?? もう俺今日は疲れたんだよ」

「じゃなおさら部活行かない方がいいんじゃない」

「ストレス解消に部活に行きたいです」
「諦めな」
と近くにいた良が意見を出した。

教室にいるのは東雲、静香、良、柳、佐原、吉原よしはらだった。そこに

「持ってきたよ!!!」

良の目の前に持ってくると柳が静香の体をガシット掴む

「おい、なんだよ」
「ごめん」

「じゃ私らは外で待ってるから油目お願いね!」

「了解」

女子は教室から出ていき佐原はカーテンを閉め静香は落ち着きがないが良は用意をする。


「それじゃぁ佐原やりましょ!!」
「ラジャ」
柳は肩から静香の手首を後ろ手で持つ。


佐原は静香のズボンのべルトに手をやりカチャカチャと外していく

「へ!?」
と声が漏れ、ズボンを降ろされてしまった。

「ちょっおま…お前何しやがる!?」

佐原は面白半分かいきなり静香のあそこをパンツの上からギュッと握った。

「ひゃっ…殺す」
「やっぱり静香って男だったんだなー、つまんねぇー」

「てめー佐原こっちこい殴ってやる」

「殴れるもんならこっちに来てみろよ」


静香が必死に柳から逃げようとしていたが良に目隠しされた

「ちょっなにこれ良、てめぇーも後でボコボコにしてやる」
「喧嘩よくない」
唯一落ち着きのある柳が静香をたしなめる。

「佐原も静香にちょっかいだすな」
「ほーい!」

良が佐原にあるものを渡す、良は静香の髪にウィッグを付けた。

そして完成!!
静香を椅子に座らせ女子たちを呼びに廊下に出る。

「終わった、めっちゃ可愛い」

女子たちが入ってきて椅子に座っている静香を見ると

「え!? 本当にこれ大和なの?」

「そうだぜーもう女子だよなww」

「これはもうレア中のレアですよ」

「鼻血出そう…。」

「おい! お前等いい加減にこれ外せ」
未だに目隠しをされ自分がどんな姿になったのか分からないでいる静香は椅子に座りながらも激怒していた。

「外したらお前逃げるだろ」

「当たり前だろ、てか何これすぅすぅするんだけど」

「鏡の前で外してやろうぜ」
佐原がにやにやしながら、教室にある唯一の鏡の場所に静香を誘導する。

「静香こっちこっち」
「は?? 痛ってえー」

静香は足を机に当たってしまった。

「ゴメンゴメンでは静香行くよーじゃーん!!」

「!? んだよこれ…」
ウィッグを外そうとするが何故か外れなかった。

「ちょ、てかスースーすると思ったらスカートってまじお前らいい加減にしろし」

「静香ちょっとこっち向いて」

「は? 何?」
良はウィッグの上にカチューシャをつけてあげた

「ヤバイ、ヤバすぎるってww」
可愛さと面白さで悶える女子達
静香は佐原を殴り教室を出ていってしまった。
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